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代表ブログ 2011-2020

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2020年

新型コロナウイルスで航空機リース契約はどうなる?

投稿者 Bush吉田 2020年03月31日

また、新型コロナウイルスに絡んだ話です。

航空機、船舶、海上コンテナなどの大型物件のオペレーティングリース事業を行う匿名組合に出資する法人クライアントが多くあります。

匿名組合の事業の流れを、航空機のオペレーティングリース事業を例にして簡単に説明します。

  • 匿名組合は出資者からの出資金と金融機関からの借入金を資金源としてボーイング社やエアバス社などから航空機を購入します。
  • その航空機をエアライン(航空会社)にリース期間を定めて貸し出します。
  • 最終的には、リース期間中にエアラインが購入選択権を行使して航空機が買い取られることがほとんどですが、購入選択権が行使されずにリース期間が満了となった場合には航空機は市場で売却されます。
  • 匿名組合契約が終了し、出資金と利益が出資者に払い戻されます。(終了前に随時払い戻されることもあります。)

なぜ、このような匿名組合に出資するかと云いますと、節税策として大きな効果があるからです。
匿名組合では、航空機のリース料収入が売上となり、航空機の減価償却費や借入金利息、運営委託費が費用となります。半年ごとや1年ごとといった一定の期間ごとに決算が行われ、その利益や損失は出資者に対して出資持分に応じて帰属する仕組みになっています。

航空機の例では、リース期間の前半(特に初期)に、リース料収入を超える航空機の多額の減価償却費が計上されることから、匿名組合に多額の損失(赤字)が計上されることとなります。
その損失(赤字)が出資者に対して出資持分に応じて帰属することとなることから、会社に多額の損失を計上することができ、利益を圧縮できるという仕組みです。

この損失は、出資額まで損金算入することが認められており、短期間に多額の損失を計上することができます。例えば、5,000万円を匿名組合に出資した場合には、初年度に多額の損失を計上し、2年目~3年目で損失が5,000万円に達するものが多いです。
出資額を超えた損失は、リース期間後半の利益や最終的な航空機の売却益と相殺されます。
リース料収入、減価償却費や借入金利息などの費用は事前に把握できることから将来の損益が固定しやすく、計画的に将来への税の繰り延べができるため、決算対策(利益圧縮)や事業承継対策(自社株式評価額圧縮)として利用されるのです。

なお、最終的には、航空機売却による多額の利益が計上されることとなります。

新型コロナウイルスが世界中に蔓延しはじめました。
その感染防止のため、世界中の国々で入出国が制限され、人々の動きがストップしています。
エアライン各社は定期便の欠航や運休で売上が大幅に減少しています。
財務体力がなく手元資金が少ないエアラインは倒産リスクがあるでしょう。
先日の新聞にエアライン各社の手元資金水準の記事がありました。
(日経朝刊2020年3月19日)売上高比で、デルタは0.8ヵ月分、アメリカンは1.1ヵ月分、ルフトハンザは1.1ヵ月分、シンガポールは1.1ヵ月分、ANAは2.2ヵ月分、JALは2.6ヵ月分と報じられていました。
外資系のエアラインの手元資金が意外なほど少ないことに驚かされました。
もっとも、新興国やLCCのエアラインは財務基盤がさらに脆弱なところが多いようです。
新型コロナウイルスの感染が短期間で収束せずにこのまま人々の動きが停滞するとエアラインは倒産を免れません。

もし、エアラインが倒産した場合、航空機のオペレーティングリース事業を行う匿名組合はどうなるのでしょうか?

貸出先のエアラインが新興国やLCCの場合には別のエアラインに引継がれるとは限りません。
最悪の場合、リース期間の中途でリース料収入がなくなり、出資金を大きく毀損する可能性があります。
過去に、リーマンショックの翌年の2009年にJALが破綻し、2010年11月民事再生法が適用されました。
しかし、稲盛和夫氏の陣頭指揮の下、2012年9月に短期間のうちにV字回復し、見事に再上場を果たしています。
このときJALの航空機のオペレーティングリース契約は、中型機を中心に条件が厳しく見直され継続されたようです(大型機については契約解除となったものもあると聞いています)。

いずれにしても、新型コロナウイルスによる想定外の事態が起こりました。
人々の動きを閉鎖する緊急事態が長引けば、世界中のエアラインが経営危機に陥る可能性があります。
オペレーティングリース事業を行う匿名組合には、航空機以外にも船舶や海上コンテナなどの大型物件を対象としているものがありますが、いずれにもしても、貸出先の財務基盤をよく調査することが必要です。

さらに安全を期するならば、保険会社の最低保障価額が設定されたものに出資することかもしれません。
そして、今回の新型コロナウイルスのようなリスクもあり得ることを認識した上で、慎重に意思決定することが肝要です。

新型コロナウィルスショック どう対応する?

投稿者 Bush吉田 2020年03月19日

 前回のブログでも触れたように、今年の確定申告の期限は新型コロナウイルスの影響で1ケ月延長され4月16日までとなっています。

しかし、事務所ではこれからの業務を考慮して例年通りのスケジュールで動いていますが、残念ながらまだ申告が済んでいないクライアントが約30件ほどあります。

これは昨年10月からの消費税の税率引き上げや食料品等の軽減税率の導入で煩雑な処理をしなければならず、処理に手間が掛っていることや、新規にクライアントとなった法人の多くが12月決算法人(原則2月末申告)であったことなどからスケジュールがままならず、結果、遅れてしまっているように思います。

ここのところ、外資系企業が12月決算法人でその影響か?流行なのか経営者は会社設立に当たって12月決算を希望する傾向にあります。

また、今年の確定申告は複雑な不動産譲渡も多かったことも拍車をかけたこと思います。

クライアントから申告期限が一か月延びたのだから、「ゆっくりでもいいでしょう?」と資料が集まらない先もあります。

言い訳がましいことを書きましたが、今年はいろいろと大変で事務所にとって、異例な申告期限の1ケ月延長の措置に助けられたような状況です。

 ところで、新型コロナウイルスが世界的に拡大(パンデミック)し、大変なことになりそうです。
人々の行動が自粛ないし制限され、不特定多数が集まるところには感染リスク高いとのことで、セミナー、宴会、旅行、イベント開催などが次々に中止されて、経済活動に大きな影響が出始めています。

 実は、4月に事務所主催で行う予定だった異業種交流ゴルフコンペも新型コロナウイルスが終息するまで延期としました。楽しみにしておられたクライアントの方々などには大変申し訳なく思っています。また、例年4月に開催していた税制改正セミナーも延期としました。
主催する側としてリスクを回避する義務があると延期を決めました。
新型コロナウイルスが少しでも早く収束に向って欲しいと思います。

 連日、トップニュースでは新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大していることが伝えられ、人々の活動が停滞して実体経済が不況になる懸念されています。
世界の株式市場が大暴落となっていることから、リーマンショック以上の不況になるのではないかとの見方があります。
感染の収束の見通しがあれば回復すると思います。
世界的にパンデミックになった今、日本のような国民皆保険制度で医療水準が高く致死率が低い国ばかりでないので、収束までには相当の期間を要し、また、その収束に向けては治療薬の開発が決め手であり、少なくともこの先1~2年かかるかもしれません。

その間に、資金力のない中小企業は資金繰り難で倒産してしまうでしょう。

先日、日本政策金融公庫の担当者が事務所に来所され、今の様子をお聞きしたところ、融資希望者が殺到していて休日返上で対応しても事務処理が間に合わないとのことでした。
資金力のない零細企業から優先して迅速な融資実行をやって頂ければと思っています。

最後に、新型コロナショックへ対応していくには、借入をしてでも年間の経常支出を賄える程度の手元資金を準備しておくことが重要でしょう。

今年の確定申告は異常です。

投稿者 Bush吉田 2020年03月09日

 今年の確定申告は異常なことになりました。

 新型コロナ肺炎が日本にも広がりはじめ、確定申告期限が4月16日まで延長されました。
私が税理士業務をはじめてから38年経ちますがこんなことは初めてです。

 1月末にある金融機関で毎年恒例となっている確定申告のセミナーを行いました。
会場は満席で参加者の多くが高齢者の方であったので、セミナーの冒頭挨拶の中で新型コロナ肺炎のことについて触れました。
今回の新型コロナ肺炎は中国の武漢から広がり、高齢者が罹患すると重症化しやすいと専門家は語っていました。
そんな報道もあり、
「中国人が春節の休みに大勢日本に観光に来るので感染が心配だ、近づかない方がよい」
と申し上げました。
 そしてセミナー後に行われたアンケートに受講者の一人からこの発言は問題だ、と書かれており、大変ショックを受けました。
誤解を招くような発言だったかもしれないと反省しました。

 しかし、私は中国に対しては偉大な国だと認識しており、少しも偏見意識を持っていません。奈良時代から平安時代、隋や唐に日本から命がけで留学生(遣隋使や遣唐使)を朝廷から派遣していました。当時、唐は世界のGDPの70%を占めていた超先進国でした。
遣唐使は国際情勢や最先端の文化・法律・科学・宗教を学んで朝廷に持ち帰ってきたのです。
遣唐使には空海、吉備真備などは歴史上の偉人がいます。
現在、日本と貿易相手国のシェアも中国が圧倒的に一番多い国です。
日本語の文字(漢字→ひらがな)は中国から導入したものです。われわれのご先祖さまの多くが中国大陸から来て、日本人の遠い故郷だとも云えます。

 現在、新型コロナ肺炎が世界中に広がりはじめています。
軽率?な発言が現実化しましたが、世界中で入国制限が行われことになるとは予測できませんでした。

 ところで今年の確定申告ですが、今年の特徴として不動産をはじめ有価証券の譲渡所得が多くなっています。
それも、単純な譲渡はほとんどありません。
特に多いのは相続税申告後3年以内の譲渡で、譲渡原価に相続税の取得費加算が適用できるものです。さらに、相続後の譲渡で先代以前が購入時の取得費が判明する契約書などを紛失して、当時の購入価額が不明なものが多く持ちこまれています。
取得時期は不動産情報や株主名簿管理人情報で判明しますが、取得価額が不明ですと便宜的に、売った価額の5%で申告することもできます。
しかし、概ね昭和40年代以降ですと売却価額の5%を取得費とすると安すぎてしまい、その分、譲渡所得税が多くなり納税者にとって不利になってしまいます。
こんな場合は取得価額を合理的に推定して申告することもあります。
取得価額の合理的な推定には時間を要し議論も尽くさなければならないことから、確定申告の進行が例年になく遅れています。

確定申告期限が一ケ月間延長されましたが、相続税や法人税の申告期限については延長の情報はありません。
ですから、確定申告だけ特別というわけにもいかず、ただいま事務所では全員が一丸となって例年通り3月16日までに何とか終わらせるよう頑張っています。

 新型コロナ肺炎による経済の下振れから、顧問先企業は経営上相当影響を受け始めています。
2月以降、飲食業やサービス業の売上不振、製造業の操業停滞などから、業績が急激に悪化し始めています。
そのため資金繰り対策として3月10日、当事務所において政府系金融機関をお招きして緊急融資相談会を開催する予定です。

このところの世界中の株式市場の株価の下落状況を見ていると、新型コロナ肺炎の広がりが長引くと経済活動に大きなダメージを与え本格的な不況に陥ってしまうのではないかと懸念しています。
137日後に迫った2020年東京オリンピック開催も心配です。

最後に、私どもも自分だけは平気だと他人事とはせず、日々の体調管理につとめ、また罹患された方々には早く治癒され健康を取り戻して頂くこと、新型コロナ肺炎の広がりが一日でも早く終息して、世界中の混乱が治まることを祈っています。

2019年

「不相当に高額」な役員退職金の損金不算入の東京高裁判決

投稿者 Bush吉田 2019年07月17日

 最近、事業承継などで先代経営者が退職する相談が多くなっています。
税務実務上、役員退職給与の「不相当に高額な部分」の判断が極めて重要となります。

東京高裁の判決を紹介します。
X社はミシン部品等の製造販売業で、年商13億5千万円、資本金4,950万円、H20年10月に死亡した代表取締役A氏への役員退職金4億2,000万円を役員退職慰労規定等に従い株主総会の決議により支給した。その事業年度H21年8月期の役員退職金支給後の課税所得は6,391万円でした。
ちなみに、役員退職金4億2,000万円は、最終月額報酬240万円×勤続年数27年×役員倍数5倍×功労加算1.3倍で算定されています。

三条税務署はH26年7月の税務調査で、役員退職金4億2,000万円のうち、2億1,124万8千円を超える2億875万2千円は「不相当に高額な部分」であり損金として認めない更正処分を行いました。

X社は更正処分に対して、H27年12月に東京地裁に更正処分等の取消しを提訴し、H29年10月に一部取消しを認める判決を受けています。東京地裁の判決は、役員退職金4億2,000万円のうち、3億1,687万2千円までを役員退職給与として認め、更正処分の一部(1億562万2千円)を取り消すという内容でした。

しかし、国はこの第一審の東京地裁判決を不服として控訴し、H30年4月に第二審で東京高等裁判所は一審判決を取り消して国が行った更正処分等を適法とする逆転判決を下しました。
その内容は、功績倍率6.49倍(役員倍率5倍×功労加算1.3倍)により算出した役員退職給与のうち、平均功績倍率3.26倍を超える「不相当に高額な部分」は損金として認めないというものでした。
つまり、A代表取締役への死亡退職金は過去の職務執行の対価として客観的に明らかでなく、同業類似法人の功績倍率の平均値を上回る部分は常に「不相当に高額な部分」として、対価性がなく損金とならないと判示したと云えます。

なお、国側が採用した平均功績倍率3.26倍は、Ⅹ社の近隣の新潟県内の「金属製品製造業」を基幹事業としている同業類似法人から倍半基準(X社の売上金額の半分以上2倍以内)によりサンプリング抽出した5社の功績倍率の平均値から算出されています。
ちなみに、サンプリングされた5社の功績倍率は次の通りです。

法人名退職給与額最終報酬月額功績倍率
A社1億2,400万円80万円4.31
B社1億1,400万円274万円3.09
C社1億8,000万円400万円3.00
D社1億3,000万円120万円2.13
E社1億9,250万円300万円3.75

平均功績倍率 3.26

A氏はS42年に事務職として入社、S46年に代表取締役と結婚、S46年に取締役に就任、H15年に代表取締役に就任し、H20年10月に死亡している。その間、8億円以上あった借金をH9年頃に完済、S56年頃は6億8,000万円だった売上高をH15年頃には15億円までに伸ばし、更にH15年には三男を後継者として代表取締役に就任する橋渡しをした功績がありました。

特別な功績があった場合には、これをどのように加味するかが問題となりますが、東京高等裁判所は、功労加算を別途考慮するほど極めて特殊な事情はなかったと認定して功労加算を認めませんでした。
つまり、A氏の水準の功績は、同業類似法人の功績倍率に織込み済みであり、別途評価するほどではないと判断したと云えます。

今後、税務当局の役員退職金の「不相当に高額な部分」について、この判決が重要な判断基準となるのではないかと懸念しています。
つまり、退職役員の同業類似法人の平均功績倍率以上は職務執行の対価以上の贈与的な性格の経済的な利益として損金性が否認される可能性が高くなったからです。
実務上、役員退職金の支給金額について極めて慎重な判断が必要と思われます。

私見ですが問題点として、今回の東京高裁の判決から、
①納税者側は同業類似法人の功績倍率は税務当局でないと入手できず、税務の安定性に事欠くことになる。TKCデータベースもあるが、その範囲と信頼性に乏しい。
また、過去の判決が同業類似他社の功績倍率をベースに判断しているが、その功績倍率を超えると即、不相当に高額という理論的根拠について納得できない。同業類似法人のサンプルとなった法人のうち、功績倍率が税務当局側の根拠とした3.26倍を上回っている法人、A社4.31倍、E社3.75倍の法人においても3.26倍を超える部分は不相当に高額となるはずである。サンプル法人の功績倍率については適正範囲とならなければその平均値に意味がなく、理論的な自己矛盾に陥っている。
また、同業類似法人の功績倍率の抽出の仕方で結果が異なるため、当局側でなく中立な第三者機関で担当すべきである。恣意性の排除のためにもそのような仕組みが必要と思われる。

②カルロスゴーン事件でも明らかなように国際的に役員の報酬水準は高額化している。
4億2,000万円は上場会社に比べ不相当に高額とは思えない。法人税34条2項、法人税法施行令70条2号は同族会社だけでなく、上場会社も含まれると解釈される。上場会社において10億円以上の支給事実もあるが、否認されたニュースはない。
税務上、上場会社と同族会社に適用に公平で差はないと信じたい。

③会社法の制定で、法人税法は平成18年改正で役員退職給与は損金経理要件が撤廃され、役員退職金であれば労務対価の後払いとして損金として認めていると解釈されている。その改正から、課税当局は役員退職金等に対して慎重な課税を行っているように思われる。したがって、X社の税務調査も役員退職金支給年度(H21年8月期)の税務調査に基づく更正等がH26年7月と5年渡過する更正期限H28年10月20日(H26年8月期の申告期限まで)ギリギリまで引き伸ばされたと思います。このように遅い税務調査は納税者X社には延滞税など、大変気の毒な結果を招きました。
本件更正等における権利の濫用、信義則違反の有無についても争点になっています。

④日本は民主主義国家である、会社の経営は私的自治によって運営されている。このように税務当局から不相当に高額として否認するには、租税回避を意図したものでもない限り、国家権力の濫用ではないかと思われる。


参考条文
法人税法34条2項
法人税施行規則70条2項
国税通則法65条4項
憲法84条租税法律主義

2018年分の確定申告の特徴は。

投稿者 Bush吉田 2019年03月18日

 久しぶりのブログです。
確定申告がやっと終わり、最終日は毎年恒例の打ち上げを行いました。

 さて、その2018年分確定申告ですが、今年は12月決算(2月末申告期限の法人)が増加し、確定申告の出足がいつになく遅く、3月に入っても進捗率がまだ30%というありさまでした。
こんな状況で3月15日までにやり切れるのだろうか?と、とても心配でした。

さらに、そんな状況に追い打ちを掛けるように今年の申告内容は土地建物の譲渡等の複雑な案件が多く、大変な年でした。

当事務所は、申告書の作成については各監査担当者とその補助スタッフで行い、その原案をマネージャークラス以上の者が第一次審査をし、さらに有資格者が最終審査を行います。
あまりの忙しさに審査の途中、過労?で鼻血を出したり(笑)、同じく過労のあまり高血圧に悩まされたり、とトラブルも続出しました。
そんな状況でしたが、申告期限である15日までに何とか完結することができたのは、事務所全員が一丸となって頑張ってくれたお陰だと思います。
毎年のことながら事務所のみなさんの協力に本当に感謝しています。

 今年の確定申告の特徴や感想を書きますと、土地建物の譲渡について、相続で取得した相続人が使用する予定のない不動産を、申告期限後3年以内に譲渡しているケースが多くありました。
相続で取得しているため、先代が取得した価格が分からないものも多く、先代の購入時の売買契約書など資料集めにずいぶんと手間が掛かりました。
もちろん、相続申告期限から3年以内の譲渡ですので、その譲渡した相続財産の相続税相当額は取得費加算として譲渡所得計算上の特例が使えます。

譲渡価格に着目すると、相続時の評価である路線価等に対して、売却価格はかなり高い水準でしたが、長い間売りに出して売主が納得する良い条件で売却できたようです。
また、居住用の特例措置などの適用を受けた譲渡が多くありました。
さらに、収用等の買換え特例や、所得税法上の交換などいろいろな不動産の譲渡取引がありました。
譲渡損失となる案件は数件でしたがその大多数が譲渡益となる取引でした。

昨今、首都圏の不動産市場は好調で、地価も上昇気味です。
購入資金の借入もし易い金融環境でした。
しかし、このところ世界経済の見通しも不透明ですし、スルガ銀行の不正融資やレオパレスの違法建築は不動産取引への警鐘を鳴らすものです。

経済不安や不祥事は不動産市場にブレーキを掛けるかもしれません。

何はともあれ、今年も確定申告を終えることができ、まずはホッとしております。

とりあえず、事業承継計画は提出しよう!

投稿者 Bush吉田 2019年01月21日

みなさま、明けましておめでとうございます。

今週、1月24日、「特例事業承継税制」の勉強会を行います。

自社株式の承継や社長交代を予定しているクライアントの経営者に勉強会の参加を呼び掛けています。

「特例事業承継税制」は既存の事業承継税制に比べ、自社株式の100%、その評価額に対する贈与税又は相続税の全額の納税が猶予される有利な税制措置です。

その「特例事業承継税制」の適用期限は2027年12月までです。
「特例事業承継税制」の適用を受けるには、2023年3月までに「特例承継計画」を都道府県に提出して確認を受ける必要があります。
税制の適用期限までは残り約9年ありますが、「特例承継計画」の提出期限は残り4年少々であることに注意しなければなりません。

クライアントの経営者の方々と話してみると、「まだ後継者が決めきれていない」、「後継者候補が居るがまだ実力不足で承継時期が未定」、「自社株式の評価が低いから」、等の理由で、この「特例事業承継税制」は関係ないと思っている経営者が多く居ます。
しかし、「後継者の決定」や「後継者の力不足の解消」、「生身の現経営者の相続開始」がいつなのかは分からないと云えます。
また、株価が低い会社の業績が急上昇し株価が高くなるケースは実際に多くあります。

私ども事務所では、後継者を決めきれていないケースや自社株式の承継や社長交代の時期が未定のケースでも、とりあえず「特例承継計画」を提出しておくことお奨めしています。

「特例承継計画」の提出期限後に、
「後継者が決まった」
「株価が高くなってしまった」
「先代が亡くなった」
といったことを理由に特例事業承継税制の適用が有利となることは十分考えられるからです。

これらのケースはいずれも、2023年3月までに「特例承継計画」を都道府県に提出していなければ、「特例事業承継税制」の適用をあきらめるしかありません。
また、詳細は割愛しますが、2027年12月までに先代経営者が後継者に自社株式を贈与して、贈与税の「特例事業承継税制」を適用しておくことによって広がる選択肢もあるのですが、これも、2023年3月までに「特例承継計画」を都道府県に提出していなければ、あきらめるしかありません。

なお、2023年3月までに「特例承継計画」を提出しておけば、その内容に変更があれば2023年4月以後も見直しができますし、最終的に「特例事業承継税制」を適用しなくても罰則等はありません。

要は、あの時こうしておけばよかったと後悔しないためにも、とりあえず「特例承継計画」を都道府県に提出し確認を受けておくべきだと思います。

こと事業承継に関しては、現状だけで判断すべきではないのです。

2018年

「今上天皇」からのメッセージ

投稿者 Bush吉田 2018年12月26日

 今年の締めは、先に行われました天皇陛下、在位最後の誕生日記者会見について述べたいと思います。

85歳になられた陛下が生涯の集大成とし、声を詰まらせながら語ったメッセージに感動いたしました。

本当にお疲れ様でした。

国の象徴として、陛下が皇后陛下美智子さまと共に歩んでこられた日々は決して平たんなものではなかったと思います。

 昭和天皇の時代は、平和ではなく戦争の歴史でした。
明治時代以降、日清戦争、日露戦争を経て、100年前の第一次世界大戦で参戦し、漁夫の利を得ました。昭和になって、中国へ派兵し侵略したことがきっかけとなって、米英等の連合国を敵に回して太平洋戦争へ突入してしまいました。
 そして1945年、連合国に無条件降伏というみじめな敗戦を迎えました。

明治・大正・戦前の昭和の時代、天皇は国を統治していました。
世界に見る歴史では、戦争で敗戦した国の王族は滅びています。
 第一次大戦時のドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー二重帝国、トルコのオスマン帝国の王政が崩壊しています。
第二次大戦で敗れたイタリアも王政から共和国になっています。

 日本は第二次大戦の敗戦によって、天皇制が廃止される可能性がありました。
しかし、日本の天皇制は長い歴史の間、民族の精神的な支柱としての礎であり、国の統治者から象徴として役割を変えることで存続できました。
このことは、日本国民にとってとても幸運なことでした。

 戦後、「天皇は日本国の象徴として、国民統合の象徴として、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」(日本国憲法第一条)

 こうして、今上天皇は大戦の負の遺産を背負っての新たな難しい役割を果たさなければなりませんでした。
今回の記者会見を通して、陛下自身が、象徴とはどう云うことか、自らの役割を模索し続けていたことがよく分かりました。
皇太子の頃から、小泉信三氏などの知識人から意識改革する必要性を学び、真摯に行動してきたと聞いています。
また、陛下が伴侶として平民出身の正田美智子さまを選ばれたのも、国民に寄り添って生きていく決意からでしょう。
そして、「象徴」の役割を精一杯、お二人で試行錯誤しながら励んでこられたように思います。

陛下が心に深く痛み感じていたのは、多くの国民の命が散った終戦記念日をはじめ、唯一地上戦があった沖縄戦で多くの島民が盾となって犠牲になったことです。
その犠牲を悼んで11回も訪問しています。
フィリピンなど海外でも日本人だけでなく、外国人を含め、多くの人々が犠牲になった激戦地への慰霊の訪問も行われました。

また、東日本大震災などの被災者への励ましなど真心を込めて慰問されています。
どれほど被災者が癒されたことか計り知れません。
お忙しい公式行事の合間に象徴天皇のお姿がそこにありました。

陛下になられて30年、お二人で成し遂げられた国民への愛は本当に素晴らしいと思います。
父や母の愛と同じかもしれません。


あくまでもこれは個人的な私見です。。。。。

相続税対策と賃貸不動産投資

投稿者 Bush吉田 2018年12月20日

 ある方の95歳になる母親が20年前に、相続税対策で購入した賃貸用不動産の借入金が先日やっと完済しました。
幸いなことに、家賃も安定的に入金、土地の値下がりもありませんでした。
しかし、逆にキャッシュフローが積み上がって、預金が増加してしまいました。
この賃貸用不動産投資で20年前より母親の相続財産が返って増加してしまったのです。
「母は長生きして相続税対策にならなかった・・・」
とその方は語っておられました。

この話は相続税対策としては当初の予定された効果は無かったかもしれませんが、不動産投資としては大成功といってもよいと思います。
この方の母親は今、有料老人ホームに入所し、家族は老後にこんなにお金が掛るとは思っていなかったようですが、この賃貸不動産からの所得で入居料は十分に賄える、とのことです。
優良な賃貸物件を所有しているお陰で、絵にかいたような悠々自適な老後生活を送っています。
医療技術が進歩して、100歳人生が現実化しています。安定した賃貸不動産収入は老後生活保障の切り札になります。

昨今、賃貸用不動産投資を活用した、節税策が盛んに行われています。
相続税対策や所得税対策を目的とした賃貸用不動産投資の勧誘の案内が連日のように、送られてきます。
バブル期を彷彿させるかのような状況です。

 スルガ銀行の「かぼちゃの馬車」事件をきっかけに、銀行は節税ありきの賃貸用不動産投資への融資に慎重になってきました。
投資案件の購入価格が割高か、立地や企画に無理がないか、期待利回りの見通しが甘くないか、自己資金の額の割合、家賃保証をしている企業の信用度など、銀行の融資であるべき審査がされるようになりました。
これから投資を検討されている方、現在の土地の価格も、建築費も割高で一方、家賃は人口減少化と供給過剰で下がり気味です。
したがって、賃貸用不動産の投資利回りは低過ぎてリスクがあるように思います。

前述のある方の相続税対策の話は、投資時期が北海道拓殖銀行や山一証券の倒産のときです。
バブル崩壊後の銀行の不良債権処理の時期とも一致しています。
ですから、この賃貸用不動産は割安に購入できたはずです。
バブル期にも相続税対策で多額な借入金をし、キャッシュフローを無視した不動産投資によって失敗した人が多くいました。
相続税対策としての賃貸用不動産投資でも、投資の合理性を見失わないようにしなければなりません。
土地も建築費も経済状況を反映します。近江商人は「飢饉普請」を重んじました。
みんなが困っているときに世助けとして投資を行う意味ですが、不況の時の投資こそが経済合理性があるとの知恵かもしれません。

カルロス・ゴーン氏の事件の真相は?

街並み

投稿者 Bush吉田 2018年11月26日

 カルロス・ゴーン氏は「日産」を再建したカリスマ経営者です。

私の亡くなった父が日産系の販売店をやっていたことや、本社が横浜市に移転したこともあって、何となく親しみを感じて日産にはエールを送ってきました。
零細株主の一人でもあり、V字回復後は業績好調で高配当を維持し、嬉しく思っていたところでした。

それが突然の東京地検特捜部逮捕、との報道を受け、事件の真相はよく分かりませんが、とても残念に思っています。

容疑内容の一つは、有価証券報告書の虚偽記載ですが、最高経営責任者CEOとしての報酬が過少に記載されていたことです。
表示されていた報酬は年間約9億円でしたが、実際はその倍以上の約20億円の報酬を得ていたという報道内容でした。
9億円という額でも役員報酬としてはトヨタ自動車の豊田章男氏の3億8000万円よりはるかに高く、日本の企業としては極めて多額ですが、外国人の報酬相場は高く、10億円程度はよくあるようです。

虚偽表示はゴーン氏の指示、巨額報酬を隠蔽するためとか?そうだとすれば悪質ですね。

さらに、会社の資金をゴーン氏の私的な支出に流用した不正行為(特別背任罪)の疑いもあるようです。

具体的には、家族旅行の費用、社業に関係のない?豪華社宅数件の購入資金や維持管理費、親族への利益供与など、関係会社を利用したとのことです。

監査法人からはゴーン氏の指示により設立された投資子会社の経営内容が不透明だと指摘されていたとのことですが、その他の一連の疑惑を掴んでいたのでしょうか?

これらの容疑内容は、今年6月から導入された司法取引制度が適用されて、会社側から特捜部への情報提供で表面化しました。
そして、22日の取締役会でゴーン氏と一連のスキームを企てたケリー氏が取締役を解任され、代表権も失うことになりました。
しかし、この事件の社会的な重要性から、現経営陣に対してもガバナンスが機能していないとして経営責任を追及される可能性が高いでしょう。
司法取引によって、刑事訴追は免罪されても、日産の経営陣の経営責任が免責されるようにも思えません。株主や従業員等の利害関係者や世論が許さないと思います。

今回の事件を受け、フランスではルノー社が日産の大株主であり、両者のアライアンスを強固にするための合併の動きを阻止するための日産側の陰謀だとの観測もあります。
ルノーと日産の関係は、売上高、販売台数、利益などの企業としての実力では日産が上位にありますが、資本関係ではルノーの支配下にあります。
ちなみに、フランス政府はルノーの大株主で、ルノーの業績に大きく貢献している日産を失いたくないはずです。

事件の真相はできるだけ早く明らかにしてもらいたいものです。
真相が明らかになり会社の損害が確定すれば、取締役等の不法行為や任務懈怠に対して、株主代表訴訟が提訴される可能性が高いと思います。

このような私的な不正行為は公私混同です。
特捜部で明らかになった後、日産や関係者に対して、国税局の税務調査も行われるはずです。
公私混同による不正支出は役員への賞与として認定され、会社と個人の両方に課税されることになります。
事件後は、私的費用が税務調査で重点項目となるかもしれませんね。

なぜ、日本の消費は伸びないのか?

投稿者 Bush吉田 2018年10月01日

先週のブログに引き続き、今週も消費税について…。
消費税率が来年10月から引き上げられる予定です。
また延期されるのでは?との声もありますが、今回はそうはならないと思います。

衆議院選挙時に、さらなる教育費無償化を2019年10月より行うことが安倍政権の公約でした。
その財源2兆円は消費税の引き上げによる増収分を充てにしたものです。
つまり、税率の引き上げありきの公約だったのです。

 消費税率の引き上げは確実に景気にブレーキをかけます。
2014年4月の5%から8%への引き上げでは、経済成長率(実質GDP前年比)が2%から0.4%に低下しました。では2019年10月の引き上げではどうなるのでしょうか?
IMFの世界経済見通しでは引き上げ前の2018年が1.2%、翌年2019年が0.9%、翌々年2020年に至っては0.3%の経済成長率と予想されています。

 なぜ、日本ではこんなに消費税引き上げが景気のマイナスに繋がるのか?

多くのエコノミストによれば、消費者の所得が増加していないことを指摘しています。
最近の勤労世帯の可処分所得は1997年の月49.7万円をピークに低下し、2017年では月43.4万円の水準となっています。このように、可処分所得が減り続けていますから、消費が増えるはずがないのです。
ちなみに最高の可処分所得だった1997年は消費税が3%から5%に引き上げられた時で、なんだか変な巡り合わせだと思いませんか?

 また、人口に占める65歳以上の年金世帯が多くなり、お金が掛る買い物などの消費よりも、仲間とのコミュニケーションや趣味などで時間を楽しむライフスタイルを好む方が多いように思います。

 では、若い世代はと言えば、将来の高齢化への備えとして、不十分な年金や医療費など社会保障制度への不安、潤沢でない金融資産や長寿化によってこれから先何歳まで生きるか分からない不安から、老後の生活防衛のために消費をせずに貯蓄する思考が強くなっています。

 最後に、インフレについては1990年のバブル崩壊から約30年も経っていますが、ほとんど物価上昇がありません。
消費者物価の推移を見ても、2015年を100として、2017年は100.4、さらに1990年に遡っても91.2とインフレは起きていません。
もし、将来物価が上がってインフレになるのであれば、値上がりする前に買おうという流れになりますが、今は急いで買う必要性を感じていません。
このことは消費税の引き上げ前の駆け込み需要を思い出すと分かります。
駆け込み需要を除いて、日本では消費性向は弱いのです。データは「寺島実郎の時代認識」を参考にしています。

消費税の引き上げについて・・・

投稿者 Bush吉田 2018年09月25日

来年10月から、消費税率が8%から10%に引き上げられる予定です。
最近、クライアントからよく消費税の引上げについて、また延期されるのでは?と聞かれます。
確かに過去に消費税引上げは何度も延期されてきました。
そこで、この迂余曲折となった経緯をたどってみることにしました。

2010年6月、民主党政権の管内閣時に「社会保障・税一体改革案」が取りまとめられました。
 当時、消費税率は5%でしたが、2010年代半ばまでに5%から10%に二段階(5%⇒8%、8%⇒10%)で引き上げる方針が決まりました。
経済的なマイナスの影響を最小限に抑えるため、二段階で引き上げることにしたようです。
そして、増収分のうち2%は社会保障の安定財源とすること、3%は慢性的な赤字財政的な基盤の健全化のため、としました。
しかしながら、当時の与謝野税調会長は「財政再建の観点から云えば、15%、20%まで上げないと大きな貢献にならないが、できないことを言ってもしょうがない。実現可能な精一杯のところだと考えたのが10%だった。」と示唆に富んだコメントを語っています。

 当時の改正スケジュールは、2012年4月に5%⇒8%、2015年に8%⇒10%に引き上げる予定でした。
ところが、2011年3月東日本大震災が発生、甚大な被害を受け、巨額な震災復興の財源が必要となりました。当初は消費税引き上げ分で賄う予定でしたが、復興財源として所得税と法人税に対して復興増税が行われました。
そこで、2012年4月からの消費税率8%への引き上げは2年先に延期されました。

2012年12月に政権が自民党になり安倍内閣が発足しました。
アベノミクス効果か?経済状況(2013年実質GDPは2%↑)は多少良くなって、2014年4月に消費税率が8%に引き上げられました。

しかし、消費税増税後の2014年には経済(2014年実質GDPは0.4%の微増、消費者物価2.3%上昇、勤労者世帯可性分所得は減少)は低迷しました。
そこで、急遽2014年11月に、2015年10月から予定されていた8%⇒10%への引き上げは、2017年4月へ1年6ヵ月延期されました。
そして、2016年6月になって、引き上げが再度延期されました。
熊本地震の発生や、ブラジルやロシアなどマイナス成長や、新興国経済の経済不安から、2017年4月から2019年10月へさらに2年半も延期されたのです。

さて、今回の再延期後に、また再々延期があるのでしょうか?

2019年予算で成立しましたが、教育資金無償化の社会保障費の2兆円の予算前倒しがあります。
この予算は消費税増税分を充てにしたものです。
 これから先、2019年10月までに東・南海大震災や都市圏直下型の大震災や、世界的な経済ショックが勃発しなければ、予定通り消費税は引き上げられるでしょう。

なぜ政府は消費税引き上げに対して、慎重になるのでしょうか?
過去に消費税引き上げのタイミングを誤った、手痛い政策ミスがありました。
それは1997年4月の3%から5%の引き上げです。
これが経済不況のきっかけとなりました。当時は1991年以降のバブル崩壊で、資産デフレとなって、金融機関の不良債権処理や民間の債務過多の解消がされておらず、また、バブル崩壊後に100兆円規模の巨額な公共投資と所得税特別減税が景気対策のためカンフル剤として行われていました。
そこで、巨額な政府支出の穴埋めのため、消費税引き上げの5兆円と所得税特別減税打ち切りの2兆円で、財政健全化を図ろうとしました。
しかし、政府は厚生省所管の医療費の自己負担増(本人1割→3割)2兆円を見落としていたのです。
これが、消費の足を引っ張ることになりました。

また、運が悪いことに、1997年7月に「アジア通貨危機」が勃発し、11月に「北海道拓殖銀行」の経営破綻、追い打ちをかけるように12月には「山一證券」が経営破綻し、経済状況は悪化していきました。
「バブル崩壊後の失われた20年」はこのような様々な要因が重なった結果ですが、消費税引き上げはその要因の一つと云えるでしょう。

 学識専門家の間で、消費税引き上げが所得の低い人への負担が相対的に大きく、「逆進性」があるという議論がありますが、個人的には所得税が累進税率ですから、そうは思いません。
そして、所得の低い人には増税分相当額を給付金(所得税の還付のように給付金を渡す)で調整する方が合理的です。
マイナンバー制度が施行され、個人情報が明らかになり必要な者への給付が可能になりました。
しかし残念なことに、食料品などの生活必需品について目に見える増税に対して、内閣の一部に反対意見が根強く、今回の引上げについて軽減税率8%が導入されることになりました。
この議論から察すると、10%の消費税引き上げは道半ばで、これから先15%とか20%となる経過点であることを物語っているのでしょうか?

今回の改正は消費税の会計処理や税務申告が煩雑になって手間が掛かります。
また、食料品を扱う小売店などの現場で混乱が予想されます。
この「人手不足」の時代、また「働き方改革」をしなければならないビジネス環境にあって、経済活動の効率性への大きなマイナスになるように思います。

最後に、消費税の引き上げに係る諸問題が日本経済にとって命取りにならないことを祈っています。

相続税は「酷税」~税高くして国は衰退する

投稿者 Bush吉田 2018年08月29日

 以前にもこのブログで触れたことがあるかもしれません。

相続税は1905年、日露戦争で疲弊した財政を再建するために創設されたものです。
当時の日本は、明治維新から38年目の新興国で欧米列強に比べ貧乏な国でした。
常識的に考えても、よくもそんな状況で大国ロシアと戦争などしたものだと唖然とします。
そして、幸運なことにアメリカの仲介でポーツマス条約を締結して辛うじて終戦を迎えました。

しかし、想定していたロシアからの戦時賠償金を得ることができず財政は逼迫、その穴埋めとして大増税、そのうちの一つが相続税の創設でした。

世界諸国を見渡してみると、相続税が無い国がほとんどです。
ロシアやオーストラリア、カナダ、シンガポールはもちろん、あの社会主義国家である中国でさえも相続税はありません。
アメリカ、英国、フランス、ドイツは相続税制度が存在する数少ない国ですが、その中で日本が最も厳しい税制と云われています。

課税最低限である基礎控除額が3,000万円に相続人一人当たり600万円とものすごく少額であること、また、その税率は累進課税で最高税率55%と世界では他に類を見ないような高い税率の「酷税」なのです。

ちなみに、課税最低限について見ると、アメリカは6億円で、ごく一部の富裕層にしか課税されません。
英国、ドイツも日本より高いそうです。
累進税率でみると、最高税率は40%が多く、55%も課税する国は日本だけなのです。
相続税や所得税等の個人課税に関してみれば日本は、税金「社会主義・共産主義」だと思います。

一方、日本の財務省では相続税課税は格差是正、富の再分配のため、と大義名分を立てています。
昨今、年間の相続税の納税額は2兆円を超えており、所得税、消費税、法人税に次ぐ税収の大きな柱となっています。
この先、高齢化が進み益々税収として増加することでしょう。
その反面、国の財政は悪化の一途で、現在公的な債務残高は1,090兆円に上っています。よって財務省は相続税の税収財源に対してものすごく期待しているはずです。

 よくよく考えて見ると、相続税は二重課税だと思います。

戦後の高度経済成長でインフレによる資産の値上がりがありました。
資産のうち、まだ課税されていないインフレ等による含み益相当額に相続税を課すことは賛成です。
しかし、既に先代の相続時に課税されている資産や、所得税等を支払った後のストックまで課税することは反対です。
つまり、心血を注いで得た資産に対して所得税を課すことは当然だと考えますが、本人が亡くなった時の残ったストックを、更に相続税で課税することはどう考えても二重に課税することになるように思います。

 このような社会主義的な過酷な税制では国民はやる気をなくしてしまい、意欲的な成功を目指す有能な人々は日本を見捨て国外に移住してしまうのではないでしょうか。
 頑張れば、頑張る程、その成果が所得税等として課税され、亡くなれば次世代が相続税として課税されます。
結果として税金を支払うため財を成したようにすごくむなしい思いになるでしょう。
社会主義のソ連の崩壊を想いだしてください。
政策的に結果の平等を求めれば求めるほど経済は発展しなくなります。
なぜならば、有能な人ほどやる気をなくし、働かなくなってしまうからです。

過去の教訓から、「税高くして国が衰退する。」と云われています。

私は日本がそんな国になって欲しくはありません。

AI時代、専門家はどうする?

投稿者 Bush吉田 2018年08月13日

先週、猛暑の中、税理士試験が行われました。
当事務所でも多くの職員が資格取得を目指して受験しています。

そんな中、気になるのは、この資格を目指す受験者数が年々減少していることです。

 ある雑誌の特集記事にAI時代になると消える職業の上位に、税理士や公認会計士、経理専門家が上げられていました。
また、折角勉強して厳しい試験をパスして資格をとっても、かつてのように将来成功が約束されるような社会情勢でないことも理由の一つなのでしょうか?
これらは税理士業界だけではなく弁護士、歯科医、公認会計士、社会保険労務士、司法書士にも云えるかもしれません。

日本の低成長下経済において、このような現象はすべての産業に押し寄せているものだと思います。
現在は正に時代の大きな転換点です。
同じ職業でも既成概念で捉えるとそういう結論になりますが、AI時代になってもAIには対応できない生きている生身の人間にしかできないサービスを提供できれば、話は別です。

つまり、同じ税理士業でも従来と全く異なるサービスを提供できれば、新しいサービス業として可能性が限りなく広がります。
まさに競争相手のいない未開拓市場(ブルーオーシャン)を掴むことができるのです。
生きている人間にはAIにはない能力を持っています。
人間は喜怒哀楽の感情や直感(第6感)が備わっています。
これは個人差もありますが、この能力を鍛え、身に付けることがAI時代では極めて重要になってくると思います。

すでに、AIは一部タスクでは人間をはるかに凌いでいます。
一定の条件下での目的を達成する最も合理的な手段を導き出すこと、その典型的な例として将棋や囲碁では人間はAIに完敗しています。

ではどうやってこの能力を鍛えるのか…。
人間がブルーオーシャンに気付くには不要な情報氾濫から解放され、古臭い概念や先入観を度外視し、直感力を働かせて本質を掴むセンスを持ち合わせなければなりません。
しかし、今の日本の教育は恐ろしいことに人生の一番多感で生涯の価値観が決まるであろう大事な成長期に、学習塾に通い詰め、挙句の果てに、偏差値で人の価値を決めてしまっています。
また資格試験制度も記憶力重視の知識を問う内容ばかりです。

ちなみに、実務を行う上では、覚えた知識をただ説明するだけならばAIの方がよほど正確で的確と言えます。
ですからそんなAIとの差別化をはかるためには人間力を生かし、クライアントに対して、話をよく聴き情報を収集し選択し、どこに問題があるかと探し出すことから始まります。
仕事のプロセスはクライアントとよく打ち合わせをしながら、適正の範囲内で要望に合ったコンサルティングサービスを提供しなければ、本当の満足を得ることができません。

専門家は人間力とコミュニケーション能力が問われる時代となっています。

国会議員定数増、人口減少するのに?

投稿者 Bush吉田 2018年08月01日

先日、参議院議員定数が6名増という、信じられない国会決議が成立しました。

ご存じのように、安倍政権が掲げた公約には国会議員の定数削減があります。
確かに、2013年に5名削減、2016年に10名削減しています。
そして現在は、衆議院、465名、参議院、242名、総勢707名です。

しかし、直近の国会で参議院議員を6名増加し248名に、国会議員総数は713名になります。

では、国際的にみる国会議員数はどうかというと、
日本は人口100万人当たり5.6名ですが、同じく民主主義国家であるアメリカでの国会議員数は535名で(上院100名、下院435名)、米国の人口100万人当たり1.7名となり、日本は米国に比べて実に3倍以上となります。

日本の人口は2008年の1億2,809万人をピークに、以降160万人も減少しています。
今後もその減少はとどまらず、2053年には1億人を割るであろうとも予想されています。
にもかかわらず、なぜ国会議員数を増加させるのか、国会議員の常識を疑います。
国会の採決では船田衆議院議員や野党など、反対や棄権票を投じた議員もいました。
しかし、若手ホープと云われている神奈川出身の議員は賛成票を投じていました。
期待していただけに、発言していることと実際にやっていることに一貫性がなく、国や民を想う忠義に欠けた姿に失望しました。

 仕事柄、税金の負担の重さを痛感し、そのお金が有効に使われているのかどうか?とても気になります。国会議員のコストは一体どのくらいかかるのか?

本人や秘書などの給与をはじめ政策研究費や交通費など、一年間に約2億円が必要と云われています。あまり強調したくありませんが、このコストは国民が支払った「血税」で賄われていることを忘れてはなりません。

 まして、国の財政は厳しく、歳入(税収)に対して、歳出が超過しており毎年赤字が続いています。
この赤字は国債(国の借金)で補填し、積もり積もって、借金残高は約1,090兆円もの残高に膨れ上がっています。
 国の借金のほとんどは国民が債権者ですので、しばらく国家破綻することはないと思いますが、いずれは国民の懐から税金として回収しなければなりません。
 その兆候が、H31年10月からの消費税増税をはじめ、H28年分からの所得税やH27年度からの相続税の課税強化に表れています。

 さらに、これからは生産年齢者が減少し、2053年度の人口構成では人口1億人割れになった頃は高齢者人口が3,800万人を超す、大変な高齢化社会になってしまいます。
社会保障費をはじめ歳出はますます増加の一途、国家財政の赤字は拡大します。
したがって、赤字を補うべき税収確保のため富裕層への増税をはじめ、歳出削減のため、公的年金の削減や医療費の個人負担増で国民の生活はどんどん厳しくなっていくでしょう。

このような時に、国のリーダーたちは自ら身を切る姿を見せなければ、この国は治まっていかないはずです。党利党略を優先し、国家や国民をないがしろにしてしまう輩は国民から弾劾されるべきです。

参考データ「寺島実郎の時代認識」より

トヨタ博物館に行ってきました!

投稿者 Bush吉田 2018年07月20日

 先日、奈良へ出張した帰りに愛知県長久手市にあるトヨタ博物館に寄り道をしました。

愛知万博が開催された時にも行きましたので今回は、二度目の訪問です。
ここは世界の名車が一堂に展示されていて、自動車好きの私にとっては何度行ってもワクワクするところです。

1910年代~40年代の、「キャデラック」(米)、「アルファロメオ」に「ランテア」(伊)、「ロールスロイス」「モーガン」や「ジャッガー」(英)、「ブガッティー」や「シトロエン」(仏)、「メルセデスベンツ」(独)などのクラッシックカーが勢ぞろいしています。

 この時系列に展示されていて、戦中戦後時期は、米軍の「ジープ」や「フォード」、原爆投下した「トルーマン大統領の専用車」やTV番組で人気だったサンセット66の「サンダーバード」まで陳列されています。

よくぞ手に入れたものだと本当に感心します。

そして、戦後復興期には英国生まれの「いすゞ製のヒルマン」や「日産製のオースチン」です。
日本のモータリーゼーションの象徴する車「スバル360」、さらに、わが青春時代のホロ苦い思い出のある「スカラインGT」や「ベレットGT」、「フェアーレディースポーツ」などを眺めていると、懐かしさで涙がこぼれてきました。

以前、わざわざドイツのシュッツガルトまで出向き、ベンツ博物館、ポルシェ博物館を見学したことがあります。ところがそこでは世界的な自動車メーカーにもかかわらず、歴代の自社製品だけしか展示されていませんでした。

しかし、このトヨタ博物館は自社製品だけでなく、世界中の名車やビンテージカー、国産ライバルメーカー車も差別することなくピカピカの状態で展示されています。
自動車の発展の歴史も、黎明期から日本車の誕生まで分かり易い内容になっています。
メーカー間の熾烈な競争があるからこそ、技術の発達やコストダウンによって、自動車の大衆化が進んだことがよく分かります。
そして、世界に先駆けて開発したハイブリットカー、未来を目指した水素燃料電池車などの展示もありました。

トヨタは自動車を通して経済・社会に貢献していくと云う企業理念があります。
個人的な見解ですが、三河生まれのこの企業は先輩メーカーやライバルメーカーにも礼節や敬意を払うという武士道精神からか、自動車メーカーにこだわらない展示方針となったように感じました。
トヨタの器量の大きい気骨ある姿勢は流石だと思いました。

私にとって車は必需品です。

18歳からこの年齢になるまで50年余り、国内外の車を乗り継いできましたが、今乗っているトヨタのハイブリット車は、車両価格、運転のし易さ、燃費、高速安定性、走行ブレーキ性能、ボディー剛性感などの品質は素晴らしく、歴代の車の中では総合評価で最も優れています。

購入して現在8万キロを走破していますが、故障は一切ありません。

車
車
車

滋賀へ出張してきました。

投稿者 Bush吉田 2018年07月04日

先日、久しぶりに滋賀県の高島市まで、一泊の日程で出張に行きました。

事務所のクライアントの中で最も遠く、かれこれ30年来のお付き合いになるところです。
遠距離なので毎月伺うということもならず、直接お目にかかるのは、年一回の決算前のこの時期とさせて頂いております。
遠距離で困るのは税務調査時です。
過去に先代が亡くなった際の相続税申告の時に大阪国税局の税務調査がありましたが、幸いなことに一日だけの立会で終わり、その後、今日まで、遠距離関与の不便さを感じないまま顧問契約が続いています。

話しかわりまして、高島市は琵琶湖北西部の静かな町、春は「海津の桜」が琵琶湖の湖水に見事の映し出される名所、夏は関西地区の避暑地としてキャンプ場や湖水浴場として賑わいます。
ただ、シーズンを過ぎると静かでどこか懐かしさが残る町になります。

鉄道を利用する時は、新幹線で京都まで行き、JR湖西線に乗り換えて逆戻りするように敦賀・金沢方面に向かいます。
京都からはJRの便数も少なく、一時間もかかり不便ですのでいつも車を利用しています。
事務所を朝9時頃出発、新東名、名神高速の米原JCTから北陸自動車道の木ノ元IC経由でクライアント先には14時過ぎに到着します。
昨今、高速道路が良く整備され、また車の性能が飛躍的に良くなっているので運転も楽で疲れません。
もちろん、運転は担当者がし、私は後部席で爆睡ですが(笑)。

滋賀県まで往復約900キロあります。
が、ハイブリッド車なので途中でガソリンを補給することもなく走破してしまいます。
メーター標示燃費はリッター当たり18キロでした。
高速安定性と云い静粛性といい、これぞ日本が世界に誇るトヨタの技術です。

 さて、当日ですが、宿泊先のホテルでクライアントと夕食を共にしながらゆっくりと話をしました。

今回は、事業年度前の決算対策と医療法人の事業承継が大きなテーマでした。

決算対策は期中に利益予測を繰り返しており、予測した利益になりました。
また、医療法人の事業承継については医師の選定、事業用資産の引き継ぎ、リタイア後の生活資金の準備などです。
財務面や資金面では関与してから今まで計画的に準備していたため心配がありません。
しかし、問題は医療法人の後継者となる医師を探さなければなりません。
この医療法人は5代前から地域医療に貢献しています。
これからも何とか継続したいと考えています。

 経営者ご夫妻には後継者がなく、老後は奥様の故郷である温暖な千葉の南房総の館山に移住したいと考えています。

医療法人の建物や自宅は第三者である医療後継者に賃貸するか、後継者が望むならば売却してもよいという意向があります。

ただし、この診療圏は人口減少に歯止めがかからず過疎地区になって年々地価が下がり続けています。アクセス面では湖西線は本数が少なく、京都から約1時間かかり不便で通勤圏としての需要が見込めません。私どもは毎年定期便のように高島市を訪れていますが、人が少なく新しい建物や家屋などの目新しいものはできていません。

特にご夫妻の体調に不安があるため、この先、長期間に亘って医療法人経営を継続することが難しいのです。

事務所としてはM&Aも選択肢に入れ、医療法人承継のお手伝いにさらにアクセルを踏み込んでいかなければなりません。

それでは最後に琵琶湖湖畔のホテルより朝の風景を!

琵琶湖湖畔
琵琶湖湖畔

海外不動産投資の相談

投稿者 Bush吉田 2018年06月12日

最近、海外不動産への投資の相談が多くなっています。

金融機関が、米国のカリフォルニア州やハワイ州、ASEAN諸国の中古の不動産を、日本の高所得者や資産家に積極的に提案しています。その投資の目的は、節税対策です。
会計検査院よりこの「海外不動産節税スキーム」はすでに指摘されており、今後、海外に保有する不動産に係る税制が見直される可能性があります。

では、この「海外不動産節税スキーム」とはどのようなものなのでしょうか・・・。
以下、あくまでも私見ですが、金融機関から提案されたカリフォルニア州の賃貸住宅の不動産投資を参考に説明します。

クライアントの鈴木氏(仮名)は課税所得8,000万円の高額納税者です。
提案された賃貸住宅の投資額は3億円(土地5,000万円、木造建物2億5,000万円、築年数13年)です。
海外の不動産価額は日本とは違い、土地そのものの価額は低く、建物は高く評価されています。
その理由は、建物の使用期間によるもので日本では平均約32年程度ですが海外では約66年にもなっており、使用期間の長さが経済取引価値に反映されているのでしょう。

年間家賃収入は1,200万円、税金を含む管理費等300万円、減価償却費は中古資産の簡便法による見積耐用年数10年(※1)により計算した2,500万円です。
よって、海外不動産の不動産所得は家賃収入1,200万円-管理費等300万円-減価償却費2,500万円で、▲1,600万円の損失となります。
この損失を他の所得と通算すると、課税所得が8,000万円から6,400万円に下がり、所得税等約880万円(1,600万円×所得税45%+住民税10%)の税金を圧縮することになります。

その後、10年間に渡って海外不動産を保有し、所得税確定申告をするならば、10年間で880万円×10年分=8,800万円も圧縮されることになります。
何故10年間かと云えば、10年目にして簿価がゼロになって減価償却費が計上できなくなり、節税効果が無くなったカリフォルニアの賃貸住宅を売却する計画だからです。
仮に、時価とドル円の為替レートから2億円で売却できたとすると、この投資の結果が次のようになります。
A)当初の投資額 3億円
B)回収額の計算
・(家賃収入1,200万円―管理費等300万円)×10年=ネット収入9,000万円。
・所得税等の圧縮額880万円×10年分=8,800万円。
・売却価額2億円-譲渡所得税等(※2、3)3,000万円(※3)=手取額1億7,000万円
・回収合計 3億4,800万円
よって、回収額は3億4,800万円となり、投資額3億円を4,800万円上回る投資結果となります。
この投資結果をよく見ると、所得税等を考慮しない場合の投資結果は、投資額3億円に対して、回収額は10年間のネット収入9,000万円と売却価額2億円であり、▲1,000万円の損失となり、投資結果4,800万円と5,800万円もの差額があります。
この5,800万円は、主に、所得税率55%(所得税45%+住民税10%)と譲渡所得税率20%(所得税15%+住民税5%)という税金計算構造上の違いから生じています。

このスキームは、海外の建物は日本の建物と比べて建築から滅失までの平均年数が長く(日本32年、米国66年、英国80年)、中古住宅と新築住宅の価格差が小さいという特徴があるにもかかわらず、税制上は国内の建物と同様の税制が適用されることとなっているため成立しやすいのです。

長くなりましたが、これが「海外不動産節税スキーム」です。
※1 中古資産の簡便法による見積耐用年数の算定 木造建物22年-経過年数13年=未経過年数9年
    未経過年数9年+経過年数13年×20%=10年(1年未満切り捨て)
※2 復興特別所得税や米国所得税は省略するものとして計算する
※3 譲渡所得税の計算(所有期間5年超のため長期譲渡所得)
    売却価額2億円-(建物0円+土地5,000万円)=1億5,000万円
    1億5,000万円×(所得税15%+住民税5%)=3,000万円

 次に、会計検査院の「海外不動産節税スキーム」への指摘がどのような内容か簡単に掲げます。

・高額納税者の海外不動産の不動産所得の申告内容には、家賃収入を超える減価償却費を要因として損失が生じているものが多い。
・海外中古建物については、中古資産の簡便法による見積耐用年数の算定結果が、実際の使用期間に適合していないおそれがある。
・売却時には、総合課税に比べて低い分離課税の税率が適用され、全体として所得税の負担が減少することになる。
といった点を問題視しています。

この見直しとして、
①海外不動産の中古建物について簡便法による見積耐用年数の算定を認めない。
②海外不動産の不動産所得の損失は他の所得との損益通算を認めない。
などの案があるのです。
ただ、今のところ平成30年度税制改正においても、見直しがされないままになっています。

この投資では、「海外不動産節税スキーム」以外に整理すべきポイントは以下のようになります。

①海外不動産はUSドルの為替リスクが伴う。(設例では為替変動がないものとした)。
例、購入時より売却時に円安なれば+、円高になれば-となります。
②海外不動産の家賃は大きく変動する可能性がある。(設例では10年間変動がないものとした。)
③海外不動産の住宅相場は大きく変動する可能性がある。(設例では10年後の売却時価を保守的に2億円とた。)
最近のカリフォルニアの住宅相場は異常な高騰で、勤労者用の住宅も1億円~2億円もするそうです。
カリフォルニア州はデジタル企業(GAFAなど)が集積して高所得者の人口が急増し、GDPが急拡大して住宅価額や家賃がものすごく高くなっています。

いずれにしても、海外不動産投資は節税ありきでなく、日本国内投資よりも為替、相場変動などリスクが高いことを覚悟の上、慎重に意思決定すべきでしょう。

~おまけ~
またもや記事とは全く関係ありませんが、今回は梅雨入り前の山下公園のバラをお届け致します!

山下公園のバラ
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山下公園のバラ
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消費税増税前の準備は大丈夫ですか?

投稿者 Bush吉田 2018年06月05日

消費税の改正で、いよいよ増税されることになりそうです。

再三延期されていましたが、平成31年10月1日から施行されるでしょう。

本年度予算では教育無償化が閣議決定され、その財源として消費税増税による税収増を見込んでいます。

今回の改正は税率のアップだけでなく、軽減税率制度の導入も実施され、消費税8%となるものと10%となるものが混在し、現場では混乱が生じることが予想されます。
軽減税率の対象は「酒類や外食を除く飲食料品」や「週2回以上発行で定期購読される新聞」です。
しかし、飲食料品かどうかで見ると、薬品とサプリメント、ケータリングとテイクアウト、おもちゃ付きのお菓子など判断に迷うケースが多くあります。
複数税率を導入した諸外国でも問題になっているようです。

そうなると、私ども会計事務所では消費税率の引き上げや軽減税率導入より前の早い段階で、クライアント向けのセミナー開催などでの情報提供や巡回監査担当者によるクライアント別の実務的な指導を行わなければならないと考えています。

また、事業者は、軽減税率制度導入に伴う「区分記載請求書等保存方式」や平成35年10月からの「適格請求書等保存方式」(いわゆるインボイス制度)の導入への対応として、IT関係への投資が必要となることが考えられます。
これに対して、経済産業省では事業者の複数税率対応レジの導入や受発注システムの改修などの費用の一部を補助する「消費税軽減税率対策補助金」の申請を受け付けています。

ところで、先日、私どもがある医療機関に決算報告でお伺いした時のことです。
そこの理事長より損益計算書に表記された「控除対象外消費税等」について質問されました。
この科目の金額は多額であり、確かに決算書で目立つものでした。

そこで、私ども巡回担当者から消費税申告の計算について、社会保険診療報酬など非課税となる売上高が多く、その非課税売上高の獲得に要する薬品費や検査委託費などの課税仕入れに含まれる消費税額は消費税の計算では控除できずに、「控除対象外消費税等」として表示されることを説明させて頂きました。
すると理事長から、消費税が10%に増税されたら「控除対象外消費税等」がさらに増加するのか、と問われました。
 まさにその通りで、医療機関のように非課税売上高が多くある事業者は、実質的に消費税の負担者となり、増税によって「控除対象外消費税等」が増加して、利益が減少することになります。

 消費税導入以来、今まで増税と社会保険診療報酬がどのように推移してきたでしょうか。
平成元年導入時(3%税率)に対して診療報酬0.76%↑、平成9年(3%⇒5%税率)に対して診療報酬0.77%↑(0.76%+0.77%=1.53%)、平成26年(5%⇒8%税率)に対して診療報酬1.36%↑(1.53%+1.36%=2.89%)と改正されてきました。
平成31年10月の8%⇒10%の増税で、診療報酬が引き上げられるのかどうか分かりませんが、経営に与える影響は大きいと云えます。

なお、平成30年度税制改正大綱の第三検討事項6「医療に係る消費税のあり方について」の記載があります。医療機関の仕入税額の負担、特に高額な設備投資に係る負担の大きさに対する措置が平成31年度改正で具体化する可能性があります。
この具体的な内容については後日記事にしたいと思います。

いずれにしても、消費税増税の影響により、非課税売上高が多い事業者は「控除対象外消費税等」が多くなり利益が減少してしまうことなります。
特に、非課税売上高の獲得に関係する巨額な設備投資をする必要がある場合は、平成31年9月までに取得する方が良いでしょう。
完成引渡しが平成31年10月以降にずれ込むおそれがあるような完成まで長期間となる工事などの場合、平成31年3月31日までに請負契約を締結しておくべきでしょう。消費税率引上げに伴う経過措置により、引上げ前の税率(8%)の適用が可能です。

特例事業承継税制のよくある質問~Part2

街の風景

投稿者 Bush吉田 2018年05月29日

事業承継の時期が迫っているあるクライアントの話です。

 この会社は2代目で、先代創業者が亡くなったときに現経営者Aがほとんどの自社株式を承継し、一部の自社株式は遺産分割で現経営者Aの兄弟であるBとCが承継したため、親族間に分散されています。

 この会社の後継者は現経営者Aの二男に決まっており、現経営者Aから後継者への自社株式の暦年贈与を毎年計画的に行ってきました。
しかし、株式の評価額が高く、贈与税の負担を考慮すると思うように移行が進まず、現在も現経営者Aが自社株式の60%相当を保有している状況です。

 平成30年度税制改正で事業承継税制の特例措置が創設されたことから、現経営者Aは、自身が保有している株式を無税で移転できるだけではなく、兄弟BとCが保有している株式も無税で移転しやすくなったことを大変喜んでいます。
 改正前の事業承継税制は、適用範囲が経営者1人から後継者1人の1対1の範囲に限定され、移転にあたって一定の税負担がありましたが、今回の改正により、複数の当事者間に適用範囲が拡大され、かつ、無税での移転が可能となったからです。

 このクライアントの場合、受贈者は後継者1人であることから、現経営者Aと兄弟BとCの複数の贈与者からの贈与を検討すればよいことになります。

 しかし、実務上この手続きを行う順序に注意する必要があります。

 第一段階で、平成35年3月31日までに特例承継計画を都道府県知事に提出し確認を受けることが必要となります。

 第二段階では、現経営者Aが保有する全自社株式を後継者に移転します。
(この時点で、現経営者Aは退任し、後継者は会社の代表権を有していることが必要です。特例承継計画には、現経営者Aへの退職金の支給も予定しています。)

 第三段階では、兄弟BとCの保有する自社株式を後継者に贈与します。
(ケースによりますが、第二段階の贈与から5年以内に行う必要があります。)
経営者Aから後継者への贈与を起点として、BとCは便乗するようなイメージです。
もし、BとCから後継者への贈与を先行した場合は、事業承継税制の特例措置が適用できず、通常の贈与税が課税されてしまいます。BとCからの贈与を現経営者Aからの贈与より先に行わないことに注意しなければなりません。

 第四段階では、贈与年の翌年3月15日までに贈与税の申告を後継者が行います。
ここで申告した贈与税額が事業承継税制の特例措置の適用によって納税が猶予され「猶予税額」となります。
この贈与税の申告にあたっては、今回のように株価が高いケースでは暦年贈与(累進税率最高55%)ではなく相続時精算課税の利用を想定しています。ご存知のように、相続時精算課税制度は贈与財産の金額から2,500万円を控除した金額に対して一律20%の贈与税を計算する制度です。
なぜ相続時精算課税を選択するかというと、事業承継税制の特例措置の取消事由が万一発生して納税猶予が打ち切りとなった場合には、「猶予税額」と利子税を納付することとなりますが、その税額が暦年贈与と比べて低くなるためダメージが少なくて済み、打ち切りリスク対策となるからです。その後、最終的には相続税で精算します。

また、第二段階で現経営者Aに多額の退職金を支給し、自社株式の評価額が低くなったタイミングで贈与することも「猶予税額」を低く抑えることができるため打ち切りリスク対策として重要です。

実は、この後継者、
「まだ、社長として代表者となって会社を引っ張っていく自信がない・・・」
と語っていました。

いずれにしても、平成39年12月31日までに贈与を行い社長の座に就けばよいのです。
それまで現経営者Aのサポートの基で、後継者としてリーダーシップを発揮し実力や実績を作っていく時間は十分あると思います。

~おまけ~
まったく話はかわりますが、最近、リハビリをかねてよく街歩きをしています。
そんなある夕刻の風景から・・・・・。

特例事業承継税制のよくある質問~Part1

投稿者 Bush吉田 2018年05月15日

 平成30年税制改正で特例事業承継税制が使いやすくなり、クライアントからの相談も多くなっています。

また、私ども事務所でも先月、事業承継セミナーを催しました。
今回はそんな中から、今まで事業承継に関するある経営者からの問い合わせ内容を書いてみました。

 A経営者(67歳)が経営する同族会社(以下「A社」)は、後継者は決まっていますが、優良企業で株価が非常に高く、後継者への株式の承継が課題でした。
私ども事務所が関与をはじめてからは株式(以下「自社株式」)を計画的に生前贈与(暦年贈与)してきました。
しかし、移行できた自社株式は少なく、ほとんどはまだ経営者が保有したままです。

取引銀行からは持株会社を設立して事業承継対策を進めては?との提案がありましたが、A経営者はイマイチ決断ができませんでした。
その理由としては、持株会社に自社株式を売却した場合の譲渡所得税(住民税を含めて譲渡益×20.315%)が多額となることや、持株会社がA経営者から自社株式を購入するために借り入れる資金のその後の返済を考えるとその気にならなかったのです。

また、自社株式の譲渡は株価が低いときに行う方が良いのですが、そのタイミングが難しいこともありました。
A社の株価は今がピークかもしれず、これから先の株価は業績次第でどうなるか分からないからです。

私ども事務所では、平成20年に創設された事業承継税制が消費税増税との見合い?で大きく見直される情報をそれとなく得ていましたので、しばらく様子を見てはどうか、とアドバイスしてきました。

その結果、今年から特例事業承継税制が非常に使いやすくなり、椀飯振舞の措置で、猶予の対象株式が発行済株式の最大3分の2から100%となり、猶予の対象税額は80%から100%となり、自社株式の贈与税や相続税の100%納税猶予ができるよう大幅に見直されたのです。

まさに「待てば海路の日和あり」ですね・・・。

コンサルタントに多額なフィーを支払って実行してしまった企業も多くある中で、クライアントにとってもそうですが、私どもにとっても早まって対策を行わなくて本当によかったと思います。

さて、ここまではA社の今までの経緯ですが、現在、特例事業承継税制を適用していくことで計画を進めています。
しかし、A経営者が今も決めかねていることがあります。
それは、自社株式をいつ後継者に贈与するかということです。
この税制を適用する要件として、後継者に自社株式を贈与するまでに、後継者に代表権を渡さなければなりません。
現在、後継者は取締役になって3年ほど経過していますが、経営者はまだまだ経営トップとして力不足と考えているようです。
また、自社株式を贈与しても自分が目を光らすために拒否権付株式(黄金株)を保有しておきたい、との意向もありました。
しかし、拒否権付株式(黄金株)を後継者以外が保有することは事業承継税制の納税猶予措置の取消事由になることを申し上げました。

この制度は、平成35年3月31日までに特例承継計画の都道府県知事の確認を受けておけば、平成39年12月31日までの贈与と相続が対象となるため、後継者の実力アップまでしばらく時間があり、その間に経営トップとして鍛えられると思います。

そこで、認定経営革新等支援機関でもある私ども事務所では、まず、特例承継計画をA経営者と一緒に作成し、平成35年3月31日までに都道府県に提出しては、とアドバイスをしています。

この特例承継計画の都道府県知事の確認さえ受ければ、平成39年12月31日までの約10年間の間、例えば、後継者が経営者としての実力を備えたと判断したタイミングで自社株式を贈与するといったことが可能となること、その贈与については相続時精算課税制度を選択して申告してはどうか、といった話をしています。
特例承継計画を提出し確認を受けておいて、もし、予定していた後継者がどうしても代表者に適さないことが明らかになった場合、自社株式の贈与をしなくても問題はありません。

この事業承継制度は自社株式(議決権)の移転と代表権の移譲を前提にした、「所有と経営が一体」となっている会社を前提としているのです。

国家資本主義の中国の変革はスピーデーィーですが、日本は・・・?

投稿者 Bush吉田 2018年05月01日

中国福建省厦門市郊外で石材加工工場を経営しているとある方の話です。

ある日突然、地方政府より、二年以内に石材加工の操業を禁止する、という命令が出たそうです。
この経営者は早急に重要な意思決定をせまられることとなりました。

他のエリアに工場移転するか、あるいはこの地の工場を操業停止しなければならない、という決断です。

 この会社は、中国で工場を開設する際に地方政府の事前許可を得ています。
石材加工工場は、50年間の敷地使用が認められており、まだあと25年は使用できることになっていました。

しかし、突然の移転命令です。
さらに、政府から指定された近隣工業エリアはすでに満杯になっていて移転ができない状況でした。
そのため、工場移転には短期間で遠方の地区を探さなければならず、さらに移転先の工場建設や移転費用などのコストが新たに必要になります。
政府からの移転や対価補償額の明確な提示もなく経営判断ができません。
したがって、現実的には工場移転が不可能で、現工場を取壊し、操業停止しなければならないのです。

そして、何より大変なことは、長年働いてくれた現地従業員の退職への対応です。
工場の撤退に伴い、退職金の代わりに従業員の老後の年金給付について会社に応分の負担義務があるようで、その額がかなりの額になります。
実は、このことが中国から撤退する日本法人の大きな悩みの種になっています。

日本の常識では、政府から工場の営業補償金や対価補償金がそれなりにありますが、中国では一方的に政府から提示され、交渉の余地はないそうです。
日本のように収用等の場合、国と国民(私人)との交渉、国と私人の裁判などは存在しないそうです。
国の命令が出れば一方的に従うのが中国のルールになっています。

国の命令が絶対の体制なのです。

中国の政治体制は共産主義で、国策優先で私人の権利や自由に制限があるようです。

確かに、中国の経済発展は目覚ましく、GDPでは2013年に日本の2倍を超して、すでに3倍に迫る勢いで成長し続けています。経済成長の原動力は13億人の人口だけでなく、共産党政府主導の社会改革や産業イノベーションを実行しているからです。
国家資本主義の強権的な改革が功を奏して、スピーディーな経済変革が成されるのです。

ちなみに、今回の厦門市の工業開発は粉塵公害を抑えるため、また、自然破壊につながる石材加工業を追い出し、これから中国の発展に寄与する新たな産業用ロボットや、EVカー用の電子部品製造工場等に用途変更を意図した移転計画だそうです。
これは中国政府が推し進める新たな経済政策の最重要課題のプロジェクトになっています。

日本は、法治国家で自由な民主主義体制は本当にすばらしい国だと思います。

しかし、私は複雑な思いで聞きました。
日本は経済成長戦略を推し進めようとしていますが、一向に、改革ができず停滞しています。
それは、何を変えるのにも政治や司法の手続き、さらに既得権益の調整に時間が掛かり過ぎて、時代の変化に追い付いていません。

世界から後れてきたように思います。

国会を見ても重要法案そっちのけで政治家や官僚のお粗末なスキャンダルに貴重な時間を割いています。
そんな次元の低いことは知識人による第三者委員会に任すべきです。
いったい国会議員は何のために政治をやっているのでしょうか?

民法(相続関係)の改正で「遺留分」の扱いが変わる

投稿者 Bush吉田 2018年04月27日

 事業承継のため、オーナー経営者は後継者に承継会社株式(自社株式)の生前贈与を計画的に行っています。

平成30年度税制改正(平成30年3月29日成立)で、事業承継税制の特例(10年間の特例措置)が創設され、以前より使いやすくなりました。
これにより自社株式の生前贈与が急増すると思われます。

しかし、民法上、思わぬ落とし穴があることに注意しなければなりません。

民法では遺産相続において各相続人に法定相続分や遺留分を定めています。
例えば、親子4人家族の場合、配偶者の法定相続分は2分の1、子A、Bは、それぞれ4分の1と規定されています(民法900条1号・4号)。
また、このケースでは遺留分については、各相続人の法定相続分の2分の1を定め、その権利を侵害することはできません。(民法1028条~)
 仮に、被相続人が遺言書で子Aに全ての財産を相続させると意思表示をしていても、相続開始及び遺留分侵害の事実を知った後一年以内に子Bから遺留分減殺の請求があると(民法1042条)、相続財産の8分の1は渡さなければなりません。(遺留分減殺請求権)

 ですから、後継者がAに決まって、被相続人等から自社株式の生前贈与を受けても、後継者でない相続人Bから遺留分減殺請求権を行使される可能性があります。

次に、民法では遺留分はどう算定されるのか知っておくべきでしょう。
遺留分の算定上、過去に遡ってすでに生前贈与された財産も加えられます(民法1029条)。
さらに、算定の基礎は相続開始時の税務上の財産評価基本通達による評価額でなく、相続開始時の「時価」がベースとなります。
 ですから、後継者Aが生前贈与された時価1億円の自社株式を、経営努力により、企業価値を引上げた結果、相続開始時の「時価」が5億円となった場合は、遺留分の算定では5億円がベースになります。

 腑に落ちないと思うかもしれませんが、裁判所の判決からも5億円と解釈されています。
したがって、実際に減殺請求を受けると、後継者Aは企業価値(時価)の上がった自社株式を後継者以外の相続人Bに引き渡し分散させてしまわなければならなくなってしまいます。

 何の貢献もしなかったBに相当の財産を渡すことになると、後継者はやる気をなくし会社の経営に支障を来たすことになります。
 そこで、平成20年、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」の下で、自社株式の遺留分の特例(民法特例)で、自社株式の生前贈与を遺留分減殺請求権の対象から除外する「除外合意」、遺留分の算定の基礎を生前贈与時の株式の時価に固定する「固定合意」の制度が導入されました。

 しかし、事前に相続人全員の合意や家庭裁判所へ申し立て、許可を受けることが必要で、「除外合意」や「固定合意」はほとんど利用されていません。

 実は、法制審議会で「民法(相続関係)等の改正に関する要綱案」が平成30年1月16日にまとめられ、「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案」として平成30年3月13日に国会に提出されました。
 その中で注目すべき内容を述べると以下のようになります。

【現行】遺留分減殺請求権は物権的効力によりその行使の結果として割合的に減殺されるので共有・準共有になってしまう可能性がある。また、生計の資本等として受けた贈与(特別受益)はすべて遺留分算定の財産価額に算入され、何年前の生前贈与でも対象になる。

【改正案】遺留分侵害権として債権的効力(金銭債権化)とし、侵害部分は金銭により精算できるようになります。また、特別受益となる贈与のうち遺留分算定の財産価額に算入されるのは相続開始前の10年間になされたものに限定されることになりました。
したがって、事業承継に必要な物件ないし権利について共有状態の解消(共有物分割など)を試みる必要がなくなり、10年超前の生前贈与は遺留分算定の財産価額に算入されないこととなり、民法上も事業承継のハードルが低くなるのです。

専門書には特別受益の持ち戻し(共同相続人間の公平を図るため贈与により被相続人の財産から出ていった財産の価額も相続財産の価額に加えて、相続分・遺留分の計算をすること)を逃れるため、自社株式の株価を政策的に下落させて後継者に譲渡すべきとのアドバイスも見受けられます。

注意しなければならないのは、時価に比べ不当に低廉譲渡した場合で当事者双方、先代経営者の贈与者と後継者の受贈者が示し合わせて、他の相続人へ損害を与えることを知っていた(悪意)ケースでは贈与とされます(民法1039条)。そして、このような低廉譲渡も上記の民法改正の対象となっています。

【現行】遺留分減殺請求では、株式全体が対象となりかねない。

【改正案】負担付き贈与とされ、負担の価額を控除して金銭で精算できる。

今回の民法(相続関係)改正は事業承継に与える影響が大きいと思います。
国会がもめていますが、この法案、できるだけ早く成立して欲しいものです。

高額医療費のサービスを受けて・・・

投稿者 Bush吉田 2018年04月10日

先週のことになりますが4月4日に事務所セミナーを開催しました。

第一部は「本当の日本経済」。
講師は、経済アナリストでその内容は大変参考になり、面白かったです。

その中で、政府債務について触れていました。
今、日本経済は政府債務が拡大し、年末で政府の借金は1086兆円に膨れ上がっています。国民一人当たり858万円もの借金となっているのです。
また、GDP比では200%を超え、ギリシャより悪い比率となっています。

 このことから将来、政府の借金はデフォルト(債務不履行)になるのではないか、との識者がいますが、そうはならないようです。

 それはなぜか?この問題はまず日本一国で見ると、まるで見えてくる景色が異なってきます。政府の借金に対して、その債権者のほとんどが国内の民間個人や金融機関等の法人で占められています。
そして、2016年現在の政府や民間の個人や金融機関等の法人すべてを含む合計、つまり一国ベースの貸借対照表はどうなっているかと云えば、資産7,502兆円に対して債務が7,151兆円で純資産が351兆円あることになります。
 ちなみに、純資産の内容を分析すると金融機関が143兆円、その他の民間企業が▲598兆円、政府▲712兆円(借金を相殺後)、民間家計1,496兆円、民間非営利団体22兆円となって、一国の純資産は351兆円となっています。
 ピンとこないかもしれませんが、その純資産は外国預貯金や債券等、外国会社株式などの対外純資産348兆円と、日本が保有するGOLD(金)3兆円として構成されているようです。

将来、この純資産がどうなるのか興味があるところです。
実は、日本はこの純資産が増え続けています。この純資産の増加をもたらすのは貿易黒字と所得収支で外国預貯金や債券等の利息収入、外国会社株式など配当金です。それは所得収支と云われていますが(貿易等収支+所得収支=経常収支)、毎年経常収支が黒字で対外純資産を増加しつづけています。
 したがって、一国で見た場合、国として富が増えて行き詰ることがないようです。

 しかし、問題は、政府の巨額な借金は将来どのような問題を引き起こすのか?ということです。
昨今の高齢化社会の到来で社会保障費がウナギのぼりに毎年1兆円ずつ歳出は急増しています。
一方、歳入は低成長経済で税収が50兆円程度で伸び悩み、経済が低迷しており消費税増税が厳しい状況なのです。
 したがって、歳出は増え続けていますが、歳入は賄え切れておらず、政府債務は膨らみ続けています。
しかし、このまま政府債務が膨らみ続けるのを放置してはいけない問題です。
将来の子や孫の世代にそのツケを負わせることになるからです。

前段が長くなってしまいました。

ところで以前、ブログにも書きましたが、今年の始めに腰の手術を受けました。

このとき、この国は何と国民にやさしいことだろう・・・と思いました。

あれだけの高額な医療サービスを受けて、患者である受益者負担は信じられないほど少なく済みました。高額医療制度のお陰ですが、自己負担が少ない分、医療保健基金や政府の社会保障費の負担になっています。
ちなみに高額医療制度が見直されるようですが、それでも受益者負担は少なすぎるように思います。
 それぞれの国民の置かれている状況は異なっていますが、それなりの収入や資産がある人はそれなりの負担があってもいいと思います。

 このままではこの国の社会保障制度は崩壊すると思います。

先日、中国に進出した日本の企業経営者の話では、中国の様子は日本と全く異なっています。お金が無ければ医療サービスを受けられないようで、国民に本当に厳しい社会だそうです。
日本人は本当に恵まれています。

とんでもないことですが、中国人の高齢者が日本で働いている子の扶養者になって、高度医療を受けて帰る人が目立ってきたそうです。

したがって、まず、ガードが甘すぎる社会保障制度を見直すことです。
人道的に議論すべきですが、治癒する見込みのないただ単に延命するだけの終末医療への公費負担は考えものです。

国民はいずれ、社会保障費の負担増や増税はしなければならないことは分かっています。
ただ、負担増の結果の使い方や将来の国のビジョンを明確にして欲しいと思っているはずです。

話があちらこちらと散らばってしまいました。
もうお花見の時期は過ぎてしまいましたが、最後に横浜の桜をご覧ください・・・。

横浜の桜
横浜の桜
横浜の桜
横浜の桜

『Fintech』は全知全能化か?

投稿者 Bush吉田 2018年03月20日

フィンテック(Fintech)という単語をよく目にするようになりました。
これは、金融のFinanceとIT技術のTechnologyを結合した造語だそうです。

会計事務所業界でもFintechが普及しはじめ、TKCなどの会計システムでは銀行取引の内容やETCなどのクレジット取引について、データを取り込み、自動的に仕訳が出来るようになっています。
このような金融取引の自動仕訳化はFintechの活用の一部に過ぎません。

金融ビジネスのIT化の始まりは米ソ東西冷戦が終わってからです。
軍拡競争の終了で軍のITネットワーク技術者が大量に金融業界に移動しました。
そんな経緯から、金融工学が急速に発達しました。
ジャンクボンドやヘッジファンド、さらにエスカレートして毒まんじゅう入りのサブプライムローンを混ぜた悪質なファンドが世界に拡販したことによって、リーマンショックを引き起こした弊害もありました。

その後、ビッグデータ(IoT)をベースに人口知能であるAIが出現して金融ビジネスに利用され、新たな金融技術を総称してFintechと呼ばれています。

 その効果なのでしょうか?

ウォール街の懲りない金の亡者は利益を得るためFintechを活用して、株の高速取引やデリバティブなどが世界的に広がりました。
その影響か、金融商品が肥大化し危険水準になっていると警告を鳴らす識者もいます。

統計データによると、世界の金融資産は325兆ドルと云われていますが、世界のGDPが80兆ドルに対して4.1倍にも跳ね上がっています。
ちなみに、2008年のリーマンショック時の倍率は3.5倍でした。(※)

一方、軍需のITネットワーク技術から民需に活用した新しいビジネスが飛躍的に成長しました。シリコンバレー発の新興企業です。
マイクロソフトをはじめ、Google、Amazon、Apple、Facebookの5社の時価総額が3.8兆ドルと企業価値が信じられないほど急騰しています。また、国家資本主義の中国発のアリババ、テンセンの時価総額も1兆ドルとホントかよ?とも思える企業価値となっています。(※)
ちなみに、日本のトヨタ、NTTドコモ、NTT、三菱UFJ、ソフトバンク、5社の時価総額は0.6兆ドルでその差は歴然としています。(※)

なぜ、このように日本を代表する企業とシリコンバレー発の新興IT企業との信じられないほどの差が広がったのか?

これは、データを握るものがすべてを支配するというデジタル・エコノミーの時代に突入する予感ともいえる現象だと云われています。(※)

実はFintechはこの動きをいち早く捉えて、これらのシリコンバレー発の新興企業に対して、投資家から大量な資金を引き込む役割を果たました。

これから先、世界が今のような時代の潮流の延長で続いていくとすれば、金融ビジネスにおいて、Fintechは将来を予測する有用なツールとして加速度的に利用が広がっていくと思います。

しかし、AIを利用したFintechも、実は過去の膨大な情報IoTをベースとしています。もし、今まで起きたことのないような異常な事態が発生した場合はどうなるのでしょうか?
仮に、世界的に大規模なサイバー攻撃に襲われた場合や、テロリストの襲撃や核戦争が勃発した時、データネットワークシステムがダウンするような想定外の事態が起きたら、金融取引は世界的に大混乱するでしょう。
Fintechは全く無力化してしまうのです。

私見ですが、AIやFintechをそのまま信じることなく、重要なことは自分の判断で物事の最終確認していくことだと考えています。

人の知恵は限界があります。全知全能の神にはなれないのです。


(※)参考データ「寺島実郎の時代認識」から引用

所得税は不合理で嫌いです。

投稿者 Bush吉田 2018年03月12日

 毎年、確定申告の時期になると思うことですが、所得税は理論的でなく、嫌いです。
所得税法上の課税が定められていますが、理屈が一貫していません。
その理由は所得の概念が不明確で、理論的に説明できないからだと思います。

所得税法には、営業や農業などの事業所得、不動産賃貸業の不動産所得、サラリーマン等の給与所得、公的年金等の雑所得は納税者の生活の維持のため、恒常的な稼ぎとして、富の増加をもたらします。
得られる利益は富の増加の実現ですので所得として課税されることは納得できます。
そして、一時所得、退職所得、雑所得は性格が異なるものの富の増加につながるので所得として課税されます。
 また、配当所得、譲渡所得も富の増加として課税されています。

したがって、日本の所得税法では富の増加の実現を所得として捉えて課税していると考えられます。

世界には、配当や譲渡所得(不動産や有価証券)のキャピタルゲインを非課税とする国も多くあります。

問題なのは、この配当所得です。
配当金は、法人が株主に対して剰余金の分配として支払います。
法人では、法人税等を納税した後の剰余金を分配していますから、株主に所得税を課税すると二重課税となります。
所得税では国内株式や一定の外貨建等証券投資信託に限り、配当税額控除が認められていますが、配当金の1.25~10%と微々たるものです。

次に株式等の譲渡所得が生じたらどうなるでしょか?
上場株式等も非上場株式についても譲渡所得として、所得税住民税20,315%の分離課税が課税されます。

仮に、株式等の譲渡で損失が生じた場合はどうなるでしょうか?
非上場株式の譲渡損は非上場株式の譲渡益との通算はできますが、通算後も損失がある場合は損失がなかったものとなります。

上場株式等の譲渡損は上場株式の配当金と通算が認められています。
但し、その損失の繰越せる期間は3年間ととても短くて、株式投資で大きな損失が生じた納税者のその損失の穴埋めができず、繰越期限切れで失効してしまうケースが多いのです。
所得税が富の実現に課税するなら、富の損失にも手当てがあってしかるべきです。
せめて、法人税と同じく10年間は損失の繰越を認めるべきだと思います。

 H28年分より、上場株式等と非上場株式はそれぞれの譲渡損益が相互には通算できなくなっています。
つまり、上場株式等と非上場株式は別々に譲渡益、譲渡損を計算し、一方に利益が出ても、片方の損失と通算できないことになりました。

このように所得税というのは、株式等の譲渡損失に対しては厳しい税制で、個人投資が盛り上がらない要因の一つだと思います。

次に、不動産の譲渡所得についてはどうでしょうか?
不動産の譲渡で所得が生じたら、譲渡所得が課税されます。
不動産の譲渡所得は原則として、売却した年の1月1日時点で5年以内は短期譲渡所得で39.63%、5年超の長期譲渡所得は20.315%で税率が異なります。

それでは、仮に不動産で譲渡損失が生じた場合はどうなるでしょうか?
居住用などの例外を除いて、H16年から他の所得との通算ができなくなり、その損失は無かったことになりました。

つまり、譲渡益が生じたら課税するが、損失を生じた納税者は他の所得との通算や損失の繰越ができないのです。
もし、所得が納税者の富の増加に課されるのであれば、損失にもそれなりの手当てがないと片手落ちで不合理だと思います。

昨今、話題になっている仮想通貨の儲けは雑所得で総合課税となります。
仮想通貨の取引で損失が生じるとどうなるか?
残念ながら、雑所得の損失は他の所得とは通算できず、さらに損失も繰越できません。

所得税は国民生活に一番身近な税制ですが、国家財政の柱としての使命なのか?

国民から取るための税金の印象が拭えません。

後継者の遺産争いの問題点/事業承継Part4

投稿者 Bush吉田 2018年03月06日

今回は、後継者以外の相続人がいる場合で遺産分割において注意しなければならないこと、について書きたいと思います。

民法では法定相続分について各相続人の権利を認めています。
後継者に兄弟がいれば兄弟の法定相続分は全員が均分相続であり、被相続人が遺言書によって均分相続以外の分割の意思表示をしたとしても、各相続人は法定相続分の2分の1の遺留分という権利が認められています。

したがって、被相続人が相続争いを避けるために遺言書を作成したばかりに、その分割内容によっては各相続人の遺留分を侵害したとして「遺留分減殺請求」という争いが起きるケースも多くなっています。

事業経営者である被相続人は、遺言書によって後継者に会社の株式等を相続させることができます。

また遺言書ではなく、生前に会社の株式等を贈与すれば大丈夫でしょうか?

民法上、遺産分割の計算上は特別受益として相続開始時の時価で遺産分割のベースに組み入れられてしまいます。

 例えば、後継者が先代経営者の生前中に株式を移転せずに承継した会社を、経営努力により企業価値(株価)を増加させ、生前贈与時1億5千万円であった株価を15億円に引き上げたとします。
先代経営者が亡くなり、兄弟間で遺産争いが起きると、遺留分の計算上、承継会社の相続時の株価15億円が対象になってしまいます。
後継者の血の滲むような努力が事業承継会社の企業価値の上昇となって、他の相続人の遺留分ベースを押し上げます。

 よって、事業経営者は遺言書作成時に各相続人の遺留分を考慮しておかなければなりませんが、将来の相続開始時における財産時価を見積もることは極めて難しいと思います。

そこで、平成20年の「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が制定された時に、民法特例法の認定承継会社における生前贈与時の株価の「固定合意」や「除外合意」が設けられました。
この「固定合意」とは、相続開始時の遺産分割の対象となる承継会社の株価評価について、生前贈与時の評価額で価値を固定することです。
また、「除外合意」とは、相続開始時の遺産分割の対象となる財産評価から、生前贈与した株式等を除外することです。
いずれも家庭裁判所の許可が必要です。
これらの合意には法的な効力があり、先述したような問題が解決できるため、後継者の経営意欲の向上にも繋がります。

しかし、現実に適用されているかと云えば、民法特例法の「固定合意」や「除外合意」は各相続人の同意が必要なことから、さらに、裁判所も「固定合意」や「除外合意」など、相続人間の権利の侵害になることには厳しい条件が付くようです。
また、顧問である法律事務所や知り合いの弁護士に聴いてみても一種の遺留分放棄?に繋がる「固定合意」や「除外合意」は、ほとんど使われたケースがないとのことです。

 よって、このような相続争いを避けるため、後継者は承継会社の株式が低いタイミングを狙って、生前贈与でなく株式を売買することを推奨するコンサルティングファームも多くなっています。
これは、先代経営者から後継者に生前贈与でなく、承継会社の株式等を譲渡する方法です。

最後に、経営承継円滑化法に基づく遺留分の民法特例を適用するに当たって、事業承継税制の活用の有無にかかわらず、将来の禍根を残さないために、後継者を選んだ場合は兄弟など他の相続人にその旨を伝え理解を得ていく必要があります。
また、後継者の兄弟にそれ相応の遺留分以上の財産を与えなければならないと思います。

改正され、使いやすくなった事業承継税制/事業承継Part3

投稿者 Bush吉田 2018年02月27日

 今回は事業承継に関する税制についてです。

 中小企業が事業承継するに当たっては、会社を支配する株式などの『モノ』を現オーナーから後継者に移転する必要があります。
 しかし、株式などの『モノ』の移転には贈与税や相続税が課税されます。
承継する会社が優良会社であればあるほど、株価が高く税コストも高額になってしまいます。
このことが事業承継の大きな障害となっていました。中には過大な税負担のため、承継を諦めざる得ないケースもありました。

 そこで、このような弊害をなくすため、中小企業庁など関係団体の働きかけで中小企業の承継の円滑化のために創設された、事業承継税制が平成21年から施行されました。

この事業承継税制は、非上場株式等の相続税・贈与税を一定の要件のもと納税猶予できる制度です。
しかし、この税制は施行されたものの納税猶予の適用要件が厳しく、リスクが伴うため、実務上では敬遠されて適用件数が低迷していました。
その後、先代経営者の経営への関与などについての手直しがありましたが、相変わらず使い勝手が悪く、適用件数が少ない不人気な税制でした。

 それは主に次の要因からでした。
①発行済み株式の53%(発行済み議決権総数2/3×80%)まで納税を猶予ができず、残りの47%は納税しなければならないケチなもの?だった。

②株式の移転の当事者は一人の先代経営者から一人の後継者(代表権)に限定されていた。

③雇用確保要件は5年間平均で80%の雇用を維持しなければ、納税猶予は取消され、遡って猶予税額と利子税を納付しなければならなかった。

④承継後に会社の経営状態が悪化して会社売却又は廃業となった場合、承継時よりも廃業時等の株価が下落したとしても、承継時の株価で納税しなければならない。
これにより、納税のために自己破産するケースもあった。

⑤平成29年度から相続時精算課税制度で株式を贈与できるようになりましたが、適用対象者が60歳以上の先代経営者から、20歳以上の子や孫への後継者に限られていました。
相続時精算課税制度の適用要件から、受贈者が贈与者の推定相続に限られ、先代経営者の子や孫への承継を前提としていた。

注意しなければならないのは、納税猶予は適用要件に当てはまらなくなると、猶予が外され、一気に課税され猶予納税と利子税(延滞税)を納付しなければなりません。

例えば、③5年間の雇用確保要件では経営者は人手不足で人員確保ができない。また、業績悪化により生き残るため止む得なく人員削減などが必要になる場合。
このように将来5年間の不確実な要件が納税猶予の前提となっていました。
また、④の会社の廃業なども将来的な大きな不安になるでしょう。
昨今のように、経営環境が激変する時代、企業経営では将来何が起こるか分かりません。
したがって、この納税猶予については将来予測の伴う判断が複雑すぎて、経営者はこんなリスクのある税制を敬遠してきました。
もちろん、税理士としても損害賠償責任を恐れて積極的に勧めませんでした。

今年の税制改正大綱において、この事業承継税制の適用要件が大幅に緩和されました。

①発行済み株式の100%(発行済み議決権総数)まで、全株式について納税猶予ができるようになりました。

②株式の移転の当事者は先代経営者のみだけでなく同族関係者やさらに同族外の第三者から、事業承継計画に記載された代表権を持った持株過半数の同族関係者三人までの後継者(議決権10%以上の同族関係者)に贈与等に納税猶予が認められました。したがって、同族の共同複数承継が可能になりました。

③雇用確保要件も5年間平均で80%を維持できなくなっても、納税猶予が可能になります。なお、雇用維持できない理由等を「認定経営革新支援機関」から意見が記載された書類を都道府県に提出する必要があります。ただし、実務上具体的な「認定経営革新支援機関」の指導や助言がまだ明確になっていませんが、誠意を示している限りは人数不足を理由に、納税猶予の取消にはならないように思います。

④承継後の会社の経営環境の変化で、会社売却や廃業があって株価が下落した場合は譲渡等時の株価で納税すればよくなりました。つまり、株式を譲渡等した資金の範囲内でよく、承継時の株価との差額は免除されます。
ただし、譲渡等前5年間に同族関係者に対して支払われた過大役員報酬や配当に相当する額は納付する必要があります。
ちなみに、経営環境の変化とは、直前事業年度以前3年間のうち、2年以上の赤字、2年以上売上高が前年度より減少。直前決算末の有利子負債が売上高6か月分以上。承継会社の業種に係る上場会社の直前平均株価が下落。後継者が会社の経営を継続しない特段の理由がある。が例示されています。

⑤相続時精算課税制度で株式を贈与できますが、適用対象者が60歳以上の先代経営者から、20歳以上の「後継者」も対象になりました。先代経営者の推定相続人である子や孫でなくても相続時精算課税制度で株式を贈与できるようになりました。つまり、第三者への承継もこの制度の適用が可能となります。

 ただ、注意しなければならないことは、平成30年4月1日から平成35年3月31日までに「特例承継計画書」を「認定経営革新支援機関」などとよく相談しながら都道府県に提出することです。5年間に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律12条第1項」の認定が必要な特例制度です。

さらに、平成30年1月1日から平成39年12月31日までの10年以内に株式の贈与・相続の事業承継が対象となるのです。

 事業承継を税務面から検討する場合、必ずしも事業承継税制ありきではないのですが、今年の改正によって、今までのような納税猶予の伴うリスクが少なくなり、特例事業承継税制の適用が広がるものと思います。
「認定経営革新支援機関」として、この制度の具体的手続きなど取り扱がどうなるか大いに関心があります。

次回は事業承継に関係する遺産分割や遺留分について書きたいと思います。

会社の財務などの実態は?/事業承継Part2

投稿者 Bush吉田 2018年02月23日

 事業承継時の財務面から会社の実態について考えてみました。

会社は毎年の決算時に決算書(貸借対照表と損益計算書)を作成します。
それは、その事業年度の財政状態や業績を表す重要な情報で、経営を委託された経営者の通信簿とも云えます。
また、その決算書は税金の課税のため国や地方自治体、借入先の銀行さらには株主等の利害関係者に報告が義務づけられています。

事業承継を迎えたA会社の貸借対照表です。

現金預金1億円、売上債権3億円、有形固定資産等4.5億円、その他の資産0.5億円、資産合計9億円
借入債務2億円、その他の債務0.5億円、借入金3億円、資本金0.5億円、繰越剰余金(内部留保)3億円負債・資本合計9億円。
A社の貸借対照表は、自己資本比率が39%と財務状態は安定しています。

しかし、貸借対照表をさらに精査してみると次のような事実が判明しました。
A社は20年前に工場を建て土地を2億円、建物等3億円、機械設備5億円に対して、借入金6億円と自己資金4億円で取得しました。
20年前は経営者が50歳でしたが、将来の事業の発展や自社株対策を視野に入れて、社運を賭けた設備投資を行いました。
現在、この工場は土地の時価が5千万円、建物等や機械設備は減価償却後の帳簿価額がそれぞれ1億円と2億円となっています。
A社はこの工場完成後、生産がなかなか軌道に乗りませんでした。さらに、10年前のリーマンショックの影響を受けてしばらく赤字続きでした。

業績が低迷していたことから、機械装置の減価償却を計上しない事業年度が続きました。
会計ルールによる相当の減価償却をしていれば、機械装置の適正な帳簿価額は現在0.5億円のはずでした。
工場と地価の下落による含み損1.5億円(2億円-0.5億円)、機械装置の償却不足額1.5億円(2億円-0.5億円)、合計3億円の資産減損があります。

また、この会社は従業員が30名ほど在職しており、退職給与規定もあります。
従業員は在籍年数が長い高齢者が多く、退職給与規定によって現在の退職金必要額を計算すると全員分で2億円となります。
さらに、事業承継時には現社長と側近の役員2名への退職慰労金の支給想定額は1億円が見込まれています。
しかし、これらの支出に備えて中退共や退職金保険等への資金準備がされていません。
精査の結果、20年前に取得した工場の資産の減損3億円、退職引当不足3億円を反映させた実態貸借対照表は下記のようになります。

実態貸借対照表は
現金預金1億円、売上債権3億円、有形固定資産等1.5億円、その他の資産0.5億円、資産合計6億円
借入債務2億円、その他の債務0.5億円、借入金3億円、退職引当不足3億円、資本金0.5億円、繰越剰余金(欠損金)▲3億円 債務超過2.5億円と、財務状態が変貌します。

なぜ、このように財政状態に変化が起きたのでしょうか?
毎期決算の貸借対照表では、土地は買った時の取得価額で帳簿に記録されます(取得原価主義)。
また、機械装置は会社ルール(中小企業会計要領)では必ず減価償却をしなければなりませんが、税法上は減価償却として認められるのは損金経理することが要件になっています。

 さらに、退職金についても税法上は実際に退職するまで損金として認められなくなっています。退職給与規定はほとんど確定債務ですから、会計ルールでは計上しなければならない負債性引当金です。
 実務をやっていて残念に思うのですが、経営者の多くはどうしても税法基準を重視してしまいがちです。それでは会社の実態は把握できません。

しかし、取引銀行は毎期、報告される決算書の実態を時価ベースで算定して判断しています。
そして実態ベースが債務超過に陥っている取引先への融資は企業格付け評価を落として、金利の引き上げや担保の補強など与信条件を厳しく見直してきます。

事業承継に値するかどうか、その会社の財務面からの実態をよく把握する必要があります。
また、A社の毎期の利益や返済可能額(利益+減価償却費)がどうなっているかを考慮しなければなりません。
ちなみに、返済可能年数が10年以上、つまり返済可能額が0.3億円未満であれば承継しない方がよいかもしれません。
もちろん、取引銀行は後継者から承継会社の借入金の個人保証を要求します。後継者は承継会社のリスクを一身に負わなければなりません。

A社のように債務超過で収益性が低い場合、後継者に負の遺産を背負させることになります。

例えば・・・
少し話は逸れますが、税務の観点からは、A社を承継することを決断した場合の承継方法は、最近話題の事業承継税制ではなく、現経営者の生前に会社の価値が低い時期のシンプルな株式の贈与が有力な選択肢となります。
 議決権が後継者に移ることに懸念がある場合には、種類株式を活用することを併せて検討していくことで解決できます(事業承継税制を適用する場合には制限があります)。

事業承継は事前の準備が大切です。

次回のブログへつづく…。

事業承継に大事なこと/事業承継Part1

投稿者 Bush吉田 2018年02月14日

中小企業白書によると2009年から2014年の間に、中小企業者が39万者減少しています。

その内訳は小規模企業367万者⇒325万者▲41万者、中規模企業54万者⇒56万者、+2万者、大企業1.2万者⇒1.1万者▲0.1万者となっています。

廃業する中小企業者が多く、特に、高齢化で小規模企業者が目立っています。

廃業理由としては、「事業に将来性がなく、自分の代までと考えている」が66%、「後継者難」が29%、「人手不足など経営環境に対応できない」が5%となっています。

会計事務所から見る景色でも、廃業する企業は時代の変化に対応できずに業績不振続きに陥っているクライアントが多いように思います。
また、後継者難は親族の少子化や親族の価値観を尊重する風潮、さらに親の背中を見ていて「労多くして見返りが少ない」親の仕事に魅力を感じないため承継をしないケースも多いようです。

小規模企業者は取引先や従業員、金融機関など利害関係者が少なく、比較的簡単に廃業ができます。その企業が債務超過でオーナー経営者の個人財産が少ないと、法的整理や個人破産、さらには相続放棄などドラスティックな幕引きとなることも少なくなくありません。

一方、中規模企業以上の企業者は増加に転じています。
中規模企業者は時代の変化へ対応し、競争社会で生き残ってきた企業です。
昨今、企業は事業価値が社会的に認められなければ存続できません。

では、『企業価値』とは何か?

よく云われている企業の強みのことです。
具体的には企業のブランド力や信用度の高さ、その源泉がトップ経営者の能力そのものであることもあります。優れた技術や商品を持っている。
顧客満足度の高いサービスなどを提供する体制などの組織力を言う場合もあります。

それでは、企業価値をどのように捉えるのか?
昨今、経済産業省が推奨している「ローカルベンチマーク」で、企業の経営状態の把握を行うツールがあります。金融機関も注目しており、その企業の業界内での位置づけや事業性評価の参考にしています。

また、事務所の決算報告会で引用しているTKC-BAST値の同業他社との比較も有効です。その企業の過去の業績データとTKC-BAST値との対比でデータに基づいて経営者と議論していくと、その企業の価値源泉(強みだけでなく弱みも)が絞り込めるように思います。

 中小企業庁から公表されている「事業承継自己診断チェックシート」や公認会計士協会の「事業承継支援マニュアル」を活用すると、事業承継上の問題点が浮き彫りとなり便利です。

その結果から、第一段階として経営者は次世代に事業承継をさせていくべきか、廃業すべきか、長期的視野にたって考えていく必要があると思います。

事業承継すべき、との判断であれば、第二段階として誰が事業を承継するかを見極めなければなりません。
後継者選びは経営者にとって最も重要な意思決定で、時間をかけて慎重かつ冷静に行わなければなりません。
最近5年以内の統計データでは、事業承継先は子や子以外の親族への親族承継が33.3%、親族以外の役員・従業員への承継が26%、社外第三者(M&A)が39%となっています。ちなみに、30年以上前の事業承継先は90%が親族内(子への承継83%)でした。
この変化の背景には親族の価値観を尊重する風潮や、さらには後継者としての適材適所を考慮した人選なのかもしれません。

事業を承継するには承継者が能力や性格など経営者に適しているかどうか、また、なによりも承継者の意欲や人望も重要なポイントになってきます。

経営者は世の中の激しい変化に対応できる能力や気力がなければ企業価値を維持し続けることができません。
また、中規模企業の場合は、流動化しはじめた人材を束ねていくリーダーシップや経営者としての魅力も必要になってきました。

「この後継者の実力はどうか?将来この後継者と運命を共にして自分の生活は本当に保障されるのか?」

そんなつぶやきも露骨に聞こえてきます。
従業員は事業承継しはじめの後継者の様子をじっと観察しています。

激動の世の中、後継者も創業者と同じ実力が要る時代になってきました。

次回以降は、財務面からの注目点、事業承継税制、相続の遺産争いなどを連載していきたいと思います。


*参考(中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」より)

製造業その他
→資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

卸売業
→資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

小売業
→資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人

サービス業
→資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

「ひやひや」もののセミナー

投稿者 Bush吉田 2018年02月05日

 先週の金曜日に、ここ数年恒例になっている証券会社での確定申告セミナーを行いました。

ところが、あいにく先週の木曜日から金曜日にかけて寒波と低気圧の通過により、湘南地域もかなりの雪が降る予報がされ、開催がどうなることかと危ぶまれました。
来場される方々は証券会社の顧客、そのほとんどが高齢者の方々です。
雪が積もると足元が悪く会場までの移動に難儀します。
セミナー前にこんなに「ひやひや」したのは初めてでした。

 しかし、当日は幸運なことに雪が積もることもなく、お昼近くにはすっかりお天気も回復し、予定通り開催することができました。
そしてエントリーされている人数より多くの参加者があり、まずはホッとしました。

 セミナーの時間は1時間30分、平成29年分所得税や住民税の改正点など中心に、当事務所の坂本税理士と私の二人で分担して説明を行いました。

内容は税金に関することばかり、無味乾燥で決して面白いものではありません。

事務所で作成したメインの資料を中心に、税務署から配布される「株式等の譲渡所得の申告のしかた(記載例)」「住民税申告書」にそって話を展開しました。
もちろん、受講者にはそれぞれ資料をあらかじめ配布しておきます。
また、同じ資料を前面のスクリーンにプロジェクターで投影もしました。

毎回そうですが、講師として気にしているのはメリハリです。
合間に参加者に質問したりジョークを言ったりして、いかにこちらに引きつけることがことができるか…。一人でも寝てしまっている受講生がいると講師の負けだと思っています。

所得税の専門用語や申告書の書き方は難しいので、出来るだけ易しく自分のことばに置き換えて伝えるようにしています。
指さし棒を使って映し出されたスクリーンで見てもらいながら話を展開しますが、どうしても話の内容について来られない方もいます。
必要な資料をできるだけ添付するようにしていますが、多すぎてしまっているのかもしれません。

セミナー終了後には、質疑応答や個別相談の時間を設けています。
個別相談で質問をされた方は約30名ほどいました。
二人で手分けして丁寧にお答えしたつもりです。
みなさん熱心で、セミナーテーマ以外の不動産所得や贈与などの質問を頂きました。

セミナー終了後、回収されたアンケートがいつも気になります。
今回はアンケート結果にばらつきがみられました。

「よく理解できた!」、「話が難しかった・・・」、と両極端な結果でした。

受講者とのコミュニケーションの難しさを思い知らされました。
もっともっと説明の仕方や分かり易く資料を整理する工夫が必要だと思いました。


しかしその一方で、税制そのものが複雑で難し過ぎると思います。

知らなきゃ損する、現行の申告納税制度は納税者、特に高齢者とって優しくないようです。

上場株式等の住民税の課税方式の申告不要制度の選択適用を上手に活用しましょう!

投稿者 Bush吉田 2018年01月29日

今年は寒さが例年になく厳しく感じます。

さて、会計事務所にとって体力勝負の時、忙しい確定申告の時期が近づいてきました。

平成29年度税制改正で、「上場株式等の住民税の課税方式」の見直しがあり、所得税申告と住民税申告で異なる課税方式を選択できるようになりました。

これはどういうことなのか・・・。

上場株式等の配当や譲渡益は所得税で確定申告をする、しないを選ぶことができます。
しかし、所得税で上場株式等の配当等を申告すると、自動的に住民税も申告したことになります。

ではこれの何が問題なのか…。

自営業者や無職の人及びその家族、75歳以上の人で上場株式等を保有している方たちが申告した場合に弊害が生じていました。
つまり、上場株式等の配当等を所得税で申告すると、翌年の住民税上も課税所得が増え、健康保険料(課税所得×10.71%)や介護保険料、住民税(源泉税5%から申告税10%)にも影響を受けてしまいます。医療費の窓口負担も3割(課税所得145万円超)になってしまうケースも見受けられました。

そこで、今回の改正では所得税は上場株式等の配当等を申告しても、配当等は「住民税は申告しない選択(申告不要)」ができ、翌年の住民税の課税所得に影響されなくなったのです。

具体例としては、課税所得100万円の人が、所得税で上場株式等の10万円の配当を総合課税で申告すると、所得税は源泉徴収分1万315円(1万5,315円-申告税額の増加5,000円)+配当控除1万円=2万315円が還付されます。
一方、上場株式等の配当は「住民税では申告しない選択(申告不要)」ができるようになりました。
 住民税は上場株式等の配当を所得税で申告すると、自動的の住民税の課税所得に計算され、翌年度の住民税の課税所得が配当所得10万円増加して、住民税が10万円×10%=10,000円-配当控除2,800円=7,200円増加しますが、配当の住民税源泉税5,000円が差し引かれて2,200円の増加になります。
よって、今回の改正で、配当は「住民税を申告しない選択(申告不要)」の方が有利で、所得税還付金2万315円がそのまま還付されることになりました。

この改正では、所得税の申告をしても、「住民税を申告しない選択(申告不要)」すると、翌年度の住民税の課税所得に影響しないことから健康保険料の増加の懸念もありません。
さらに、上場株式等の配当や特定公社債の利子、上場株式等の譲渡や特定公社債の譲渡益・償還益について、所得税申告で申告分離を選択しても、「住民税を申告しない選択(申告不要)」ができます。
そのための手続きとしては、「住民税を申告しない選択(申告不要)」をした場合には、住民税の納税通知書が送付されるまでに住民税申告書を提出することとなります。

 最後に、上場株式等の配当等や譲渡等で所得のあった人は、この制度を上手に活用して、所得税住民税の節税や健康保険料、医療費の窓口負担額のアップの対応を図ってください。

平成30年、あけましておめでとうございます。

投稿者 Bush吉田 2018年01月21日

みなさま、あけましておめでとうございます。

今年初めてのブログです。
年末に腰の手術のため入院し、事務所へは15日から出勤し、腰にあまり負担が掛からないようにスロースタートです。

 人生で初めて何末年始を病院で過ごしましたが、ゆっくりと休養ができました。

 さて、平成30年、平成最後の年が始まりました。

株式市場、4日の大発会では741円も株高となりました。
大発会で株式が上がると、その年は株式相場や経済状況が好調になる確率が高いと云われています。

 2008年のリーマンショックがあった年の大発会では、株式相場が4%下落しています。
このように、株式相場はこれから先の経済を予測する指標との見方もあります。
年末年始の株式上昇は外国人による買い越しのようです。反面、日本人は株式を売り越しています。私もその一人です。

ちなみに、安倍政権は政策的に株高操作を行っています。
GPIF(国民の公的年金)による、値下がりリスクがある株式等の購入によって、2016年度末で運用資産が145兆円も膨れ上がっています。
さらに、日銀ETFでは株式を2017年10月で4兆6千億円も購入しています。日銀はユニクロなどの優良銘柄の大株主に名を連ねていますが、気になるのは日銀が株式を購入するのは禁止されているはずですが・・・。

 こんなに株価を意図的に吊り上げて本当に大丈夫なのでしょうか?

株価下落の反動が起きた場合はその損失のツケは国民が負担することになるのでしょうか?

「上がった株は必ず下がる。下がった株は必ず上がる。」との格言があります。
右肩上がりの株価の高騰は不気味です。

 最近、私どものクライアントも業績が好調なところが増えています。
業績好調な企業は、海外の経済成長の恩恵を受けている製造業が多いです。

日本の貿易相手国は経済成長著しいアジア地区全体が52%(うち一番は中国24%)も占めています。
トランプ大統領がアメリカファーストの政策を掲げ、貿易摩擦が心配な米国はたった15%しかありません。
つまり、日本は中国、ASEAN、インドを含むアジア地区の成長の波に乗って経済が好調なのです。これから先も、アジアの成長の流れを仕事にいかに取り込むことができるかが、企業の業績好調の維持に繋がると思います。
建設、不動産の一部企業は受注が好調ですが、人手不足などでコストアップになって利益が出しにくくなっています。

 これから先、世の中が大きく変わるようです。
新たなことに挑戦していきましょう。平成時代の終演は一体どんな年になるのでしょうか?

そんなこんなでスタートしましたが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2017年

H29年、最後のブログ。

投稿者 Bush吉田 2017年12月21日

 今回のブログで平成29年を締めくくりたいと思います。

実は皆よりひと足先に年末年始のお休みに入ることになりました。
残念ながら海外旅行のためではありません。
この長い休みを利用して入院することになっています。
ここ10年間、ずっと腰痛に悩まされ続けていました。
腰痛が始まってから、自宅近くの総合病院にかかったところ、MRIやレントゲンにより脊椎管狭窄症と診断されました。担当する新進気鋭のイケメン医師のアドバイスでストレッチも毎日欠かさずやってきました。また、症状緩和のための薬も服用していました。

 しかし、その甲斐もなく近頃では15分以上歩くと足にしびれが走り、足元の感覚が無くなっていました。これでは将来、歩行ができなくなると不安に思い、イケメン医師に治療方法を質問したところ、
「あなたは狭窄部位を取り除く手術しかありません。私も脊椎管狭窄症の手術はできます。
ただし、手術はリスクがあり、最悪、車いすになるケースもあります。」
医師の無神経で心無い言葉に、ただただ怖くなり黙ってしまいました。

難しい手術なら見識ある医師を探すべきだと、都内の二か所の病院の二人の専門医に診てもらいました。
さすがに専門医だけあって今の症状について詳しい説明がありました。
そして脊椎管の一つが横滑りしていてずれていることを初めて知りました。
さらに、脊椎の横滑りから、今後の症状の予測まで話してくれました。
そして、医師から次のような問いかけがありました。
 「吉田さん、これからの人生どう過ごしたいですか?患者さんのライフスタイルによって治療方法の選択があります。」
「静かに自宅でゆっくりした人生を過ごすなら、症状を緩和していく治療、鎮痛剤はすごく良くなっていますよ。」
「もう一つは手術です。リスクは交通事故に合う程度です。」
「ゴルフや海外旅行に行きたいなら、手術をすれば10年15年とアクティブなライフスタイルを過ごせるようになるでしょう。」
私は「仕事もそうですが、まだまだやりたいことや行きたいところ、知りたいことがいっぱいあります。」

それには足腰がしっかりしていなければなりません。
したがって、多少のリスクは覚悟の上で手術を選択し、この年末年始の休みを入院することにしたのです。

良い医師は患者の想いや価値観を尊重し、その目線から治療方法をアドバイスしています。
これは医師だけでなくわれわれ税理士や弁護士などの専門家にも当てはまる最も必要な視点だと思います。
見識ある的確なアドバイスを受けて、決断への踏ん切りが付きました。

それでは、一足早く失礼致しますが、みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。

事務所は例年通り、12月28日まで営業しておりますのでご安心ください。
今年も一年間、本当にお世話になり、ありがとうございました。

税制改正案の所得税増税は愚策!

投稿者 Bush吉田 2017年12月11日

2018年度の税制改正案についての議論が煮詰まってきました。
そのうち、2020年から施行される所得税増税について賛成できません。

改正案では給与所得者年収850万円以上の会社員が増税になります。

2019年10月からの消費税増税後の消費の減速が予想される中で、さらに2020年からの所得税増税は景気を悪化させないでしょうか。
なぜかと云えば、1997年の勤労者世帯の月額の手取り所得(可処分所得)は49.7万円でしたが2016年ベースでは42.9万円と、14%も減少しています。
つまり、最近の勤労者世帯の(可処分所得)は下がり続けているのです。

その原因は給与が上昇してもそれ以上に、社会保険料や所得税・復興特別所得税・住民税で控除されるマイナスされる分が多くなっているためです。
 ちなみに、事務所職員の給与を頑張って増加させても、手取り額がほとんど増加しない現実があります。
増税の境目となる年収850万円は働き盛りの会社員にとって裕福な生活を送れる給与水準ではないため、増税による負担増は働く意欲を喪失して消費意欲を削いでしまいます。
 子育て・介護世帯は増税しないようですが、そのような世帯では税負担以上にお金が要る現実があります。
消費税増税後は、消費を維持して経済を減速させないために、働き盛り世帯には増税ではなく積極的な減税策を打ち出し、可処分所得を増加させなければならないと思います。

一方、国の財政が厳しい中で、私見ですが税収を増やしていくにはどうすればいいのか、考えて見ました。
まず、年金給付を受けている高齢者について、今回の議論でも公的年金等控除を少々見直すようです。その改正案は公的年金等控除が10万円、20万円を減額する程度の中途半端なものです。
 不公平だと感じるのは、給与所得と公的年金等の両方の所得がある場合、改正後も給与所得控除と公的年金等控除の両方で控除ができることです。
 これは働き盛りの人に比べて、不公平な税制となっています。
したがって、一定額以上の給与所得控除と公的年金等控除がある場合、はいずれか低い額を控除限度額とすべきだと思います。

例えば、給与所得控除限度額190万円、公的年金控除額限度額195万5千円であった場合、190万円を控除限度額とすべきだと思います。
高齢者は医療費などが必要になりますが、働き盛りと違って子育てや消費にかかるお金が少ないので、年収1000万円を超えるような豊かな高齢者は増税しても担税力があります。
なお、高齢者につきものの医療費は確定申告すれば、年間の自己負担額200万円まで、医療費控除の適用があります。

 次に、配当金の源泉税は、所得税15%復興特別所得税0.315%・住民税5%となっています。
最近の日本企業の業績が好調なことから、12.8兆円の配当金が分配されます。
ところで、配当金は株主が受け取りますが、その株主は個人や国内法人、国内外の投資家など様々です。
 個人の株主は高齢者で多く占められているようですが、株主のほとんどは富裕層です。
配当金は勤労所得と異なり不労所得です。
したがって、配当金の源泉税を5%程度引き上げてはどうでしょうか。

この増収規模は給与所得控除や公的年金等控除による増税1000億円規模に対して、単純計算で6,400億円の増収規模になります。
 但し、6,400億円の内、法人株主の配当金益金不算入と前払い源泉税として法人税から減額されます。
また、個人では確定申告を選択して、還付されることもあります。
しかし、ほとんどの個人株主は源泉分離課税を選択するでしょうから、5%の税率アップはそれなりの増税効果が期待できると思います。

 今回の税制改正は増税によって負担してもらうターゲットが誤っています。
働き盛りに負担を強いる所得税改正は日本経済にとって、冷や水をかけてしまうのではないかと心配です。

中小企業の事業承継がやり易くなりそうです!

投稿者 Bush吉田 2017年12月07日

 最近、中小企業の事業承継が社会問題化しています。

その理由としては経営者が高齢化し、適任の後継者がいないため仕方なく廃業に追い込まれている中小企業が多いからです。

 今まで事業承継は親族内承継がされることがほとんどでしたが、最近は親族以外の役員や従業員に承継することが多くなってきました。
また、第三者にM&Aで企業ごと売却することも珍しくなくなっています。

 事業承継するに当たって、企業オーナーが支配権である株式を後継者に移転する場合、税金の問題が発生します。
その株式が売買であれば売主に所得税、無償や低廉の贈与であれば受贈者に贈与税、相続による取得であれば相続人に相続税等の税負担がそれぞれ生じます。
優良な企業であればあるほど、その株式の価値(株価)が高くなり、課税負担は大きくなります。
この事業承継の足かせをなくすため、H21年度改正によって事業承継税制が施行されました。
しかし、使い勝手が悪く、ほとんど利用されませんでした。
その後、少しずつ改正されたものの利用件数はあまり増えませんでした。

現行の事業承継税制は、一定の要件がクリアーできれば、経営者から後継者への自社株の移転について、発行株式総数の2/3までがその相続税評価額の80%(総数の53%)に相当する贈与税又は相続税の納税を猶予するという制度になっています。

しかし、この事業承継税制はその要件の中には、5年間にわたって後継者が経営を継続し、かつ、従業員の雇用確保平均80%を維持しなければならないというものがあり、この要件からはずれると贈与税も相続税も納税猶予を取り消されてしまいます。

実は、事業承継を考えている経営者や後継者にとって、この税制の適用をためらう最大の障害となったのは、5年間平均の従業員の雇用確保80%要件なのです。
人手不足や先行き不透明な時代に、この先5年間に雇用80%の確保に自信が持てないという声が多いのです。

そこで、H30年度改正では経済産業省の要請で、次のような内容の大幅な緩和が行われそうです。

①使い勝手の悪かった、雇用確保要件80%は廃止されそうです。
②この税制のインセンティブ向上のため、納税猶予株式枠が大幅増加されるようです。
 発行株式総数の2/3まで80%(総数の53%)相当から、改正後は発行株式総数の3/3まで100%(全株)を猶予する。

したがって、この改正が決定されると、代替わりを迎えた中小企業に事業承継税制が多く適用されることになると思います。

 但し、事業承継税制の緩和措置は改正後10年間の期間限定で世代交代を促進するようです。
事業承継の時期を迎えた中小企業者の方々にとっては朗報だと思います。

 年末に発表される、H30年税制改正大綱に注目が集まっています。
詳しくは当事務所にお問合せください。

ただし、事業承継に当たって肝心なのは税の問題だけではありません。

①後継者が事業と真摯に取り組む姿勢を持ち続けること。
②後継者が事業で実績を上げ自信を持つこと。
③後継者は勉強と実践を積み重ねその事業に深い見識を持つこと。
④後継者は情報チャンネルを持ち、それを活かせるセンスや行動力があること。
⑤承継する企業の財務基盤があること、など。

いずれにしても、後継者として実力があり第二次創業者としての見識や行動力また経営者としてのセンスが不可欠な時代なのです。

被爆地、広島市の活力

投稿者 Bush吉田 2017年11月22日

T経営者塾の勉強会で広島市に行ってきました。
その塾生が広島で経営している食のユニークな企業二社を訪問する勉強会でした。

広島の企業といえば代表的なのは自動車メーカーの「マツダ」です。
巨大自動車メーカーの中にあって、小さいながらも魅力のある車づくりで綺羅星のように輝いています。
また、最近では地元市民球団の広島カープも注目されています。

今回訪問した二社のうちの一社目、O社はお好み焼き(広島焼き)の調味料で有名なソース・メーカーでした。
広島ならではの面白い企業です。

広島焼きは広島市が被爆した時、軍都であったことから焼け残った鉄板や小麦粉が多くありそこから生まれた食べ物だそうです。食糧難の時代、被爆した庶民が焼け野原になった市街地で、屋台を引いてお好み焼きが広まっていきました。

O社はもともとお酢のメーカーでしたが、お好み焼きに合うソース作りをはじめて、シェア70%以上の企業へと発展していったそうです。
そうして時代の変化を捉えてお好み焼き専門のソース・メーカーに変身していきました。

工場見学では、経営理念であるお客目線の優れた商品作り、嗜好の変化に対応した原材料へのこだわりなど他社の追随を許さない商品開発を行っているように感じました。
また、スタッフのみなさんの挨拶は笑顔で明るく、これも良い会社の共通点だと思います。

参加した塾生全員が、広島焼きを実際に調理させてもらいました。
私は初体験でしたが、O社のスタッフの協力もあって上手に出来あがり、楽しいひと時を過ごしました。O社はソースを売るだけでなく、実際に広島焼きの調理の楽しみを体験してもらいながら広島焼きの美味しさを知ってもらう啓蒙活動を行っているそうです。
そして、この活動は日本だけでなく中国や欧米などまで広がっているのだとか‥‥。

多種多様のソースから自分好みのものを探し出すのも面白かったです。
私は牡蠣のソースが気に入りました。
お好み焼き(広島焼き)の味の決め手はやはりソースですね!(笑)。

翌日に訪問したもう一社は創業100年を超す広島の老舗の駅弁屋さんでした。

この企業は駅弁の需要が縮小するなかで、新たなビジネスに挑戦していったバイタリティー溢れる企業グループ(農業法人も含まれる)です。
その展開方法がユニークで「広島モデル」とも云われて日本の将来の食の姿として注目されています。
地域の「学校給食」「高齢者施設や医療機関さらに企業」に食を提供する、官民連携によって時代のニーズに対応していくプロジェクトです。
さらに面白いのは広島の食文化の承継として、地元農業の素材を活かした食を加工して提供していこうとするプロジェクトです。
つまり、地産地消のコンセプトで、地元の住民の食と健康さらには農業を守り育成していこうとする一石二鳥の試みなのです。

このビジネスモデルの基地であるHACCP(安全で衛生的な食品製造管理)認定の素晴らしい工場で社長の自信に満ちた説明を受けて、改めて未来の食品工場の姿を知ることができました。
残念ながら、衛生面から工場内には入れません。カメラ録画での映像による見学です。

説明会の後、広島市内の小学校の給食(食材300円)を実際に食べさせて頂きました。
私の小学校時代に比べ栄養価の高いものが多く、不味かった脱脂粉乳から牛乳に、パンも美味しくなっていました。当時に比べ日本が豊かになっているので当然ですが・・・。(笑)

そして、宿泊したホテルは平和公園のそばでした。
美しい夕暮れの中、平和公園を散策してきました。
久しぶりに訪れましたが、外国人が多いのにびっくりしました。昨年8月6日、当時のアメリカ大統領だったオバマさんがやってきてから外国からの訪問者が多くなっているそうです。
そういえば、ホテルの宿泊客のほとんどが外国人でした。

また、今回の訪問はちょうどプロ野球日本シリーズの期間と重なりました。
広島カープがクライマックスシリーズで敗れたことは、地元広島市民にとっては、ものすごく無念だったようです。
私が横浜から来たと言うと、一瞬、睨まれたように感じました(笑)。

原爆ドーム
原爆ドーム
原爆ドーム

”ビットコイン”の課税とリスクについて

投稿者 Bush吉田 2017年11月06日

 ビットコインが今年になって80万円を超えるほど急騰しています。

ビットコイン、イーサリアム、リップルなどはインターネット上の仮想通貨で、円やドルのような実物の通貨がありません。
ビットコインが2009年に出現して以来、その仕組みや価値を理解した愛好者の間で使われてきました。
特に、ビットコインは海外との取引において、通貨と異なり外貨換算などが必要なく、便利なため普及しました。

本格的に高騰し始めたきっかけは、ビッグカメラ(10万円まで)などでビットコインを使えるようになってからです。
仮想通貨がインターネット上の通販や個人間だけでなく、世の中に徐々に通用しはじめてきました。
ビットコインを手に入れるには、仮装通貨取引所でその時の相場で、通貨を支払って買います。
また、ビットコインを通貨に替える時も、仮装通貨取引所でその時の相場でビットコインを売ることになります。
もちろん、手数料は掛かります。金やプラチナなどの貴金属を購入するイメージだと思います。

 世界中で広がっている仮想通貨ですが中国や韓国では使用は禁止されています。
世界中で通用することから、テロや犯罪のほか、その国の通貨に影響を及ぼす恐れからの規制です。
日本政府は2020年のオリンピック開催に向けて、仮想通貨の利用が増加するとの思惑から、仮装通貨取引所の基準を設け利用者の保護を考えています。
日本は仮装通貨取引が世界で最も多いそうです。
金融庁は2014年に起きた仮装通貨取引所「マウントゴックス」の倒産で大量のビットコインが消滅した事件の再発防止策を講じようとしています。

 次に、ビットコインで利益が生じたときの税金です。
ビットコインを仮装通貨取引所で通貨に替えたときや、実際に取引で使用したときに気を付けなければなりません。保有しているビットコインの値上がりは課税されません。
 具体的には、ビットコインを取得した時の相場が仮に20万円だとすると、そのビットコインを通貨に替えたり、何かに使用をした時に、その時の相場が80万円であれば、その差額の60万円に課税されることになります。
 個人では雑所得または事業所得(事業として使った場合など)、となり、総合課税、法人では法人税法上の課税所得になります。

 さて、ここまでビットコインについての説明をしましたが、この仮想通貨はこれからどうなるのでしょうか?

昨今のビットコインの高騰ぶりはバブルそのもので、いずれ暴落するとの意見もあります。

確かに、今年になってビッグカメラをはじめ飲食店やLCCなどでも実取引やサービスで使えるようになり、ビットコインに対する需要が大きくなっているように思います。しかし、今年になってからのビットコイン価格の高騰ぶりはチャートから実需によるものではなく、投機目的の買い需要に見えます。
なぜなら、ビットコインの値動きのチャートがWTIの原油相場が1バレル147$超(2008年7月投機マネーによる)に高騰していったチャートの動きに似ているからです。2017年11月3日現在の1バレル当たり約54ドルです。

一方、将来、異次元の金融緩和で通貨の価値が下落し、代わってビットコインがさらに普及して220万円まで高騰するとの見通しもあります。
もし、その国の通貨の信認が低下した場合、外貨に対して円安、輸入品の値上がり、金などの貴金属価格が高騰します。しかし、円は安定しており、そうなるとは思えません。
むしろ、ビットコインに対する信用度の低下や利用者の熱が冷める確率の方が高いと思います。

 最後に、日銀のような中央機関がなく、勝ち的な裏付けがないビットコインに投機するなら、将来的に発展し株価の値上がりや配当が見込まれる優良企業の株式など、もっと安全で有利な投資があるはずです。
利益に課税される税金も、ビットコインは総合課税(雑所得の場合は損失繰り越し不可)、上場株式等であれば分離課税(損失繰り越し可)となり、有利となるケースが多いと思います。

H30年度税制改正の議論がはじまりました。

投稿者 Bush吉田 2017年10月31日

平成30年度税制改正に向けた、政府税制調査会の議論が始まりました。

最近の政府税制調査会の議論のテーマとして、基幹税制である個人所得税の所得再配分機能が低下している現状を取り上げています。

具体的な内容としては、人的所得控除のあり方、給与所得控除額の見直し、公的年金等控除のあり方、退職所得控除の見直しなどです。
所得格差の拡大、公的年金生活者の増加など、社会の変化と現行の所得税制がミスマッチとなっているからです。

人的所得控除については、所得の水準によって有利・不利があります。
例えば、基礎控除の38万円について、納税者の税率によって所得税の減少税額が異なってきます。
税率40%の方は15万2千円ですが、税率10%の方ですと3万8千円であり高所得者ほど有利で、所得再配分機能が低下しています。
(なお、復興特別所得税や住民税は考慮していません。)

したがって、人的所得控除は所得控除方式から税額控除方式に改め、所得水準に対して平等にすべきであるという議論です。

給与所得控除は給与収入に対する費用として控除されますが、最低65万円から給与収入の水準に比例して増加していきます。
ちなみに、過去の税制改正で高額な給与収入については給与所得控除額が引き下げられ、給与収入1千万円超の控除額では平成29年分から220万円になっています。

しかし、給与収入に対して、給与控除額が実際の費用より多いという国税庁の調査結果があります。
さらに、給与控除額が諸外国に比べ多額であると云われています。
これは給与所得控除額を見直して縮減しようとするとの議論です。

次に、公的年金等受給者について、公的年金等控除額は65歳以上の公的年金給付額から給付額に比例して、最低120万円から一定額を控除できます。(公的年金等控除額表、参照)

近年、長生きする時代になって、定年後の就業者が増加しています。

このような方は公的年金等の雑所得と給与収入の給与所得として確定申告し、それぞれ公的年金等控除額と給与所得控除をともに控除することができます。
会計検査院は公的年金等の受給者であって、さらに給与所得がある方については二重?の控除ではないかと指摘しています。

特に、高所得者について問題視しているようです。

平成30年度税制改正では、公的年金等控除と給与所得控除の二重控除は見直される可能性が高いと思います。

 退職金所得は長年の勤務に対して一時に受け取る給与です。

退職手当は税制上も勤続年数によって一定額が控除、さらに退職金控除後の二分の一課税という恩典があります。

また、退職金控除額は勤続年数20年以内ですと年40万円ですが、20年を超えると年70万円になります。
働き方が変化して転職が多くなっている昨今、定年まで勤務するケースが少なくなっています。
これにより、20年超の退職金控除の見直しが議論されているようです。

 最後に、税制調査会の議論から読み取れることは、これからの税制改正の動向として、豊かで担税力のある高所得者はますます所得税の負担が重くなっていくように思いました。

いま、広大地の駆け込み贈与はするべきか?

投稿者 Bush吉田 2017年10月24日

平成30年から広大地の評価が改正されます。

これまでは500㎡以上(三大都市圏)の住宅に適した宅地は広大地として大幅な評価減ができ、路線価の57.5%(500㎡)~35%(5,000㎡)と大幅に低い評価となりました。
しかし、改正後の評価減は大幅に縮小されます。

例えば・・・、
路線価2億5千万円の1,000㎡の場合では、改正前の評価額は1億3,750万円ですが、改正後は1億9,500万円となり、5,750万円も大きく上昇することになります。

実は、この広大地としての評価は相続税だけでなく贈与税の評価でも適用できます。
したがって、来年の改正前にこの広大地評価を適用して今年中に贈与をしようと考えている方が多いようです。

そこで、改正前の広大地評価を適用する贈与について述べたいと思います。

まず、相続税と贈与税の税率を比較してみましょう。

通常、暦年贈与の税率は割高ですが、相続時精算課税方式の適用となると話は違ってきます。
では、広大地の贈与について、相続時精算課税方式を適用するとどうなるでしょうか。

上に例示した広大地の場合は、
(1億3,750万円―2,500万円特別控除)×20%=2,250万円
の贈与税となります。

相続時精算課税方式とは、将来、相続が発生した時、生前中に贈与した財産を一旦、相続財産に組入れられ、相続税の計算がされるものです。

この場合の相続財産に組み入れられる価額は、贈与時の評価額である1億3,750万円で算定され、さらに贈与時の2,250万円の贈与税は相続税から控除されます。
よって、今年中に広大地を贈与しようとする方が多いのです。

なお、広大地を適用して贈与するには開発図面の提出が必要になります。
開発図面とは、その広大地の開発道路(潰れ地)や敷地状況を描いた開発想定図のことです。
この開発図面は不動産鑑定士や不動産開発業者などのプロでないと描くことが難しいのです。今、これらのプロたちは駆け込みの広大地贈与で大変忙しいそうです。

最後に、広大地について今年中に贈与をするかどうか私見を述べます。

人の死はいつ訪れるのか予測は難しいのですが、被相続人が高齢である、病気で余命が短いなど、比較的近い将来相続が開始される場合は相続時精算課税方式によって贈与した方が有利になるでしょう。

しかし、住宅用宅地の価格を長期的にみれば、将来必ず下落していくように思います。
相続開始までに30%以上地価が下落すると今年中の駆け込み贈与は効果がなくなってしまいます。
日本は人口減少スパイラルに陥っていますし、もうすでに全国には空き家が820万戸もあります。
これから住宅地の需要は少なくなっていくはずです。
 ちなみに、最近30年間の住宅地のトレンドは首都圏住宅価格指数
http://www.reinet.or.jp/pdf/fudoukenjutakuhyouka/LatestRelease20170926-J.pdf)を参考にしてみてください。

地主の皆様、いま、駆け込み贈与するべきかどうかは慎重にご判断を・・・・・。

秋は税務調査シーズン…

投稿者 Bush吉田 2017年10月16日

秋は税務調査の季節です。

税務署は7月に人事異動があります。
そして異動後、税務調査官が頑張る?のがこの秋の時期なので要注意です。

というのも、税務官は税務調査の成績によって将来の出世を左右する、年末の人事査定が目の前に控えているからです。

当事務所では、毎月巡回監査をしているクライアントについて、税務申告書の際に原則として関与税理士としての意見を添付しています(書面添付制度)。

納税者にとって税務調査は嫌なものです。
企業活動の貴重な時間を費やし、精神的なストレスにもなります。

ですから、会計や申告内容に自信のあるクライアントには適正申告である旨をアピールする書面添付制度を積極的に活用しています。
言い換えると、書面添付制度は税理士の品質保証書のようなもので、私ども顧問税理士としては、クライアントサービスの一環と考えています。

その書面添付先のクライアントに年間数件、当局から申告内容について話を聴きたい、という呼び出しが掛かってくることがあります。
そのようなときは、税務署に出向き、担当統括官などから質問されたことについて詳しく意見を述べます(意見聴取)。
税理士と税務署とのやり取りの結果で、税務署側は税務調査に移行するか、税務調査を省略するかを判断します。
今までの意見聴取では、ほとんど税務調査が省略されました。
ちなみに、この秋に意見聴取された二件のクライアントは両方とも税務調査が省略となりました。

ただし、大きな相続税申告などで特別調査官が担当の場合は税務調査に移行する確率が高いように思います。

最近行われた税務調査について簡単にまとめてみました。

 一件目は確定申告時だけお付き合いしている地主クライアントの相続税申告です。
相続財産が数億円と多いことや亡くなる直前に多額な不動産譲渡があり、また家族間でお金の移動が頻繁に行われていたことが引き金になりました。

 論点は、名義預金、名義有価証券口座です。
名義預金は相続人の名義ですが、資金の出所が被相続人、印鑑が被相続人と同一、口座開設の筆跡が被相続人であることから、被相続人が名前を借りただけの預金ではないか?
次に名義有価証券口座については資金の出所が被相続人、特定口座の源泉徴収有りで相続人が運用していました。名義口座かどうか見解が分かれています。
 相続税の税務調査の一番ターゲットは名義預金や名義有価証券口座です。
したがって、家族間の贈与は証拠資料をしっかり残しておく方がよいでしょう。

 二件目は、個人の歯科診療所でした。
事業承継を予定しており、それに伴い隣地を購入して診療所を拡大する投資がありました。
この歯科診療所は措置法26条より実額経費の方が有利、実額経費の方で申告しています。
歯科診療所の税務調査はめったに遭遇しませんが、実額経費で大きな投資が行われたことから選定されたのだと思います。

 三件目は設立5年目の新設法人です。現金や売上などを中心に管理状況などを見に来ました。

 最後に、日本の税制は納税者が自ら申告し納税する制度になっています。
税務当局による税務調査は適正申告を担保するため、あってしかるべきものだと考えています。

しかし、一旦税務調査が入ると、納税者が適正申告しているにもかかわらず、なぜか決着まで時間が掛かってしまします。
その要因は当局の調査の着手から結審までの手続きの煩雑さと、税務調査官が出世などのためか細かい否認増差にこだわるためなのかもしれません。
売上除外や架空経費の計上などの悪質な脱税は論外ですが、売上の計上時期のズレや軽微な経理ミスまで指摘する重箱の隅を楊枝でほじくるような税務調査は何とかしてもらいたいものです。
そんなことでは忙しい納税者に悪い印象を与えてしまいます(苛々)。

衆議院選挙はドッ白け?

投稿者 Bush吉田 2017年10月10日

 衆議院選挙の各党の公約が発表されました。

急な解散で、自公与党を除き、野党は選挙での足並みを揃えるのに精一杯で公約をまとめるには準備不足の様子。
今、この時期に安倍首相は700億円もかけて衆議院選挙をする必要性があったのか甚だ疑問です。
もちろん、首相は自民党有利との判断があったと思いますが、国民からすると論点も明確でなく全く迷惑なことです。

 さて、その各党の公約ですが、希望の党は消費税の増税凍結を謳っています。

その穴埋め財源として、法人税の留保金課税を検討しているようです。

小池氏の発言で驚いたのは、大企業の儲けの蓄積である内部留保300兆円に2%を課税するだけで、6兆円の税収が得られると語ったことです。

企業活動から営々と築いてきた内部留保に一律2%を課税するという公約は全く税制を理解していません。
過去の税引き後の内部留保に課税すると二重課税にもなってしまいます。
法人税は所得課税で、留保金課税も新税制改正後から課税すべきです。

日本の企業の内部留保の推移を調べてみると、バブル期の1990年度は12.4兆円、2000年度では2.8兆円、2010年度は8.3兆円、最近の2014年度では24.4兆円と増加し、最新2015年度は19.6兆円となっています。
もし仮に、今後企業の内部留保が毎年度20兆円ずつ貯まるとすれば、その内部留保分に税率を掛けることになります。
その税率が2%とすれば年間4,000億円しか税収の確保ができません。
ですから、10%程度の税率(2兆円)でないと財源確保として不十分なのです。

一方、消費税2%の増税は毎年5.6兆円も税収の確保ができることを思えば、いかにも詰めの甘い公約かよく分かります。

昨今の欧米などの選挙では既成政党を支持しない層が増えています。

日本の政治家は理念や使命感から活動しているように思えません。
残念ながら、政治で飯を食って生業にしている者が多く、当選するためにはより有利な党へと渡り歩く…。
希望の党も既成政党ではなく、欧米の流れのように当初の予想以上に支持者が多くなるかもしれません。
しかし、本当に政権をやっていくだけの知見があるとは思えません。

自公与党の公約も、財政再建を先送りして大衆迎合ともいえる保育や教育の無償化を公約に掲げています。
確かに人材教育投資は国の将来のための最も力を注ぐべきです。
しかし現実は、人気のない学校は定員に満たなくなっています。そのような学校は廃校させ、教育予算を削減すべきです。
悪質な森友学園や定員割れの加計学園も首相との縁でそのまま存続するのでしょうか?

また、国会議員や地方議員の定数を半分にすべきです。

識者によると米国と日本とで議員数を比較すると、日本の議員数は人口に比例して2倍も多いそうです。

ちなみに国会議員は、年間一人当たり2億円の予算が掛かります。
半分に減らすことができると1,000億円規模で予算が削減されます。
さらに地方議員の削減ができると、その歳出額の削減で浮く金額はもっと巨額になります。

維新の会がこれを公約として掲げていますが、残念ながら具体的な議員削減数と削減する期限が明記されていません。

 最後に、政治家はいつも公約実現に努力していますと発言します。(不信)
ビジネス界では頑張っても、一定期限までに結果がだせなければ責任をとらなければなりません。それが真のリーダーとしての使命だと思います。

「一ペコリ、いくら」は立ち退きの極意!

投稿者 Bush吉田 2017年10月03日

先日、クライアントの大家さん向けのセミナーを行いました。
この「満室経営」のセミナーも今回で6回目を迎え、毎年、不動産賃貸業ならではの経営課題を取り上げています。
今年も二人の講師にお願いし、役立つ面白いセミナーが開催できました。

第一部では、「将来を考える!賃貸経営」~今後どのように賃貸経営をすすめていくか~を廣田裕司氏に講演して頂きました。
氏は自ら大家さんだけでなく、NPO法人などを立ち上げ不動産賃貸業の研究や勉強会などを手広く実践しています。

 氏の話で印象的だったのは、不動産賃貸業は今後、世帯数の減少で市場が縮小して空室が増加する。
そして家賃の下落で経営が厳しくなるが、このビジネスはなくならない。
時代の変化やライフスタイルの動向を見定めてニーズに合った利用方法を掘り起こしていく必要があるとのこと。

例えば、ガレージハウス、貸し会議室、トランクルーム、外国人の入居住宅(管理会社としてGTNが急成長)、ペットとの共生住宅など、従来の考え方にとらわれない柔軟な発想で対応するべきだ、と。

 第二部では「知らなきゃ怖い最新賃貸事情!」~滞納・トラブル・立退き等々現場の情報お伝えします~を司法書士の太田垣章子氏に講演して頂きました。
氏は大阪生まれで美声の持ち主、浪速お笑い調の分かり易いトークで、あっという間に1時間40分が過ぎました。

 家賃滞納を防ぐには・・・、
入居者から連帯保証人の実印押印と印鑑証明書を入手しておくこと。
入居者の審査には不動産屋さんに任せずに大家が自ら行うこと。
入居後は入居者とのコミュニケーションを欠かさないことも滞納の防止に繋がる。
だそうです。

 また、大家さんが建物を建て替えする時、立退き交渉が必要になります。

この立ち退き交渉が上手くいかずに、多額な立ち退き料を支払う事例が多くあります。
実は大家さんにとって建て替え時の立退きは一番難しい経営課題となります。

 大家さんからの入居者への解約申し出は「正当な事由」が必要です。(借地借家法28条)
この「正当な事由」が曲者で、裁判所は家賃滞納でもない限り認めてくれないそうです。
ですから、建て替えを理由に立退きは「正当な事由」に該当せず、裁判に訴えても大家さんが敗訴してしまうそうです。

したがって、法的手段によらず、なんとか入居者の協力を得て穏便に解決するのがベストシナリオ。

氏は実際に立退き交渉を受任した経験から示唆に富んだ次のような話が聴けました。

 まずは何よりも、入居者の調査が不可欠で、年齢・職業・家族構成・性格・入居期間などを入念に分析する。
高齢者は新たな転居先のあっせんなども行う。
入居者に出来るだけストレスの与えないように「下から下から・・・お願いしていく」ことが必要とか…。

 入居者からどんなことを言われても、絶対に怒らない。

曰く、「一ぺこり(いちぺこり)、いくら」

で出来るだけ穏便に立ち退き料を少なくするような交渉を心掛けているそうです(苦笑)。

 最後に、クライアントが建て替えするときには「一ぺこり、いくら」を必ず伝えたいと思いました。

80年前は、北朝鮮も同じ!?

投稿者 Bush吉田 2017年09月25日

先週、北朝鮮の挑発について少し過激な記事を書きました。

北朝鮮のニュース映像は戦前戦中の日本ものとよく似ていると、戦争体験者からよく聞かされます。

当時、日本は満州事変や日中戦争で中国に侵略し、植民地政策が国際的に批判され孤立していました。米国や英国などから原油の輸出制限などの経済制裁を受け、その制裁に耐え切れず、とうとう勝ち目のない米、英などを相手に戦争をはじめてしまいました。
その無謀ともいえる日中戦争や太平洋戦争で、日本や近隣諸国の人々の大勢の命を犠牲にした苦い歴史があります。

それに比べ、北朝鮮は非人道的な拉致はあるものの挑発だけで、まだ他国への攻撃や侵略を行っているわけではありません。

 先日、安倍首相は国連で演説を行いましたが、内容は北朝鮮に対するものでした。
演説は分かり易く、過去の交渉や合意がことごとく反故にされた経緯を語り、制裁の重要性を世界に訴えかけた良い演説です。

話しはかわりまして、「ひとはなぜ戦争をするのか」という文庫本(講談社)を読みました。
著者はアルバート・アインシュタイン博士と、ジグムント・フロイト博士です。

1932年当時、国際連盟が「今の文明においてもっとも大事にだと思われる事柄を、いちばん意見を交換したい相手と書簡を交わしてください。」とアインシュタインに依頼しました。
アインシュタインが選んだ相手は「フロイト」で、テーマは「戦争」でした。
アインシュタインは一般相対性理論で有名な物理学者、フロイトは精神分析の第一人者で、二人ともユダヤ系の偉大な学者たちです。

この本の内容を簡単にまとめてみました。
アインシュタインは、戦争によって引き起こされる、一般市民の悲劇や犠牲は膨大で、たとえ戦勝国と云えども一部特定の人々を除いて一般市民の犠牲の方が戦争従事者よりはるかに多くなると言っています。
一部特定の人々とは、戦争を指導した政治家や軍人等の権力者(暴力)、さらにはその暴力に繋がった金儲け第一主義の武器商人や資本家のことです。
戦争によって、一般市民は財産や命を犠牲にし、取り返しのつかない悲劇が生まれます。と語っています。

ではなぜ、一般市民が戦争に巻き込まれていくのか?

当時日本では、国家権力を握った陸軍はマスコミを利用し、プロパガンダによりナショナリズムを煽って戦意を高揚させました。
1938年日中戦争が始まると、近衛内閣は国家総動員法で人的、物質的に統制、一致団結して敵と戦うための体制を制定しました。
国民の意思や尊厳は無視され、戦争反対など言おうものなら、「国賊、非国民」と特高に逮捕され、リンチを受けて殺されることもありました。

そして、いよいよ戦争が激化し、「友人が戦死した」「爆撃で家族が殺された」そんな悲劇が身近に差し迫ると、感情的に復讐心や防衛のために一般市民は戦わざるを得なくなりました。
もうこうなったら泥沼状態で、日本は主要都市の市街地が焼夷弾で焼き尽くされ、さらに広島、長崎の原爆投下まで戦争は止められませんでした。
陸軍や権力者たちは、日本の市街地へ空爆が始まった段階で戦争を早期に止めるべきだったと思います。
メンツにこだわり国体維持のため戦争終結が先延しにされました。
昭和20年以降に多くの一般市民や若き青年が特攻で無駄死にしています。
残念なことに、この無謀な戦争を引き起こした原因と責任を正式に分析しないままうやむやにしています。
東京裁判とは違う次元で、戦後の内閣(国民)が間違った歴史を総括すべきだったと思います。

 次に、フロイトが面白いことを言っています。

人間には「生への欲動」(エロス)と「死の欲動」(タナトス)が備わっている。

「生への欲動」は生を統一し保存しようとする欲動のこと、一方、「死の欲動」は破壊し殺害しようとする欲動のことです。

戦争は「死の欲動」が表面化したもので、敵やライバルを抹殺したいという人間の本能とも云えるものです。
 したがって、戦争は人間に本能的に備わったもので無くならないと述べています。

 しかし、「死の欲動」を教育や訓練によって抑制することも可能であると云っています。
「生への欲動」を呼び起こし「死の欲動」を抑え込むことです。
それは相手のことを思いやる「生への欲動」、人と人の絆の感情や相手の立場や痛みが分かることだとも云っています。

戦争をなくすには、人として教育や教養を積んで高い品格を形成し、異文化や違う価値観を認め合っていく文化や寛容さが必要だと結論付けています。
それは過去の歴史の事実を検証して、教育によって学んでいくしか方法はないのかもしれません。
前提として、人は思想や宗教が自由で、民主主義の社会秩序となっていなければなりません。

そういえば…、戦前の日本も北朝鮮も市民の自由がありません。

安倍首相・・・・・、

投稿者 Bush吉田 2017年09月20日

首相、衆議院選挙どころではないのでは・・・・・。

北朝鮮の傍若無人な挑発が続き、どうにもならなくなっていますよ。

世界は国連決議や国際法違反ということで、経済制裁や軍事的圧力又は対話でその暴挙を止めさせようとしていますが、決め手に欠いています。

 過去にも、同じように対北朝鮮への対応を行ってきましたが、ことごとく失敗しています。
核開発やミサイル技術の資金源を断つため、金融や原油などの経済制裁については中国やロシアの常任理事国が必ず反対の意を唱えます。

曰く、北朝鮮は異常気象による干ばつで、厳しすぎる経済制裁は一般市民が苦境に陥り、飢餓で隣接国(中国、ロシア、韓国)に難民として押し寄せてくる恐れがあります。
そんな状況下では、対話こそ重要だと訴えています。

しかしかつて、北朝鮮は核開発の凍結を国連やアメリカとの間で合意が成立したことがありましたが、それを反故したことがありました。
そんな過去の苦い経験から信頼関係が築けるはずがないと思います。
また、北朝鮮が核を保有する理由は体制維持の切り札のためなので、絶対に手放すことはないでしょう。イラクのフセイン政権やリビアのカダフィー元首相が殺されたのは核を持たなかったためとの血の教訓があるそうです。

一方、周辺国やアメリカは北朝鮮の核保有を認めるような対話をするはずがありません。
あの独裁体制では若い金将軍はとんでもない暴挙に及ぶかもしれません。

彼が政権に就いてやったことは、親族の側近数十名の公開処刑、またクアラルンプール空港で実兄をもVXガスで毒殺しました。
残忍なやり方で殺人を命令するなどとんでもない話で、自分の地位の安定のためとはいえ、人道に欠く冷酷きわまりない蛮人なのです。

こんな冷酷な独裁者が核ミサイルを持てばどうなるか?

世界中を恫喝して財産や資金を脅し取る可能性があります。
過去の侵略国で現在は豊かな日本は、朝鮮半島の人々への植民地時代の損害賠償金?の名目で、真っ先にターゲットになるでしょう。
そのやり方はISや犯罪組織と同じ次元の言いがかりです。

横浜港にある海上保安庁に北朝鮮の工作船が展示されています。
そこには北朝鮮の覚せい剤精製と密売組織との生々しい記録があります。
さらに、未解決の日本人拉致事件、航空機爆破事件やドルの偽札作りの事実もあり、戦時下でないのにもかかわらず、このような不法な犯罪を行っているとんでもない国なのです。

最後に、近隣にとんでもない体制の国が歴然として存続しています。

将来、どのような「言いがかり」を付けてきても、決して屈してはなりません。

そのために、いざという時に国民の命や財産を完璧に守る防衛手段を早急に準備しなければなりません。
もちろん、迎撃ミサイルの精度向上など課題はあります。
ですが、米国や日本の最高の技術力で確実に撃ち落せるようになるはずだと思います。

S君の一周忌で想うこと。

投稿者 Bush吉田 2017年09月11日

早いもので、事務所のSマネージャーが亡くなって一年が過ぎました。

悪性のがんで53歳の若さであっという間にあの世に旅立ってしまいました。

彼は今から25年前、まだ吉田公認会計士事務所だった頃、大手の会社の経理マンから転職してきました。会計事務所業界で働こうとした動機は、法人税申告書が分からなかったので自分で作れるようになりたかったから、だそうです。

そんな彼のこの25年間の働きぶりは真面目そのもの、クライアントからも大変好かれていました。
クライアント巡回前には入念に準備を行い、訪問時には経営者や経理担当者の話によく耳を傾けていました。
「Sさんは、私の話をよく聴いてくれるし、本当に相談しやすい。」
「人柄が素晴らしい・・・。」
と褒めて頂いた経営者もいました。
クライアントに担当者の変更を申し出ると、経営者から、「もう、お宅の事務所とは付き合えない・・・他の事務所にするからと。」叱られることもありました。

このように彼のファンのクライアントも数多くあったと思います。

それを物語るかのように、彼の葬儀には担当していたクライアントから生花がびっくりするほど多く献上され、本当に多くのクライアントの方々に参列頂きました。

 彼には、奥さんのK子さんと中学生の娘さんがいます。
彼の亡き後、専業主婦だったK子さんと娘さんの今後の生活のことを考え、当事務所で働いてもらうことにしました。愛する亡夫が人生を懸けて働いていた職場にいることで気分転換にでもなれば、と思ったからです。

この三月から週3~4日、短時間の勤務ですが、事務所の雑用をお願いしています。
最近、事務所にも慣れてきたようで、K子さんの顔も明るくなったように思えます。

ありがたいことに、事務所のスタッフも皆、実務経験のないK子さんを快く受け入れてくれています。
K子さんに入社してもらって本当によかったと思います。

 そして先週末、Sマネージャーを偲ぶ会と納涼会を兼ねて事務所職員全員が集まりました。
K子さんはもちろん、娘さんも招き、思い出話に花が咲きました。

亡くなっても、まだ私や事務所スタッフの心に彼はあり続けています。

もしかすると、彼の魂は毎日事務所に出勤しているのかもしれません。
事務所をこよなく愛していた男でしたから。(合掌)

スタッフ
スタッフ
スタッフ

来るべきAI時代には?

投稿者 Bush吉田 2017年09月05日

AI(人工知能)の記事が連日のように新聞に載っています。

仕事のやり方そのものが大きく変化する時代が押し寄せているといっても過言ではありません。

われわれ会計事務所業界もその例にもれず・・・。
税理士や公認会計士がAIにとって代わる日も近々にやってくると思います。
将来なくなる職業を予測する記事では税理士や公認会計士の確率がきわめて高くなっています。

仕事の変化を歴史から考えて見ますと、18世紀半ばにイギリスで蒸気機関が発明され、人や牛馬などの労働力が機械に変化しました。
いわゆる第一次産業革命です。

次に19世紀後半から20世紀初頭には電力や石油という新しいエネルギーの利用が始まり、T型フォードなどの大量生産が可能になりました。映画モダンタイムズで象徴される流れ作業の製造業が飛躍的に発展しました。
工匠が主役の第二次産業革命です。
高価だった自動車や電気製品が安価に庶民にも手に入るようになりました。

20世紀後半になると、コンピュータやロボットが普及しはじめ生産や管理の自動化の波が押し寄せました。多くの工員や作業員が削減され、一方システムエンジニアなどのコンピュータ技術者が大量に必要になってきました。
第三次産業革命が始まったのです。
 さらに、インターネット技術の普及で情報が世界中に瞬時に広がるIT社会の到来です。
マイクロソフト、アップル、グーグル、アマゾンなどの新しいビジネスモデルが創業され、瞬く間に企業価値トップグループに成長しました。

では、第四次産業革命となろうAI(人工知能)の時代はどうなるでしょうか?
人に代わってAIが自律化してやるべき仕事を考えるようになります。
AIにはビッグデータはもちろん、学習能力や高度な判断能力が備わっています。人に代わりAIが仕事を多くやっていくようになります。

囲碁や将棋で人がAI(ユニコン)に勝てないように、一定の目的を与えると人をはるかに凌駕するとてつもない能力を発揮します。
また、自動車のAIによる自動運転が話題になっています。
全自動運転は間もなく完成され、高速道路では人が運転すると交通違反になるともいわれています。

さて、われわれ会計事務所業界はAI時代にどうなるのでしょうか?

はっきりしていることは、記帳代行業務や決算申告業務はAIが代わってやるはずです。
人は勘違いやミスを犯しますが、AIは目的を明確に指示すれば間違えることはありません。真夜中の勤務でも超過労働も厭いません。AIが普及してくれば、初期投資やメンテ費用が税理士報酬より安くなると思います。
 ですから、近々、伝統的な税理士業務はAIに取って代ることになるでしょう。

それでは、人にあってAIに備わってないものとは何でしょうか?

自分が生きて存在しているという意識、愛憎や喜怒哀楽の感情、他人への共感や寛容です。
脳科学ではまだ意識は何なのか分かっていませんから、AIは現段階では意識が備わるはずはありません。

20年ほど前のSF映画でシュワルツネッガー主演の「ターミネーター」を思い出しました。
シュワルツネッガー演じる殺人ロボットは感情がなく、無慈悲に人間を殺戮しまくる映画です。
今思うと、AI時代を予測した人工知能型殺人ロボットだったのです。

さて、話を戻して税理士や会計事務所のAI時代について私の私見を述べます。
どんな時代になっても、人が世の中の主役であり続けます。決して「ターミネーター」のようにAIが人類を征服し、地球上の支配者になることはありません。
人が主役である限り、政治も経済もそうですが重要な意思決定は人がやるでしょう。

AIはあくまでも人が使用する道具にすぎません。

最後に、顧問先企業や申告依頼者との関係においても、人の好き嫌いなどの感情が左右します。
ですから、コミュニケーションに時間をかけ要望をしっかり受け止め、依頼者との信頼関係を大事にしなければなりません。
その上で、その依頼人の価値観に合致した課題などの提案やコンサルティングを行い、より満足度を高めていく真摯な姿勢が問われます。
人はもともと嫉妬や妬みの負の感情から、歴史上戦争や虐殺などの負の遺産も多くあります。
AIはこのような人間が複雑怪奇な合理性だけで推し量れない側面を持っている以上、AIに仕事を任せきりにはできないと思います。
人がAIを適度に利用する、そんな時代になるのかもしれません。

勝ち残る経営とは?

投稿者 Bush吉田 2017年08月28日

今週は、会社再建に実績を上げた経営コンサルタントのセミナーで印象的だった話をします。

この経営コンサルタントが指導した会社は小型モーターの大手製造業で、この会社は大量生産品を扱い、毎年市場単価が10%ずつ下がる業界だそうです。

毎年10%ずつ単価が下がるとどうなるか?販売数量が同じだと6年後には売上が半分になってしまいます。
さらに、売上単価の下落はいずれ生産コストをも賄えなくなって赤字になってしまいます。
そうなれば生き残っていけなくなります。

この現象は小型モーター業界だけでなく、液晶テレビや半導体業界でも起こっています。
日本メーカーが撤退している事実を見ても明らかです。

それでは生き残りのためどうすればよいのでしょうか?

この会社は早期より海外企業のM&Aに積極的に取り組んできました。
国内の市場は限られているので、高い技術を持つ企業のM&Aにより、海外の新市場で新たな得意先を短期的に獲得することができるのです。
そうなれば売上数量が増え、売上金額を確保することができ、その新たな売上数量の増加による大量生産で、一個当たりの固定費が大幅に下がる効果もあります。
さらに、売上数量の増加による大量生産で、材料費や外注費などの仕入れ単価などの直接生産コストも下げることもできるようになります。

しかし、実際はやろうと思ってもほとんどの企業は実行できません。

そこが企業経営の難しさと云えます。

このグループ企業は、
「すぐやる。必ずやる。出来るまでやる。」
のスローガンを全員が見えるところに掲げています。

ポイントはスピードと徹底ですが、具体的に示せば次のようになります。

第一に「意識改革」が不可欠です。
トップ主導により低いパフォーマンスや弱点を「スピード」と「徹底」の会社に変身させます。意識改革にはトップのカリスマ性や強いリーダーシップが必要になります。

第二に「スピード」は競争に打ち勝つ最大の武器。さらにスピード感は社内時間でなく対顧客・市場時間のスピード化を行う。最近ますます変化が速くなっています。マイペースは競争社会では通用しません。

第三は「営業機関車化」は営業を一軍にし、会社の先頭に立たせて新たな市場を開拓する。営業の要求はどんな無理なことでも生産などのバックが支えていかなければなりません。

第四は「断トツのコスト追求」。コストはどんな時代でも競争を制する最重要要素です。業界で最安値の体制を作り、ライバルとの競争に打ち勝つ。

第五は、「損益の週次管理」は月一回では間に合わない。月4回PDCAサイクルを回すことで計画達成力を飛躍的に向上させる。工程などのコストセンター毎に見える化した仕組みから、毎週把握し予実管理を行い、予算に対し下方修正を絶対なくしていく。

 最後に、この会社は営業機関車の馬力もさることながら、コスト管理でも、手待ち時間、段取り時間、運送時間、設備故障時間など、加工に結びつかない無駄な時間を徹底的に少なくしています。

要は、この業界は営業力が強く、ライバルより安価で供給し、時間当たりに付加価値を年々高められる企業のみが生き残れるようです。

同級生に誘われたミニコンサートに感動!

投稿者 Bush吉田 2017年08月20日

学生時代の友人に誘われ、港のみえる丘公園に隣接した横浜市イギリス館(旧イギリス領事館)で開催された「丸尾有香と仲間たちーPASSION」というミニコンサートに行ってきました。

丸尾有香さんというのは藤原歌劇団団員です。
丸尾さんの美貌に加え、表情の豊かさと素晴らしい歌声にすっかり魅了され、忘れていた情熱を思い出しました。

今回のソロコンサートはピアニストの中村牧さんが若い丸尾さんのために企画したものです。
その会場には障害者を持ちながらも画家として活躍する塚田麻美さんが丸尾さんのために描いたユニークな絵画も展示され、ピアノ伴奏と3枚の絵画に囲まれた心温まるものでした。

丸尾さんの歌はスタイルの良い細い体からどうしてあれだけの声量が出てくるのか不思議なくらいの迫力でした。
もちろんマイクなしの肉声によるものです。

イタリアの曲が多く、中でもオペラ「ミニヨン」より、幼少の時にジプシーに誘拐され故郷を思い出して歌った「君よ知るや南の国」や、故郷ナポリでわが人生を回想して歌った「CARUSO」が素晴らしく感動しました。

そうそう、アンコールの「ゴッド・ファーザー」愛のテーマ曲も良かったです。

丸尾有香さんはイタリアでもオペラに出演し、本場でデビューしています。
イタリア生活が長かったのか、イタリア語の曲がとても合っていました。

ミニコンサートが終わり、友人に丸尾さんを紹介してもらい、話をしてみるととても気さくな感じの人でした。ツーショット写真のお願いにも快く応じてくれ、本当によい想い出となりました。(写真)

さて、コンサートが終わった後はPASSIONの余韻からでしょうか、そのまま帰宅せず寄り道してしまいました。
同級生たち三人と、元町の小さなレストランで大いに盛り上がり楽しかったです。

われわれは自由業で、弁護士、コンサルタント、会計士とまだ仕事をしています。
年齢なのでしょうか自然とこれからの生き方や仕事のやり方のついての話になりました。

「要は、必要とされている間は体力に負担にならない程度に仕事をやって、世の中に役に立っている間は続けていこう。それが生きがいになるし・・・。」

「われわれは幸せだと思う。健康で体力や心の余裕がある。今日のコンサートも感動したし、若くて頑張っている人たちをこうして応援するのもいいね。」

「また、このような機会があれば声を掛け合い逢いましょう・・・。」

といって、それぞれ帰路についた。

ミニコンサート
ミニコンサート

税務調査を逆手にとった強かな経営者

投稿者 Bush吉田 2017年08月13日

税務調査はやはり、気持ちのよくないものです。

先週、あるクライアントの税務調査に立ち会いました。
本店が地方にあり、本部経理がこちらにある関係で関東甲信越局のT税務署の調査官二人がやってきました。
来るだけでも片道3時間もかかります。
調査日程は二日間の予定でしたので、初日は当地で宿泊しました。
この調査に出張費もかかり、当然コストに見合った増差額を否認してくるでしょうから、忌避事項を掴んでくると思いました。

 実際に、現時点までの具体的に指摘された事項は予想の範囲内で、少々ホッとしています。

特に雑収入について細かく追及してきました。
以前から作業屑の管理については課題になっていました。
この企業は事業所が何か所に広がっており、各事業所で、作業屑が必ず発生します。しかし、帳簿や各期の決算書にその計上や金額にばらつきありました。

 調査官からその指摘を受けた時、その場にいた経営者から次のような発言がありました。

「作業屑のことについて以前から疑問を抱いていました。本部機能の当地から、本店所在地である事業所や各事業所は遠距離で目が届かない状況である。実は責任者に任せきりで気になっていた。」
「その実態を徹底的に調査してください。」と・・・
 税務調査を機に、不正や管理上の杜撰さにメスを入れたいと、経営者は本音で語っていました。
 税務調査は雑収入の取引先の反面調査も行えます。税務当局は国家権力があり、公認会計士監査よりも広範な調査権があります。
 この経営者は税務調査を逆手にとって、自社の不正や管理体制の不備を明らかにして、これからの経営管理に役立てたいと考えたのです。

 経営者が脱税や隠ぺいなどやましいことをやっていると、税務調査は本当に嫌なものかもしれません。人はやましさがあると、税務調査を受けると心の動揺が態度や表情に出るものです。
調査官はプロです。経営者の態度や表情の変化を見逃すことがありません。

また、調査官から質問された時のやり取りも重要です。
調査に立ち会った経営者や関係者の発言も注意深く詳細に聴いてメモを取っています。
ですから、調査官の質問に対して、短くイエスかノ-で端的に答えるのが賢いやり方です。
はっきりしない記憶や内容はその場でなく、後日に調べてから答えればよいのです。

 また、調査官は聞き上手です。
一番困るのは、おしゃべりな経営者です。
「あの得意先は苦しいので面倒を見た・・・」と余計なことまでしゃべって、調査官に否認事項のヒントを与えてしまうこともあるからです。
「語るに落ちる」タイプの経営者には調査に立ち会わせないように、事前に「社長は忙しいので・・・」といって、外出してもらっています。(笑)

今回の調査を受けた経営者は強か(したたか)です。税務調査を利用して自社の弱点を是正しようとしています。それにしても、この素晴らしい発想の根底には何があるのでしょうか?
この経営者は脱税や租税回避を行わない姿勢であることはもちろん、さらには経営者として成功している自信に満ちている、と感じました。

60周年記念に参加して思うこと

投稿者 Bush吉田 2017年08月07日

クライアントの創立60周年記念行事に招待されました。

60周年といえば人間でいうと還暦、そんな大変おめでたい席に参加できて大変嬉しく思います。
この会社は、現社長で4代目の電子部品製造業の優良企業です。

記念行事がはじまり、社長を筆頭に専務取締役、常務取締役や各部門長、そして各工場長が現状の課題や長期目標について説明をされました。
次の100周年に向けて安定企業として生きいくための基本方針で共感を覚えました。

話の中で特に印象的だったこと・・・・・

 社長が、今は中国からの受注が絶好調で生産が間に合わないので、資材や部品の納入企業に対して、納期の短縮や高品質化、さらには生産増強への協力を要請していました。
これまでにない急激な受注量の増加だそうです。
しかし、次の100周年に向って、「顧客第一主義」が重要であること、新たな需要を創りだすために「新製品開発」が不可欠であること、さらに将来の日本は人口減少などにより製造業がなくなっていくので「海外への新規開拓」が必要だということでした。
 社員だけでなく協力会社も一丸となって100周年に向かってチャレンジしていきたい、との強いメッセージでした。

 専務取締役は世界経済の動向と中国と日本の関係の話をされていました。
世界はグローバル化が進んで繫がっていること。
トランプ大統領の登場や北朝鮮問題、テロ国家など不確定要素が多く、将来の見通しが不透明であること。
また、予想外の突発的な出来事が起こると世界中の経済が影響されてしまう危うさがあること。
今は中国向けの工作機械部品の売上は絶好調ですが、いつまで続くのか全く読めないと語っていました。
しかしながら、当社にとって中国市場は極めて重要であることです。
日本経済にとっても同じで、日本の貿易相手国のシェアでは2016年実績で中国大陸が21.6%、中華系の民族の大中華圏が31.6%、アメリカが15.8%と中国が断トツで依存度が高いのです。
ですから、中国経済が風邪をひくと日本は肺炎になってしまうほど影響力が大きいのです、とも語っていました。

中国経済は政府主導で一斉に投資が行わる計画経済的な動きをします。
中国の大手企業は政府系の企業が多く、先進国のような民間の需給予測に基づく投資ではなく、政府の音頭で景気が激しく変動するそうです。
 政府発表の経済指標もあてにならず、李克強指数(中長期貸出残高、電力消費量、鉄道貨物輸送量の各要素の前年比伸び率を1/3)が重要視されている不可解な国でもあります。ついでに、6月現在の李克強指数から、中国経済の成長に、既にピークダウンの兆しがあることが判ります。

今、中国では、人手不足と人件費の高騰が経済に深刻な影響を与えています。そこで、政府(地方政府)は国の基幹産業である製造業で、人からロボット機械へ切り替える政策を打ち出しています。さらに、これから電気自動車などへの生産設備の投資も加速してくとのことです。

また、以前から不動産バブルが崩壊するのではないかとの噂があります。

いずれは不動産価額が下落し、銀行の貸出金が不良債権化して、日本のバブル崩壊と同じことが起きるのではないかとの観測もあります。
中国の銀行貸出総額はGDP比2.5倍で、日本の銀行債務総額のGDP比1倍弱に比べ、明らかに過剰債務に陥っています。
しかし、中国では不思議なことに銀行の不良債権問題が起きません。
それは中国の大手銀行のほとんどが国有銀行で貸出金が不良債権化しても、国の財政で処理できるからです。
中国の財政は日本と違い健全で余裕があります。

この国を観るには政治体制や企業統治のやり方がまるで異なるため日本の常識が全く当てはまらず、ビジネスは慎重に堅実に行っていかなければならないとも語っていました。

最後に常務取締役、本日このようなおめでたい日を迎えることができたのはみなさまの支援の賜物であるとの丁重なお礼の挨拶がありました。

そして、協力会社との関係をこれからも大切に、末永く付き合っていきたいとも語っていました。
優良会社は取引先や社員などを大切にする風土があります。

その後の60周年記念懇親会はそれを反映してか、大いに盛り上がりました。

異常な金融緩和策で失うもの

投稿者 Bush吉田 2017年07月31日

 経営者は昨今の超低金利をあたりまえのことと勘違いし始めています。

確かに、銀行は企業への貸出に積極的で、しかも1%未満の低利率で応じています。
それも、融資案件が取り合いで各銀行間の競争がし烈をきわめ、中には0.3%まで引き下げているケースも見られます。

そんな状況が2010年以来続いており、常態化しています。

銀行にとっては本業の貸出で利益が出なくなって本当に厳しい経営環境だと思いますが、お金を借りる側は「我が世の春」が続いています。
安倍政権が始まり、日銀の黒田総裁が金融政策を過去に例がない異次元な緩和策を続けています。7月20日、日銀は「インフレ目標2%が達成しないので、さらに金融緩和を続ける」との発表がありました。
現在、日銀は0%金利だけでなく、市場から国債などの公社債や株式(ETF)を購入し、お金をジャブジャブに世の中に供給しています。
さらに驚くのはその買い方が半端な規模ではないことです。日銀は国債の30%の300兆円、ETFを介した上場株式等も16兆円を保有し、日本を代表するトヨタ、ユニクロなどの有名企業の大株主に名を連ねています。
過去に例がない前代未聞のことをやっているのです。
株式市場や不動産市場の大幅な値上がりはその反動と言ってもいいでしょう。

 一方、他の先進国の金融政策はどうなっているか?

アメリカのFRBは2008年リーマンショックの後、経済に立ち直りを期すべき低金利を続けていました。
しかし、ここ数年、経済成長が好調(IMF見通し2.7%↑)でしかも雇用統計(失業率)も極めて低くなったことから、タイミングを見計らって金融政策を引き締めに転じています。
資金の量的供給の引き締めと金利の引き上げを行っています。
何のためかと云えば、金融政策が正常に機能するためです。

 つまり、将来経済不況が襲ったときの切り札が必要だからです。金利引下げがカンフル剤としての効果が発揮できるようにしておきたいからです。
 また、EUも経済成長が好調(IMF見通し1.7%↑)になって、資金の供給量を減らして金融引き締めに転じようとしています。その目的はアメリカと同じで、この引き締めは金融政策が正常に機能するために必要だからです。

 さて、日本はどうでしょうか?先進国の中で経済成長の勢いが1.2%↑と鈍く、インフレ率も低いことから、日銀は現状の金融緩和策を続けるとの観測がエコノミストの多数意見です。
 しかし、2010年以来続いている、異常な金融緩和がいつまでも続けられるのでしょうか?
「我が世の春」は必ず季節が変わり、正常な金融政策に戻さなければなりません。
異常な政策を際限なく続けると、想定外の経済的な歪が襲いかかってくると思います。
それがなにか分からないだけにとても恐ろしいのです。

お金はいつでもタダ同然で借りられる、そんな感覚が油断を招いてしまうかもしれません。
経営者が本業への切磋琢磨の企業家精神が鈍ってしまわなければよいのですが・・・・・とても心配です。

経済展望の講演会を聴いて思うこと。

投稿者 Bush吉田 2017年07月24日

メガバンクの経営者が集まる講演会に参加してきました。
「どうなる世界・どうする日本」~岐路に立つ世界と日本の経済・金融展望~というテーマでした。

その講師によれば、今後の世界経済は上向きで、特に日本経済は2019年、2020年と追い風で順調に推移するとの見通しでした。
ただし、気がかりな点として、地政学・政治リスク(北朝鮮・テロの脅威、トランプの自国優先主義の高まり・世界的な所得格差拡大など)があるそうです。
もし、世界のどこかで重大な事態が起きれば世界中にその影響が広がってしまうグローバル経済になっているからです。

日本経済の追い風は、2020年開催の東京オリンピックの投資などの30兆円、年々増加している外国人観光客によるインバウンド消費4兆円、ITサイクル投資5兆円だそうです。
さらに、人工知能(AI)投資については各企業が第四次産業革命と位置付けて、長期的な巨額な投資を行い続けると思われることから、GDPの需要面よりかなりの大きな経済成長が見込まれると予想していました。

金融政策について、黒田日銀総裁は2%のインフレ達成まで、現状の緩和策を続けるとの記者会見がありました(7月20日決定)が、講師も現状のインフレターゲットを引き下げるべきではないか、との意見でしたが黒田総裁の任期(2018年4月8日)までは金融緩和策は続けられるとの見解でした。
つまり、これからしばらく経済の見通しは明るい、との話でした。

そこで、講演会後に質問をしてみました。

「昨今の人手不足は異常です。どの企業も人手不足が経営上の課題になっています。仕事があっても社内も下請け先もマンパワー不足でやり切れないとの悲鳴を聞きます。このような深刻な人手不足は経済成長の阻害要因になりませんか?エコノミストの中にはこの点を指摘する方もいますが?・・・」

つまり、仕事(GDPの総需要)はあっても、マンパワーが絶対的に不足していればその仕事をこなす(供給)ことが不可能ですので、結果としてGDPの経済成長が出来なくなる。

私の質問に対して講師は、「大変重要な問題提起です。現在の日本の経済成長率は頑張ってもせいぜい1%がやっとです。2015年は1.2%↑、2016年も1.2%↑ですが、現在は1990年のバブル期を超える人手不足になっています。
日本の働き手は年々30万人減少しており、その不足分を外国人労働者15万人と生産性向上で何としようとしていますが、すでに限界に達しています。
 これから、ますます人手不足が深刻化するでしょう。
政府は女性や高齢者の就業を呼びかけています。また長期的にはAI人口知能によって、仕事が効率化されますが、AIの普及には時間もかかり、そして導入当初に大量の専門的労力が必要になります。
私見ですが、日本は海外から移民を受け入れなければならないと考えています。もちろん、国民の意見を尊重すべき賛否の議論を高めて、慎重に結論を出していかなければなりません。」とのありきたりの回答でした。

最後に、講演会の話は分かり切った事実から積み上げた展望で、発想の転換を示唆するような内容はありませんでした。

むしろ、不確実な地政学・政治リスクの話を詳しく情報として提供して欲しかったと思います。こんな時代、経営者の役割としては最悪の事態が発生した時のリスク管理が重要だと思っています。

「税理士の主張」を見て…

投稿者 Bush吉田 2017年07月18日

 7月17日付けの日経新聞に「税理士の主張」として税理士会による意見広告が掲載されました。

 消費税における単一税率・請求書保存方式(インボイス方式でない)の維持というものです。
その内容は、
「事業者の事務負担や逆進性対策として非効率。」
「財政悪化の折に軽減税率でなく単一税率(10%)を導入。」
「税率引上げ時の負担軽減策として簡素な給付金の支給。」
「H35年導入予定のインボイス方式は事業者や課税当局の事務負担に多大な影響。」
とした、今の日本の経済にとって一番優先して考えなければならない社会効率化の足かせになると云う、誠にうなずけるものです。

以前、私もこのブログで「消費税の軽減税率適用について」を掲載しました。
(H26年12月26日掲載)
平成29年4月から消費税が8%から10%に増税される予定でしたが、2年6ヵ月延期され平成31年10月からとなりました。

 改正消費税は食料品については8%に据え置かれます。
買い物する時に、お酒類を除く食料品は8%ですが、その他は10%と二段階の複数税率となります。
お店や会社は顧客から預かった消費税から、仕入れた際の消費税を控除して、消費税の申告や納付を行う仕組みです。
食料品は8%、その他なら10%と判別する必要があり、実務的に煩雑になります。

そして、消費税申告納税の計算では取引ごとに税率を個別に把握管理しなければなりません。
例えば、A社スーパーマーケットの食料品売上は8%ですが、食料品仕入は8%、それ以外の家賃、電気代、設備費などのコストは10%です。
そのA社にフードコートがある場合、フードコートの売上は消費税10%となり、軽減税率8%は当てはまりません。
つまり、材料として仕入れた食料品は8%の消費税を仕入れ業者に支払います。
その材料を調理して客に提供したら10%の消費税を預かる面倒な仕組みになっているのです。
仕入れ段階では同じ取引でも、売上によって税率が異なるとなると、消費税の集計に新しい管理方法が必要になってきます。

そこで、消費税の計算にH35年に請求書保存方式からインボイス方式(仕入時の消費税額の明細書)に変更し、改正が予定されています。
ただでさえ、申告手続きや各種届出書にマイナンバーなど事務負担が大きくなっているところに消費税の二段階複数税率の適用、さらにインボイス方式の導入は実務家にとって、ものすごく重い負担になります。
現在、事業者は人手不足が大変深刻化しています。

政治家は党利党略よりも、国の実情を直視して政策を決定すべきです。

医療機関の消費税の話です。

投稿者 Bush吉田 2017年07月03日

 ここのところ、医療クライアントの収益性が大幅に悪化しています。
そんな決算書の中で、多額な「控除対象外消費税」の損金科目が目立っています。

 病院などの収入は社会保険診療報酬などがほとんどで、その診療報酬は社会政策上から消費税が非課税になっています。
「病気になって税金を取られるのか」という国民の声を尊重したものです。

一方、医療機関にとっては消費税の非課税措置が「控除対象外消費税」というコストとして大きな負担が生じています。
医療機関が診療行為を行う時、薬品・医療器材の購入や家賃、電気・ガス・水道などのコストが掛かります。
医師の給与等以外のこれらのコストはほとんどが消費税をオンされた課税仕入です。

そして医療機関の消費税の申告納税計算は、社会保険診療報酬などAの非課税売上に対応するA薬品などの課税仕入れは控除できない仕組みになっています。
つまり、室料差額などの自由診療Bの課税売上からBに対応する課税仕入れのみを控除して、医療機関の消費税の申告納付額が計算されます。
したがって、「控除対象外消費税」とは、Aの課税仕入れのうち消費税申告計算上控除しきれない部分であり、これが医療機関の多大なコストとして大変な負担になっているのです。

消費税導入後から現在までに、厚生労働省は社会保険診療報酬の加算率を、平成元年導入時0.76%、平成9年税率引き上げ時0.77%、平成26年税率引き上げ時1.36%、合計2.89%を加算しています。
確かに、消費税の負担を解消するには、収入を増やしてその負担分を価格転嫁していくことも一つのやり方です。
しかし、消費税率が3%で導入され、その後5%、さらに8%に引き上げられていますが、はたして消費税の負担に相当するだけ社会保険診療報酬の加算で転嫁されているかというと疑問です。

消費税率8%に対して診療報酬加算が2.89%ですから、割合にして36.125%分が消費税の転嫁のために引き上げられました。しかし、この診療報酬の加算が消費税簡易課税制度の不動産賃貸業(第6種)のみなし仕入れ率40%よりも低いのもおかしなことです。
診療報酬は人口の高齢化で医療費が年々増加しているので、できるだけ抑制したいと考えているでしょう。政治的な判断で決まっているようにも見えます。

 診療報酬の非課税問題は法廷でも争われています。(平成24年11月27日神戸地裁判決)判決は原告の医療法人等側が敗訴していますが、重要なポイントとして「診療報酬の改定が仕入消費税額の転嫁が適正に行われていなければ、違法性を帯びる・・・」との裁判所の判断です。
したがって、医療機関が平均的な課税仕入れを上回るような多額な設備投資等がある事業年度の場合、一律的な改定は転嫁のあり方として不合理なものになります。

この流れをうけて、医療関係諸団体と協議を重ね、平成28年度税制改正の第三検討事項8、に「消費税率10%引き上げ時に高額な設備投資にかかわる負担が大きいとの指摘等を踏まえ、平成29年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る。」と明記されました。
しかし、消費税10%増税が再々延期され、平成29年度税制改正の第三検討事項8、においてほぼ同じ内容で記載されています。

検討事項8、の具体的な内容は次のようになると思います。
多額な課税仕入れがあって、その消費税負担額(「控除対象外消費税」)が診療報酬加算分2.89%(改定されれば、加算合計分※?)をこえている場合、その超えた負担額は自由診療報酬に係る消費税Cから控除する。つまり、医療機関の「控除対象外消費税」や消費税申告納付額が少なくなります。
さらに自由診療報酬に係る消費税Cから控除しきれない場合は控除不足額の消費税が還付されることとなります。もちろん「控除対象外消費税」は2.89%※分だけ計上されることになるでしょう。
「控除対象外消費税」は診療報酬の加算分と一致して完全に転嫁されたことになるでしょう。

医療機関で多額な投資等を考えている方々、消費税10%の増税後の方が有利になる可能性がありますので、よく検討してください。
2020オリンピックの建設バブル期、建築費人件費も高騰していますしね。

 今回は医療機関の消費税の課題を取り上げました。

こんな時代に熱い男がいる

投稿者 Bush吉田 2017年06月26日

 こんな時代に熱い男がいる・・・。

自動車レースの最高峰2016年度スーパーGT300の年間チャンピオンの栄誉に輝いた土屋武士氏だ。

武士氏は大手自動車メーカーに所属せず、自らが経営する藤沢市内の「町工場」で作りだしたマシンでレースに挑みました。

レ-シングドライバーとして、チーム監督として、そしてレーシングチームのオーナーとして、一人三役で達成した快挙なのです。
この自動車レースは大手ファクトリーチームがメーカーの社運を賭けて挑んできます。
その中で一介の町工場チームが優勝するとはだれもが予想だにしていませんでした。
シーズン終了後、マスコミから「第二の下町ロケット」と題して、取材申し込みが殺到したそうです。

そして、学生時代、自動車部に所属していた車大好き人間の私も、土屋氏を表敬訪問し、いろいろと話を伺いました。

Q.ヒト・モノ・カネに圧倒的に恵まれたファクトリーチームにどうして勝てたのか?
A.町工場のレーシングチームが全ての力を出し切ることが出来たからです。

Q.もてる力を出し切るには?
A.作業をやりながら日常から考え方を一致させていく。
違うなと思ったら、徹底した議論でトップのやり方を納得してもらう。
そうしなければ、同じ目標に力を合わせることが出来ない。

Q.レースに当たって、チームの一人一人のもてる力を発揮するには?
A.事前準備が勝負の決め手、ありとあらゆることを想定して準備する。
何の迷いもなく本番で実行できるよう徹底した訓練をする。

Q.ここ一番の勝負に勝つための秘訣は?
A.秘訣などない。本番で緊張しない人はいない。
そのプレッシャーに押し潰されないためには準備し、やり切るしかない。
やれることをやり切ると、不思議と心にゆとりが出て、明るい雰囲気で落ち着いてことに当たれる。その心のゆとりこそが勝利の女神を引きよせる秘訣かもしれない。

Q.リーダーとして心掛けていることは?
A.自利よりもチームのために無我夢中で努力し続ける。人はリーダーの背中を観て育つ。人は理屈でなくリーダーに感動しなければ本気で動かない。
氏が最後に語ったのは、やるだけやって、自分を信じ、人を信じるだけ。
なんと熱い人だろう・・・。

今どき珍しい40代の経営者である。

 武士氏の父親は土屋春雄氏です。
自動車レース界では有名な伝説のエンジニアです。武士氏は幼い時から父親に憧れ自動車レース界で仕事に就きたかった。
しかし、現実は父親から、「武士、そんなにやりたいなら勉強で目標を達成してからにしろ・・。」と反対されたそうです。武士氏は猛烈に勉強し、地域ナンバーワン校である湘南高校に見事入学しました。
父春雄氏は武士氏の本気度を確かめたのかもしれません。
そんな少年時の経験も熱い人間のベースになっているようです。

最近、アメリカからホットなニュースが飛び込んできました。インディアナポリス500マイル世界3大自動車レースの一つで、日本人ドライバーが優勝を果たしたのです。その優勝ドライバーの佐藤琢磨氏もNHK取材で「自分を信じ、人やチームを信じ、運もあった。」と語っています。自分だけの実力だけでないことを熱く語っていました。

ところで、武士氏は日本の自動車レース界への不安も語っています。
自動車レースのスポンサーとして企業の協賛が極端に少なくなっているそうです。零細な町工場チームにとって厳しい経営環境になっている。

最近、若者の車離れが自動車メーカーの課題になっています。休日に車で出かけると、高速道路を走行するレンタカーを見かけることが多くなりました。
若者の多くが自動車に興味が無くなっています。そんな現象が自動車レースへの協賛にも影響しているのかもしれません。
 確かに、車も性能へのこだわりが後退する現象が起きつつあります。ガソリンエンジンから電気や水素燃料でモーターを原動力として走る車になりつつあります。
1886年ベンツ社の創業者の一人がガソリンエンジンを発明し、アメリカペンシルバニア州で大油田が発見されました。
 そして、ロックフェラー氏で有名なスタンダードオイル社(エクソンモービル社の前身)が創業、その安価で大量な燃料を利用した1908年にT型フォードの大量生産で、世界中の自動車がガソリンエンジンを採用するようになりました。

 ちょうど一世紀が過ぎて、車のエンジンが見直される時代になりました。
CO2など環境問題や原油産出国の政治の不安定さから必然的な変化です。
しかし、ガソリンエンジンは燃料をコンパクトに蓄積し、長距離でハイパワーを発揮、しかも安価にどこでも手に入る、自動車として絶対的な優位性があります。どんな時代になろうとも、芸術の域まで磨き抜かれた素晴らしいガソリンエンジンのマニアはいなくならないと思います。

最後に、この一世紀に亘る技術の蓄積と発展に貢献し続けた自動車レースの熱い歴史は続けて欲しいものです。

サラ金過払い弁護士の次なるターゲット。

投稿者 Bush吉田 2017年06月12日

サラ金の過払い請求が弁護士の飯のタネ?になっています。
●●法律事務所のコマーシャルがテレビで頻繁に放映されているのはご存じのことと思います。

この流れは、われわれ税理士業界にも押し寄せています。
××税理士事務所では、すでに他の税理士事務所が申告した申告書を見直して、税金の過払いチェック業務(間違えを探す)を収入源にしているのです。

 相続税の申告をしたお宅に突然、「あなたは相続税を払い過ぎていませんか?無料で過払いの検証を行いますのでお気軽に相談を…」というDMを送っているのです。
そして、「××税理士事務所は過払い税金が還付された場合は、その半額を報酬として頂きます。」というものです。
どんな仕事でも、他人が一度やったことへのケチや間違えは見つけやすいものです。
この同業者、なかなか強かで抜かりないやり方です。

 ではなぜ、税金の過払いが取り戻せるのでしょうか?
実は、平成23年の税制改正で、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税については、申告後、5年間は納税者側から納税額の減額更正請求ができるようになりました。
相続税は納税金額が多額であることが多く、また、相続した土地の評価の仕方で課税財産額が減少するケースが多くあります。

特に、土地の面積・形状・高低差など個別要因によって評価の仕方が様々で、つまり、税理士それぞれで評価額が異なっていると言っても過言ではないのです。そして最も納税者に有利な評価方法を見極めるスキルが必要となるのですが、税理士も資産税・法人税など得意とする分野がそれぞれ異なります。

つい先日もこんな話がありました。
当事務所では納税者の税負担を低く抑える使命から、相続で取得した土地を広大地として申告しました。

ところが、申告期限から2年6ヵ月後、所轄税務署資産税特別調査官から連絡が入りました。相続税申告書に税理士法33条の2の書面添付で、税理士の意見聴取はありましたが、その後に税務調査に移行しました。

この調査で一番の論点は広大地の評価が適用できるか否かでした。
当局が適用できないとした理由は広大地と評価した場所に、現在(H28年10月)マンションが建設されていて、いわゆるマンション適地で広大地に該当しないというものでした。
確かに、評価通達にマンション適地は広大地とならないとあります。

しかし、相続開始日はH25年4月で、当時と調査日とは経済状況の変化があります。
通達の判断日はあくまでも相続開始日のH25年4月です。
当局が適用できないとした対象地は2か所あり、1か所は、相続人の一人が相続税を納付するために同族法人に売却した土地であり、残りの1か所は第三者に売却した土地です。
いずれも売却後、相続税対策のため、同敷地にマンションが建設されました。
本当にマンション建設が相続時に最適有効活用と言えるのでしょうか。

しばらく、当事務所と当局との押し問答は続きました。
そこで当事務所では対抗手段として、土地の専門家である有能な不動産鑑定士に相続時点のこの土地の分析を依頼しました。
地域のマーケット分析や個別分析を行い、対象の土地が広大地に該当するか否かを詳しく判定する意見書をもらうことにしました。
結果は申告書提出時の想定通り、この土地はマンション用地ではなく、宅地分譲が最も有効な活用である旨の意見書となりました。
そして、最終的には当局もこの「広大地意見書」を受け入れて決着しました。

相続税の申告は神経をすり減らします。
過大な納税は××税理士事務所のターゲットにされ、過払いが表面化した場合は当事務所と対顧客との信頼関係にひびが入ります。また、申告漏れなど過少な申告は税務調査で指摘された場合に当事務所の落ち度があれば、これも顧客との信頼関係を損なってしまいます。

さらに、信頼関係だけでなく顧客からの損害賠償にもなるケースも増えてくるでしょう。

サラ金過払い訴訟を手掛けている弁護士の次なるターゲットは税理士事務所となるのでしょうか…(>_<)

AI時代に会計事務所はどう変化する?

投稿者 Bush吉田 2017年05月01日

 最近、囲碁や将棋でプロ棋士がAIに敗けたという衝撃的なニュースが伝わってきました。AI(人工知能)の進化でしょうか。

一体、AIはどのような仕組みになっているのでしょう?

AIは目的を与えると、アクションをしながら自ら進化していきます。
大量の情報(ビッグデータ)と自己学習(ディープ・ラーニング)によりプログラム化され、人の能力を超えるようになりました。

 つまり、人間の脳をメモリー回路に見立てて作り上げたのです。

そんなAIは世の中の仕事そのものを大きく変化させていくことでしょう。
全労働の75%がAIに、税理士や公認会計士では実に90%の確率でAIにとって代わる時代になるという予測もあり、第4次産業革命と云われています。
例えば、税理士業務でも一定の条件を与えた場合、その判断や計算部分では、AIの方がはるかに早く正確に結果を算定します。

それはなぜか?

人間の記憶には限界があり、認識判断は先入観などで誤りが付きものです。
記帳代行とか決算申告業務だけを業務と捉えている税理士はAIに仕事を奪われていくでしょう。
そこで、これからの社会で税理士等が業務上どのように意識改革すべきなのか?を考えてみました。

確かに、AIは優れた能力を備え、税理士等にとって脅威とも云えますが、一方で、人はAIにない素晴らしい特徴を持っています。

人には意識や自我があり感情を持っています。AIは自我や感情を作ることができません。

人は家族や友への愛・他人への思いやり、ペットや生き物への慈しみ・自然や神への畏敬の念などを持っています。これは自我があり感情があってはじめて感じる事なのです。
映画「ターミネーター」で出てくる主人公は人口知能ロボットです。痛みの感情も憐れみもない単なる殺人マシーン(AI)なのです。
税理士等は、人であるクライアントが相手です。相手に対する思いやりの気持ちや心が不可欠なのです。
人の心に寄り添い、クライアントが真に望むことを理解する必要があります。
具体的に言えば、税理士等として的確な課題設定を提起、優れたコンサルや有益なアドバイスをすることです。
それには税理士等としてコミュニケーション能力・知見・目的意識さらに人間力を磨き続けなければなりません。

最後に、税理士等がクライアントの課題を設定して、その目的を実現する合理的な手段としてAIを上手に使うことがきわめて重要になってきます。

アメリカでは税務サービス会社H&Rブロックが確定申告のアドバイス業務にIBMのAI(ワトソン)を活用して成果を上げていると新聞に報道されていました。
特に還付申告において、クライアントとのコミュニケーションからより細部まで還付の可否について検証に取り組めるようになり、AIを利用することによって顧客満足度を上げています。

日本でも近々、AIを活用する税理士集団(TKC)が出現するハズです。

アニメ映画を観に行きました。

投稿者 Bush吉田 2017年04月11日

 今年は桜の開花が遅れ、また、週末ごとに天候が悪くなるので満開の桜をゆっくりと堪能することができませんでした。

そんな中、珍しくいま話題になっているアニメ映画「この世界の片隅に」を観てきました。
きっかけは、娘のこんな一言でした。
「ちょうどおばあちゃんの時代の暮らしのアニメを観て感動した」

 「こうの史代」氏作の漫画を映画化した作品で、太平洋戦争中の広島県呉市が舞台です。
絵を描くのが好きなのんびりした女の子「すず」が、18歳で呉に嫁にきて厳しい時代の中で生きていく物語です。
 食糧難、空襲、原爆と厳しい世の中で、爆弾で家族を亡くし、自分も大けがを負いながら、必死に明るく生き続けていく姿を描いています。
特に、可愛がっていた姪を亡くし、右手を失い、大好きな絵が描けなくなった場面では涙が止まりませんでした。

戦時中とは言え、あまりにも哀しい物語です。

救いは絵がとてもきれいなことです。
日本の自然や風景、人の表情もノスタルジックで安らぎを感じられるやさしいものでした。今日のような平和な時代に生きていることはありがたいとも感じました。

 さて、いま心配なのは、昨今の世界の動きです。
シリア、IS、ウクライナ、ソマリアさらに北朝鮮など紛争地区が多くなっています。シリアでは空爆や化学兵器で多くの一般市民が亡くなっています。トランプ大統領はシリア軍事基地へのミサイル攻撃を強行しました。

 また、北朝鮮は国民を犠牲にした独裁国家で、将軍様の存続のためにはなんでもするように思います。
もし、偶発的にミサイル攻撃されれば日本も平和ではいられなくなってしまうでしょう。
テロ、難民、飢餓、殺戮このところの世界の情勢は平和に向かうどころか戦争勃発のリスクが高まっているような動向になっています。
これから先、一体どうなるのでしょうか。

 忘れてはならないのは70年前の日本でも、第二次大戦では将来を担う希望を満ちた多くの若者を赤紙一枚で戦地に送り、無駄死させたことです。
また、何の罪もない子供や女性など一般市民までが空襲や原爆で犠牲になりました。
戦争などの社会の混乱時に一番犠牲になるのは市井の人なのです。
戦争は不条理そのもので、絶対やってはいけない国家犯罪だと思います。

「この世界の片隅に」はこのことを訴えかける作品なのではないかと思いました。

28年分確定申告から見える世の中の動向Part2

投稿者 Bush吉田 2017年03月27日

 前回に引き続き、確定申告についてです。
上場株式等の譲渡や配当、特定公社債に関する証券税制は複雑です。

 平成28年分から、特定公社債の利子や譲渡損益や償還差損益の課税の取扱いが見直されました。
公社債は特定公社債と一般公社債に分類され、その利子や譲渡損益・償還差損益は上場株式等の配当等や譲渡損益と同じ扱いになり、全てが課税(税率20,315%)されることとなりました。

改正前の平成27年分までは、利付公債の譲渡損はなかったものとされる反面、譲渡益は非課税でした。
これを利用して、外貨建て公社債など為替差益などの含み益の大きいものは、平成27年中に非課税制度に活用してクロス取引を行い保有公社債の取得価額を引上げるというアドバイスをする証券会社が多くありました。

 また、優良企業のオーナーは事業承継対策として、非上場株式の多額な譲渡益と保有上場株式等の譲渡損失を通算することができました。

証券取引を行う個人投資家は証券会社に「一般口座」か「特定口座源泉徴収なし」または「特定口座源泉徴収あり」を開設します。
このうち、「一般口座」か「特定口座源泉徴収なし」を選択した個人投資家は上場株式等や公社債の譲渡益がある場合、必ず確定申告しなければなりません。

 しかし、「特定口座源泉徴収あり」を選択した個人投資家は証券会社が年間特定口座取引に基づいて損益を計算し課税関係が終了するので、確定申告をする必要はありません。

平成28年分確定申告では、株式相場や為替相場が堅調だった影響で個人投資家の保有名柄が値上がりして利益を上げていることと、「特定口座源泉徴収あり」が幅広く普及してきたことで確定申告件数が少なかったと思います。

もちろん、確定申告の依頼を受けたすべての方が儲かっていたわけではありません。
なかには「特定口座源泉徴収あり」の保有上場株式等や公社債の譲渡損失が大きく、利子や配当等でも相殺しきれずに年間取引で損失がある方もいました。

このような方は確定申告をして、その損失を繰り越すことができます。
ただし、この損失の控除できる期間は発生年分以降3年間に限られ、上場株式等や公社債の譲渡益や配当等、利子・償還益の所得からしか控除できません。
所得税での上場株式等など損失が繰越できる期間は3年と非常に短期間で、他の不動産譲渡所得などとも通算できません。

所得税法上、納税者の損失を取り戻すためには期間が短く大変厳しいルールと云えます。ちなみに、法人税法上、損失の繰越期間は10年間です。

 気が付いたこととして、バブル崩壊後25年が経過していますが、本格的な株価上昇局面は4~5回です。つまり、25年間の株式市場の上昇局面は平均すると、4~5年おきに起きているとも云えます。
個人投資家が上場等株式などの損失を挽回するには、あまりにも短すぎる繰越期間なのです。こんな厳しい税制では、個人のお金が貯蓄から投資に回るとは思えません。

 最後に、証券投資をする方に知っておいてもらいたいポイントがあります。
「一般口座」「特定口座源泉徴収なし」を選択した個人投資家は、上場株式等の譲渡利益が生じた年には必ず保有銘柄のうち時価が大幅に下落し挽回不可能と思われるものを年末までに売却し損切りしておいたほうがよいでしょう。
その結果、儲かった銘柄の譲渡益から損切りした譲渡損を通算でき、余分な税金(20.315%)が節税できます。

 次に、上場株式等の損失が生じた年で「特定口座源泉徴収あり」に受け入れていない同じ年の上場株式等の配当等(少数株主)があるときは、その配当等を通算して申告した方が賢明です。これから3年間という短い期間内に必ず上場株式等の譲渡益がゲットできるとは限らないからです。

これから先の世界情勢などを考えれば、上場株式等や公社債等の時価の変動は、全く予想がつかない不透明で不確実なものです。
その年その年ごとの上場株式等や公社債の譲渡損などと、配当等や利子で確実に損益通算できるものは合算しておくべきでしょう。

28年分確定申告から見える世の中の動向Part1

投稿者 Bush吉田 2017年03月27日

3月20日のお彼岸の日、久しぶりに自宅にて休養しています。

 平成28年分確定申告業務がやっと終了し、一段落したところです。
毎年、確定申告件数が増加し、今年は特にマイナンバー制度初年度で手続きが煩雑となり、その上、人手不足の時代になってスタッフの補充もままならず、やりきれるかどうか始まる前より大変気になっていました。
昨年9月に優秀な幹部社員を亡くしたことも大きな不安材料でした。
しかし、こんな状況下にもかかわらず頑張ってくれたスタッフには本当に感謝しています。

 さて、その平成28年分の確定申告ですが、そこから見えてきた世の中の動きとして、不動産の動きが多くなったこと、それに反して上場株式等の譲渡等の申告件数が減少したことです。
また、贈与税の申告件数が大幅に増加しています。特に子や孫への株式などの特定贈与が目立っています。相続税増税の影響やクライアントが世代交代の時期に差し掛かっているからなのでしょう。

特に驚いたのは、不動産の譲渡所得が非常に多かったことです。
2020年の東京オリンピックの影響なのでしょうか?不動産価格が値上がりし、活用していない物件を売ったケースなどが目立ち、ミニバブルのようにも感じます。
売り主は長期的に人口も減少するので値下がりするとの読みもあるようです。
特に、相続で取得した不動産を売却した場合、相続税申告期限3年以内であれば相続税額の取得費加算で譲渡費用が膨らむので、譲渡所得が少なくなります。
相続財産に土地の占める割合が多く相続税も多く収めた方は、極端なケースでは譲渡所得がゼロになる方もいました。

ただし、平成27年以降開始する相続で取得した財産に係る取得費加算の計算方法が変わりますので譲渡所得がゼロになるような極端なケースはなくなります。

いずれにしても相続取得後3年以内でないと、この特例は使えません。
平成28年4月改正で創設された、相続で取得した空き家に係る譲渡所得の3000万円控除の該当者はおりませんでした。

 他には相続で取得した不動産の取得費が分からないケースも多くありました。
譲渡所得の計算上、相続や贈与で取得した不動産の取得費は原取得者(被相続人や贈与者)が実際に購入した価額になります。

しかし、原取得者が保管しているはずの不動産売買契約書などを紛失し、実際の取得費が不明なケースが多くありました。
この場合、取得費は登記事項証明書で不動産の取得日を特定し、建物は当時の標準的な建築価額、土地は地価価格指数による推計価額か、売却価額の5%とする一般的な概算価額が考えられますが、譲渡所得の計算上、有利な方を取得費としました。
申告計算はその分、面倒になりますが、アメリカファーストならぬクライアント第一主義がわが事務所のモットーですから・・・。

 また、すっかり忘れていた麻生政権時の土地の先行取得による圧縮記帳もありました。TKC申告システムに助けられました。人工知能(AI)に軍配が・・・。
 税制が毎年改正され、煩雑化、税務もAIを味方にしていかなければなりません。

平成28年分確定申告のポイント

投稿者 Bush吉田 2017年01月11日

 これから、いよいよ平成28年分所得税の確定申告時期が迫ってきます。
恒例の年中行事ですが、申告件数が多く一時期に業務が集中するだけに、精神的肉体的にも疲労が蓄積し厳しいイベントです。
 さらに、平成28年分から新たに納税者のマイナンバーを申告書に付番する必要もあり、その収集にもかなりの労力を費やしています。よって、今年は3月15日(水曜日)までに無事に申告が終了するかどうか不安を感じています。

平成28年分の所得税申告の改正ポイントを以下にまとめてみました。

  1. 申告者本人とその扶養者のマイナンバーを申告書に付番する。

  2. 次に三世代同居改修工事の増築を行った場合の特例が創設されました。
    一定(キッチン・浴室・トイレ・玄関)の改修工事に当たって、5年以上償還の借入金(1,000万円まで)で賄った場合、5年間最高で62.5万円の所得税額控除ができます。
    一方、50万円超の一定の改修工事の標準的費用の額の10%相当額を5年間25万円を限度として所得税額控除ができます。

  3. 空き家に係る譲渡所得の特別控除(3,000万円)の特例の創設。
    相続により取得した被相続人のみが居住した家屋で、昭和56年5月3日以前に建築され家屋で、耐震性の基準に適合している。
    ただし、耐震性の基準に不適合な場合は取り壊して更地で売却してもこの特例が適用できる。
    さらに、相続開始後譲渡の年の12月31日まで3年以内(相続開始日が平成25年1月2日以降は該当)で、譲渡価額が1億円を超えない対価の場合は3,000万円控除の選択できます。
    この特例は平成28年4月1日から平成31年12月31日までです。

  4. 証券税制は「金融所得の一体課税」で有価証券の範囲や課税方式が見直されました。
    「上場株式・公募投信」と「特定公社債等」をグループ化し、配当金・利子と譲渡所得等と償還差益を通算可能になりました。
    なお、改正前は「特定公社債等」の譲渡所得は非課税で償還差益は総合課税でした。改正後は全て分離課税になりました。
    次に「一般公社債等」と「非上場株式など一般株式等」をグル―プ化しました。
    なお、改正前は「上場株式・公募投信」と「非上場株式など一般株等の譲渡所得等は通算が可能でしたが、改正後はできなくなりました。
    一方、NISAは100万円から120万円に限度額が引き上げられ、ジュニアNISA限度額80万円が創設されました。
    また、H28年7月1日以降海外に転出する居住者(有価証券などを1億円以上保有している)は出国した時、海外居住者に贈与若しくは相続で有価証券を取得させたときに、実際に売却していなくても譲渡したものとみなされ所得税が課税されることになりました。

 毎年12月になると、優秀な証券マンは顧客の年間有価証券損益を確認し、譲渡所得があると、含み損のある銘柄で回復が困難だと思われるものの損切りを勧めてきます。有価証券の譲渡所得や配当金は分離課税で20.315%の税金が生じます。上場株式等について譲渡所得や配当金がある場合、値下がりした銘柄は早目に売却して、年度中に損益通算しておくべきです。有価証券投資に損は付き物です。「見切り千両」という格言もあります。
配当金や譲渡益の税金は有価証券運用上の大きなコストです。
最後に、有価証券通算後の損失は確定申告することで3年間の繰越ができます。

2016年

平成29年1月から改正される「類似業種比準株価」について

投稿者 Bush吉田 2016年12月29日

平成29年1月から改正される非上場会社「取引相場のない株式」の評価方法についてもう少し踏み込んで述べたいと思います。
改正のポイントは先週のブログ記事で書きましたが、実際に事業承継に当たってその会社の株価にどのような影響が出るのかを考えてみました。

 非上場会社「取引相場のない株式」aは評価会社が比準する類似業種の上場会社の株価(A)を反映します。
つまり現在は、?「課税時期の属する月以前3か月間の各月の類似業種の株価のうち最も低いもの」、又は?「類似業種の前年平均株価」を納税者の選択適用を認めています。よって実務的には?又は?のいずれか低い株価を比準価格としています。今回の改正ではさらに、?「課税時期の属する月以前2年間の平均株価」も加わることになります。
 したがって、非上場会社「取引相場のない株式」aの比準する類似業種の上場会社の株価(A)について選択の幅が広がり、上場会社の株価(A)が上昇局面では評価額の上昇が緩やかになります。一方、上場会社の株価(A)が下降局面では、現行通り最も低い株価を採用できます。

 次に、類似業種の比準要素(b配当金、c利益、d簿価純資産)について、連結決算を反映する改正がされました。
 上場会社では従来の個別決算ベースより連結決算ベースの方が各要素の数値が大きくなります。よって、非上場会社「取引相場のない株式」aの評価は比準される数値が大きくなると相対的に低くなるはずです。

 さらに、非上場会社「取引相場のない株式」aの株価算定で、類似業種の比準要素(b配当金額、c利益金額×3、d簿価純資産価額)が平成12年改正前の算式に戻されます。
具体的には(b配当金額、c利益金額×1、d簿価純資産価額)になりますが、その影響はどうでしょうか(別紙参照)。
比準要素のc利益金額の比重が低くなることは、非上場会社「取引相場のない株式」aが高収益企業であっても、従来よりも評価額は低く抑えられます。その反面、事業承継対策として役員退職金支給を活用するケースが多いのですが、この場合は役員退職金支給した翌期かその翌々年から、非上場会社「取引相場のない株式」aの株価が引き下げられます。しかしながら、改正後ではその引下げ効果がc利益金額の比重が低くなることから、非上場会社「取引相場のない株式」aの株価の引下げ効果は激減してしまいます。つまり、事業承継を視野に入れた株価対策がやりにくくなります。
最も、平成12年改正では?c利益金額×1が?c利益金額×3に引き上げられる影響を少なくするため、経過措置として?か?の選択を認めていました。
今回の改正では、経過措置が設けられるのかどうかまだわかりません。

最後に、非上場会社の「取引相場のない株式」aの評価の原則的な考え方は「純資産価額方式」ですが、「類似業種比準方式」及び「類似業種比準方式」と「純資産価額方式」の「折衷方式」で評価することも認めています。「類似業種比準方式」や「折衷方式」は非上場会社の「取引相場のない株式」の会社の規模で大会社・中会社・小会社で区分されます。大会社は「類似業種比準方式」、中会社・小会社は「折衷方式」で判定されます。
一般的に、非上場会社の「取引相場のない株式」aでは「純資産価額方式」より「類似業種比準方式」の方が評価金額は低くなることが多いようです。
今回の改正では、この大会社・中会社の規模範囲も拡大されます。
大会社・中会社の規模範囲の拡大は「類似業種比準方式」が身近になり、非上場会社の「取引相場のない株式」aの評価が低くなると思います。

いずれにしても事業承継に当たって、個別具体的にそれぞれの評価会社ごとの検証してみる必要があります。

平成29年度税制改正大綱・・取引相場のない株式の評価の見直し

投稿者 Bush吉田 2016年12月20日

 平成29年度税制改正大綱が閣議決定されました。
その中で「取引相場のない株式の評価の見直し」についてコメントしたいと思います。
 この項目は中小同族企業の株式の評価の類似業種比準方式の見直しです。
上場等をしていない企業の株式の時価は?純資産価額方式、?類似業種比準方式、?配当還元方式(少数株主)で評価されます。このことは相続や贈与における時価評価の基準として国税局は「財産基本通達」で明らかにしています。
 このうち、?類似業種比準方式については、
A上場株価・・・評価する会社に類似した業種の上場株式の株価
B配当金額・・・評価する会社に類似した業種の上場株式の配当金額
C利益金額・・・評価する会社に類似した業種の上場株式の利益金額
D純資産価額(自己資本)・・・評価する会社に類似した業種の上場株式の純資産価額に対して、実際に評価する会社のb配当金額 c利益金額 d純資産価額の要素で比準する仕組みになっています。
 改正前はc/C利益金額が3倍になっておりました。
具体的に示せば

 a評価会社株価=A上場株価×(b/B配当額要素比準×1/5+c/C利益金額要素比準×3/5+d/D純資産額要素比準×1/5)

なっていました。しかし、この算式は評価する会社の利益金額が株価評価に大きく影響を与えることから、利益金額の3倍には賛否があり議論されていました。
改正後にどのようになったかと言うと、以下の通りになります。

 a評価会社株価=A上場株価×(b/B配当額要素比準×1/3+c/C利益金額要素比準×1/3+d/D純資産額要素比準×1/3)

 さらに、改正後はAの類似業種株価は課税時期の月以前2年間平均を認めています。改正前は課税時期の月以前原則3ヶ月以内の最も低いもの、例外的に納税者の選択で前年平均株価によるとされていました。
 一方、類似業種会社の配当金額や利益金額や純資産金額は連結決算を反映したものとする改正が行われています。また、評価会社の規模区分が見直され大会社・中会社の適用範囲が広がってきます。
 一般的には社歴が古く含み益が多額な中小企業の株価評価において、原則的?純資産価額方式よりも?類似業種比準方式を適用したほうが低くなる傾向があります。
したがって、今回の改正で取引相場のない株式にどのような影響が出るか?あくまでも私見ですが、優良会社にとっては改正前よりも株価評価額が低く抑えられ、事業承継がしやすくなるのではないかと思います。
なお、今回の改正は平成29年1月1日以後の相続等から適用されます。

相続税節税策は本当に高齢者が行った?

投稿者 Bush吉田 2016年10月31日

 先日、相続税の税務調査に立ち会いました。
故人はちょうど100歳を迎えた直後に亡くなりました。遺影とともにに市から長寿の表彰状や記念品が飾られていたのが印象的でした。
 亡くなられてから10か月後、相続税申告書を提出し、そのちょうど2年後に税務調査となりました。当日は特別調査官と若い事務官(国税調査官のインターン)が故人の自宅にやってきました。税理士の意見表明である書面を申告書に添付(税理士法第33条の2)、税理士が意見聴取を行いましたが、今回の税務調査に移行しました。経験的に書面添付をして意見聴取だけで税務調査が省略された割合は50%程度です。
今回のケースは何故、税務調査に移行したのか?
もしかすると、われわれ税理士が知らない家族名義預金などがあって、その財産が相続税申告書に漏れていたのか?もちろん、申告書作成時に確認はしていましたが、再度、相続人に聞いてみたものの相続人は首をひねるばかり。
 が、ただ一つだけ、思い当たることがありました。相続開始の5年前に相続人へ多額な贈与をしていたのです。
もちろん、贈与税申告もきちんと行いました。その贈与財産は節税効果が高い年金一時払いの金融商品で、契約時に1億円払い込み、36年間にわたって年金としてもらう契約をすると複利現在価値の考え方から相続税評価額(財産基本通達)が約2千万円になります。故人はある銀行から勧められるままこの金融商品を購入しました。そして、数年後に、この金融商品を相続人の子に贈与しています。もちろん、贈与時の金融商品の評価額は約2千万円になり、贈与税も納付しています。

実は、ある銀行は故人が多額な預金を保有している情報をつかんでいました。そんなことから営業を仕掛けたものと思われます。
 現在、税制改正でこの評価方法が変わり、相続税評価額は解約金相当額になっており、節税効果がほとんどなくなっています。

したがって、税務調査の狙いは明白です。われわれは申告書作成の段階で何度もこの金融商品を購入した時の個人の状況を確認しています。すでに購入時には90歳を超えていましたので、認知症など判断能力に問題がなかったか?
われわれも気にはなっていました。
 金融商品の購入時と贈与時に意思能力がないと民法上無効になり、本人がやったことにならなくなるのです。

 今回の税務調査のポイントはこの点の確認に違いないと思い、相続人に故人の預金の払い出しや健康状態を当局から必ず質問されますよ、と事前に伝えました。
 そして調査当日10時きっかりに自宅にやってきました。挨拶の後、故人の死因や経歴などを質問してきました。次に、あらかじめ自宅周辺を確認していたようで敷地内の家屋について、誰が居住していたか?特に故人がどこに誰と住んでいたか確認してきました。相続人と同居していなかったかなど・・・。今回のケースでは故人が一人暮らし、相続人とは同居していませんでした。
 さらに、「個人が死亡した病院、いつから入院していたか?」など質問が核心に迫っていきました。「故人は一人暮らしでしたが自立した生活をしていましたか?」「故人の銀行預金の出し入れはどうしていましたか?」→相続人から銀行が来宅することもあったが、私が車に乗せて銀行に連れて行った旨の説明をしました。例の金融資産を購入した経緯についても質問がありました。→銀行からの熱心な営業で故人本人が理解して本人の判断で契約書したことも伝えました。(当時の契約書で本人署名したことも確認済みでした)贈与契約も同じで贈与税申告書に添付しています。
 当局側は個人の判断で本当に購入や贈与が行われたかいう点に関心があったと思います。

 われわれも、当初銀行からの提案でこのような節税策を行うことについて、実は懸念を持っていました。その旨は納税者にも伝えていました。常識からして1億円もの対価で金融資産を購入後、相続や贈与では財産基本通達によって五分の一の評価になってしまうのです。しかし、相続税法22条に財産の評価は時価によるとの大原則があります。
 確かに、財産基本通達は税務職員の命令書です。つまり税務執行におけるマニュアルです。今回の節税策はこれを利用したものです。

 昨今、タワーマンションの相続税評価額が購入価格(時価)に対して低すぎるとのことで、評価法を改正するとの情報があります。つまり、タワーマンションの販売価格は高層階ほど高いのですが、相続税評価の基準となる固定資産評価額は高層階も低層階も広さが同じであれば評価額が同じになるのです。
 但し、過去の最高裁判例でタワーマンションを利用した過度な節税策について納税者が負けています。

 今回の税務調査もこの節税策は当局からするとおもしろくなく、したがって税務調査に選定されたのでしょう。
当局側は何とか契約や贈与が無効になるような証拠(尻尾)を何とか捕まえたいと相続人に確認しに来たのではないかと思います。

第1次相続時の資産分割をどうする?

投稿者 Bush吉田 2016年08月22日

 昨年の相続税改正で、基礎控除が40%も削減されました。
その影響で今まで相続税に縁のない方々とお会いする機会が多くなってきました。相続税は遺産分割の仕方によって大きく変わります。父が亡くなる(第1次相続)、母が亡くなる(第2次相続)よくあるパターンの注意点をまとめてみました。

まず、父が亡くなる(第1次相続)のとき、被相続人が住んでいた居住用の自宅を誰が相続するのか?
その分割の仕方によって税負担に大きな差が生じる場合もあります。
つまり、被相続人が相続直前まで自宅として利用していた宅地の評価額は要件が整えば330?まで80%の減額がされます。(特定居住用宅地等の特例)
特定居住用の小規模宅地等の特例は節税効果が大きく、この特例を適用できるかどうかで相続税額に大きな差がでます。相続税額がゼロになることもあります。
ただし、この特例は原則として相続の申告期限(死亡日から10か月以内)までに遺産分割が確定し、小規模宅地等の特例の明細書を添付して、相続税がゼロになっても申告書を提出してはじめて認められます。
特定居住用の小規模宅地等の特例は配偶者が取得すれば無条件にこの特例を適用できますが、留意しなければならないのは、被相続人と同居や生計を一にしている子がいた場合には配偶者が取得するよりもその子が取得した方が有利になる場合もあるということです。

 なぜかというと、配偶者には相続財産の法定相続分(二分の一)か1億6千万円までの、どちらか多い金額まで相続税額がゼロになるという「配偶者の税額軽減」という別な特例が認められているからです。

また、父が亡くなる第1次相続時に、母が亡くなる第2次相続のことも視野に入れて遺産分割を検討する必要があります。第1次相続における税額を減らすことだけを優先して、配偶者の税額軽減を目いっぱい利用すると、かえって損することもあります。
例えば、残された配偶者が固有の財産を持っているときなどです。
配偶者が相続するのは預金や有価証券などが良いでしょう。老後の生活費や療養費に充てられますし、また年々目減りしていくので、結果として第2次相続時の相続税対策になります。

第1次相続時に、第2次相続時のことも考慮した遺産分割がきわめて大切です。目先の損得だけの遺産分割は禁物です。

相続税申告であった話です

投稿者 Bush吉田 2016年08月01日

 相続税申告の話です。
申告期限ぎりぎりまで調整に手間取った申告が終わり、ほっとしています。
この相続の相続人は子であるA氏、B氏及びC氏の3名です。
父親が10年前に他界し、今回その配偶者である母親が亡くなり、いわゆる二次相続といわれるものです。法定相続分はA氏、B氏及びC氏それぞれ三分の一ずつです。
当然その法定相続分にて協議が整う予定でいました。

ところが相続申告の手続きが進み、いよいよ申告するという間際に、B氏の顧問弁護士から連絡が入りました。内容はB氏が経営するD社の再建を弁護士にお願いしていたのですが、D社取引銀行等との交渉の結果、私的整理(事業再生ADR)がまとまる目途がつき、つきましては、その条件として、B氏が個人保証している銀行等からのD社借入金を出来るだけ返済して欲しいとのことでした。
 そこから遺産分割案が振り出しに戻ってしまいました。
なぜなら、D社の取引銀行等の債権者は保証人B氏が相続に伴い遺産分割を受ける財産的権利(法定相続分相当額)に対して干渉できるからです。
弁護士によれば、遺産分割は財産権にかかわる法律行為で、法定相続分相当額についてC氏が受け取る権利を有し、弁済を逃れるため不当に少ない遺産分割を行った場合は民法424条債権者取消権(詐害行為)に該当するとのことです。
 確かに、多額な債務を抱えた相続人は法定相続分よりきわめて少ない遺産分割を行う可能性があります。それは、相続財産を取得しても債権者である銀行にそのまま代位弁済されてしまうからです。相続人間で恣意的に遺産分割を調整することもあります。
したがって、債務者の相続財産の遺産分割に関して、最高裁判所の判例でも明らかのように銀行などの債権者に詐害行為取消権を認めました。

しかし、銀行の代位弁済を逃れるために、仮にB氏が相続開始時から3か月以内に家庭裁判所に相続放棄を申し立てたらどうでしょうか?
相続放棄は身分的な法律行為ですので、相続開始時から相続権がないものとみなされ、財産権の詐害行為取消権に該当しないという最高裁の判例があります。

このようなケースで相続人B氏が相続放棄したことがD社の取引銀行等に分かれば、「経営者保証に関するガイドライン」の準拠したD社再建のための債務整理や経営者保証の整理にどのような影響が出るのか気になるところです。
担当する弁護士の見解によれば、事後の再建計画における経営者B氏への印象は悪くなるようで、D社の再建は厳しくなり、B氏の相続放棄は好ましくないとのことでした。
相続放棄をするかどうかは状況に応じて弁護士によっても見解がいろいろとあるようです。

老後終焉期の貴重な時をどう生きるべきか?

投稿者 Bush吉田 2016年07月27日

 このところ、オフクロの体調が芳しくありません。
元気に兄と暮らしてきましたが、95歳を超えてから老いがひどくなりました。
46歳のときに夫を亡くし、まだ大学2年生だった私は進路も決まっておらず、ずいぶんと心配を掛けました。未亡人となって50年、人生の大半をよく孤軍奮闘してきたと思います。本当に感謝しています。

2020年の東京オリンピックが開催される年にちょうど100歳になります。
オフクロは二度目のオリンピック東京開催を喜んでいました。自分の年齢と重ね合わせて生きがいと感じたようです。
 そんなオフクロですが、5月に息苦しさを訴え市民病院に緊急入院しました。
心不全が原因でしたが、年齢的にもうだめかと覚悟していました。しかし、もともと生命力があったのでしょうか、むくみも消え小康状態になりました。
そして、市民病院からS老人病院に転院しました。長い実績のあるS病院は完全看護でスタッフもすごく親切、至れり尽くせりで申し分がありません。
主治医も心臓の専門医でオフクロの病状も良く診て頂いています。
 その医師が仰られた「この年齢まで生きてこられたのは選ばれた人なのです」というコメントがなぜか耳に残りました。だから、緊急入院しても何とか小康状態に戻ったのかと思います。

しかし、転院してからオフクロの精神状態が不安定になり、ボケの症状が進んでしまいました。
お見舞いに行くと、さびしがり屋のオフクロは喜んではくれるもののしかし、毎回と言っていいほど、必ず「誰が私をここに入れたのか?早く家に戻りたい・・。」「私はどこも悪くないから・・・」と言い張ります。本当に返答に窮してしまいます。
次に、気持ちが落ち着くと、昔よく聞かされた若き頃の戦前の同じエピソードを何度も飽くことなく話し、「ところで、〇〇さんはどうしている?」「おとうちゃんと暮らしていた家はどうなっている?」。
「生まれる前で分からない・・・」とか「もう取り壊してアパートになっている・・」と答えると、急に悲しそうな表情をします。
恐ろしいことですが、50年間という時系列的な観念が無くなり、昔住んでいた家の取壊しを自分で決めたことすら、すっかり忘れてしまっているようです。
認知症が進まないように孫たちも出来るだけお見舞いに出かけていますが、あいにく耳も遠く補聴器も嫌がります。コミュニケーションをとるのも難儀し、みんな精神的にへとへとになって帰ってきます。

オフクロの命をただ延命していくには、S病院は最適だと思います。
しかし、自分で歩けるのにもかかわらず安全優先で車椅子を使うような入院生活を続けるのはオフクロの精神状態を考えるとどうでしょうか。
入院ですっかり筋力が衰え歩行も困難になっています。その病院のM院長によれば、高齢者は転ぶと骨折などや誤嚥による肺炎などのリスクがあるようです。
つまり、厚労省の提唱する自宅での在宅介護は現実的に不可能です。
私や兄の家族もいわゆる高齢者で、「老々介護」となります。社会問題化しているように、共倒れになるリスクが高いと思います。

そこで私が考えたのは、S病院に併設されたG介護付き高齢者専用住宅にセカンドハウスとして入居し、もしも病状が悪化した場合は病院に入院させていただく。
G介護付き高齢者専用住宅は3月に完成したばかりで新築のすごくオシャレで温かな雰囲気の施設です。この施設は家族も一緒に寝泊まり可能で、食事も予約すれば家族の分も用意してくれます。
体調を崩す前から、私はオフクロが自宅での生活に難儀するようになったら、この施設にお世話になろうと思い、新築時の見学会にも連れて行っていました。

今、われわれは完全看護で入院生活を続け長生きを目指すか、生活の質を優先するかの選択を迫られています。私はクオリティー・オブ・ライフ、つまり生きている間の気持ちを豊かにすべきだと考えていますが、医師である兄は命を長らえる方が優先すべきだと考えているようです。

本人だけではなく、家族の考え方もそれぞれであり、難しい問題である思う今日この頃です。

28年度税制改正で思うこと

投稿者 Bush吉田 2016年05月12日

 平成28年度税制改正は消費税以外に目玉となるものは見当たりません。

なお、消費税については平成29年4月から8%から10%に増税されますが、食料品などは軽減税率適用で8%のまま据え置かれます。ただ、お店など取引を行う現場や消費税申告を行う事業者は複数税率になると、事務が煩雑になり大混乱することが予想されます。

さらに、平成33年4月からインボイス(適格請求書等)方式導入が予定されており、事業者の実務負担は倍加するはずです。問題となるのは、課税売上1千万円以下の消費税免税事業者です。免税事業者はインボイスを発行できません。したがって、得意先から取引先として外される可能性が高くなると思います。なぜなら、インボイス方式の導入時から事業者の消費税計算で仕入税額控除するには、インボイスの保存が要件となるからです。
したがって、従来の消費税免税事業者もビジネスを継続するにはインボイスを発行できるように事業者として登録する必要が出てくるでしょう。その結果、その事業者の消費税申告については課税事業者として消費税を申告しなければならなくなります。
今後の消費税改正、民間の経済取引にも大きな影響が出てくるでしょう。
正式に消費税改正が施行されることになれば、事務所ではクライアント向けに実務対応セミナーを9月頃に開催する予定です。
 昨今の経済状況や熊本地震から消費税増税を先延ばしすべくとの意見が勢いを増しています。(地震被災者には心よりお見舞い申し上げます。)

 平成28年度改正で新たに「セルフメディケーション」推進の目的で特例としてスイッチOTC薬控除(年間支出負担額が1万2千円超で8万8千円まで控除限度額、H29.11.?H33.12.31まで)が創設されました。この制度、現行の医療費控除と選択適用となりますが、検診等で医師から指導された一般医薬品も対象になります。
 驚いたことに、対象となる医薬品にリアップなどもありました。
その理由は分かりませんが、健康管理維持増進と疾病予防を目的とした制度にリアップはそぐわないように思います。
さらに、疾病予防を目的とするならば、人間ドックなどの定期検診やガン検診などの検診費用そのものを所得控除の対象とすべきだと思います。
 これからの高齢化社会で、社会保障費などの医療費がますます増加するでしょう。予防医学が普及すると国の社会保障費増加率も大幅に抑えられると思います。厚生白書でも「治療から予防」が声高に叫ばれています。
 スイッチOTC薬控除はあまり意味のない税制のように思います。

これからどうなる税制の動向

投稿者 Bush吉田 2016年05月03日

 ゴールデン・ウィークは輝くような新緑がまぶしい季節ではありますが…。
4月、5月は当会計事務所にとって、3月決算の件数が多く、また規模が大きい法人の決算業務が集中します。個人の確定申告が終わってすぐ繁忙期、ゆっくりと休んでなどいられません。毎年のことながら一年で最も素晴らしいシーズンを楽しんでいる余裕がありません。

 ところで先日、事務所主催のセミナー「マイナス金利と日本経済の行方」に続いて、「平成28年度税制改正・日本経済と税制改正の動向」を行いました。
結論として、アベノミクスが上手くいかないと大増税時代になる…。
以下、この3年間のアベノミクスをまとめてみました。

  • 異次元緩和でマネターリーベース121兆円→355兆円(約3倍増)、
  • 日経平均9千円台→17千円台、
  • 円ドル相場 80円前後/$→110円前後/$
  • しかし、貸出残高397兆円→434兆円(9%増)、
  • 一方、勤労者可処分所得年510万円→512万円と横ばい、
  • 名目GDP(インフレ調整=実質GDP)475兆円→499兆円の微増
  • 税収 42兆円→57兆円
 ここから読み取れることは、アベノミクスは金融政策に偏った経済政策で、日経平均株価は上昇し、為替相場は円安になったにもかかわらず、民間企業の投資意欲を反映する融資残高は9%増にとどまっています。理由は企業家の将来への見通しが不透明で、投資に対して極めて慎重なこと。したがって、昇給も抑え気味で世帯当たりの可処分所得もほぼ横ばいになっている。
 税収については15兆円の増収になりましたので、それを分析すると、この3年間で2014年4月から消費税が5%→8%で7兆円↑、所得税は上場株式等譲渡所得や配当金10%から20%などで4兆円↑、大手企業など法人税で4兆円↑の増収になっています。
このように、消費税増税効果が大きく、所得税では上場株式等の源泉所得税の資産課税強化(2013年まで10%軽減措置)と株式相場の上昇や増配、給与所得控除の縮減、所得税率引き上げ(最高税率40%→45%)など、法人税は円安による輸出企業などの増益が要因です。

しかし、これでも日本の2016年の財政のプライマリーバランス(基礎的収支)は相変わらずマイナス11兆円で公的(国や地方)借入債務は増加し続ける予算です。公的債務は2015年末残高で1044兆円、将来さらに借入債務が膨れ上がってきます。
さらに財政悪化の要因として国民の高齢化に伴い現状の制度では社会保障費が年々1兆円以上コストアップしていくことです。
特に、団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、今のままの年金給付制度、介護医療保険の保険料負担と受益者負担では、社会保障費の著しい増加となり財政悪化に拍車が掛かることになります。

そこで、2017年4月から改正される消費税が注目されています。この増税は社会保障費を賄う予定ですが、昨今の世界的な経済状況の不振、熊本地震など、消費税改正を先延ばしたほうが良いのではないかとの意見が出ています。
つまり、消費税増税は経済にとってマイナスで、経済成長のブレーキになるからです。
確かに、IMFの日本の2017年GDP予測はマイナス0.1%となっています。ちなみに、2014年のアベノミクスで上昇基調のなかにあっても消費税増税(5%→8%)はGDP?0.1%となり経済成長にブレーキをかけました。
経済成長しGDPが増加すると税収も自然増し、財政健全化に繋がります。
消費税は付加価値税です。つまり、GDP(付加価値合計)の増加は消費税収や所得税収に関係します。正確な記憶ではありませんが、GDPが100兆円増加すると15兆円程度税収が増加すると思います。第二次アベノミクスでは経済成長で名目GDPを500兆円から600兆円に引き上げを目指しています。また、名目GDPアップはインフレも増加要因になります。
はたして、この600兆円目標は実現可能なのでしょうか?
今年1月のマイナス金利導入後、日本経済にアゲンストの風が吹いているようにも感じます。このところの円高、株式相場の値下がりなど嫌な兆候が表れています。

一方、政策当局には経済成長より財政健全化を優先すべきと主張する財務省寄りの学者も多くいます。日本はデフレの低成長経済が長く続きました。確かにそこから抜け出して経済成長に転換することは至難の業です。そんな綱引きが政策当局で行われており、来年4月の消費税増税についても7月の参議院選挙まで最終結論が出ないかもしれません。

 最近、国民間の格差がますます広がっているとの議論が勢いづいています。
つまり、所得格差や資産格差は社会的な問題であり、その格差を調整するのが税制である。したがって、高所得者はもっと負担を多く、富裕層に対しては資産税や相続税をさらに負担を引上げ財政健全化に資するともに格差是正を図るべきだという議論です。
 ちなみに年収1,000万円以上の高所得者は10%未満、保有純資産一億円以上の資産家は3%未満です。このような人たちは国民の少数派です。民主主義のもと多数決による選挙制度下にあって、政治家としては消費税の増税よりはるかにやりやすい政策かもしれません。

 消費税増税いかんにかかわらず、名目GDP増加などの経済成長が上手くいかないと、高所得者層や富裕層に税負担が増す厳しい時代が到来するでしょう。

異常なマイナス金利政策をどう考えるか?

投稿者 Bush吉田 2016年02月08日

 先月29日、日銀はついにマイナス金利政策を導入した。
今まで、日銀は市中銀行から預かる預金に金利を支払っていました。
あたりまえですが、預金は預けた人に金利を払うのが経済の常識です。しかし、今回の政策では、逆に日銀は預けた市中銀行から金利を貰うことになります。
 経済学の教科書にない異常な金融政策なのです。
この政策発表から一週間、株式相場や為替相場などは乱高下しています。ちなみに、日経平均株価は221円下落、対米為替相場は1円97銭の円高、10年物の国債の金利は0.02%の最低水準になりました。もちろん、金融機関の定期預金金利も引下げられました。将来、預金をすると銀行にお金を払うことになるかもしれません。

今回のマイナス金利発表の後、ある銀行の幹部にお会いし話をする機会がありました。「ところで、最近は預金は増え続けているそうですがどうするのですか?」「日銀に預けるとコストが掛りますから、余った資金は融資するか、運用するしかないでしょう」。しかし「融資するにも健全な融資先がそれほどありません。成長企業で資金ニーズのある企業は多くないのです。経営者も財務健全性の見地から自己資金で投資や新規開発を賄っていく傾向が強いのです。」「過去のバブルの教訓から投機資金や財務内容の厳しい企業には融資できませんしね。」「こんな時勢ですから、資金運用は難しいですが、これから比較的安定が見込まれる不動産投信(リート)だと考えています。」と語っていました。

確かに、マイナス金利政策発表後の株式相場の動向を見ると、銀行株は大幅下落に対して、不動産リートの相場は比較的に安定しています。リートは投資額の約40%を投資家から出資を受け、その他は金融機関からの借入金で調達します。固定金利による借入が多いのですが償還期間が短く、金利引き下げによる効果は今後の収益の増加に繋がります。要するに、リートは投資家へ純利益をほとんど分配する仕組みなのでリートの利益額が増えることによって配当額の増加が見込まれるのです。
ただし、すべてのリートが長期的に収益を続けられるかどうかは投資物件の購入額やリターン、さらに投資物件の将来性を分析する必要があるため、信頼できる投資専門家に相談すべきです。

 また、マイナス金利になると金利水準が低下して、預金や債券なども魅力がなくなってきます。ただ、従来から保有している高利回りの債券はお宝です。利付債も今年から有価証券譲渡所得の対象になってしまいましたが、大切に持ち続けた方が賢いと思います。中国や新興国をはじめ世界情勢経済が混沌としています。当分はアメリカをはじめ先進国の金利水準が引き上げられる可能性は低いでしょう。

次に、優良な賃貸用不動産で安定的な家賃が確保できる物件は相対的に価値が高まると思います。今まで、土地から購入した収益物件は利回りが低く、また不動産や家賃の値下がりリスクもありました。しかし、アベノミクスの異常な金融政策で世の中に資金が有り余って低金利時代になり、また優良な不動産が相対的に見直されるかもしれません。不動産の相場を見ると、世界的に日本の時価は相対的に低く感じます。もちろん円安による影響も見逃せませんが、マイナス金利は為替相場で円安の要因であることは明らかです。アベノミクスの異次元緩和以後の為替相場がそのことを証明しています。

 また、世界的な優良銘柄で安定的に株価配当率5%程度と高い株式も見直されるかもしれません。ウォーレン・バフェット氏を見習うべきでしょうか。
安定した高配当の外国株の購入コストは為替と関係します。投資は為替のタイミングが重要です。ただ外国為替の変動はよく分かりませんが、通貨はその国がデフォルトしなければ必ず上下に変動するものです。

これから、今までに経験したことの異常な経済環境に遭遇しています。
この政策が社会に良い効果を与えるか副作用になるかは誰にも分かりません。
云えることは、世の中の資金の流れが大きく変わることだけは確かです。
その「潮の目」を見失いようにしたいものです。

平成28年度税制改正で「緊急に留意」すべきポイント

投稿者 Bush吉田 2016年01月13日

 昨年の暮れに、平成28年度税制改正大綱が決定しました。
29年4月から消費税10%増税時の軽減税率に注目が集まっていますが、今回のブログでは消費税以外で留意すべき緊急なポイントをまとめました。

法人税等減税が現行の実効税率32.11%から段階的に引き下げられます。
平成28年4月開始事業年度から29.97%、平成30年4月開始事業年度から29.72%となります。
法人税減税は朗報ですが、この恩恵を受けられる企業は儲かっているところだけです。確かにアベノミクスの効果?で当事務所のクライアントでも黒字企業の割合が増えましたが、現実は厳しく、相変わらず中小零細企業を中心に相当程度が赤字の決算となっています。
 この改正により、儲かっている企業はますます有利に、赤字企業は恩恵を受けられず、その格差はさらに広がってきます。これからは企業においても二極化が一層進むと思います。念のために申し上げますが、儲かっている企業の経営者のみなさまも油断は禁物です。さらなる優良会社を目指して、変化の激しい時代に適合したイノベーションを忘れないでください。

一方、法人税の税額計算のベースとなる課税所得は引き上げられます。
設備投資時の減価償却計算について、28年4月以後に取得する「建物付属設備」「構築物」が従来の定率法が廃止され、定額法しか適用できなくなります。
定率法と定額法を具体的に示せば次のようになります。
例えば、500万円で22KW超の冷暖房空調工事(耐用年数15年、償却期間12ヶ月)の設備投資を行うと、
定率法だと、初年度665,000円 2年目576,555円 3年目499,873円・・・
定額法だと 初年度335,000円 2年目335,000円 3年目335,000円・・・
差額は   初年度330,000円 2年目241,555円 3年目164,873円・・・
となります。定額法も定率法も15年間の減価償却費合計は同額となりますが、定額法は設備投資当初の減価償却費が少なくなります。したがって、課税所得が多く計上されるようになります。
しかし、設備は使用して古くなると修繕費が掛かってくること、技術革新が進み高品質な素晴らしい製品がどんどん生産されること、税法耐用年数に対して経済耐用年数が短いことなど、定額法は経済合理性とは適合していません。
その上、経営的な視点からも設備投資の回収スピードが遅くなるため、この税制改正では企業の投資意欲が削がれると思います。
実務的に、建物付属設備では冷暖房空調設備、電気設備、給排水設備、エレバータ―、消化設備等、自動ドア―エアーカーテン、日よけ等、店舗用簡易設備があります。構築物は緑化施設や庭園、舗装道路駐車場、塀、発電配電送電設備、広告塔などが多くあります。建物付属設備も構築物も構造や用途により適用される耐用年数もまちまちですので専門家と相談してください。
もし、建物付属設備や構築物の投資計画があれば3月中に取得した方が良いでしょう。

さらに、アベノミクスの投資促進税制により産業競争力強化法施行日(平成26年1月20日)以降取得した生産性向上設備の特別償却又は税額控除制度は、平成28年度(平成29年3月まで)に恩典が半減し、その後は廃止されることになりました。
つまり、先端設備(工業会等の証明書)や生産ライン又はオペレーションの改善に資する設備(経済産業大臣等の確認)については、平成27年度(平成28年3月まで)に取得し事業に供する場合は100%の特別償却(即時償却)又は5%(建物・構築物3%)の税額控除が適用されます。しかし、これが平成28年度(平成28年4月1日から平成29年3月まで)に取得し事業に供する場合はそれぞれ50%の特別償却又は4%(建物・構築物は2.5%)の税額控除に大幅に縮減されます(税額控除は適用年度の法人税額の20%までが上限です)。

いずれにしても、以上述べてきたような設備投資計画があれば、今年3月末までに取得した方が税務上有利になります。
今年4月からの生産性向上設備の即時償却や税額控除の縮減や建物付属設備と構築物の定率法の廃止で、設備投資計画でどのような影響があるかもう一度確認してみてはいかがでしょうか・・・。

2015年

「不動産使用料等の支払調書」のマイナンバーが入手できるのか?

投稿者 Bush吉田 2015年12月25日

 前回のブログに続き、セミナーなどで質問が多いのは、マイナンバーを他人に知られたくないが・・・。特に地主さんからそんな声がよく聞かれます。
平成28年分から、個人で不動産賃貸業を営む大家さんは賃借人の事業者にマイナンバーを明らかにしなければならなくなりました。つまり、賃借人の事業者は税務書類の法定調書(不動産使用料等の支払調書)に個人の大家さんのマイナンバーを記載する義務が出てきました。
そんな質問を受けても「法律で決まった制度なので教えなければなりません。」と答えても大家さんたちは納得しない様子なのです。
理由として、大家さんと賃借人との関係は、不動産仲介業者を通しているため、お互いの信頼関係が薄いからだと思います。さらに、地主である大家さん、私どもの会計事務所から見た印象は非常に慎重で保守的な方が多いと云えます。
新しく始まるマイナンバー制度が一体どうなっていくのか見極めたいと思っているのでしょうか。
当事務所では数年前に所得税などの申告を電子申告に切り替えました。その時も、地主さんたちはなかなか電子申告への移行を了承して頂けない方が多くいました。現在に至ってもまだ一件、電子申告のお許しを頂けず、署名押印の申告書を提出している地主クライアントがあります。
この慎重さこそが先祖伝来の不動産や財産を守り続けていく秘訣なのかも知れません。
ただ、クライアントの大家さんたちは、「先生のところは別、信頼しているからお世話になっているから心配していないよ。」とのこと、マイナンバー提示は協力してくれるものと思っています。
 もちろん、事務所としてもマイナンバー制度の開始に当たっては、情報漏えいに対して万全の対策を講じています。社員教育の徹底、特定個人情報取扱規程等の各種規程整備、PCインフラへの投資、3F事務執務室の外部者の立ち入り禁止及び録画付監視モニターカメラの設置、2Fに受付専用スペースの新設(写真・参照)事務所2F3Fドアーに静脈認証や監視カメラの設置などマイナンバー対応のための教育投資や設備投資を行いました。
金銭的負担も大きかったのですが、これも会計事務所としての信頼性の確保のための必要な投資だと考えました。ただし、保守的な地主さんたちはマイナンバー利用者側の行政に対しては?電子申告の時と同じに、施行後しばらく成り行きを見る方も出てくると思います。

さて、話を個人の大家さんの法定調書(不動産使用料等の支払調書)に戻します。法定調書は29年1月31日に提出するものから、マイナンバーの記載が必要になります。ところで、支払調書は不動産賃貸料の年間支払合計が15万円以下の場合については提出義務がありません。そして15万円超で提出義務がある場合でマイナンバーが入手できないのは?どうするか実務上問題です。
事業者は大家さんにマイナンバー入手について、手続きを踏んで文書等でお願いした経緯が説明できるようにしておきましょう。事業者は行政当局から責任を問われないようにしておくことが肝心です。
今回のマイナンバー制度が面倒なのは、事業者が見たくもない従業員や個人大家さんなどの関係者のマイナンバーを入手し、厳しい情報漏えいペナルティーに脅えながら、税務署などの行政当局にマイナンバー情報を報告しなければならない仕組みになっていることです。
もし、所定の手続きを踏んでも入手できない場合、事業者は法定調書にマイナンバーなしでも税務署に提出すべきです。
行政の効率化のために?事業者や実務家の事務効率の阻害要因となる面倒な新たな制度が始まります。

追伸、そんなわけで事務所の受付は二階になりました。ご用の際にはまずは二階にお越しください。お待ちしております。

マイナンバー制度と個人番号カード

投稿者 Bush吉田 2015年12月15日

 いよいよ、平成28年1月からマイナンバー制度が始まります。
最近、クライアントなど様々な方々から質問を受けることが多くなりました。
市区町村から簡易書留で郵送された「通知カード」と一緒に「個人番号カード交付申請書兼電子証明書交付申請書」が送られてきます。多くの方々は「個人番号カード」の交付が義務づけられたような印象を受けるようで、「個人番号カード」を発行してもらわないといけない、と誤解されています。
確かに、その申請書には希望する方にだけ「個人番号カード」を発行する旨の文言は入っていません。

私個人的には、「個人番号カード」の交付を受けるつもりはありません。住民票や印鑑証明書などコンビニでも発行できるなど国民の利便性の向上を制度の導入目的の一つに上げています。しかし果たして、年に何回そのような場面があるのでしょうか?公的書類の発行手数料も無料にもなりませんし、私は「個人番号カード」のメリットは全くないと思っています。

これから高齢化していく社会で、ICチップに個人の重要な情報が納められた「個人番号カード」を保有させるのは無理だと思います。
 ちなみに、私的なことですが、私の母親は90歳を超えています。出かけては忘れもの、家ではもの探し、挙句の果てに誰かが私のものを持って行ったと言っている毎日です。送られてきた「通知カード」もどこかにしまい忘れたようで、これから兄貴と家宅捜索をしなければなりません。

高齢になると本人を確認する身分証明書を持たなくなります。自動車運転もやめ、運転免許証書も期限切れや返納してしまい、パスポートも期限切れになっています。
ただ、平成24年4月から運転免許証書の期限内返納時に「運転経歴証明書」を警察署で発行してもらえます。手数料は1,000円かかりますが、特定のレストランなどの割引サービスを受けられるようです。もちろん、身分証明書として使えます。運転免許証を持っていた方は返納する時に「運転経歴証明書」の交付を受けることお勧めします。それには個人番号や個人情報の塊であるICチップは付いていない分、安全と言えます。

最後に、平成29年からマイ・ポータル(情報提供等開示システム)が運用されます。このシステムを利用するには「個人番号カード」が必要になります。システムは行政が自分の情報を、いつ・どこでやり取りしたのかが自分のパソコンで確認できる仕組みです。
今後、マイナンバーは平成30年頃から銀行預金、証券口座、生命保険契約なども付番されます。その結果、マイナンバーを通して個人の所得や税金・年金をはじめ、さらに財産など最重要個人情報とリンクされることになります。
政府はそれぞれの情報源が「個人番号カード」に格納された電子情報(ICチップ)とパスワードで公的認証を行い、なりすましの防止等の秘密漏えいなどの情報セキュリティーに十分配慮するようですが・・・・。
しかし、残念ながら日本年金機構での情報漏えい問題など、あってはならないことが起きました。これはシステムの問題ではなく、人的管理ミスで行政組織の脆弱さを物語っています。

マイナンバー法が成立し、平成28年から施行されますがその運用は順調にいくのでしょうか?「個人番号カード」を持つこと自体がリスクになるのでしょうか?いよいよ自己管理責任を目指していこうとしているのでしょうか?
確かなことは、マイナンバー制度は行政のために導入されました。

「あれから40年・・・」綾小路きみまろ

投稿者 Bush吉田 2015年11月09日

 「あれから40年…」でおなじみの綾小路きみまろの漫談ショーに行ってきました。
日本橋浜町にある明治座、収容人数1,200名の会場が満席で大盛況なのには驚かされました。入場料は5,500円、観客はほとんどが熟年の方々ばかり。
仕事柄、どれくらいの収入になるのか気になりますが…。

今回の観劇はいつもお世話になっている法律事務所からのお誘いです。
正直いって、最初はお誘いを頂いたものの、わざわざ都内まで行くのが面倒くさいな?と思っていました。
しかし、いざ綾小路きみまろ漫談ショーが始まると大変面白く、心の底から楽しめました。1時間15分(予定より15分オーバー)、最初から最後まで、ほとんど笑いっぱなしで、あっという間に時間が過ぎました。
自分から行こうと思わなくてもお誘いに乗って、面倒くさらず実際に現場に赴くと結構楽しいこともあるものですね。

 さて、そのショーの内容ですが、綾小路きみまろ氏はトレードマークになっている、赤い燕尾服に黒いズボン、ボリューム感のあるカツラ(本当は禿だそうです)をかぶり、ノンストップの生演技。ショーが佳境に入る頃には、汗をかきかきの大熱演でした。息を切らせて、汗を拭きながら、「舞台の上はスポットライトを浴びてものすごく暑いです。電気代を節約して空調の温度を下げてくれないか。」と…。

漫談テーマはおなじみの「老夫婦の愛」で、新婚当初の思い出から始まり、40年も経過すると、初々しい慕い合う愛から、夫婦がお互い老いてくたびれ助け合う思いやりに変わってくる様子を面白おかしく語っています。
 きみまろ氏自身も鹿児島県から上京して、歌謡ショーの司会など芸能界で、長年下積みの苦労をしてきたそうです。人生の機微を知り尽くしています。そんな経歴からか熟年観客の心に訴えかける独特の感情があるように思いました。
また、きみまろ氏と観客の息の合った一体感は多くがリピーターだったのではないでしょうか。

最後に印象に残ったのは、「自分がこのような舞台に立って、多くの観客に来ていただけることに本当に感謝している。」「お客さまあっての今日の自分である。」という言葉でした。決して手を抜かず、お客さまを笑わせることに命を懸けている氏の熱演ぶりが伝わってきました。
そんな氏の姿を見て、お客さまに喜ばれるよう一生懸命頑張り、感動を与えることはどんな仕事でも同じだなと思いました。

「区分所有登記」をしてしまった二世帯住宅

投稿者 Bush吉田 2015年10月13日

 今回の記事は最近相談が多い相続税の特例である小規模宅地等に関する話です。二世帯住宅の居住用宅地等の特例の適用要件が緩和されました。(H26.1.1以後)
改正前は建物内部の構造がお互いに「行き来」できないと適用できませんでした。改正後は「行き来」出来なくても敷地全体が小規模宅地等の特例を適用されることになったのです。
ただし、注意しなければならないのは二世帯のそれぞれの建物が「区分所有登記」されている場合、居住用小規模宅地等の特例が認められるのは敷地全体ではなく、被相続人の建物の所有面積相当の敷地のみとなります。例えば、被相続人である親の所有の敷地に本人の所有建物面積が100㎡、相続人である子(被相続人とは別生計)の所有建物面積が100㎡で区分登記した場合、親の所有する敷地の50%相当までしか小規模宅地等の特例の適用を受けられません。
ご存じのようにH27年以後の相続開始から、相続税基礎控除が4割も縮減され、同時に居住用小規模宅地等の適用面積が240㎡から330㎡に拡大されました。したがって、居住用小規模宅地等が二世帯住宅の敷地全体(330㎡までが限度)に適用できるかどうか、相続税申告時の税額に大きく影響することになります。

私が相談を受けたのは、もうすでに「区分所有登記」した二世帯住宅のケースで、「区分所有登記」されている建物を「共有持分登記」にやり直せないかというものです。そこで、懇意にしている土地家屋調査士や司法書士に専門家の意見を聞いたところ、面倒な手続きや建物改造が必要になりますが、共有所有登記が可能であることが明らかになりました。
 ここで注意しなければならないことは、税務当局がどう判断するかです。
「区分所有登記」から「共有持分登記」へ変更するまでの一連の行為が、小規模宅地等の特例の適用を受けることを目的とし、明らかに不自然で合理性が無い場合は否認されるリスクがあるのです。
 例えば、一連の行為を行っている時点で、親(被相続人)がかなりの認知症、もうすでに介護施設に入所している場合です。「親は法律的な行為能力が無かったのではないか・・・。」「行為時点ですでに施設に入っており居住していなかった・・・。」税務上も否認してくる可能性が高いのです。実際に相談を受けるケースでも被相続人である親はかなり高齢者です。

 ちなみに、「区分所有登記」から「共有持分登記」にするには、どうするか?
土地家屋調査士に建物の構造などを調査してもらい、共有建物としての要件を備えているかどうか確認します。そして共有持分は各2分の1とします。
しかし「区分所有登記」の建物面積ではお互いの持ち分が必ず同じことになるとは限らないので注意が要ります。
次に、司法書士が家屋調査士の書類に基づき共有持分登記をし直すことになります。それぞれの区分所有者が建物の売買契約を行います。つまりそれぞれ区分所有建物を売却し、その代りにそれぞれの共有持分を買い取るのです。区分所有建物と共有建物の交換といったイメージとなります。
 税務的には譲渡所得になりますが、等価の売買であれば譲渡所得税の心配はありません。もちろん、確定申告をする必要はあります。ただし、二世帯住宅のそれぞれの区分所有の建物面積が異なる場合は手続きがより複雑になります。もちろん、不動産取得税、登録免許税や土地家屋調査士や司法書士等の手数料などのコストがかかるのを忘れないでください。
 おわりに、相続税申告で居住用小規模宅地等を上手に適用するかが税額軽減のポイントになりますが、もったいないことに適用できない事案が意外と多くあります。

「ふるさと納税」をやってみて・・・

投稿者 Bush吉田 2015年09月28日

 最近、毎週のように地方自治体から特産品が送られてきます。
6月のブログ記事に書きましたが、今年から「ふるさと納税」の限度枠が2倍に増やされたことから、私も数か所の自治体へやってみました。早速「お礼の品」として特産品が各自治体から届いているのです。
 お米は毎月10キロが6ヵ月分、完熟トマトやニラやトウモロコシなどの夏野菜やスイカ(写真)、さらに美味しい桃や梨などのフルーツ、そして、のど黒やシジミなどの高級な水産物、ブランド化された有名な牛肉など新鮮で地元でしか手に入らない品々がいっぱいです。おかげで、食生活が豊かになり、食べることが楽しみになっている今日この頃です。
特に、野菜やフルーツは味が全く違っているのでスーパーで買う気になれません。都市部のスーパーで売っている野菜などは鮮度を維持するため早採りしているのか、送られてくるものとは全く別物のような味がします。
 山形県のとある町からは、写真のように巨大な見事なスイカが二個も届き、まことに美味しく、この夏は胴回りがメタボ気味になりました。(笑)

クライアントの方からも、「ふるさと納税」の質問が多く寄せられています。
「ふるさと納税」は平成27年分確定申告では、昨年確定申告件数(4月ブログ記事「H26年分確定申告の所感」・参照)から倍増されると思います。
 7月に、ある銀行が主催した経営者の集いでも「ふるさと納税」の研修を依頼されたことからみても、いかにみなさんが関心を持っているかが分かります。
そのセミナーの質疑応答で、「ふるさと納税」が世の中に広がることによる影響はあるのか?との質問がありました。その場では適切な回答をすることができませんでしたが、「ふるさと納税」をする人があまりにも広がってくると、納税者の住所地の自治体の個人住民税の減収と云う影響が出てきます。

例えば、F市の個人及び法人住民税の税収は370億円で、一般会計予算1300億円に占める割合は28%です。そして来年税制改正のテーマとして、個人だけでなく法人も「法人版ふるさと納税」があってもいいのではないかとの意見もあります。もし仮にF市の約半分の個人法人が住民税を限度額まで「ふるさと納税」をしたとしたらどうなるのでしょうか?F市の住民税収入は30億円規模の減収となります。
当然「ふるさと納税」の今の仕組みのこのままでいいのかという声が上がってくるでしょう。実はすでに「法人版ふるさと納税」の改正について東京都は反対しています。「ふるさと納税」の限度額縮小か、制度そのものを廃止するかなど、都市部の自治体からそんな意見も上がっているのです。

もともと、この制度の趣旨は高齢化や過疎化が進んでいる地方創生を狙ったものです。国と都市部の自治体とがどう折り合いを付けるのか、難しい政治問題になるでしょう。

所得税や住民税など「納税は国民の義務である」ことは当然のことです。
仕事柄そのことは嫌というほど分かっています。しかし、個人的な意見として「ふるさと納税」を積極的に応援していこうと考えています。


 喜ぶスイカ大好きなおじさん、おかげでメタボが気になってきました・・・。

この国はアメリカの属国か?

投稿者 Bush吉田 2015年08月11日

 昨日の日経新聞に、30年前に起きた日航ジャンボ機の御巣鷹山墜落事故の記事がとりあげられていました。この事故で犠牲となった方は520名にのぼり、単独の航空機墜落事故としては史上最悪だそうです。謹んで、犠牲者のご冥福をお祈り申し上げます。
 また、この記事で私は修理を行った米ボーイング社への事情聴取が全く行われていないという事実をはじめて知りました。事故原因が修理ミスであったことは明らかにもかかわらず、本当かよ・・・と思いました。
520名もの犠牲者が出ているのになぜ事情聴取行われなかったのだろうか?
さらに、この疑問は東日本大震災の原発事故でも当てはまるのかもしれません。
福島第一原子力発電所の原子炉はマーク1で米GE製のものです。当初からこの旧型原子炉は地震に弱いのでは?と指摘もありましたが、日米間の政治的判断で導入に踏み切ったのです。
有数の地震国であるにもかかわらず、日本の政治家や官僚は日米関係を重視して時代遅れの旧型原子炉を購入したのです。日米関係を優先する余り、国民の命がおざなりにされる結果となってしまいました・・・。日本人として残念でなりません。
もし、これらの事故がアメリカで起きたらどうだったでしょうか?
日本製ジェット機が墜落してアメリカ人の犠牲者が出たとしたら、アメリカ政府は容赦なく事故原因の究明のため、日本政府に外交圧力を掛けてくるでしょう。
製造メーカーも関係省庁からの命令で、アメリカの事故調査委員会に全面的に協力をしなければならなかったはずです。
 最近、アメリカで起こったトヨタ自動車の暴走?(事実は濡れ衣)やエアーバックの不具合によるタカタへ対するアメリカ政府の姿勢を見ていると、アメリカ当局は原因究明と製造物責任追及に大変厳しい対応を迫ってきます。
 日航ジャンボ機の事故原因は明らかに米ボーイング社の修理ミスです。また米GEは地震国に対して防振対応が甘い時代遅れの旧型装置を売りつけました。日航ジャンボ機も原発事故も原因究明して、メーカーに対して製造物責任の刑事罰や損害賠償が問われるべきだったと思います。
しかし、時の日本政府は残念ながら、製造物責任について一言も触れていません。独立した国同士の関係ではありえないことです。
日本は、アメリカに何故このような遠慮があるのでしょうか?政府が毅然とした態度で主張すべきことを云えないのが不思議でなりません。
 結局は、日本とアメリカは未だ対等な関係になっていないのではないか?
70年前の無条件降伏とGHQ占領で、日本政府はアメリカに対して独立不羈な精神をも失ったように見えます。
最近の日本政府は外交や安保そして情報までもアメリカ任せで、ただ追随しているだけのように感じます。世界はアメリカだけではありません。日本が世界で存在感と信頼を得るには、この国の独自性としっかりした理念を持つことです。
日本の将来や国益を見据えた、したたかで優秀な指導者の登場を望んでやみません。

考えられない交通事故が多くなってきました

投稿者 Bush吉田 2015年08月03日

 最近、今までなかったような思いもかけないことが起きています。
連日のように報道されていますが、自動車の運転操作ミスや運転中の状況判断のミスによる交通事故が多発しています。このようなケースでは加害者が高齢者であることが多いと聞いています。これから高齢化社会になると、このようなとんでもない事故が発生するリスクが高まってくるでしょう。
先日も湘南台の駐車場で、ブレーキとアクセルを踏み違えて、二階の駐車場から鉄製の柵を突き破り車が宙ぶらりんにぶらさがった状態になった事故がありました。幸いなことに歩道に人もなく、運転手もケガをせずに済みましたが。
昨日のニュースでは、お店に自家用車が突っ込んで建物の壁を突き破って、店内を15メートルも暴走した報道がありました。高齢の女性がアクセルとブレーキを間違えて、事故を起こしたのだそうです。
そんな中、最近では、自動車メーカーが自動ブレーキ装置を売り物にしています。富士重工が販売しているアイサイトは安価で優れものです。高齢者が間違えてアクセルを踏んでも、前方に衝突の危険が迫ると自動的にブレーキが掛かり停車するそうです。こんな車を選んでいれば前記の事故にはならなかったでしょう。

また、桂文珍の漫談のネタにもなって有名になりましたが、高速道路の逆走は運転中の状況判断のミスが原因です。私はまだ、逆走車と遭遇したことがありませんが、高速運転中の逆走は正面衝突のリスクが大きく、命の危機に繋がり、考えただけでも背筋がぞっとなります。
かつて、横断歩道で信号が青になったので横断しようとしたところ、明らかに信号を無視したプリウスにはねられそうになりました。たまたま、横断前に周囲を見回していたので事なきを得ました。瞬間的に視覚で捉えたその車の運転手はお年寄りの男性だったことを鮮明に覚えています。

私の母親もかつては大の自動車愛好者で、全国各地を車に乗って走り回っていました。ある日、私の前を走行中に左側の後ろのドアが開けっ放しになっている車を発見しました。よく見るとその車は見覚えのある車で、何と母親のが運転する車だったのです。私はただただビックリしましたが、そんなことがあって、母親から車を取り上げました。当時85歳でした。その時の悲しそうな顔が今でも忘れられません。
車は扱い方によっては凶器にもなります。人に危害を与えては取り返しがつきません。

また昨日のことですが、片道二車線の道路を運転中に赤信号で停車していました。その時、横断歩道を歩行器のような手押し車を押して老婆がのろのろと渡っていました。道幅が広く、横断中に信号が変わって赤になってしまいました。信号待ちの先頭の停車中の車二台は、渡り終えるまで待っていましたが、驚いたことにオートバイが老婆の前を猛スピードで通り抜けていきました。危機一髪、幸いなことに事故にはなりませんでした。
オートバイの運転手は老婆の横断に気付いていたはずです。思いやりや優しさがないのでしょうか?悲しくなりました。

最近で、車が待っていることに気付いていながら、待たせて当然といった風にゆっくりだらだらと横断歩道を渡る若者が目立ちます。また、スマホを見ながら左右を確認しない歩行者も増加しています。
 他人への思いやりやマナーが欠けてきているのが気になります。
自分勝手な権利意識ばかり主張する人が多くなると、この国の将来は危ぶまれます。

高野山は素晴らしい別世界

投稿者 Bush吉田 2015年07月22日

 初めて世界遺産である高野山に行ってきました。
新幹線ではアクセスが悪いので車で行きました。高速道路の渋滞もなく、思っていたほど疲れず快適なドライブでした。ルートは新東名⇒伊勢湾岸⇒伊勢⇒名阪⇒京奈和、運転時間は90分までと決めて定期的にサービスエリア(SA)で休憩をしました。新東名の駿河湾沼津SAでは、海鮮丼や焼き立ての菓子パン、伊勢自動車道路の御在所SAでは、みそかつやきしめんなどが美味しく、各SAでは各地の特産品をアピールしており地方創生の流れを感じました。こういう楽しみは車の旅ならではのものです。そして夕方には高野山の宿坊に到着しました。

高野山は空海(弘法大師)が1200年前に開いた海抜1000メートルの天空都市。何とも言えないすがすがしさと落ち着いた雰囲気です。年輪を重ねた木立の中に寺院や街並みがあり、昔ながらの佇まいを大切に守っています。もちろん古い街並みを壊す電柱も見当たりません。世界遺産とミシェラン三ツ星に選ばれているのも頷けます。1200年を隔ても、弘法大師が計画した平安の都市がそのまま残っているのです。奈良や京都も素晴らしいのですが、高野山は街全体が俗化されず弘法大師の聖地となっています。

私は学生時代、歴史の授業は面白くなく嫌いでしたが最近は歳のせいか?興味を持つようになりました。弘法大師について調べてみると、平安時代初期の超エリートで、日本の歴史上最も天才ではないかとも云われています。弘法大師は遣唐使として留学。当時の唐は超大国(全世界GDPの70%)であり超先進国でした。唐で当時の最先端の仏教(真言密教)や技術を学び、3年で日本に戻って来たそうです。帰国に当たって、師匠(恵果)から散々引き止められ、唐に留まり自分の後継者にするとまで言われたそうです。
今風に云えば、「アメリカのハーバード大学に留学して将来、その学長の椅子を約束されたようなもの」だそうです。分かり易い例えだと思います。
 さて、弘法大師は宗教家だけではなかったようで、土木事業などでも唐から最先端技術を日本に持ち帰っています。香川県(讃岐の国)にある灌漑用の満濃池の改修工事を、技術者として成功させた実績があります。高野山の都市計画もその才覚を発揮したものでしょう。もっとも、高野山の宗教都市が完成したのは弘法大師から3代目になってからです。こんな奥深い山地で、ブルなどの建設機械などありませんから、さぞかし大変だったと思います。
 弘法大師の幅広い知見と好奇心、情熱を感じられずにいられません。
私は真言密教のことは全く勉強していませんが、曼荼羅のことは知っていました。京都の東寺で見学したことがあります。大日如来(太陽)を真ん中に真言密教の教えが全て現されているものだそうです。残念ながら、深い意味は分かりませんが、星と密接な拘わりをもった独特の宇宙観を表しています。

 次に、宿坊での宿泊と精進料理についての印象です。
宿坊はお寺と聞いていましたので、古い日本旅館のように思っていました。しかし泊まった宿坊は近代的で設備も充実していました。和洋室を選びましたがベッドでしたし、ウォシュレットも完備されていました。精進料理はあまり抵抗なく結構おいしくいただけました。動物性たんぱく質は一切なく、うなぎのかば焼きかなと思って食べてみると豆腐を上手に工夫したものだったり。特に美味しかったのはゴマ豆腐でした。ただ、消灯は21時、折からの雨降りで、小堀遠州作の庭から池のカエルの声を聞きながら熟睡できました。そして翌朝は6時半から住職のお勤めを共にします。卓話と般若心経など経典を聴き、すがすがしい朝を迎えました。わが先祖の供養もお願いしてきました。

 宿坊で見送りを受け、金剛峰寺、霊宝館、根本大塔などを回って、奥の院の弘法大師御廟を巡ってきました。ご存じの通り、奥の院周辺は墓地や供養塔があります。日本の歴史上名を遺した武将など、多くの供養塔あります。
驚いたのは、その数の多さだけではありません。真言密教以外の法然(浄土宗)や親鸞(浄土真宗)など宗派の違いもさることながら、異教徒(キリスト教)や外国人(韓国式墓地)のものもあったことです。

 弘法大師空海は高野山を「国家の安泰」と「世界の平和」や学びの園(現在も高野山大学があります)に集う修行者のために開いたと云われています。
弘法大師の思想が綿々と1200年の間も生き続けているからこそ、高野山が輝いているのかもしれません。

相続税負担はやり方によって大きく異なります

投稿者 Bush吉田 2015年07月13日

 最近、クライアントではない方々から相続税に関する相談・申告などを任されることが多くなっています。それは今年から、相続税の基礎控除が大幅に縮減された影響で、相続税を申告しなければならない方が増加しているからなのです。
例えば、夫と妻と子供2人の4人家族では、相続税基礎控除額が昨年までは5,000万円+1,000万円×3名(相続人数)で8,000万円でしたが、平成27年以後相続開始からは3,000万円+600万円×3名で4,800万円となり、40%も基礎控除額が減額されました。そのため、従来は相続税申告に縁のなかった方々も相続税を気にしなければならなくなりました。いわば、相続税は一部の資産家だけの税から大衆課税になったとも云えます。

ただ、具体的に検討してみると相続税申告は必要だが相続税は払わなくても良いケースが多く見られます。それは何故か?ヒントは相続財産の分割の仕方にあります。配偶者には相続財産の「2分の1」までか「1億6,000万円」までのいずれか多い金額まで配偶者の税額軽減(税額負担0円)の特例措置があります。ただ、この恩典とも云える特例は、申告期限(亡くなった日の翌日から10か月以内)までに配偶者への分割協議が決まっていて、原則として申告期限までに相続税の申告(納税が0円でも)をすることが要件です。もちろん、事後の税務調査等で悪質な課税逃れが発覚すると特典の利益は無くなってしまいます。不利益を蒙らないためにも専門家によく相談しなければなりません。

次に、ご存じかと思いますが、夫Aや妻Bの自宅の敷地について、一定の要件を備えると80%の評価減を受けることができます。嬉しいことに、今年から従来の240?から330?まで適用される面積が広がりました。これを特定居住用の小規模宅地の特例と云います。ただし実務上はこの特例が適用できないケースも見られます。特に多いのは、相続税の申告が第二次相続の場合です。夫Aが亡くなり、妻Bに相続される第一次相続の場合は、配偶者であるBへの特定居住用の小規模宅地の特例は適用できます。
問題は夫Aが亡くなった後、妻Bが亡くなる第二次相続の時なのです。相続人である子Cがすでに独立していることが多いのです。その場合子Cは結婚して自宅を所有して別所帯で生活しています。このような状況ですと小規模宅地の特例の恩典を受けられません。
たまたま子Cと母親Bが同居などしている場合、また子Cやその配偶者Dが第二次相続開始前3年間に所有する家屋に居住していない、いわゆる家なき子の場合などは特定居住用の小規模宅地の特例は適用できます。ただし、子が適用するには相続税申告期限までに相続した住宅に居住または所有しなければなりません。
知り合いのハウスメーカーさんによると、一階が親世帯で二階が子世帯の二世帯住宅が増えているそうです。
実は、平成26年1月から二世帯住宅について特定居住用の小規模宅地の特例の適用要件が緩和されました。従来は二世帯間(親子)家屋内でつながった「行き来」出来る構造でなければなりませんでしたが、改正で「行き来」出来ない構造であっても区分登記さえしていなければ二世帯住宅の敷地全体で特定居住用の小規模宅地の適用ができるようになりました。
ところで、二世帯住宅の建物の建設資金を誰が負担するかいろいろな組み合わせがあると思います。もちろん、資金負担者と所有権者と一致させていかなければ贈与の問題になります。例えば、親と子と半々で負担した場合、所有権は資金負担額に応じて共有持分名義にしておくことです。くれぐれも親と子との区分所有権で登記しないでください。区分登記すると相続する二世帯住宅の敷地の内、親の建物面積割合に対応する分(二分の一)しか、特定居住用の小規模宅地の特例が適用できなくなります。
改正前の相続税、資産家だけで自分には関係ないと思っていた税制ですが、改正後は相続税が身近に迫り他人事ではなくなりました。
上手な相続税対策は事前に専門家からアドバイスを受けておくことをお勧めします。なぜなら税負担がまるで異なってくるからです。

増え続ける「ふるさと納税」への潮流

投稿者 Bush吉田 2015年07月01日

 このごろ地方の市町村から私宛に頻繁にお礼の手紙が届きます。
「日々ご清栄のこととお喜び申し上げます。さてこのたびは○○市にふるさと寄附を賜り、誠にありがとうございます。心よりお礼申し上げます。・・・・・」そして最後には市長のサインが入っています。
実は、私は4月に6か所の自治体へ「ふるさと納税」をしました。
お礼の手紙は「ふるさと納税」の応援を行った自治体からのものなのです。
その手紙から各自治体の心がこもった感謝の気持ちが文面から伝わってきました。過疎化に悩み、税収が減少している地方の自治体にとって、ふるさと納税地として選んでくれてありがとう、というメッセージなのです。過疎化が進んだ地方自治体にとって、税収のありがたさが身に染みているのではないかとも感じられます。話題の特産品プレゼントもその表れなのでしょう。

 今月初め、私が住んでいるY市N区から一般徴収の住民税の納付書一式が送られてきました。開封してみると納付書や課税計算根拠などはありましたが、残念ながら住民に対する心のこもったメッセージは何もありません。確かに、納税義務は国民の義務であることは仕事柄心得ています。しかし、当たり前のように、所得があるから払ってね・・・。もっと云うと義務があるから払え・・・!とも取れるような事務的な命令書のようで、正直なところ不愉快に思います。
 確かに、ふるさと納税をしている自治体には寄附をしたのですから同一視することではないかもしれませが、受け取る側の姿勢がまるで違うのです。Y市は納税義務だ、当たり前のように支払え。一方、ふるさと納税先の自治体は感謝の気持ちで受け取って、寄附者に丁重な感謝の意のメッセージが送られてきます。

この意識の違いは貰った財源の使い方にも差が出るのではないでしょうか。豊かなY市にとっては当たり前のように納付されてくるお金です。「どうせ市民の金(人の金)だ。予算通りに使おう。」そこには節約しなければという意識はないでしょうし、無駄があろうと、どうせ「自分の金」ではない「人の金」だし、と使うに際してなにも考えなくなる・・・。
一方、ふるさと納税先の自治体は受けたお金は、自治体によっては寄附者に希望する具体的な使い方を質問してくるところもあります。ですから、お金が大切に使われるように思います。お金を負担する者の気持ちを少しでも理解してほしいものです。

となると納税する側にとって、Y市かふるさと納税先の自治体かどちらが嬉しいかは明らかです。人情として感謝される自治体に払いたくなります・・・。
 最後に、ふるさと納税先の自治体からの心のこもったメッセージを受けて、私は、これからさらに住民税の所得割税額の20%限度額まで、人心が分かっている地方自治体を応援したいと考えています。
もちろん、地元の神奈川県やY市の税収は減るでしょうが、感謝の気持ちがなく驕っているところには払いたくありません。

なお、ふるさと納税制度の仕組みや考え方は、ブログ記事として2015.Apr.10とMar.07に書いています。具体的に知りたい方はそちらを。

トヨタ自動車AA種類株式?新しい資金運用では?

投稿者 Bush吉田 2015年06月22日

 最近、「トヨタ自動車のAA型種類株」が話題になっています。
このAA株式、実質値下がりリスクがなく、利回りも今の低金利時代にあってかなり高く設定されていて、資金運用として魅力的なのです。

AA株は平成32年9月以降、株主側から次のような権利が行使できます。
1.トヨタ側に発行価格で取得を請求し、換金する。2.普通株式に転換する。(平成32年9月時点の普通株式の時価がAA株式の「発行価格=7月2日?7日普通株式の終値1.26?1.3倍」以上ならば有利)、3.そのままAA株として継続的に保有する。(低金利が続くならば有利か?)以上の3つの選択肢があるのです。
次に、AA株式の配当金は長期保有株主を優遇しています。平成27年度保有一年目0.5%、平成28年度保有二年目1.0%、平成29年度保有三年目1.5%、平成30年度保有四年目2.0%、平成31年度保有五年目2.5%と段階的な高利回りになっています。5年間保有すると、実質的に元本割れの無い平均年1.5%の高利回りになるのです。
ちなみに、一年物の定期預金は0.025%、10年物の日本国債は年0.42%程度ですから、AA株の配当がいかに高い水準か一目瞭然です。
つまりAA株は値下がりリスクのない新株予約権付き転換社債のような株といったところでしょうか。ただし、これらのメリット受けるには5年以上保有する必要があるので、投資した資金が5年間固定されてしまいます。
今回、トヨタ自動車がこのようなAA種類株式を発行したのは、長期安定的な資金を確保して、新車の開発や技術研究開発など巨額な先行投資に使用する目的なのです。そのために長期間安定的に資金供給してくれる株主が必要と考えたのです。豊田章男社長は「多くが預金となっている個人の金融資産の受け皿を目指す」ことを明らかにしています。

今回のAA株式の発行に関しては外国人投資家を中心に「長期保有株式は企業統治上の問題で、従来の普通株主との関係で不公平になる」と反対しています。
実は、トヨタ自動車の株主の30%以上は外国人投資家に占められています。外国人投資家は投資先企業に対して長期的な視点より短期的な収益性で投資判断すると云われています。特に、将来成功するかどうか分からない研究開発に巨額な資金を費やすより、目先の高い利益を獲得し高配当を得ることを優先する考え方が強いようです。
今回のAA種類株式発行に関して定款変更の特別決議(出席株主の3分の2以上)。6月16日開催の定期株主総会はかなり過去最長の3時間超の総会になりましたが、賛成率は75%で可決されました。

次に、投資リスクについて、トヨタ自動車がデフォルトした場合は前段で述べてきた条件が水泡に帰してしまう可能性はあります。しかし、デフォルトは現実的には考えにくいと思います。トヨタ自動車は世界の超優良企業で堅実な経営をしている無借金会社です。過去にリーマンショックの影響で赤字になった事業年度はありましたが、翌年からV字回復で黒字化しています。私の個人的な見方ですが、巨額な政府債務を抱える日本政府はデフォルトするかもしれませんが、トヨタ自動車は生き残っていけるでしょう。その理由は、世界中でトヨタブランドは信頼され浸透しており、世界を相手にビジネス展開している優良なグローバル企業だからです。
 ちなみに、格付け会社の評価が日本政府(格付けA)より、トヨタ自動車(格付けAA)の方が高くなっているのも頷けます。

 最後に、今回のトヨタ自動車のAA種類株式、将来の貯蓄や老後に備えるために、定期預金や積立金で貯蓄し、5年以上資金を寝かせられる方には打って付けの資金運用方法です。
更に、平成32年9月時点で、トヨタ自動車の普通株式が大化けして高騰した場合の楽しみもあります。つまり、堅実性と夢を兼ね備えた新しい金融商品が開発されたと云ってよいと思います。

年金機構の情報流出を考える

投稿者 Bush吉田 2015年06月08日

 驚いたことに年金機構の個人情報125万件が流失したのだとか。
漏れた情報は、年金加入者の基礎年金番号、氏名、生年月日、住所など。
 これは絶対にあってはならない、情報流失です。その原因は何と、不注意に不正アクセスのウイルスメールを開いたためだそうです。なんとお粗末な失態でしょうか。年金機構の職員の意識の低さには愕然しました。
 このように意識の低い職員のミスが何故これほどまでの大量な個人情報の流失になるのか?これは情報セキュリティーの内部体制の不備と云えると考えられます。
例えば、外部からのメールを受けるPCと、加入者の個人情報が集積されたサーバーに繋がるPCが使い分けされていないのはなぜか?
 年金機構の組織自体が、情報セキュリティー対策の意識が著しく欠落していたのではないかと思われます。つまり、情報流失の原因は意識の低い一職員の問題ではなく、組織全体の責任なのです。
 今回の事件で国民への信頼は失墜してしまいました。また、過去にも消えたずさんな年金問題で政府が国民から信頼されなくなったこともありました。そのことが引き金?となって政権が自民党から民主党へ代わりました。
そしてマイナンバー導入を目前に控えた今、また、このようなことが起きました。

今年10月から、市区町村から世帯ごとに個人別マイナンバーが通知されます。そして平成28年度から、税、年金、健康保険などに利用されることになっています。今回の不祥事を起こした年金機構もマイナンバーを利用することになりますが、こんな状態で果たしてマイナンバー制度を導入して大丈夫なのでしょうか?もし情報が流失したら、今回よりはるかに深刻な事態になるでしょう。
マイナンバーは年金記録だけでなく、所得や家族状況、さらに平成30年以後は銀行口座や証券取引口座、生命保険契約、自動車所有者もマイナンバーで管理されることになります。そしていずれは医療情報までも一元化される予定です。いずれにしても、マイナンバーを利用する税務署、年金機構、ハローワーク、健康保険組合は今回のような情報流失は絶対あってはなりません。

 私見ですが、マインナンバーを利用する年金機構などの情報セキュリティーが万全になるまでマイナンバー制度の導入利用を遅らせるべきだと思います。それには時間をかけて1.人的教育を徹底して意識を高めること2.組織的な安全管理体制の構築3.オフィスなど設備安全管理の設置4.IT化社会に合ったPCやソフトなどの技術的な安全管理の全面見直しを行うべきでしょう。

 いずれにしてもマイナンバー制度において、これを取り扱う企業や会計事務所で情報漏えいがあった際には、厳しい罰則が科せられます。これに対してマイナンバーを行政の効率化?のために利用する官公庁にはどのような罰則が科せられるのかわかりません。
今後の展開を見守っていきたいものです。
もしも責任の所在をうやむやにしたり、何の罰則が科せられないとするならば、マイナンバーは民に厳しく、官に甘いとんでもない制度になるでしょう。
これではマイナンバー制度に到底、納得などできそうにありません。
マイナンバー制度導入は時期尚早です。年金機構の情報流失の事件はその警鐘を鳴らしているのです。

H27.3月期決算法人を終えて

投稿者 Bush吉田 2015年06月04日

 会計事務所の仕事をしていると、毎年のことながら年前半は忙しく息を抜けません。
個人確定申告を3月15日までに仕上げ、続けて休む間もなく3月決算法人の業務が5月まで続くのはこの仕事の宿命なのかもしれません。
今年の個人確定申告の所感は先日のブログでまとめました。(H27.3.16記事)
それでは3月決算法人はどうか、今回はそれを記事にまとめてみました。

3月決算法人では前期よりも業績が良くなっている企業が大幅に増加し、そのほとんどが黒字となっていました。中でも製造業・サービス業などの業績回復が目立っています。業績向上の原因は売上高の増加、つまり世の中全体に仕事が増えている印象を受けました。製造業が好調なのは海外向けの仕事が増加しているからでしょうか。円安の良い影響がじわじわと中小製造業にも波及し始めたように思います。ただ、今の受注の好調さは何時まで続くのか分からないと、先行き不透明の感は相変わらずのようです。

一方、業績が赤字の企業もありますが、それでも今までとは異なった動きがあります。仕事の引き合いが多くなって売上高が増加しています。しかし、売上増以上に原価等のコストが上昇してしまい、残念ながら赤字決算となったところもあります。特に、ある業界は急激な仕事の増加にコスト管理が追い付いていません。コスト増の要因は、円安の悪い影響である原材料費の上昇、短い納期による業務の一時的集中からの時間外手当の増加や割高な派遣代によるものです。「川上インフレ、川下デフレ」と言われていますが、業種によってはコストアップの割に受注の値段は厳しい状況が続いています。

この3月決算法人では黒字化し納税する企業が多くなって、本当に良かったと思います。マスコミでも取り上げられていますが、赤字で納税をしていない法人が多く、日本にある企業の70%?80%が赤字法人と言われています。黒字化は企業の存続のため不可欠であり、納税は企業の社会貢献の一つで重要な意味をもっています。

そして企業の業績が良くなると会計事務所にとっては気が抜けない面も出てきます。それはクライアントの決算対策や節税策をいかにきっちりとアドバイスをできるかということで、それが事務所評価に繋がるのです。
念のため、誤解のないよう述べますが、決算対策や節税策は合法的なものです。巷には脱税まがいの怪しい節税策もあるので注意してください。

今年の3月決算で適用した、節税策の主な内容は以下の通りです。

  • 投資匿名組合リース(税の繰り延べ)
  • 研究開発税制(試験研究等の税額控除)
  • 所得拡大促進税制(税額控除)
  • 投資促進税制(生産性向上設備などの即時償却又は税額控除)
  • 中小企業投資促進税制の上乗せ措置(即時償却又は税額控除)
  • 産業競争力強化法施行日(H26.1.20?H26.3.31)の前年度分の生産性向上設備(即時償却又は税額控除)の不適用分の取り込み
などがありました。

この中で最も適用件数が多かったのは、所得拡大促進税制です。
適用要件のうち、給与等支給額の総額の増加が5%から2%に緩和されたことや、人手不足に対応するために、給与支給額を増加させている企業が多くなり、かつ一人当たりの給与等の平均値が上昇した結果、適用要件に該当する企業が増えたためです。ただ、実務的には集計手続きが煩雑で、クライアントと会計事務所泣かせの税制でもあります。適用要件の具体的な内容を分かり易く見直してもらいたいものです。

 最後に、3月決算法人の業績は良くなって納税が発生するからこそ、節税策や措置法の税額控除の適用が出来るのです。これからも、このような企業業績好調が続くことを祈って止みません。

この連休中の過ごし方・・・

投稿者 Bush吉田 2015年05月14日

 この連休中、大好きなゴルフとドライブを楽しみました。

昭和の日4月29日、まずは伊豆の天城高原でプレー、たまたま同伴競技者となった75歳の方はえらくパワフルで飛ばし屋でした。こちらも負けずと思わず力が入りショットが曲がりに曲がって大たたきするはめになってしまいました。それにしても最近、飛距離が落ちてきたなぁ、とあらためて痛感しました。
ゴルフ発祥の地スコットランドでは、「飛距離自慢の幼稚園、スコアにこだわる小学生、景色が見えて中学生、マナーに厳しい高校生、歴史が分かって大学生、友も群れ集う卒業式」というゴルフ好きの戯れ歌があるそうです(夏坂健氏著)。ゴルファーとしての理想的な生き様が込められています。その一説を思い出し、ゴルファーとしてまだまだ未熟な自分を思い知りました。
途中から気持ちを入れ替え、標高1,100mのゴルフコースと、素晴らしい国立公園の景色を楽しむことにしました。ちょうど天城桜のシーズンとあって、遠笠山、万二郎岳、万三郎岳の山麓周辺は正に花盛りでした。この地は高原とあって、気温も15℃程度のためかプレーヤーがまだ少なく、スルーで回してくれました。今までは夏に来ることが多く、日本百名山のひとつである天城山の春の景色を観たのは今回が初めてで、本当に感激しました。カメラを持っていかなかったことが悔やまれました。

帰路は伊豆スカイラインを愛車で飛ばして帰宅するはずでしたが、折からのゴールデンウイーク中の交通安全でしょうか?多くのパトカーが伊豆スカイラインを制限速度(40キロ?50キロ)でお手本走行?しているではありませんか。ちんたら、ちんたらと沢山の車やオートバイが数珠つなぎで、何とも退屈で睡魔に襲われ、何度も途中の駐車場で休憩。危険なツーリングを楽しむバイク軍団も姿を消していました。伊豆スカイライン名物のツーリング族がいない分、安全なドライブでした。お巡りさんありがとう。

この日の反省から連休後半は車での外出を控えることにしました。私は横浜市西区に住んでいます。このエリア、休日はいたるところでイベントが開催され、人や車で混雑します。そこで数年前に自転車を手に入れました。
最近では、自宅マンションの近くには車道と歩道の間に自転車専用通路が設けられ始めました。ただ、街が古い関内、山下、元町地区ではまだ設置されていません。横浜と言えば、中区と西区のこと。横浜を象徴的する街並みに自転車専用エリアを設けてもらいたいものです。当然、公園には自転車の乗り入れは禁止されていますが、公園の駐輪場は狭く整備されていません。
警官によるコストの掛るパトロールも大事ですが、もっとエコに優れた自転車を気軽に楽しめるインフラにお金を掛けてもらいたいものです。

マイナンバーへの準備は大丈夫ですか?

投稿者 Bush吉田 2015年04月22日

 企業等の中で個人情報などの情報に携わる方(個人番号関係事務実施者)にとって「面倒くさい」ことが始まります。それは『マイナンバー』制度です。日本に住所のある個人と法人全員に『マイナンバー』が付され、平成28年1月から運用されるからです。
 『マイナンバー』制度とは、社会保障・税・災害対策のため、国のインフラ整備だと云えます。国等の行政機関(個人番号利用事務実施者)は「行政の効率化」「国民の利便性の向上」「公平・公正な社会の実現」を目的だとしていますが、真の狙いは社会保障費の削減と課税の透明性を高めるためだと思われます。

住民登録された市町村長から、世帯ごとに『マイナンバー』情報の通知カードが送付されるのは平成27年10月頃です。法人は国税庁から書面通知されます。企業は従業員等から平成28年分の扶養者控除等申告書にこの『マイナンバー』記入してもらい、平成27年12月までに提出してもらうことになります。
なお、平成28年からは給与源泉所得税徴収だけでなく、支払調書を作成する報酬、不動産使用料、不動産に譲受けや売買・斡旋手数料、また配当剰余金の分配なども、支払先の『マイナンバー』を支払調書に記載しなければなりません。個人の平成27年分の確定申告書も『マイナンバー』が必要になります。
また、社会保険料(ハローワーク・年金機構・健康保険組合)にも利用が始まることになります。
 『マイナンバー』が個人へ通知されてから、利用開始までのスケジュールが2か月と短時間であることから、『マイナンバー』をいかにスムーズに入手できるかがポイントとなります。この作業に携わる方は、従業員をはじめ、関係先にこの制度への理解や協力が得られるよう、早急に働きかけるべきでしょう。
企業で働く人の雇用形態には、パートや非常勤さらに期間限定雇用など様々ですが例外はありません。
 従業員等が『マイナンバー』の提示を拒否した場合はどうなるのでしょうか?拒否しても法律上、提示を拒否できないことになっています。したがって、その旨を伝え、理解と協力を得る必要があります。

また、『マイナンバー』の管理にあたっては、セキュリティーがきわめて重要です。適切な管理が行われていない場合、企業に対し厳しい罰則規定が定められています。例えば、正当な理由なく『マイナンバー』のファイルを漏えいした場合、最高4年以下の懲役または200万円以下の罰金または併科(複数の刑をあわせ科される)となることもあります。企業側にとって『マイナンバー』のセキュリティーは経営上の重要な課題となるでしょう。具体的には「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」を参照にしてください。
企業が『マイナンバー』をPCやサーバーに保存管理する方法もありますが、情報漏えいの視点から万全とはいえません。信頼できる外部のデーターセンター等に暗号化して保管してもらう方が安心かもしれません。

 最後に『マイナンバー』が施行される前に、次のような事前準備が必要になると考えられます。

  • 『マイナンバー』の取扱い事務担当者の決定、具体的な移行準備や実務作業の確認です。
  • 『マイナンバー』制度の理解、従業員等の協力を得るには周知徹底のために社内説明会などを行う。
  • 『マイナンバー』について取扱い事務担当者以外に見えないような、専用PCの使用や事務所内のレイアウトの変更が望まれる。
  • 『マイナンバー』制度に適した給与システムや会計システムなど選定、特にセキュリティーに十分配慮したものがお奨めです。もちろんソフトの更新などでコストや時間が掛ることも予想されます。

これから実務家はもちろん、クライアントから事務を委託される会計事務所においても、『マイナンバー』へのセキュリティーに万全を記して臨まなければなりません。

「ふるさと納税」が使いやすくなりました

投稿者 Bush吉田 2015年04月10日

今回の記事は「ふるさと納税」を取り上げます。
先の国会で「平成27年度税制改正」が成立しました。その中で「ふるさと納税」の寄附金控除限度額の枠が拡大され、さらにサラリーマンなど(給与所得者等)が確定申告をしなくてもこの制度を適用できることとなりました。
3月16日付けのブログ記事でも書きましたが、平成21年度に始まった「ふるさと納税」をする人が徐々に増加しています。東日本大震災が起きた平成24年度は、被災地支援の影響があったため74万人となりましたが、当初の3万人から平成26年度には13万人と広がっています。
「ふるさと納税」制度の仕組みを説明すると、まず支援したい都道府県や市町村に寄附金を払い込みます。この寄附は国や地方自治体に対する寄附金ですから、確定申告をすれば寄附金控除を受けられます。寄附金控除の額は寄附した金額から2千円を差し引いた金額です。これが所得控除として課税所得からマイナスされます。例えば、平成26年に課税所得1,000万円の人が100,000円をある市町村等に寄附すると、確定申告をすることによって所得税が33,000円少なくなります。
計算根拠は、寄附金100,000?2,000=98,000円(寄附金控除)
98,000×(所得税率33%×復興特別所得税2.1%)=33,000円となります。
次に住民税ですが、その年に支払う税額は前年度課税所得(標準)を基準に決定されるので、住民税は毎年一年遅れで納付しています。
したがって住民税の計算は、次のとおりとなります。
平成26年に「ふるさと納税」の寄附をすると、平成27年に納付すべき住民税は、まず寄附金控除98,000円がありますから確定申告によって住民税の所得割が9,800円(税率10%=道府県4%+市町村6%)少なくなります。さらに、この制度の独特な仕組みですが引ききれなかった分を、「住民税の控除額の特例分」として55,200円(98,000円?所得税33,000円?住民税9,800円=55,200円)が、納税者の住所である地方自治体の住民税額から控除されます。したがって、「ふるさと納税」をした方は100,000円の寄附に対して、実損は2,000円で済むことになります。

今回の27年度税制改正では、寄附金の限度額が住民税所得割(住民税には道府県均等割1,500円+市町村3,500円と、個人の所得に応じた所得割10%があります)の10%相当額から20%相当額に拡大されました。
例えば、住民税の課税所得(標準)が1,000万円の人の場合、住民税の所得割額は1,000万円×住民税率10%で100万円となります。この場合の限度額は100万円の10%相当額ですから10万円までが限度でしたが、今回の改正で20万円までに拡大されることになりました。
もう一つの改正点として、例えばサラリーマンなど(給与所得者等)で確定申告が不要の人が、「ふるさと納税」のために確定申告をしなくても、この制度の適用が認められるようになりました。つまり、新たに「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設され、寄附先の地方自治体が5か所以内で、あらかじめ寄附する納税先団体に申請すれば、「ふるさと納税」をわざわざ確定申告しなくても受けられるようになりました。なお、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」は平成27年4月1日以後の寄附から適用となります。
ただし、もともと確定申告の義務のある方や、5か所超の地方自治体に寄附をしたい方は改正前と同じく確定申告をしなければなりません。

今回の改正で「ふるさと納税」をする方は大幅に増加すると思います。神奈川県で生まれ育った私ですが、過疎化で困窮している地方自治体、美しい自然のある市町村に寄附したいと考えています。さらに、努力して素晴らしい特産品を作りだしている市町村にも注目していきます。
「ふるさと納税」が広がれば、それは地方創生に繋がると思います。

魅力ある山陰地方に行ってきました

投稿者 Bush吉田 2015年04月07日

 先週、確定申告業務が一段落したので山陰地方へ行ってきました。
岡山市から松江市や萩市を経て広島市まで2泊3日、ドライブの旅です。
松江市から萩市の間は一部高速道路ができていましたが、まだ建設中でもうすぐ完全に開通するようでした。

まずは松江市ですが、ここは宍道湖沿岸に広がる城下町です。お城の周辺に武家屋敷や小泉八雲が住んでいた家が保存されており歴史を感じます。落ち着いた素晴らしい町でした。後で知ったことですが、松江市は全国で一番『住みやすい』市町村(経済産業省調べ)だそうです。また、最近では世界で活躍中の錦織圭の出身地として注目を浴びています。しかし、観光客が少なかったのは意外でした。
調べてみると、人口も約21万人(平成22年調査)と県庁所在地としては少なく、5年前の調査時に比べ2千人と減少しています。さらに閉店した店も多く、商店街はシャッター通りと化してさびれていました。
観光客を引き寄せる魅力のあるところだと思いますが、あまり知られていないせいでしょうか。

それに反して、次に立ち寄った萩市は観光客が多かったです。
NHK大河ドラマ「花、燃ゆる」のテーマ音楽が町のいたるところで流されており、いかにテレビの影響が大きいかを物語っていました。私はこの地を初めて訪れました。明治維新の原点である長州藩の城下町は想像していた以上に小さく、昔のままの街並みが見事に保存されています。この地の人々が歴史を大切にして先祖の遺産を護り続けたことや、幸いなことに山陰地方に大地震や戦災がなかったからでしょう。

維新を導いた吉田松陰ゆかりの松下村塾や至誠館を見学して、あの時代を生きた人としては「大変人」だったのではないかと思いました。われわれは歴史から、松陰が明治時代のリーダー達の過激な思想の師となった事実を知っています。
歴史に「もし?」はないかもしれませんが、松陰が仮に薩長主導で明治維新が成功しておらず、また安政の大獄で処刑されずに明治維新後まで生き延びていたらどうだったでしょうか?明治23年になってから神として祭られることなかったかもしれません。
日本人はどうも志のために死した人を美化し、そんな人を神格化しやすい国民のようです。踏み外せば危険な考え方に繋がります。

旅の最後は、下関市にあるクリアーブルーの海に架かる角島大橋に立ち寄りました。コマーシャルのロケ地となり、評判になっている透明度18mの美しい海の上に一直線に伸びる見事な橋で、快適なドライブができました。
帰宅後に調べたことですが、この橋は長さ1,780m、通行料無料、平成12年に竣工されています。角島(つのじま)は人口900人ですが、149億円もの事業費が掛かっているそうです。この事業も借金(この国の借金1,000兆円)で、維持費と返済は税金で賄っていくのでしょうか?
コストパーフォーマンスの視点から、どう考えても経済効果を計って作ったとは考えられません。
いつも渋滞している相模川や多摩川に橋を増設した方がよほど効果的だと思うのはひねくれた発想でしょうか。

26年分 確定申告の所感

投稿者 Bush吉田 2015年03月16日

3月14日土曜日、久しぶりに事務所に出勤せずに休養しました。
そして3月16日、平成26年分確定申告業務もようやく終了し、やれやれといったところです。
というのも昨年より確定申告件数が前年より15%も増加し、限られたスタッフ人員でやりきれるのかどうか?心配だったからです。そこで年明けから事務所一丸となってそれなりの覚悟をもって臨んだ結果、なんとか間に合いました。スタッフ一同に本当に感謝しています。
今年の確定申告を総括すると、次のような特徴がありました。

  1. まず驚いたのは、不動産の譲渡所得が多かったことです。
    アベノミクスの経済効果か、2020年の東京オリンピックの影響なのか、不動産の動きが多くなっています。今まで売りに出していた物件が26年度になって買い手が付いたケース、相続で取得した不動産が思っていた以上の値段で引き合いがきたので売ったケースなどが目立っています。また事業用や住宅等の買換えもありました。
     売り主側の事情から云えることは、所有者が高齢になって必要でなくなった不動産、相続で取得したものの使用する予定がない不動産等に買い手がついたようです。
     特に、相続で取得した不動産を売却した場合、相続税申告期限3年以内であれば相続税額の取得費加算で譲渡費用が膨らむので、譲渡所得が少なくなります。相続財産に土地の占める割合が多く相続税も多く収めた方は、極端なケースでは譲渡所得がゼロになる方もいました。ただし、平成27年以降開始する相続から取得費加算の計算方法が変わりますので譲渡所得がゼロにはなることはありません。
     また、相続で取得した財産の取得価額が分からないケースも多く見受けられました。相続や贈与で取得した財産の取得価額は原取得者(被相続人や贈与者)が実際に購入した価額になります。そこで原取得者が保管しているはずの不動産売買契約書などを探してもらいますが、紛失していることが多いのです。そこで、苦肉の策として登記事項証明書(登記簿謄本)で取得した日を確認し、当時の取得価額を類推した価額か実際売却価額の5%かどちらで計算します。
     取得価額が分からない場合の譲渡所得の計算は面倒になります。

  2. 「ふるさと納税」の寄附金控除をする方が増えています。
    それも一か所の市町村だけでなく、3か所や5か所以上と、各自治体に分散しています。寄附する手続きが煩雑ですが、適用する方が徐々に広がっています。ふるさと納税制度が導入された当初は東日本大震災の被災地や自分の出身地への寄附がほとんどでした。しかし、その流れは変わってきました。
    雑誌やマスコミでも各自治体が寄附した人にプレゼントする特産品を特集で取り上げているほどです。これらの影響もあるように思います。
    これに対して政府が、過剰になり過ぎないように、と自粛の要請をしています。政府がこのようなことは言うのはいかがかと思います。特産品プレゼントについては各自治体が地産品をPRする意味合いも込められているでしょう。このような各自治体の努力こそ、地方創生の原点だと思います。
    なお、平成27年度税制改正大綱にもありますが、「ふるさと納税」の煩雑な手続きが簡素化されて使いやすくなり、さらに住民税所得割から控除される枠が10%から20%に拡大されます。(寄附した翌年の住民税から控除)
    今年の4月以降さらに「ふるさと納税」制度が広がると思います。

  3. 毎年のことですが、生前贈与で同族法人の株式移転が現経営者から後継者へ行われています。事業承継対策として、株価がまだ安い(平成27年分からは類似業種株価はアベノミクスによる株高の影響を受けて高くなると予想)内に後継者へ株式を移転するようアドバイスしているためです。昨今事業承継対策が必要になっているクライアントも多くいます。優良な同族会社の株式は著しく割高な評価になります。時間をかけて計画的な実行を指導しています。平成27年から相続税が増税されましたが、最近クライアントになった優良中小企業において、意外にも事業承継対策が何も手が付けられていないケースが多く見られます。

  4. 昨年も書きましたが、歯科開業医について、措置法26条(マスコミは医師優遇税制と書いています)の選択適用をするクライアントが増加しています。
    毎年ブログに載せていますが、平成26年分も歯科医師業界の低迷の影響で、クライアントの社会保険診療報酬5,000万円以下または収入7,000万円以下が多くなっています。その結果、措置法が適用でき有利・不利の判定で、?実際の経費と、?措置法で算出したみなし経費との差額(???=措置法差額)が有利になるケースが増えています。

  5. グローバル化により、人や資本が海外に出て行って給与や配当などを海外で稼ぐケースが多くなっています。その結果、外国税額控除(外国と日本との二重課税を防止)を申告する方が増えました。例えば、日本に居住している方(日本で所得税を申告しなければならない)で、海外でも課税されている所得について、日本の課税庁は外国税額を一定のルールで控除ができる制度があります。なお、控除しきれなかった外国税額や控除限度余裕額(枠)を3年間繰り越すこともできますが、外国税額控除の考え方や算定方法は複雑で難しいです。昨年に比べ外国税額を適用された方が増加しました。

今年の確定申告最終日16日、恒例の確定申告の打上げです。美味しい和牛ステーキとお酒で心身の疲れを癒しましょう。

経営改善支援で会社が蘇る・・・

投稿者 Bush吉田 2015年02月03日

 TKC会計事務所では、7000プロジェクトを積極的に推し進めています。
このプロジェクトは、経営に行き詰った中小企業の再生支援をサポートするものです。世の中が急激に変わろうとする今日、時代の変化に上手く適応できない中小企業が多く、それらの企業を再生するものです。
リーマンショック後、政府も緊急退避策として「金融円滑化法」を作り、金融機関からの借入金について返済猶予の措置を講じました。これも昨年3月をもってなくなりました。「金融円滑化法」の期限が切れた後も、関係省庁は金融機関に対して返済猶予の措置を続けるよう行政指導しています。
しかし、いつまでもこのような猶予措置は現実的ではありません。この先、再生の見込みのない幽霊会社(キョンシー企業)まで生かし続けることは経済的な合理性から意味がありません。
そこで政府は「金融円滑化法」期限切れ後、「中小企業経営力強化法」を作り、再生の見込みのある企業について積極的に支援することにしました。つまり、裏を返せば再生の見込みのない企業は廃業するよう促しているのです。
「中小企業経営力強化法」は経済産業省(中小企業庁=神奈川県中小企業再生協議会)も本格的に関わり、支援のための予算も計上されました。経営改善支援センターの相談員が、再生の見込みがある企業(経営改善支援を要する企業=選定企業)として選定すれば、生き残れる可能性が高くなりました。
 もちろん、選定企業は業績を改善するために事業内容を分析し、不採算事業の撤退や固定費削減、借入金返済額の削減など全面的に収益やキャッシュフローを見直し経営改善計画を立案しなければなりません。そこで企業をサポートする会計事務所(認定経営革新等支援機関)も民間側として協力することになります。
 また、選定企業となれば、金融機関から新規融資や借り換え、返済猶予や金利低減などが受けられます。
ただし、経営改善計画策定後、四半期ごとに会計事務所(認定経営革新等支援機関)が計画と実績のモニタリングチェックを行うことになっています。

私ども事務所も認定経営革新等支援機関になっており、あるクライアントを神奈川県中小企業再生協議会に「経営改善支援を要する企業」として申請していますが、もうすぐ選定されるでしょう。この会社はすでに金融機関から返済猶予措置を受けていますが、将来の事業展望もあり、次期社長となる後継者も決まっています。また、今期は大幅黒字を計上できそうで、経営者の表情も明るくなってきました。
中小企業の社長は仕事が人生(命)そのものです。再生するポイントは経営者の思い込みやこだわりを排除することですが、過去の成功にとらわれる方はなかなか経営改革(イノベーション)ができません。経営者としての実績を否定されるような気持ちになるのだと思います。また、還暦を過ぎた経営者は次期後継者がいない場合は困難になります。企業を再生していくにはかなりの年数が必要になるからです。
したがって、われわれのような外部の専門家が数字に基づいた検証を通して、客観的な視点でアドバイスしていかなければならないと思います。人は自分のことは客観的になかなか見えないものです。

あけましておめでとうございます!・・・「平成27年度税制改正大綱」を読んで

投稿者 Bush吉田 2015年01月19日

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
年末年始は9連休、自宅でのんびりしました。
 家族で親族への年賀のあいさつや、腹ごなしに好きなゴルフをしたり、新春セールに自転車で買い物に出かけたりと、気のむくままに過ごしました。
こんなことが出来るのも、日本が平和で豊かで安定しているからなのではないかと思い、今年もこんな環境が続くよう祈りました。

さて、年明け最初に「平成27年度税制改正大綱」について触れます。
これを読んだ印象は、アベノミクスの成長戦略を税制面からサポートしようとする考え方が多く織り込まれるという点です。
 まず第一に、日本経済の中核である企業の活性化を促進するために法人税率を平成27年度から実効税率32.11%(現行34.62%比2.51%↓)、平成28年度から実効税率31.33%(前年比0.78%↓)と近々20%台を目指して引き下げることが明らかにされました。法人税率引下げはそれぞれの年度の4月1日開始事業年度からになります。
 ただし、その減税の財源として「受取配当金等の益金不算入額の減額」「欠損金繰越控除の減額」(中小企業=資本金1億円以下は除く)、「事業税外形標準課税の増税」(中小企業は除く)などで法人所得の拡大を図っています。
さらに今後の検討課題として、「事業税外形標準課税の対象会社の拡大」「減価償却について定額法(定率法を廃止)に一本化」「法人事業税の不損金算入の可否」を考えています。その上で「生産性向上設備促進税制」「所得拡大促進税制」「研究開発増加型・高水準型」は平成28年期限到来後に廃止・見直し・継続かを検討するようです。
一方、成長戦略をサポートするために、「所得拡大促進税制」の要件緩和、「事業税外形標準課税の付加価値割」について雇用者給与所得等支給額が前年度以上の場合はその増加額を付加価値割の課税標準から控除する、などの対策を講じています。
また、新たな税制として、三大都市圏の人口集中の是正・地方拠点強化のための制度が創設されました。それに先立ち、昨年から閣僚に「地方創生大臣」が設置され、自民党の実力者が任に当たっています。
その内容は、改正法の施行日から平成30年3月31日までに本店の移転実施計画について承認を受けた企業(個人も含む)が2年以内に移転した場合、2,000万円以上(中小企業は1,000万円以上)の建物やその付属設備、構築物について特別償却(15%又は25%)か税額控除(2%又は4%ただし29年3月31日まで7%⇒法人税額等の20%が上限)を選択適用できます。
また移転した青色事業者が雇用者数を増加させた場合には雇用者一人につき20万円かもしくは50万円の税額控除が認められます。
(ただし法人税額等の30%が上限)

湘南地域は東京圏に該当し優遇対象外地域に指定されていますが、優遇対象地へ本店移転を考えている企業には是非知っておいて欲しい税制です。
事務所経営にとってはクライアント減少の逆風になりますが・・・(笑)

法人税改正の動向は、儲かっている強い企業にとっては明るいニュースです。しかし中小企業の70%は赤字企業なのです。はっきり言えることは、今後はますます黒字企業と赤字企業の格差が広がっていくことになるということです。

 次に、経済活性化のため消費拡大を狙った税制が拡充されました。
個人金融資産は1,600兆円あるそうですが、そのうちの60%を65歳以上の高齢者が保有しています。高齢者は老後の不安や勤労所得も望めないため、当然なことですが、貯蓄(預金がほとんど)が多いのです。また、最近のニュースでは高齢者の「オレオレ詐欺」の被害が社会問題化しています。この背景は高齢者がお金を保有していることや、子や孫のために虎の子のお金を出してもよいという気持ちがあるからだと思います。

政府は贈与税の恩典を与えて、子や孫に世代間で財産の移転を促進し、消費の拡大を図り経済に活性化につなげたい考えです。
 住宅資金贈与の特例は、4月の消費税8%増税や今後の消費税10%(平成29年4月1日から)への対応のため経済への波及効果の大きい住宅需要の落ち込みを改善すべく、その内容の延長・充実化を図りました。
直系尊属から20歳以上で合計所得2,000万円以下の子や孫への住宅(床面積50??240?)資金贈与について非税措置が以下のように延長されました。
平成26年12月31日まで省エネ・耐震住宅1,000万円(通常住宅500万円)
平成27年12月31日まで省エネ等・耐震住宅1,500万円(通常住宅1,000万円)
平成28年9月30日まで省エネ等・耐震住宅1,200万円(通常住宅700万円)
平成29年9月30日まで省エネ等・耐震住宅3,000万円(通常住宅2,500万円)
平成30年9月30日まで省エネ等・耐震住宅1,500万円(通常住宅1,000万円)
平成31年6月30日まで省エネ等・耐震住宅1,200万円(通常住宅700万円)
このように、住宅取得等の契約日ごとに変動した非課税枠を設けたのは消費税の経過措置(改正6か月前)も考慮に入れた対応だそうです。課題となっている消費税増税でもたついている消費のカンフル剤として国内の景気対策の切り札にしようとしています。

 驚くべき改正は結婚や子育ての資金の一括贈与の非課税措置である。
その内容は、20歳以上50歳未満の個人の結婚や子育てのための資金の支払いに充てるために金融機関等に信託等をした場合に、受贈者一人につき1,000万円(結婚の支出は300万円まで)を上限に贈与税が課税されないというものです。
 平成27年4月1日から平成31年3月31日の4年間の非課税措置だそうです。この贈与資金は「教育一括贈与資金」の非課税措置と同じで金融機関等で口座開設し使途のチェックや贈与申告をする仕組みです。
 ちなみに、結婚資金は「結婚披露宴などの婚礼」、「住宅や引越しに要する費用」だそうです。子育て資金は「妊娠に要する費用」「出産に要する費用」「子の医療費や保育料のうち一定の支出」が該当するようです。
 なお、受贈者が50歳に達した時点で、支出されなかった残額は贈与があったものとして課税されますが、受贈者が死亡した場合は贈与税を課税しない。また贈与者が死亡した場合、支出されなかった残額は相続又は遺贈により取得したものとして相続税の課税価格に加算され、相続税の課税計算では法定相続人以外の2割加算の対象としない。

 個人所得税改正について、目を引かれた項目はNISAの非課税枠(上場株式等の配当所得や譲渡所得等の非課税制度)が100万円から120万円に拡大され、20歳未満の子供に非課税口座NISA80万円が創設されることです。有り余る1,600兆円もの金融資産が相変わらず預金に偏って、貯蓄から投資に資金がシフトしなければ、日本経済の活性化につながらないとの考え方の基づき、投資を促進するために充実化されたものだと思います。この改正は28年度から施行されます。

国外に転出する個人への譲渡所得の特例、保有有価証券等(1億円以上)について譲渡の決済をしたものとして譲渡所得を申告しなければならない制度ができました。いわゆる出国税として海外に習って創設されました。この税制は出国時に一定の期間(10年以内に帰国)の猶予措置(所得税相当額の担保の要)はあるものの、保有する有価証券を時価で譲渡したとして、未実現利益を課税するものです。
なお、平成27年7月1日以後の国外転出又は贈与、相続若しくは遺贈について適用されます。今年から相続税が増税されましたが、この流れを嫌って多くの資産家が海外に移住する動きが目立ってきました。相続人も被相続人も5年以上非居住者に該当すれば相続税の納税義務(ただし国外財産のみ)がありません。世界には相続税やキャピタルゲイン課税が無い国々が多くあります。最近、香港、シンガポールやマレーシアなどの国々へ出国していく日本人が多くなっています。

今回の税制改正大綱で気になっているマイナンバー(税と社会保障の共通番号)の運用上の骨子が分かってきました。これは納税や年金など、異なる個人情報を効率性・透明性の向上を図り、給付や負担の公平性を確保するなどを目的として国民一人一人に割り当てられる番号のことです。(「マイナンバー法」平成25年5月成立)
当初の案ではマイナンバーの導入で、1.社会保障番号(年金手帳、医療保険証、介護保険証)2.年金番号や公的年金等の支給額3.医療番号(医療費領収書)4.納税番号などの利用が記載されていました。
いよいよ平成27年10月を目途にマイナンバーの通知がされ、平成28年1月から運用が行われます。その2年後から預貯金口座情報をも任意(金融機関から催促される?)で開始され、平成32年頃に銀行口座にマイナンバーの記載を義務づけられる見通しです。
マイナンバーが定着すると、個人確定申告の簡素化、相続税申告の簡素化が図られることになり、面倒な税務申告や年金給付や各種行政サービスの合理化が進むことになります。その反面、われわれ会計事務所にとってもビジネス上影響が出てくるでしょう。
ここ数年のうちに、国等は一族の個人や同族法人の預金などの動きや残高を一網打尽に把握できることになります。しかし、この個人情報の漏えいや悪用の恐ろしさも否めません。
世界ではサイバー攻撃など情報戦争と云えるような時代になりました。スパイ活動に無防備な日本は情報の防衛に関して果たして大丈夫なのか心配です。世界の犯罪者(ハッカー)が豊かな日本の資産家を標的にしても不思議ではないように思います。

2014年

今回の選挙で消費税の「軽減税率」が近くなったか?

投稿者 Bush吉田 2014年12月26日

先の衆議院選挙は予想通り与党が大勝しました。
今回の選挙を分析すると面白いことが分かります。
まず、投票率が52%と極端に低いことです。日本国民であれば当然、投票をすべきですが、行かなかった人々の声を聞いてみると、「投票したい候補者がいない。」「何のための選挙か争点がはっきりしない。」「支持したい政党が無いので行く必要性を感じなかった。」などなど言い分はあります。今回の選挙はコストを700億円も使った「無駄でドッチラケ」と感じている人が沢山いたことは事実です。
 次に、アベノミクスに対して何となく不安や不信感を持った人々が多いことです。
「自民党」の議席が改選前より4名減少し、アベノミクスに賛成していた「次世代の党」も18議席減少しています。それに対して民主党が11議席増加し、さらに共産党が何と改選前8議席から21議席(13議席増加)と躍進しています。国民はアベノミクスに疑問を感じており、円安や株高によって恩恵を受けている資産家等を除いて、この政策によって格差が広がっていると感じている人々が多いのです。

しかし、私が気がかりなのは、今回の衆議員選挙で与党である「自民党」が4議席減少したのに対して、同じ連立与党である「公明党」が4議席増やししました。この結果「公明党」の公約とも云える消費税「軽減税率」の声が大きくなって、次回の消費税増税時には「軽減税率」採用される可能性が高くなったようにも思います。
もし「軽減税率」が実際に導入されたら、消費税申告書を作成する現場では大混乱するはずです。消費税申告義務のある事業者である企業、会計事務所、また税務調査する税務当局を含めて、実務上どうなってしまうのでしょうか?
ただでさえ少子高齢化で人手不足が深刻化しています。申告業務で手間がかかるようでしたら経済効率を阻害することになり、成長戦略にとって大きなマイナスとなるでしょう。今からインボイス方式の導入とか申告制度の見直しなど、消費税申告業務の効率化を図るようなシステムを講じて欲しいものです。政治家のバランス感覚が問われています。

今後の税制について考えてみれば、前提として知っておかなければならないことは、国の財政は赤字続きで後がないほど追い込まれているということです。
しかしながら今回、10%への消費税増税は経済状況から1年6か月先延ばしされ、施行日が平成27年10月から平成29年4月からになりました。この判断を正しいと見るか、そうでないかは見解がわかれます。確かなことは消費税増税の延期は選挙前に政治決断されました。実際の日本の消費や投資など経済が厳しい状況に陥っているのかもしれません。

国難とも云える財政危機を乗り越えなければ日本の将来は大変なことになってしまいます。この国を愛する国民一人一人が自利を優先させずに、一致団結して協力し合っていかなければならない時代になったと認識すべきです。

このままで良いのか働く若者の閉塞感

投稿者 Bush吉田 2014年12月17日

 今年も、年末賞与の支給時期が来ました。
昨年並み以上の賞与支給総額は心掛けていたのですが、驚いたことに職員各人の手取り賞与受取り額が昨年よりも減少していました。これは社会保険料の引上げによる自己負担額(社会保険料総額の約半分)が増加したためでした。
 確かに、日本は世界に例がないほど急速な高齢化が進んでいます。したがって、現状の社会保障の仕組みのままでは若者を中心とした勤労者の負担は増え続けていきます。また国の財政も苦しく、社会保障費負担を財政(税収)で賄いきれない状況になっています。国の借金も1000兆円を超え、目が眩むほどの巨額な負債を抱えています。そして毎年のプライマリーバランス(基礎的収支)はマイナスで、借金が増加し続けています。

 会社に例えれば、歳出であるコストが税収である売上を大幅に上回り、赤字を垂れ流しています。この赤字分は国民(日銀や金融機関等)から借り入れて何とかやりくりしています。こんな状態はいつまでも続きません。国として、大リストラである再建策を講じなければならないはずです。
民間では再建を担った経営者は、まずコストダウンに取り組むでしょう。
苦しく厳しい再建策として、まず経営者自らの報酬の見直しや、役員定員の削減を行うはずです。国においては国会議員や高級官僚が経営者に該当します。次に赤字部門の撤退や不要な資産の売却、一般社員の給与削減や人員削減を行うでしょう。つまり社会の役に立っていない、官の事業(公社・独立行政法人など)の廃止や公務員の給与の削減、公務員数の削減ということになります。今回の衆議院選挙では定員が5名だけ減りましたが、小手先の対応としか思えません。

その上、日本の財政は国民に痛みを伴うお願いをしなければならないほど追い込まれています。
「消費税増税」もそうですが、「社会保障費の削減」をしなければ赤字からの脱出は不可能でしょう。例えば、受益負担の原則にしたがい、「医療費についても優遇されていた高齢者に応分の負担」を求める。現在は給与所得者のみ年金支給額が減額されているが、高齢者で「全ての所得が一定以上あれば年金支給をゼロ」にする。「年金支給開始年齢の引上げ」など検討すべきコスト削減策は多いと思われます。現在65歳以上の高齢者の割合は25%、勤労者3人で高齢者1人を養う人口構成になっています。これから先の日本は少子高齢化が進み、2040年には40%が高齢者(うち75歳以上の後期高齢者割合25%)、どう考えても現行の社会保障の仕組みは限界、消費税増税だけでは賄いきれないはずです。ちなみに消費税の1%増税で2兆5千億円の税収が上がりますが、10%にしても焼け石に水でしょう。そのことは毎年、社会保障費が一兆円ずつ増加している事実を見ても明らかです。

いずれにしても、国のリーダーである国会議員や高級官僚が財政の実態を説明し、自から血を流さなければ国民は納得しないと思います。消費税増税や社会保障費の自己負担増、また年金等の削減等は、リーダーの本物の覚悟が問われています。ポピュリズム(大衆迎合主義)で当選を勝ち取るための人気取りのバラマキは愛国心の無い国賊に等しい政治屋なのです。

確かにアベノミクスが上手くいき、株高やインフレで名目GDPが増加して、税収も増加しています。しかし今の財政赤字は埋まらないでしょう。ちなみに名目GDPが5%アップしても税収は10兆円増えるだけで、今の財政収支の赤字35兆円にはまったく不足なのです。ちなみに、先進国で経済成長率が年5%になった例はありません。例えば、アメリカはシェールガスや次世代ICTファクターで先んじて経済が好調です。また人口も増加していますが名目年経済成長率は3.8%だそうです。

心配なのは、勤労者の若者が現状の世代間の格差や不公平感、さらには国への不信感を持っています。将来もらえるかどうか分からない社会保険などの負担が年々増加し、手取り額が減って生活に喘ぐ若者が多く居ます。こんな状態が続くと国を担う若者はやる気を喪失して、この国は滅んでしまうかもしれません。
私も還暦を過ぎましたが、敢えて云わせてもらえば「高齢者も大事ですが、若者に将来の希望を」与える政策を打ち出してほしい。

この選挙で当選されたリーダーの方々、勇気をもって真実を国民に訴え、身を切る覚悟で現状の仕組みを見直して欲しいものです。

マレーシア視察旅行 第三話

投稿者 Bush吉田 2014年12月12日

 マレーシア視察旅行、今回は現地の不動産の事情をお伝えします。
マレーシアでは人口の急増に対して開発が追い付かず、不動産価格は上昇していました。しかし、政府がバブル抑制策を講じてからは、価格は横ばい、売れ行きも停滞しているそうです。
 マレーシアでは不動産などの資産譲渡益のキャピタルゲイン課税がなかったため、投資家がキャピタルゲインを目的として不動産を転売目的で購入し、値上がりした時点で売り抜けて儲ける投機ビジネスが盛んになって、不動産バブルが起こりました。
 これに対して政府は、外国人が不動産投資をする場合、最低価額規制によって100万リンギット=3000万円以下のものは購入できないとしたこと、さらに5年以内の譲渡所得に課税される税制(PRGT不動産譲渡益税)を導入しました。これらがバブル退治になったようです。
 イスラム圏の国では、銀行はイスラム金融(利子の代わりに手数料を取る)によるところが多いそうです。日本のバブル時のような不動産貸付の不良債権化はまだ発生しておらず、金融機関の財政も健全だそうです。したがって不動産価額もそう下がっていないようです。

 我々が現地の不動産コンサルタントの紹介で実際に視察したのは、一番目は、高級住宅地モントキアラ(クアランプールの象徴的な建物ペトロナスツインタワーから直線8キロ)にある、分譲中の高層マンション「RESIDENSI22」モデルルームです。富裕層や日本人など外国人が多い住宅地で、緑が多く雰囲気が良いところでした。外国人駐在員地区でインターナショナルスクールなどが設置されているエリアだそうです。
 このマンションのモデルルームは、富裕層向けに約290?の広さで日本円にして7,500万円程度で売り出していました。?当たり26万円、内装を含めても30万円程度ではないかと思います。なお、マレーシアでは内装は購入者が好みに応じて発注する仕組みで、分譲価額には含まれていません。

 二番目は伊勢丹やイオンが入居しているミッドバレー・メガモール近郊(クアランプールの有名な建物ペトロナスツインタワーから直線5キロ)の計画中の9・SEPUTEHのモデルルームでした。分譲面積は100??120?で、敷地は99年の借地権であるが3000万円?3600万円と手ごろな価額です。
 ただ、周辺はまだまだ開発がされておらず荒地?ただ幹線道路(オールド・クラン道)沿いで、新しくモノレールが計画されているため、計画通り建設されると、ここは都心に近いので発展するポテンシャルを秘めているのかもしれません。

 マレーシアの首都クアランプールのマンション価額が、高いのか安いのか全く見当が付きませんが、目安として東京都心圏のマンション価額は?当たり安くても100万円以上であるまいか・・・。ちなみに台湾の台北市中心部の不動産価額はものすごく高く、80?の中古マンションで、5000万元(1億5000万円・?当たり188万円)で売り出されていました。
 マレーシアの不動産価額水準はまだまだ安いようにも思いますが、これから先どのように推移していくのでしょうか?
私は以下の視点で考えてみました。
 日本からの投資として、円とリンギットとの為替動向で見ると、円安で割高になっています。またこのところの原油をはじめ資源価格は下がっていますので、資源に依存したマレーシア経済は悪化していくかもしれません。更に来年4月からGTS(消費税)6%の導入など、税制改正の動きは経済の大きな転換点になるようにも思います。ちなみに外国人に対するPRGT不動産譲渡益税は5年以内30%、5年超でも5%の税金が課せられます。売却価額は実際売却価額でなく税務当局が査定するそうです。

 マレーシアはマレー人が優遇されるとか、いくら親日的でも税金に関しては外国人である日本人には厳しいかもしれません。当局の査定はどのようにされるのか、詳しいことは分かりませんが、不透明な印象を受けました。

マレーシア視察旅行 第二話

投稿者 Bush吉田 2014年12月05日

 マレーシア視察旅行の第二話は税制についてです。
 現地で活躍している日本人公認会計士の話を聞いて、「税金が安いな?。」と感じました。
 まず、直接税は個人所得税・法人所得税だけで相続税はありません。さらに法人実効税率は現行25%ですが、2016年から24%に引き下げが決まっており、日本よりも低いことです。その上、日本でもそうですが中小企業(資本金250万リンギ=約8,000万円以下)では軽減税率(課税所得50万リンギまで20%?21016年からは19%)も適用されます。
 現在日本でも法人実効税率引下げに向けて議論していますが、この水準にはとてもとても下がらないと思います。
 個人所得税も居住者・非居住者に係らず最高税率が26%までの累進税率で2015年分から25%に引き下げられます。ただ日本の給与所得者の(みなし経費としての)給与所得控除が優遇されていないとの情報もあります。さらに社宅などの福利厚生としての会社負担分も個人所得に加算されるそうです。
 そうは言っても、高所得者にとっては日本の50%(2015年分から55%)の最高税率に比べて、マレーシアでは25%と税負担は半分以下で済みます。
 今、日本では相続税が国民の関心を引き、悩みを抱えている人が多くなってきました。それは相続税の基礎控除額が2015年度から40%と大幅に削減されて、相続税の申告義務者が倍増するためです。さらには税率も引き上げられることが決まっています。しかし、マレーシアでは相続税そのものが存在しません。隣国シンガポールも香港やオーストラリア等、かつて大英帝国の植民地だった国々に相続税が無い国が多くあります。
 第1話でも書きましたが、最近、裕福な日本人で老後をマレーシアで過ごす方々が倍増しています。
 富裕層に対する厳しい課税を嫌って、日本を見限るいわゆるキャピタルフライト現象が起きつつあります。国税局もその流れを察知してか、最近相続税の納税義務者の見直しを行い、被相続人も相続人も5年以上海外で居住していなければ日本の相続税を納税しなければならなくなりました。
 さらに、海外に移住するときには、その所有する有価証券の含み益(未実現利益)にも課税するとの情報もあります。

 しかしマレーシアでも2015年4月から日本の消費税にあたるGTS(6%)が導入されます。マレーシア国民は反対しているそうですが、経済が成長しているので消費税導入不況に陥らないとの観測です。マレーシアの財政は日本のように赤字ではないようですが、財政安定化のためのGTSの導入だそうです。

 このように海外に出ると気が付くのですが、日本は国民に対してやさしく、いろいろな面で素晴らしい良い国だと思います。しかしこれから消費税増税を控えて、個人の富裕層に対する税制についてはますます過酷になっていくことでしょう。
 その原因は、少子化や高齢者の急増により社会保障費が毎年1兆円以上増加しているので仕方がないとも思います。
 ただ、歴史を顧みると行き過ぎた福祉政策(人気取りのバラマキ)や過酷な課税を行ったローマ帝国やイギリスなどの国々が衰退しています。

マレーシア視察旅行 第一話

投稿者 Bush吉田 2014年12月03日

 これから、何回かにわたってマレーシア視察旅行について書きます。
 まず驚かされたのは、クアラルンプールは想像していた以上に発展していたことです。いたるところ建築ラッシュ工事中で、商業ビル、高層マンションだけでなく、道路や鉄道などのインフラもすごい勢いで建設されていました。
 街ゆく人々の表情は明るく、マレーシアはASEAN独特の活気と熱気に溢れていました。
 現地のコンサルタントによれば、年5%?7%の経済成長が続き、一人当たりGDPも1万USドル(日本は3.9万USドル)を超え、消費財も住宅も交通網も供給が需要に追い付かない状態です。人口は約3000万人(国土面積は日本の90%)、マレー系60%、中華系25%、インド系7%の多民族国家で、子供を多く生むお国柄とかで、人口は年々増加しています。人口構成もきれいなピラミッド型で、日本の高度成長期の昭和20年?30年代と同じです。

 マレーシアの発展は、前マハティール首相の提唱した「ルックイースト?日本に学ぼう」がきっかけでした。小学校の教科書では日本が第二次大戦の敗戦から見事に復興発展をとげたこと。その原動力となった日本人の勤勉さを学んでいるそうです。そんな教育の影響からでしょうか、マレーシア人は親日的です。しかし、戦時中は旧日本軍がイギリスの植民地支配から奪い取って、占領していた時期もありました。隣国の韓国や中国とは受け止め方がまるで異なっているのは何故でしょうか。

 現在、日本から進出している企業は約1500社で、隣国タイに比べると少ないものの、在留邦人は約2万人と、ここ2?3年で倍増しています。
 この国は比較的治安が良く、政治も安定しており、地震や台風などの天災もほとんどなく、ほぼ赤道直下の常夏の気候、更には税制上のメリット(税制の詳細は次回に書きます。)があるからかもしれません。特にここ数年、老後をマレーシアで居住する日本人が増加しているそうです。

 しかし、日系の進出企業の方の話では、日本とは違った苦労もあると聞きました。マレーシア人の6割以上はイスラム教徒で、生活習慣はもちろんですが、考え方や価値観がビジネスに向かない面もあるようです。どんなに忙しい時でも、メッカに向って礼拝は欠かさず、また欠勤も多く作業スケジュールに支障をきたすこともよくあるとか。そして経済発展が続き失業率も3%程度でほぼ完全雇用に近い状況です。したがって年々人件費も高騰し(2012年6%アップ)、人材不足に苦しんでいます。最近では労働者でいわゆる3K(きつい、汚い?)の仕事はミャンマー、バングラディシュ、ネパールの人々に就労ビザを許可し、不足しているマンパワーを賄っています。

 今回視察させて頂いた、スチール家具メーカー、ソフトウエア会社はいずれも日系企業でしたが、マネージャー(管理者)クラスは中華系の方々に任されていました。華僑の方々はわれわれがイメージしている中国人とは全く異なって、優秀で努力家の方々が多いようです。
 華僑は何代にも亘って海外で苦労を重ねて、移住先の環境に上手く適応し強かに生き続けて、真の国際人になっているのかもしれません。華僑はマレーシアのみならず世界中でビジネスマンとして企業家として成功している人が多くいます。マレーシアの成功者に中華系(華僑)が目立っているのもうなずけます。日本人も華僑に学ばなければならない面が沢山あると思いました。

 華僑について調べてみました。およそ世界中で6,000万人、英語でOverseas Chineseと呼ばれています。漢民族である華僑の人々が世界に出て行ったきっかけはほぼ中国動乱時期と一致しています。歴史上、古くは13世紀モンゴル帝国フビライ率いる元王朝が北京に遷都した時、17世紀の明王朝から清王朝へ漢民族(明王朝)から満州族(清王朝)の政権交代の時期、辛亥革命で清王朝崩壊から日中戦争を経て共産党中華人民共和国建国までの動乱期に、他民族に支配されることや共産主義体制を嫌って中華系漢民族が海外に多く移住しました。
 確かに海外旅行に行って気が付くのですが、世界中どんな田舎町に行っても華僑が経営する中華料理レストランは必ずあります。彼らは自分たちの歴史と中国文化や価値観に誇りを持っています。海外に展開した後も信仰や食文化を大切し、家族以外を信用しないためファミリービジネスの形態を好みます。

 ちなみに、今回の視察旅行、現地でお世話になった添乗員さんも3代前にマレーシアへ移住した50代の中華系の女性でした。日本語が怪しかったものの、親切で気配り十分の「おもてなし」を受けました。(謝謝)

イスラム社会ってどんなんだろう?

投稿者 Bush吉田 2014年11月11日

 今週12日から3泊5日の日程でマレーシア視察旅行に出かけます。
この旅行は後継者塾に参加された若手経営者の発言がきっかけでした。実は2年前にも同じようなメンバーでタイ視察旅行をした経緯があります。
マレーシアはイスラム圏の国、同じASEANのタイとはかなり異なった社会ではないかと思います。「百聞は一見に如かず」で、現地に出向いてその国の景色・臭い・雰囲気を実際に肌で感じる。これこそが発展著しいイスラム圏マレーシアを知ることになると思います。

主な行程は、一日目はクアラルンプールに夕方到着するので、実質的には翌日から行動となります。日系M銀行(現地法人)の方にマレーシア情報を歴史・経済・法律・税制などについてレクチャーをしてもらいます。午後は日系大手家具メーカーの組み立て工場を視察。
三日目は、最近現地に進出した日系ソフトウエア企業の経営者にお目にかかります。この会社は慢性的な人材不足にため日本に見切りをつけ、最近現地に進出しましたが、その苦労話を聞けると思います。午後は大手デベロッパーの建設売出し中の高層マンションのモデルルームの視察です。経済発展著しいマレーシアは不動産バブルになっているそうですが、分譲価格や住宅品質に興味があります。夕方からはマレーシア人の生活水準を感じるためセントラルマーケットの見学の予定です。
 四日目はこの国の歴史を知るため世界遺産のマラッカ遺跡観光を計画しています。マレーシアは戦前までイギリスの植民地だったのですが、大航海時代にポルトガル、オランダが占領、最後は覇者となった大英帝国(日の沈まぬ国)の軍門に下っています。マラッカ(マラッカ海峡)は交通の要衝で制海権の要です。
 さて今、日本でも巨大なイスラム圏(16億人)市場にビジネス展開を図りたい企業があります。イスラム教独特の価値観や風習を理解して、戒律の厳しいイスラム系の人々にも受け入れてもらえるハラル食材・サービスの開発に熱心に取り組んでいます。「ハラル」とはイスラム教の教えで豚とアルコールが禁じられているため、食材や化粧品などの原料にこれらが含まれていないことが公的に認証されたものです。サービスについてもイスラム教徒ムスリムが一日5回、メッカに向って拝礼する場所(絨毯やコンパス)を整えるおもてなしが必要です。欧米を中心にイスラム圏社会に対してジハード(異教徒への聖戦)やイスラム国の台頭でごく一部の過激なテロリストの良くないイメージがあります。しかし、ほとんどのイスラム圏の人々は穏便でやさしいと聞いています。
日本人にも好意的で、日本は信頼のおける国との印象が強いようです。イスラム教の考え方を受け入れ、ムスリムの習慣にも好意的に接していけば大きなビジネスチャンスになるはずです。
帰国後また、実際に現地に出かけた印象をブログに書くつもりです。

高齢者のある不安

投稿者 Bush吉田 2014年10月21日

 来年からの相続税増税を控えて、相続税シミュレーションの依頼が多くなっています。資産家のほとんどが高齢で、意識の高い方は相続税額のことが気になるようです。驚いたことに本人の自発的な依頼なのです。
 先日もある方が相談に来られましたが、過去に一回も専門家に相談したことが無かったようでした。そのためか、相続税シミュレーション後の相続税額の多さにびっくりされた様子でした。

 私どもの事務所のアドバイスとしては、1.相続争いが起きないよう、相続人間でバランスのよい分配を心掛ける。2.相続税の納付は原則として現金によるものとされているため、いざという時の納税の準備をしておく。3.リスクの伴わない、確実な節税を心掛ける。と申し上げることにしています。
もう少し具体的に話をしますと、まず1.については、相続人同士の相続争いが予想される場合、遺言書の作成をお奨めしています。
例えば、父が亡くなった後、次に母が亡くなる場合(第二次相続)で兄弟間の仲が悪い、家族関係が複雑、相続人に子が無く相続人が配偶者と兄弟(父母はすでに死亡)のみ、法定相続人以外に財産を遺したいとき、などがこれに該当します。

次に2.については、相続財産がのほとんどが換金性のない同族会社の非上場株式や不動産などに偏っている場合は、納税に苦労することになります。それぞれのケースに応じていざという時に、納税資金の捻出策をあらかじめアドバイスしています。

そして3.については、最も簡単で確実な相続対策は「法定相続人でない孫への生前贈与」や「生命保険金の非課税枠」を有効に活用することです。
現金贈与は後々税務当局ともめないようにすることが大事です。贈与の都度「贈与契約書」を作成し、現金の贈与は預金口座を通して振り込みます。さらに確実にするため、例えば暦年贈与の基礎控除110万円を少しだけ超えた111万円とし、贈与税1千円を納付しておくことも贈与の事実の証拠となるのです。

株式の贈与に当たっては株式評価額が低い時がチャンスです。
上場株式では、10月20日に贈与した場合、A贈与当日の10月20日終値、B贈与月の10月終値の平均値、C贈与月の9月終値の平均値、D贈与月の8月終値の平均値、のABCDいずれか最も低い価額を評価額とすることができます。もちろん株式贈与には名義書換の手続きが必要となります。
また、私どもの事務所ではクライアントの同族会社非上場株式は定期的に株価評価をしています。したがってクライアントの株価動向は把握できます。

次に生命保険の非課税枠ですが、法定相続人一人あたり500万円までは非課税財産になります。相続人が3人の場合、1500万円までが非課税になります。
今までお付き合いのなかった先では、意外と生命保険の非課税枠が活用されていないケース多くあります。高齢になると定期生命保険は期限切れになり、生命保険が無くなってしまっている方が多いのです。預金等から一時払いの終身保険に換えるだけで、節税になります。ただし、この生命保険は90歳までしか加入できません。

生前贈与や終身保険の加入は資金的に余裕がなければできません。
もちろん、節税対策において無理は禁物です。大切な老後資金は必要額を手元置いて、いつでも使えるようにしておかなければなりません。

高層マンション投資が相続対策の切り札?

投稿者 Bush吉田 2014年10月15日

 来年の相続税増税を控えて、資産家の間で高層マンションを購入する相続税対策が密かなブームになっています。
高層マンションは購入価格に対して相続税評価額が相対的に低く、節税効果が大きいといわれています。マンションの相続税評価の計算は、マンションの敷地権の評価額と建物の固定資産評価額の合計額で、敷地権の評価額はそのマンションの全体の敷地のうち、その所有する持ち分に応じて路線価で評価します。具体的に試算してみると、次のような結果となります。
A)敷地が広く緑地スペースもあり敷地の共有持分が多いマンションの場合:相続税評価額は購入価格の35%となりました。
B)容積率が高く再開発された駅前立地で、敷地の共有持分が少ないマンションの場合:相続税評価額は購入価格の25%相当となっていました。
したがって仮に1億円の金融資産をB)のような高層マンションに組み換えるだけで、7,500万円の節税効果があります。
さらに、購入した高層マンションを賃貸すると相続税評価額はさらに引下げられ購入価格の20%以下の2,000万円程度となります。
低金利といわれる時代、1億円の定期預金は年間の金利が2万5千円にしかなりません。この資金で上記のような高層マンションを購入し、賃貸すれば、固く見積もっても手元に年間300万円は残ります。百倍以上有利に運用できるのです。また空室については駅前立地ですからまず心配はありません。

ただ、このような高層マンションへの投資もリスクを考えておかなければなりません。それはマンションの時価は変動するということです。相続税の節税ありきの発想はきわめて危険です。節税目的の高層マンション投資は相続開始後に売却するケースが多いはずです。
ところが、相続発生時に実現できた節税額より、売却時の売却損失額が多くなってしまうこともあり得るのです。
20年前のバブル崩壊やリーマンショックなど金融危機の教訓を忘れてはいけないと思います。

もし高層マンションの購入を考えておられるのなら、アクセスなどの立地、物件の希少価値、品質やグレード、マンションの管理体制、施工会社など十二分によく検討すべきでしょう。情報を収集し眼力を養うために多くのモデルルームの見学も必要です。長期的に見て資産価値が高い値下がりしにくい物件を見つけて欲しいと思います。

さて今この時期、折からのアベノミクスの異次元金融緩和策、2020年東京オリンピック開催で、都心の不動産が値上がりしています。さらに工事労働者の不足による労務費の高騰、円安による資材の値上がり等、建築コストは上昇が続いています。個人的な判断として、投資の時期としてはいかがなものか?とも思います。
考え方として、投資は人がやらない見向きもしないときが買い場ではないか?今はもうすでにバスに乗り遅れているような気もしますが、もっとも、これから先の経済の動向をどう読むかの判断に掛かっているでしょう。
バブル経済再来のような資産インフレが、これから先2020年のオリンピックまで続くのでしょうか?相続開始時期がそのピーク時までに発生し、その物件を売り逃げれば大成功です。しかし、人の命と経済動向は神のみが知る領域なのです。

生前贈与は受贈者が欲しい時にしよう

投稿者 Bush吉田 2014年09月29日

 来年1月1日から、相続税の基礎控除額が40%削減され、税率も引き上げられます。
この相続税増税を控えて、今まで相続対策は自分には関係が無いと思っておられたクライアント等から問い合わせが殺到しています。特に、生前贈与に関する質問が多く、具体的に何をどのくらい、どうしたらよいのか?といったアドバイスを求められています。

 一方、税務当局側は相続税増税対策として生前贈与が活用されることを予想しており、贈与税の申告漏れがあるかどうかについての情報網を張り巡らしています。親の財産が子や孫に移転している場合、贈与税の申告がされているかどうかをチェックしているのです。
 例えば、親の預金口座から子や孫の預金口座にお金が振り込まれていないか。
子や孫などの名義で高額な住宅などを購入した場合、その購入資金は誰が負担したのか等を確認しています。通常は税務署から文書「お尋ね」で資金源を問い合わせてきます。もちろん子や孫などがその資金を住宅ローンで賄って、ローンの返済額も本人が負担していれば贈与課税の問題は生じませんが、親が負担しているのにもかかわらず、贈与税の申告がされていないと税務否認のリスクとなります。

 話を戻して、相続税対策のための生前贈与ですが、私どもでは暦年贈与の年基礎控除110万円を上手に活用することをアドバイスしています。
生前贈与に関してのポイントを上げますと、現金贈与の場合は、必ず贈与する人(あげる)の預金口座から贈与を受ける人(もらう)が所有管理する預金口座に振り込み、記録が残るようにします。できれば税務署への証拠づくりに贈与税申告書を提出して贈与税を納付しておくのも賢いやり方です。ちなみに111万円を現金贈与すると贈与税はたった1千円の納付でよいのです。贈与税の納付をケチる人もいますが、贈与税申告や納付は後々の切り札になるのです。
但し、暦年贈与は相続開始前3年以内の贈与財産は相続財産に加算しなければならないこと(いわゆる3年縛り)になっています。したがって、暦年贈与は長い時間をかけてその年毎の状況に応じて、相続人でない孫へ実行することをお奨めしています。なぜなら、この場合、3年縛りが適用されないからです。

 生前贈与の中で特に効果があるのは、婚姻期間20年以上の配偶者へのマイホーム贈与の特例です。具体的には居住用の建物とその敷地、あるいは居住用不動産の購入資金についての2,000万円の特別控除で、暦年贈与基礎控除110万円も合わせて、2,110万円まで非課税になります。
贈与の仕方ですが、居住用不動産購入資金贈与は不利になります。なぜなら不動産評価額は土地については購入代金80%、家屋は40%程度ですが、購入資金贈与はその金額そのもの100%の評価になるからです。
さらにこの制度の良いことは、相続開始前3年以内の贈与財産は相続財産に加算しなくてもよいことになっていることです。
デメリットとしては、この贈与に当たって登記をする際の登録免許税や不動産取得税などの費用が意外と掛かることです。

 最近人気になっているのは、子や孫への教育資金一括贈与制度です。30歳未満の子や孫にそれぞれ一人1,500万円までが非課税になる措置で、平成25年4月より創設されました。この制度も相続開始前3年以内の贈与財産は相続財産に加算されません。ただし、満30歳に達した日に未使用分の残額は、贈与税が課税されます。もっとも扶養義務者である親や祖父母が入学金授業料などの教育費を必要な都度負担しているケースでは、今までも贈与税は非課税とされています。

 最後に、生前贈与を考えている方が忘れてならないことは、もらう人(受贈者)が本当に必要で欲しい時に贈与することです。親の一方的な思いで贈与しても、貰った方はそれほど有難味を感じないものです。満腹時のご馳走と同じかもしれません。さらに相続対策ありきで一方的に贈与してしまうと、もらう方はお金をもらうのが当たり前の感覚になってしまい、極端なケースではお礼も無かったとの話も聞きます。お金は人間形成に大きな影響を与えます。

可愛いお孫さんの「おじいちゃん、どうもありがとう」の一言が、幸せな瞬間かもしれません。

消費税増税て、経済的弱者にだけ負担か(逆進性)

投稿者 Bush吉田 2014年09月18日

 消費税を10%へ増税するかどうか、7月?9月の経済動向で首相が最終判断をすることになっています。日本の財政状態は極めて厳しく、毎年の社会保障費などの「歳出」が税収などの「歳入」を大幅に超える赤字構造が続いています。ちなみに国の借金はGDPの約2年分の1,000兆円を超えるほど積み上がっています。国はこの財政の赤字解消のため、景気に左右されない安定財源(1%で2.7兆円)である消費税増税をしなければならないと考えています。政治家は国民の耳に心地よいように、高齢化社会のための社会保障費の財源基盤と訴えています。しかし本音は歳入税収不足を補うための増税にほかなりません。お金には色を付けられませんからまるで嘘ではありませんが・・・。確かにEU諸国(20%程度)に比べると日本の消費税率はまだ低いとも云えます。
 誤解しないでもらいたいのですが、このままの状況では消費税増税に基本的に反対です。つまり増税前にまず、私は政治家が自ら議席数の削減(リストラ)をやるべきと考えているからです。(2014.5ブログ参照)

消費税増税は「低所得者には逆進性がある」と云われています。逆進性とは、消費税増税が低所得者にとって相対的に負担が重くなることです。例えば、可処分所得が200万円の人の食料品など生活必需品の購入額が120万円とすると、8%→10%の2ポイント増税の影響額は2.4万円で、所得に対する増税割合は2.4万円÷200万円=1.2%となります。一方、可処分所得が800万円の人の食料品など生活必需品の購入額が、仮に120万円(実際はもっと多く支出するはず?)とすると0.3%となるので、議論されているように相対的に消費税増税による負担が少ないかのように見える。しかしこれは単年度だけで観た場合です。
現実には、高所得者は可処分所得から120万円の生活必需品等を支出した残りは、いずれかの年度で住宅・自動車・電化製品・ファッションや教育・レジャー等に使うはずです。その時は当然消費税が課税されることになります。
税の議論では単年度だけの消費に着目して、逆進性だと決めつけるのはどうも腑に落ちません。長期的な時間軸で消費行動を捉えるべきです。
また仮に、ほとんど消費をせずに、貯蓄が唯一の趣味のケチな高所得者はどうなるのか?その時は相続税で課税されます。例えば、ケチな高所得者が20年間働いて貯蓄したとすると、単純計算でも(800万円?120万円)×20年=1億3,600万円となり、相続税基礎控除額を考慮しても、確実に相続税で課税されてしまうことになります。消費税増税は逆進性云々という論者は、本当に短期的で視野の狭い見方しかしていないようにしか思えません。

さらに、食料品など生活必需品に対しては本来の10%よりも低い税率、つまり軽減税率が議論されています。軽減税率の施行は全く愚の骨頂とも云える問題を含んでいます。まず、どんな取引を軽減税率の対象品とするのか?現在のような帳簿方式(EUはインボイス方式)による消費税申告を行う企業などの課税事業は、事務処理に大混乱を生じてしまいます。われわれ会計事務所はもちろん税務当局も対応しきれません。
この社会的な混乱のコストは膨大で、経済活動に大きな支障をきたすことになりましょう。
逆進性などいう浅はかな議論と、一部政治家の大衆迎合的なリップサービスから、どうにもこうにもならないような非効率的な社会ルールが創設されないよう願っています。もし二段階の軽減税率が施行されたら、ただでさえ低成長経済であえいでいる経済活動に混乱と煩雑さを引き起こしてしまうでしょう。
せっかくの経済成長の足かせにならないよう祈っています。

売上高が大幅急増なのに何故か利益が低迷?

投稿者 Bush吉田 2014年09月12日

ここのところ、クライアントの売上が大幅に増加しているところが多くなってきました。ちなみにある製造業のクライアントでは、過去10年間で最高の売上実績を上げています。今期後半から仕事が津波のように押し寄せて、急激に売上がアップし、対前年比で70%も増加しました。このクライアントは、大手メーカーが公官庁などから公共事業として受注した製品の下請けで、組み立て作業が多い人的集約型企業です。この売上急増は、アベノミクスの景気浮揚策である、第二の矢の公共投資大幅拡大の影響によるものです。経営者は売上高の増加は見込んでいたものの、これほどとは思っていなかったようです。しかし、公共事業の影響は一時的なもの、短期間で終わってしまうと見ています。
前期までは仕事が少なく、売上確保が一番の経営課題でしたが今期になって売上は増加したものの喜んでいられない状況になりました。というのは、下請け企業の宿命で納期や品質は厳守しなければならず、それができないと信頼関係を失ってしまいます。
ところが今期後半から急激な仕事量の増加で、製造現場では現状の生産能力をはるかに超えてしまいました。残業しても追い付かない作業時間を補うために派遣人員を大幅増加し、さらに自社で生産しきれないオーバーフローした仕事を外注先に依存せざる得なくなりました。
その結果、残業代、派遣代などの外注コストが大幅にアップすることになったのです。
決算報告会でこのことについてコメントさせて頂きましたが、材料費、外注加工費、派遣代などの変動費が大幅増加した結果、売上高から変動費を差し引いた限界利益が売上高の増加の伸びに対して、それほど増加しませんでした。言い換えれば売上高に対する限界利益率が、前期に比べ大幅に悪化したのです。
 したがって、売上高は増加したものの、肝心な利益はほとんど増えない業績となってしまいました。
「これほど限界利益率が大幅に悪化した中には赤字受注もあるはずである。」「その限界利益率悪化の原因の把握と、さらに今後に向けて原価管理の徹底化、現有勢力下での最適売上高の把握が必要」とコメントしました。
 取締役会を兼ねた決算報告会の席上、社長や各取締役から、「身の丈以上の仕事量の受注で現場が混乱したことは否めない。この反省を踏まえて今後は原価管理を徹底する」旨の発言が相次ぎました。

 売上高獲得も大事だが、原価管理はもっと重要です。特にこの企業においては受注毎に採算を把握分析していかなければ、赤字受注になってしまう。
 その仕事にどれだけの作業時間をかけられるかをあらかじめ決めておき、その時間内に仕事を完了させなければ利益が出ない。
一般的に中小企業においては現場で作業に従事するスタッフのコスト意識が低いこともあって日々の作業時間をITデータ化できていない。そのため管理者は適時に仕事ごとのコストを把握することができない。
しかし、予想外の受注があった時も、日々の作業時間の把握などタイムリーなコスト管理ができていればきちんと利益がだせるはずである。

ヨーロッパ中欧諸国の旅 オーストリア編 ザルツブルグ

投稿者 Bush吉田 2014年09月02日

 ザルツブルクに移動してきました。
モーツァルトが生まれたザルツブルクは人口15万人の美しい町です。
ザルツとは塩、ブルクは砦を意味し、旧市街地は世界遺産に登録されています。
ドイツとの国境付近のザルツァッハ川流域の、山に囲まれた観光・保養地です。
歴史は古く、7世紀ごろから古代ローマ帝国の商業地として発展したようです。
 ザルツブルクは今回の旅行の最後の行程で、以前から訪れてみたいと思っていた所でした。ホテルも奮発して3泊朝食付き122,000円(SACHER SALZBURG)にしました。「終わりよければ全てよし」にたとえ、旅の印象はホテルで左右されます。そしてこのザッハーホテルのドアマンは今までに見たことがない優しい微笑みに満ちた笑顔で、おじさんたち一行を迎え入れてくれ、大感激しました。またこのホテル、ヨーロッパの国王や元首、ダライラマや日本の天皇陛下も訪れており、世界中から訪れたVIPの記念写真が沢山飾られていました。

初日は旧市街地の散策、この町は全てにおいてモーツァルトだらけ、お土産物やチョコレートなどのお菓子もしかり、モーツァルト市と名前を変えてもおかしくないほどでした(笑)。滞在したホテルのすぐ近くのモーツァルトの生家では、モーツァルトの年譜がその作曲した音楽を聴けるようになっていたのですが、私は残念ながらクラシックには疎く、そのありがたみがわからなく、もったいないことをしました。
ただ、モーツァルトの等身大のパネルがあまりにも小さかったのには驚かされました。また、歴史に残る大作曲家にもかかわらず、生活に困窮していたことを知り、不思議でなりませんでした。わずか35年の短い生涯です。天才が早世するのはその才能のゆえに燃え尽きてしまうからでしょうか。

2日目はハルシュタットへの半日観光、日本からの予約が満員で断られ、個別にホテルで予約してもらった贅沢な3人の旅(600?)でした。天気にも恵まれて、運転手つきの高級車に身をゆだね、ハルシュタットの美しい湖畔に広がる町の風景を満喫しました。(写真)このハルシュタットは紀元前から岩塩の採掘としても有名で、この地の支配者の貴重な収入源にもなっていました。
また、ハルシュッタトは文化的景観として世界自然遺産にも登録されています。

中世までこの地を支配していたのは大司教(最盛期ディートリッヒ、シティクスが有名)で、当時の宮殿や教会はそのまま残されています。特にホーエンロルツブルグ城塞はザルツブルクのシンボルとなっています。中世ヨーロッパは王家が宗教を利用して国を支配するか、または宗教家が神の名において権威を掌握して王族のように民衆を支配し、贅沢三昧な生活を謳歌しています。中世封建時代、国は民のための仕組みでなく、支配者のための政治体制でした。
宮殿において当時の大司教の生活ぶりを見ると、軍事力も税も支配者のために使われたように思います。

そしてハルシュッタットからの帰路に、ハプスブルグ家の美貌のヒロイン「エリザベート皇后」が夏を過ごしたカイザーヴィラを訪れました。
このカイザーヴィラは、夫のヨーゼフ皇帝と水入らずに過ごし、息抜きの場だったようです。皇帝は狩猟が趣味で、大鹿、ヒグマ、イノシシなど何千もの剥製が保存されていました。
 その皇帝が獲った獣をエリザベート皇后の手料理で楽しんでいたそうです。皇帝夫妻もウィーンでの公の場では相当なプレッシャーとストレスに苛まれていたことでしょう。夏のバカンスが二人にとって人間性を取り戻すひと時だったのかもしれません。ちなみに、「エリザベート皇后」は年齢と共に美貌の衰えや過度のストレスが重なり、拒食症になり、中年以降は公の場にはめったに出てこなかったそうです。このような名家に生まれるのも運命、暗殺され悲劇的な最後を遂げるのも運命だったのかもしれません。

 この旅を通して、現在の平和で民主主義の世の中に生まれてきた幸運に感謝する気持ちが沸いてきました。(ヨーロッパ中欧の旅 終わり)

ヨーロッパ中欧諸国の旅 オーストリア編 ウィーン

投稿者 Bush吉田 2014年08月21日

オーストリアはアルプス山系に位置した山国で、人口は845万人と小さいが、自然が豊かで美しいところです。15世紀から第一世界大戦前まで、ハプスブルグ家が皇帝として君臨していた帝国は、現在のハンガリー、ボヘミア(チェコ西部、スロバキア)、ポーランド南部、スロベニア、クロアチア、ボスニア、ルーマニアの範囲でした。20世紀になり皇太子夫妻がボスニアのサラエボで暗殺され、それが第一次世界大戦のきっかけとなりオーストリア・ハンガリー帝国は敗戦、滅びました。その結果、かつての広大な領土を奪われ、続く第二次大戦下では、ナチスドイツに併合され、1955年にやっと共和制の永世中立国となりました。そんな厳しい歴史を背負っているにもかかわらず、一人当たりGDPは42,596USドル(2013年購買力平価)と日本の36,599USドルより高いのです。何とも不思議な国です。
オーストリアは世界に名の通った製品やブランドはありません。
繁栄の理由は分かりませんが、その歴史や文化、音楽の都としての名声から、世界中から人々が訪れ、観光業が国を支えているのかもしれません。
ウィーンはドナウ川流域に栄え、かつてハプスブルグ家が統治した中央ヨーロッパの文化の中心地として有名ですが、街は思ったほど大きくなく、人口も174万人ほどでした。街もトラムが網の目にように整備されており、観光客にとってウィーンの歴史的な見どころへ足を延ばすのにこのトラムが便利でした。
しかし、最初は乗り方や中心部を周回する路線が分からずウロウロしていると、中年のご婦人が近づいてきました。驚いたことに、このご婦人はわれわれと一緒にトラムに乗り込んでくれ、丁寧にいろいろと乗り方や乗換駅など教えてくれ、その親切さに大変、感激しました。
その他にも、こちらが観光客と知るとウィーンの市民はとても親切に案内してくれました。観光立国として、「おもてなしの心」が身についているのかもしれません。外国人を人見知りする日本人も見習うべきでしょう。
ウィーンでは通貨はユーロ(1?136円)で、消費税(VAT20%)もそうですが所得が高い国だけあって、さすがに物価は高く感じました。ウィーンのホテル代は2泊朝食付で89,800円(GRAND HOTEL WIEN)。内容の割には割高に思いました。食事はオーストリア料理が中心で、有名なヴィーナー・シュニッツェルをよく食べました。ルーツはミラノ風子牛のカツですがその大きさにはびっくりしました。(写真)カツの衣の味付けは店によってノウハウがあるのだそうです。日本人の口に合う美味しいものでした。
昼食は毎日簡単に、カフェでコーヒーとケーキで済ませていました。19世紀に開業したカフェ(グリーンシュタイドル)でコーヒーを注文すると、メイドさんにどの種類にするか?と聞かれ迷ってしまいました。種類とはコーヒーの豆のことではなくて、飲み方やクリームなどのアレンジ法などが沢山あるのです。この国のカフェの楽しみ方の歴史と文化を感じました。
意外なことに、ウィーン中心部ではCASINOと書いてある看板が街の中心部のいたるところにありました。中に入りませんでしたが、いま日本でも解禁するかどうか議論になっているカジノだと思います。カジノは王朝文化と交響楽などの音楽の都ウィーンとはそぐわないような気がしました。われわれ3人とも同じ印象で、文化より賭博による税収の確保が優先かよ・・・?
街へのイメージが若干後退しました。
次回へつづく。

ヨーロッパ中欧諸国の旅 ドイツ編

投稿者 Bush吉田 2014年08月13日

 ドイツ、ミュンヘンに移動しました。が、ここで少々がっかりしました。
ミュンヘン中央駅の近く、マリタイム・ミュンヘン(朝食付き17,800円)に一泊。まず驚いたこと、ホテル宿泊者は中国人と韓国人が多かったことです。ミュンヘンの中心部を散策してもそんな状況で、アジア唯一の先進国である日本人の存在感がありません。
 宿泊したホテルから旧市街の中心部にある有名なマリエン広場にそびえる新市庁舎(200年前建てられた新ゴシック建築「写真」)までは、メインストリーを歩いて30分ほどです。そんな観光名所のミュンヘンの中心部に、なんと乞食が50メートルごとにいるではありませんか。彼らをよく見るとどうもドイツ人ではなく、北アフリカ系や南ヨーロッパ系の人々のようです。ミュンヘン中央駅近くのホテル周辺も、夜に出歩くのは恐ろしい雰囲気でした。道端にうす汚いみすぼらしい身なりの若者が何時間もたむろしています。おやじ狩りに会うのではないかと気が気でありませんでした。
中心部のショッピングモールでも6月であったにもかかわらず、いたるところで50%OFFセールの張り紙が掲げられていました。セール中の店内は買い物客も少なく、閑散としていました。EUで一人勝ちしているはずのドイツのイメージがすっかり剥げ落ちてしまいました。
旅の楽しみの一つである食事も、豚肉やジャガイモなどが多く味も濃い目で全く口に合いません。有名なミュンヘン特産の巨大ジョッキに注がれたビールも苦く、チェコのビールのほうが美味く感じたのは私だけではありません。名物にもかかわらず残念に思いました。アルコールは弱いですが味覚は確かです。
 17世紀から20世紀初頭までバイエルン州(ミュンヘンは州都)を統治していた王家の宮殿に足を延ばしてみましたが、あまり面白いとは思いませんでした。ヨーロッパ封建時代の王家の館や暮らしぶりを見ても、少々食傷気味といったところです。ただこの王家はオーストリアハンガリー帝国ハプスブルグ王朝末期の「エリザベート皇后」のお里です。「エリザベート皇后」はその美貌と、テロリストによる暗殺と云う悲劇的な最期を遂げたことで有名な人です。ヨーロッパをはじめ、世界中でマリーアントワネットと同じで歴史上のヒロインとして未来永劫忘れ去られることはないのかもしれません。
「エリザベート皇后」については次回のオーストリア編で書きます。
翌日、国際列車でオーストリア、ザルツブルクに向かいました。車窓から見る南ドイツの田園風景は素晴らしいものでした。緑が豊富で、牧歌的な中に建てられている家々が田園にマッチして絵のような美しさです。これらの見事な建物や田園はどのように維持されているか?日本とは税制が異なって優遇されているのかもしれません。フランスもドイツも田舎が豊かで美しく感じます。
ミュンヘンからザルツブルクへは鉄道の旅がおすすめです。
次回へ続く。

中央ヨーロッパの旅 アウシュヴィッツ編

投稿者 Bush吉田 2014年07月31日

クラクフの翌日、この旅行の目的でもあった「アウシュビッツ強制収容所」を訪問しました。朝から寒い雨でまるで私の気持ちのような天気です。「アウシュビッツ強制収容所」は人間の歴史上の最大の汚点といってもよいでしょう。
私とH氏の二人でクラクフバスターミナルからオシフィエンチム行(アウシュビッツ博物館前)バスに乗り、約2時間の道のりでした。鉄道は乗り換えもあり不便です。旅行を共にしたK氏は当初からアウシュビッツには行かない選択をしていました。
K氏は広島と長崎の原爆記念館も訪れたことがなく、人それぞれ考え方も異なります。私たちの間ではお互いの思想や価値観を尊重しています。
 さて、「アウシュビッツ強制収容所」ですが、ここは世界遺産として博物館になっています。
あらかじめ日本を発つ前にメールで、日本人として唯一の公式ガイド中谷剛氏に予約をしていました。当日は日本人11名(男性5名女性6名)が集まり、あの有名な入口(ARBEIT MACHT FREI「働けば自由になる」)を通って、高圧電流が流れる有刺鉄線に囲まれた強制収容所に入っていきました。(写真)
 収容所の外観は整然としていて、ポプラの木や赤レンガ囚人棟が規則的に並んでいました。しかし、敷地内には、公開銃殺するためのコンクリート塀(死の壁)があり、また建物内部では拷問、人体実験、飢餓、虐殺などあらゆる残虐行為が実際に行われていたのです。
犠牲者の数は約110万人と記録されています。ユダヤ人100万人、ポーランド人7万人、ジプシー2万人、ソ連軍の捕虜その他2万人、と資料には記載されています。施設内には犠牲者の遺品が山積みになって陳列されていました。
衝撃的だったのは、2トンもの山積みの女性の髪の毛、名入りのトランク、メガネ、義足類や靴などです。特に靴の山に子供用の赤い靴が目に留まり、涙が流れました。また、大量殺人に利用されたガス室は、半地下構造の第一死体焼却場の中にありました。(写真)ガス室はコンクリート作りで内部の壁が真っ黒になっていました。暗い中でよく見ると、壁には無数の爪のひっかき傷のような筋がいたるところに残っていました。
ガイドさんによると天井から毒ガスが入れられて、15分間密閉されると語っていました。思わず絶句しました・・・。
午後にはビルケナウ第二強制収容所にバスで移動しました。ナチスがもっと大量に殺戮するために作った殺人工場です。第一強制収容所より規模が大きく、鉄道がそのまま「死の門」と呼ばれるレンガ造りの門を通って、ユダヤ人などを運ぶのです。(写真)以前観たスピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」で、特徴のあるレンガ造り門が映し出されたのをよく覚えています。
SS(ナチス親衛隊)に強制的に連れてこられた人々は、場内に入ると医師によって選別されるそうです。働けない子供や老人、病人はプラットホームからそのまま「ガス室」へ連れて行かれます。
ガス室に連行される人々は追い詰められた状況でどんな想いを抱いていたのでしょうか?また、家族がそれぞれ選別されて引き離され、親は子供がガス室へ連れて行かれる後ろ姿を見て何を思ったでしょうか?言葉がありません。
「本人に何の落ち度もないのにもかかわらず、云われなき虐待を受けるのです。」人類の歴史で決してあってはならない不条理です。

広島や長崎の原爆記念館を訪れた時にも思ったことですが、戦闘員でもない一般市民が一発の原爆で何十万人も虐殺された事実に、米国に対して大いなる不条理と憤りを感じました。今回「アウシュビッツ強制収容所」へ足を運び、実際に虐殺された現場に来て感じたことは「人間の恐ろしさ」です。
 たった70年前人類が実際に行った出来事です。平和の今を生きるわれわれはこの歴史から決して目を背けてはならないと思います。

最後にガイド中谷氏は、「われわれは、見て見ぬふりをする無関心な傍観者になってはならない。」とも語っておられました。
当時のドイツは世界第一次大戦の敗戦により、莫大な賠償金を負担することになり国民生活は疲弊していました。そんな時、強いドイツを取り戻そうとファシズムに影響を受けたヒットラーが率いるナチス党が台頭し始めたのです。
彼はゲルマン民族が最も優秀であると主張し、勤勉で成功者が多いユダヤ人を抹殺し、他国の豊かな大地を獲得することこそが、豊かで誇り高いドイツを取り戻せると訴えかけたのです。多くのドイツ人が苦しい生活を送る中で、雄弁なヒットラーは豊かな夢とナショナリズムに火をつけたのです。ちなみに、国内でナチスを積極的に支持した有権者はたった30%だったそうですが、時の勢いで一党独裁政権が成立しました。また、ユダヤ人などの虐殺はヨーロッパ人にとって他人事だったのでしょうか、このような不条理を止めようとしませんでした。
多くのヨーロッパ人は傍観者だったからです。

自国の誇りや他民族をやたら非難してナショナリズムを煽るバランス感覚を失った為政者はどこででも、どんな時代でも現れます。
歴史がわれわれに人間の恐ろしさを教えています。

中央ヨーロッパの旅 ポーランド・クラクフ編

投稿者 Bush吉田 2014年07月25日

 ポーランドのクラクフは京都にもたとえられる街で、その歴史地区は世界遺産に登録されています。ポーランドは第二次大戦時に西側をドイツに、東側をソビエト連邦に侵略され、ワルシャワをはじめ多くの都市が破壊されました。しかし、クラクフはドイツ軍の司令部が置かれたことから戦火を免れたそうです。
 そんなわけで歴史地区の街並みは中世のまま、神聖ローマ帝国時代からクラクフは中欧の中心都市の一つだったそうです。そしてこの美しい街並みに世界中から観光客が訪れています。(写真)
ポーランドは2004年EUに加盟していますが、チェコと同じく通貨はユーロではありません。1グロシュが30円程度で物価は安いと感じました。ちなみにホテル代は外資系ビジネス高級ホテル(HILTON GARDEN INN KRAKOW)で朝食付き2泊で28,000円でした。
最近のポーランド経済は高度成長しているそうです。一人当たりのGDPはEU加盟後2004年12,698USドルから2014年22,201USドルと倍増しています(購買力平価換算)。ちなみに、クラクフ空港も新しいターミナルを建設中、空港から市街地への高速道路も工事中、インフラ整備もこれからと言ったところでしょうか。
 街並み同様に素晴らしいのが女性の美しさです。若い女性や女児は色白で、まるでお人形のようです。ただし、中年になるとほとんどが太ってビア樽のようになってしまいます(笑)。
 この旅行中、サッカーワールドカップの開催期間でした。ポーランドでもスポーツバーに多くの人々が集まって盛り上がっていました。
 歴史地区散策後、夕食をミシュラン一つ星レストランで楽しんでいると、近くにあるスポーツバーから多くの人々が出てきました。しかし、その人たちの様子が変です。両手を上げて歓喜の声を上げている人もいれば、泣き崩れている人もいます。ただのサッカーファンとは思えません。そこでレストランのスタッフの聞いてみたところ、肩をすくめて「トトカルチョ」と教えてくれました。「トトカルチョ」とは、プロサッカーの勝敗を予想する賭博です。
彼らはよほど大きなお金をサッカー競技に賭けたのでしょうか?レストランの前で大泣きに泣いている人の様子を見て、レストランで演奏していたミュージシャンがニヤリとして「葬送行進曲」のイントロを演奏曲にアレンジしていました(笑)
次回、アウシュヴィッツ編へつづく

中央ヨーロッパ諸国の旅 チェコ編

投稿者 Bush吉田 2014年07月15日

 6月24日から7月6日まで、中央ヨーロッパのチェコ、ポーランド、ドイツとオーストリアの4か国に行ってきました。
毎年恒例のおじさんたちの海外旅行、今回は大変有意義なものでした。そこで、それぞれの国や都市で感じたことを国別にまとめてみました。
今回、最もインパクトがあったのはポーランド、アウシュビッツ強制収容所でした。人類史上の汚点とも云える、不条理な残虐行為がたった70年前に行われた場所です。次回のポーランド編で私の思いを詳しく書きます。

 まず、ウイーン経由でチェコのプラハに到着、待ち時間を含めると17時間(時差7時間)のフライトでもう、くたくた。プラハ中心部のカレル橋近くのホテル(LEONARDO PRAGUE)にやっと着き、屋根裏のような造りの部屋でシャワーを浴びて爆睡しました。チェコではこのホテルに3泊。ちなみに3泊朝食付きで59,400円です。チェコの一人あたりのGDPは購買力平価ベースで28,086USドル(日本38,053USドル)からするとリーズナブルな料金かもしれません。日本の消費税に当たるVATは9?19%の内税です。
 このホテルは世界遺産の歴史地区の中にあり、見どころまで徒歩で行けました。ホテルでもらった市内地図を頼りにおじさん三人でぶらぶら散策、気になった店に入ってみたものの、お土産屋さんはどれも同じようなもので買う気になれませんでした。ロシアのくるみ割り人形を売っている店が多くありましたが、1989年まで東側圏でロシア系の方も多く居るのかもしれません。ボヘミアングラスも多く売られていましたが、重く割れやすいので遠慮しておきました。一緒に行ったH氏は美術品や骨董品に興味があります。市内にはこのような店は多く、絵画や工芸品は日本より安く面白いものがあるそうで、アンティーク好きにはたまらない都市なようです。ちなみに骨董品にはVATは課税されません。

プラハは本当に美しい街で、中世の街並みそのものでどこを見ても絵になります。特にカレル橋からプラハ城の眺めは最高でした。(写真)
食事は豚肉の煮込み料理が多く、はっきり言ってあまりおいしいとは思いませんでした。ドイツやイギリスと同じく、食材が豊富ではなく食文化が花開かなかったのかもしれません。同じヨーロッパでもイタリア、スペイン、フランスとは大違いです。ただし、ビールは美味しく日本人の味覚には合っています。それもそのはず、日本のビールのルーツはチェコと聞きました。ちなみにアメリカの大手ビール、バドワイザーはチェコが源流だそうです。ミネラルウォーターよりビール(大ジョッキ200円)の方が安く、あまりアルコールが得意でない私でも食事の時は毎回ビールを注文しました。特にダークビール(日本の黒ビール)はものすごく口当たりがよく美味しかったです。
チェコ2日目は、チェスキークルムロフに一日観光に行ってきました。ホテルで前日に予約を入れた英語ガイド昼食付のバス旅行です。参加者はオーストラリア人、ドイツ人、フランス人、アメリカ人、日本人と国際色豊かでした。プラハから南へ2時間半、オーストリアとの国境近くにある世界遺産の美しい小さな町です。(写真)旧市街地は大きく屈折した川に抱かれ、谷の向こうにその町を見下ろすように城がそびえ立っており、中世そのままの街並みの美しさはお伽の国のようで、世界中から観光客が集まる場所です。
チェスキークルムロフ城は13世紀の貴族によって建てられたとか。城内の左右の入口窪地に大きなヒグマがうろついていました。この城のお守りなのでしょうか。城内にもヒグマの剥製がいたるところに置かれていました。

ガイドが社会主義時代のロシア人の蛮行を非難するようなこと?を語っていました。英語なのではっきりしたことが分かりませんが、確かに1968年のチェコの民主化運動『プラハの春』をソ連の武力介入で弾圧した過去があります。その後1989年に共産党の独裁体制が崩壊して、自由な民主主義国家になっています。第二次大戦時にはドイツに侵略され併合されています。ドイツの敗戦後、独立国?としてチェコスロバキアは復活しましたが、ソ連の社会主義体制が押し付けられました。この国の過去の歴史は決して恵まれているとは思いませんが、EU加盟後リーマンショックまでは経済が成長していたのが、ここにきて少し低迷気味だそうです。
チェコでは、日本であまり見かけない自動車「シュコダ」が多く走っていました。タクシーの運転手に聞いたところ、メイド・イン・チェコと嬉しそうに話していました。ドイツのフォルクス・ワーゲンの子会社です。ドイツとチェコとの関係も決して平たんではありませんでしたが、チェコナンバーワンの自動車会社がドイツの資本を受け入れています。日韓関係がぎくしゃくしている東アジアと違い、ヨーロッパは大人の国々なのでしょうか。うらやましく思いました。
またチェコでは表現の自由がすごいと思いました。このチェスキークルムロフへの途中、トイレ休憩で高速道路(フリーウエイ)の売店での話です。雑誌をぱらぱらとめくっていると日本では禁断のポルノそのものの写真がさりげなく印刷されていました。びっくりした私が皆に言うと、K氏は「本当かよ!?・・・」と雑誌を手にして、しげしげと眺め始めました。
日本人のおじさんとしては恥ずかしくなりましたが、外人観光客はどうどうと平然とそんなポルノ雑誌?を見ていました。これも文化の違いでしょうか。(笑)
そんなこんなで2日目終了。
次回へ続く。

「集団的自衛権」

投稿者 Bush吉田 2014年06月23日

 最近「集団的自衛権」についてよく議論がされています。
そんな中、先日、家族から「これって何のことかよく分からない…」と云われました。
私は「集団的自衛権」については正直、嫌な予感がしてなりません。
日本国憲法9条「戦争放棄」の基本理念は尊重すべきではないかと考えています。日本は幸いなことにこの60年間平和でした。歴史的に米ソ東西冷戦下でも、日米安保条約の下、日本は西側陣営(市場主義、民主主義)に所属していました。
さて、私なりに「集団的自衛権」について考えてみました。「集団的」とは日本と同盟関係にある国(アメリカ)を含めての自衛権と解釈しています。そうすると、もしアメリカが他国と戦争状態になったら、日本も一緒に戦うということになると思います。
従来から憲法9条下においても、国際連合憲章51条「自衛権」に基づき日本が他国から侵略を受けたら、自衛隊(軍隊)が自衛権を行使ができるのは国際ルールとして当然認められています。
 そもそも「日米安保条約」がすでに存在し、日本国内(沖縄県、神奈川県など)に米軍の基地があって、その経費も日本が7割負担しています。その見返りに、もし日本が他国から侵略されたら米軍が守ってくれる一種の片務契約であると云われています。
 すなわち、米軍に一方的に義務だけを負わせたおかしい条約であると語る識者もいます。しかし、私はそうは思いません。
世界であまり例がありませんが、国の領地に外国軍を治外法権として認めているところもあります。この基地エリアはいわゆる植民地と同じ扱いです。さらに米軍駐留コストの7割も日本が負担しています。ですから経済的には米軍もメリットを受けていることになり、一方的な義務を負わせても仕方がないのです。言い換えれば、コストを払って用心棒を抱えているようなものでしょう。またアメリカにとってもメリットがあります。アメリカの極東地区における影響力(特に東西冷戦期)を最大限に発揮できるからです。つまりパワー(武力)のキーステーション(基地)として最高のロケーションで安いコストで運営できるからです。

 しかし、東西冷戦後の世界でこの条約は機能するのでしょうか?現実はそう甘くないように感じています。
最近のアメリカの政府高官からは、日本が侵略された場合、本当に守ってくれないのではないか?ともとれる発言が飛び出しています。例えば、尖閣諸島について日本の施政権は認めるが領有権問題は別だと言う、その本音は中国軍に占領侵略されても中国との戦いはやりたくないということです。ですから日本が中国や周辺諸国とトラブルになるのは迷惑で、突発的にも戦争はするなよというメッセ―ジを発しているのです。
 ただでさえ、アメリカは9.11テロで当時のブッシュ大統領が逆上し、イラク戦争を引き起こし多くの若者を死なせ、また莫大な戦費で国家予算が疲弊し、いわゆる「間違った戦争」をしてしましました。その結果、ドルの通貨安と原油高で共和党は敗れました。これに懲りてアメリカは好きだった戦争をしなくなりました。
仮に日中の有事になっても、アメリカは日本が同盟国であっても本気で戦うことはないでしょう。アメリカにとってこの戦争は何のメリットもありません。まして、好きでもない日本(過去に戦時中とはいえど原爆を投下して何十万人もの一般市民を殺した国)のために戦争はしないと見るべきでしょう。

日米安保条約は、東西冷戦時代には日本の基地はアメリカ本土の防波堤として必要だったでしょうが、今の時代は地政学的にも変化しています。政府は北朝鮮や中国を仮想敵国と考えて「集団的自衛権」の必要性を強調しているのでしょうか。アメリカに歩み寄ったつもりで「集団的自衛権」をもっても、喧嘩が弱くなった?アメリカ軍は日本のために本気で戦ってくれるとは思いません。

一方、正直で真面目な日本は集団的自衛権をもった場合、自衛隊はウクライナやイラクへアメリカ軍が出兵したら、同盟軍の一員としてロシアやアルカイダとの戦いに武力として派兵することになるでしょう。そうなれば、極東の日米情報基地である三沢基地はロシアに先制攻撃される可能性が出てきます(戦争の定石として情報網の破壊)。アルカイダは本気で日本にテロを仕掛けてくるでしょう。世界的に有名な新幹線が真っ先に標的になると思います。

「集団的自衛権」は中国、韓国、北朝鮮、ロシアなどが警戒しています。周辺国に対して刺激しないことが常識ある大人のやり方でしょう。
 靖国神社(A級戦犯を祭祀)参拝、「集団的自衛権」(憲法9条の拡大解釈)にしても、ただでさえ関係がぎくしゃくしている相手国がどう思うでしょうか?人間関係でもそうですが、相手が嫌がること繰り返すと相互の信頼や尊敬は得られるはずはありません。自己のこだわりや信念を貫くことは国の代表する者としてはいかがなものでしょうか?
ですから今、「集団的自衛権」の本質、つまり日本がアメリカと共に戦争に参加する可能性があるということを国民にはっきり伝えなければならないはずです。政府は本質をわざと言わずに、枝葉末節の例を示して誤魔化しています。
たった70年前、日本は何百万人も犠牲にした無謀で間違った戦争を行った歴史があります。ですから、余計慎重に臨んで欲しいのです。
「集団的自衛権」は国民の運命を左右する、戦争と平和に係ることです。

経営改善支援の話

投稿者 Bush吉田 2014年06月16日

 先日、クライアント経営者とそのメイン銀行の担当者が事務所を訪れました。
その会社は現在、銀行借入金の返済猶予を受けています。金融円滑化法が昨年3月に終了してから1年以上が経過しています。そこでメイン銀行の呼びかけで、元本返済をどうしていくか、クライアントと顧問会計事務所の三者による打ち合わせとなりました。
 元本返済可能額の算定にあたっては、今後5年間の経営改善計画を策定して無理のない?返済額にする必要があります。今後5年間の予想変動損益計算書、予想キャッシュフロー計算書、予想貸借対照表をTKC継続MASシステムで作成して判断していきます。そこで、社長が用意されていた将来の経営像を計画書にまとめます。例えば、得意先別売上高、設備投資計画、人員計画、経費などの予測をお聞きし、データとして処理していきます。
 このクライアント経営者はかなり明確な目標を掲げており、具体的な数値をほぼ把握していました。したがって、銀行が要求している経営改善計画書に私ども会計事務所がサポートしていくのは比較的スムーズにいくでしょう。
経営者が経営計画書の重要性を認めていて本当によかったと思います。

経営者の中には、将来のことは「やってみなければ分からないから、計画など必要ない・・・」と考えている方も少なくありません。そのようにお考えの経営者は将来の計画を語ってくれません(語られない)から、経営改善計画を作ることは大変です。中には「銀行が言うならしょうがない、先生の方で適当に作っておいて・・・」という方もいます。まさに絵に描いた餅のような経営改善計画書になってしまいます。そうですと取引銀行などからの質疑応答に対しても、説得力を欠くことになります。
さて、話を戻して今回の打ち合わせですが、私どもからクライアントと金融機関にご案内した点がありました。わが事務所が中小企業経営力強化支援法の基づく「認定支援機関」(経営革新等支援機関)になっていることです。したがって、今回の件を財務省・経済産業局・経営革新等支援機関による「経営改善支援制度」を活用することで、以下のような恩典を受けられる旨を説明しました。
まず、当事務所から「経営改善支援センター」へ相談を行います。
経済産業局に利用申請書を提出。その審査が通ると、?「取引銀行からの金融支援(借入条件変更・借換・借入金一本化・新規融資等)を受けられること」?「支援機関に支払う支援費用の3分の2の補助金(上限200万円)が国から受けられること」です。

経営改善や再生でポイントを上げさせていただくと、キャッシュフロー計算書で営業キャッシュフローがプラス(黒字)でなければならないことです。そうでなければ「事業の継続」も「借入金の元本返済」もできません。
金融円滑化法が終了後、アベノミクスの効果で経済が好転?したとの政府の景気判断からでしょうか、今までと異なり中小企業がどんな経営状態でも先延ばししてくれる、ということはなくなるです。
そんな時代の流れから、取引銀行も返済目途が立たない融資先は切り捨ててくるはずです。

最後に、営業キャッシュフローの赤字が続き、将来回復の兆しを見いだせなければ、経営者は勇気ある撤退(廃業)の決断をしなければなりません。
見込みのないビジネスにしがみついて精根尽きるより、新たなビジネスモデルに再挑戦できる環境やエネルギーを残すべきだと考えております。
また、今までと異なり、日本も失敗してもすぐに立ち直ることができ、新たな挑戦がしやすい社会環境になってほしいものです。

大手企業と中小企業の業績の構造的な違い大手企業と中小企業の業績の構造的な違い

投稿者 Bush吉田 2014年06月03日

 業務が集中する3月決算法人の決算申告が終わり、やれやれだ。
確か…昨年も同じようなことをいったような…。
今年の決算状況を述べると、良いところとそうでないところとまちまちです。
大きくは公共事業や消費税駆け込み需要に何らかの形で関わっているところは数字が良くなっています。建設業、トラック建設機械メーカーなどは好調でした。
しかし、業績が相変わらず低迷しているクライアントも少なくありません。
日経新聞、大手企業の決算発表では連日のように増収増益の記事が掲載されていますが、中小企業の業績はというと相変わらず厳しいところが多く、新聞記事は別世界の話のようです。
 では、日経新聞の記事が誇張かというと、必ずしもそうではありません。
私は日本を代表する総合商社の株主になっています。先日、定時株主総会招集通知を受取り、決算内容を検討しました。確かにここ4年間で平成26年3月期は過去最高の当期純利益(一株当たり)でした。嬉しいことに配当金も増額されるようです。
 それではなぜこのような増益になったのかを決算書で分析してみました。
話を単純化するため単体決算書(財務報告は連結決算が主になっていますが)の損益計算書について解説します。前期に比べ、売上高は微減、売上総利益も減益、営業利益は何と損失で前期より悪化しています。増配するまで利益を稼いだ原因は何か、それは受取配当金と投資有価証券売却益の大幅増加で当期純利益が増益になったからだったのです。
 総合商社ですから、世界中で子会社や関係会社を多く所有し支配下に置いています。受取配当金や投資有価証券売却益のほとんどが支配下にある関係会社の儲けを吸い上げたものです。ここで分かることはこのようなグローバルな展開をしている大手企業は純利益のほとんどを国内でなく、海外で稼いでいるということです。
 もちろん、トヨタ自動車などもそうですが日本を代表する大手企業は海外で稼いで、今期は増収増益になっています。ちなみにトヨタ自動車の年間生産台数は約900万台で、国内で生産しているのはたった400万台です。日産自動車やホンダ技研工業では、海外生産割合はもっと高いものとなっています。このようにいわゆるグローバルな大手企業は世界中で子会社等を所有支配しています。そして子会社等から儲けを受取配当金として上納させて日本にある本社の純利益を増やしているのです。
 ですから、大手企業がいくら増収増益になっても、日本国内では仕事がほとんど増えない構造になっています。
 一部に日経新聞の記事を見て、今後は国内でも仕事が増えると期待する向きもありますが、大手企業の多くがグローバル化して海外展開を行っています。したがって、一昔前のように大手企業の景気が良くなると中小下請け企業もタイムラグがあるものの、良くなってくるという時代ではなくなっています。

 税務上も企業が海外展開を促進する仕組みになっています。
まず、日本は法人税率が国際的に割高であるため、法人税コストを抑えるため税率の低い国で稼いだ方が有利です。今、盛んに税制調査会で法人税率引き下げの議論をしていますが、どうも遅きに失しているように思います。力のある企業はもうとっくに海外へ拠点を移し終わっています。
 さらに、外国子会社からの受取配当金は日本の法人税法上有利な恩典があります。外国子会社から儲けを吸い上げても95%相当は課税所得になりません。
ですから平成21年税制改正(外国子会社で平成22年4月以降開始事業年度で確定した配当金を受取った場合)で、海外の子会社から資金が還流するようになって、大手企業の手元資金が67兆円にも膨れ上がっています。

最後に欲張りな株主のつぶやき…、成長分野への投資計画が具体化していなければもっと配当金を多く増やすか、株式市場から自社株買いを行って、一株当たりの価値を上げてもらいたいものです(笑)。

増税前に、まず政治家のリストラを・・・

投稿者 Bush吉田 2014年05月13日

 今年4月から消費税が5%から8%に増税され、さらに来年平成27年10月には8%から10%に増税が予定されています。
 4月の増税後、クライアントの月次損益計算書を見てみるとやはり前年4月に比べ売上が減少しています。これは増税前3月の駆け込み需要の反動によるものです。今後の売上予想について、経営者に聞くと増税前の駆け込み需要が想定していた以上に多く、しばらくはその反動で売上は低迷したままではないかとの答えが返ってきます。中小企業にとって消費税増税は思っていた以上に業績に大きな影響を与えています。
さらに来年10月、8%から10%に増税がされた時には経営にかなり大きなダメージを与えるように思います。日経新聞のほとんどの上場会社の決算発表は、平成26年3月期は前期を大幅に上回る増収増益の決算です。しかし来期平成27年3月期の予想では減収減益が予想されています。
 早くも株式相場にその兆候が表れ、日本の株式相場は欧米と異なってさえない動きをしています。株式相場は経済の先行きを示す指標。ちなみに日経平均株価をみると、今年の高値16,121.45円(1月8日)以降じりじりと下がって、5月9日現在14,199.59円。消費税増税による影響や、アベノミクスの成長戦略に失望した売りとも云われています。

 私は過去にブログでも述べてきましたが、消費税改正について政府はまずやるべきことをやってからでないと増税すべきではありません。
 それは国民に広く負担を求める前に、まず国のリーダーたちが身を切るような自己改革を実行しなければ説得力がないからです。
 具体的には、衆議院参議院の国会議員定数の削減をきっちり行うことです。
国会議員定数は衆議院が480名、参議院が242名です。失礼な言い方かもしれませんが、軽薄なタレントなど常識や知見を全く備えていないとんでもない議員もいます。また政党を風見鶏のよう渡り歩くばかりで何のポリシーも持たない、ただ当選だけを目指す職業議員もいます。また親の地盤を引き継いでいる二世議員も多く、政治が家業のようになっています。いわゆる政治で飯を食う人たちです。
 日本の国会議員は人口当たりの人数が米国の3倍もいて多過ぎます。
一時、定数削減50名が民主党や自民党のマニュフェストに謳われましたが、結果は5名削減と議員歳費を2割削減することで、中途半端に折り合ってしまいました。ちなみに国は国会議員一人に2億円の支出を負担しています。
 政治家が国民の信頼を得るには、定数を半数に削減するぐらいの身を切るリストラを行わなければなりません。そうでもしなければ増税にも全く説得力がありません。本当に国や国民を思い、資質があり、わが身を捨てられる真の政治家が出てこなければこの国は衰退していくように思います。
追記:2013年以降は、小選挙区の格差是正で5減され、480名→475名になる予定(・・)です。

相続税の大増税時代「他人事ではありません」

投稿者 Bush吉田 2014年05月08日

 最近、クライアント以外の方から相続税シミュレーションや相続税申告書の作成に関する依頼が多くなりました。
もちろん、依頼者は今まで会計事務所に縁のなかったごくごく普通の方々です。
いままで長く顧問契約してきたクライアントとは異なり、財産の把握が難しいのが現状です。

そんな中、特に注意していることは、配偶者や子供、孫などの家族名義の財産です。例えば、奥様や子供名義の預金がある場合、その財産がどのように蓄積されてきたのか?
配偶者や子供が過去に働いていた、または贈与を受けていた、過去に実家から相続を受けていたなど、具体的に説明ができれば何ら問題はありません。
しかし、当局が認めるような証拠がなければ、名義が家族であっても実質的な所有者(資産所有者や所得を稼いでいた者)のものとされてしまいます。
特に長年にわたって貯積されていると誤解されやすいものです。
苦楽を共にして、同じ家計でやってきたのに相続税を課税されるのはおかしいのでは…?との疑問にわれわれは税務否認のリスクと税制上の配偶者の税額軽減があることを説明しています。

また、贈与を受けていてもその口座を本人が知らず、管理もしていないケースもあります。特に子供への贈与では要注意です。
口座の所有の認識や通帳や印鑑の保管状況についてもお尋ねしています。
また贈与額を110万円以内にして贈与税の申告をしていないケースもよく見かけますが、公証人役場の確定日付のある贈与契約書でもあればまだしも、それもやっていないのがほとんどです。せめて110万1千円を口座振替で行い、100円でも納付していればよいのですが、それもないようなケースでは要注意です。

相続税のシミュレーションを要望される方は、平成27年度から相続税法改正で一体どうなるのか?相続税の申告について心配されています。
相続税申告の基礎控除は5千万円から3千万円へ、相続人一人当たり1千万円から6百万円と40%も大幅に減額となります。
 この改正により、相続税を申告しなければならない方が100人のうち4人から6?7人に増加するとも云われ、この首都圏周辺ではもっと増加が予想されています。
まさに一部の資産家が対象だった相続税から小金持ちも対象とした税になろうとしています。
そもそも相続税は日露戦争時の戦費調達のための臨時税制として大資産家に課税したものが、いつの間にか恒久化して税制の大きな柱になりました。
広く世界を見渡すと、相続税そのものが無い国も存在しますが、日本は資産の再分配、格差是正の思想からそれとは逆の方向に行こうとしています。

最近、相続により取得した不動産の譲渡益課税の取扱いが裁判になっています。納税者の主張は、不動産を譲渡したときの取得費は、相続時の評価額である(つまり被相続人が保有している間の含み益は相続税で課税済みであり、相続人がその不動産を譲渡するときの取得費は相続税評価額でなければ、相続税と所得税の二重課税が生じてしまう)というものです。
もちろん、当局側は相続で取得した不動産であったとしてもその取得費は相続税評価額ではなく、実際にその不動産を取得した時の価額だとしています。
この不動産譲渡について一審東京地裁、二審東京高裁とも納税者が敗訴し、最高裁に上告され、はたして最高裁がどのような判断を示すのか注目されています。
先の生命保険契約に基づく年金受給権について、平成22年最高裁判決で年金受給権現在価値は相続税で課税済み、その部分は受給時に所得税を課すのは二重課税になっているとの判断を示しています。夫に先立たれた女性の納税者が国を負かして勝訴しています。

 さて話を元に戻しましょう。
一般的に相続で注意しなければならないのは二次相続をも視野に入れて遺産分割を行うことです。一次相続だけでなく二次相続をも考慮に入れた試算しておくことをお勧めしています。
また、財産が不動産に偏っており金融資産が少ない場合は大変です。納税のため、あるいは遺産分割で揉めて自宅を売却しなければならないようなケースも時々見られるようになりました。
 いよいよ、平成27年度から相続税の大増税時代になります。
入念で計画的な準備を怠りなく、相続税は他人事ではなくなってきました。

IPS細胞の山中教授が深々とお詫びしたが・・・

投稿者 Bush吉田 2014年04月30日

 先日、iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中教授が記者会見を行っていました。

かつて発表した論文の画像が不自然との指摘に対して再調査を行った結果についての会見であった。
私はTVのニュース番組で世界的な学者が深々と頭を下げてお詫びしている姿を目にして、何とも残念に思いました。今から14年も前の2000年に発表した論文が何故今更このような問題になったのか?
それは日本のインターネットサイト上で疑問点を指摘されたことからだった。私はこれには世界が認める研究成果のある人間へ、一部のミス?を取り上げてケチをつけているようで意地の悪さを感じてならない。
 成功者への妬みなのでしょうか、日本人はいつからこんなに狭隘な心になったのでしょうか?
何ともやりきれない気持ちです。

そして同じようなSTAP細胞の論文に対する小保方氏の記者会見での場面も忘れられません。仮に論文に問題があったにせよ、マスメディアからの質問は何とも悪意に満ちたもので、誰一人として氏を励まし、エールを送るような発言がありませんでした。氏は涙を浮かべながらSTAP細胞の存在を説明していましたが、記者たちはそれにはほとんど反応せず、論文が問題であることへの言質をのみを取りあげ、そのことだけに関心を示していたように見えました。
 まだ若く、これから大きな可能性がある学者をこのように追い込み、まるで嘘つきでとんでもない人間であるかのようなマスコミの報道ぶりには腹立たしく思いました。
こんなことでは研究者は思い切った発想の論文は怖くて書けなくなり、将来を背負って立つ発想豊かな有能な学者は日本で育たないでしょう。

このような報道ぶりから思うに問題の本質はマスメディアの姿勢にあるのではないかと思います。日本のマスメディアは物事の本質を中立な立場で捉えることなく、力や権力のある声を代弁するだけです。
さらみ良い時にはまるで英雄か時代の寵児になったかのように持ち上げますが、一旦ミスや間違いを犯すと、とことん痛め付けるような残酷な面があります。マスメディアの影響力の大きさは計り知れず、ターゲットになった人はたまりません。
TVによく出演している方がこぼしていましたが、TVはあらかじめ記事内容が構成されていて、出演者の発言を上手に切り貼りして利用するようです。実際の報道は本人の発言趣旨と全く異なり、彼らのシナリオ通り編集され情報発信がされます。
その方からは「マスメディアのインタビューには絶対に応じない方が良いよ」と忠告されました。

マスメディアは勉強不足で残酷なもの、とある評論家が語っていましたが、まさに至言ではないでしょうか。
そういえば先の大戦時に、ある新聞社は軍部に協力し戦意高揚キャンペーンを大々的に行いました。取り返しのつかない愚かな戦争の一端を担いました。マスコミは国民を先導して煽りまくった負の教訓や責任を全く反省していないのではないでしょうか?

産業競争力強化法と税制措置

投稿者 Bush吉田 2014年04月22日

 会計事務所の本業から観察すると、中小企業の決算はだいぶ好転してきたように思われます。この2月決算を見ても、前半は仕事が少なくて雇用助成金の給付を受けていた企業が、後半には急激に仕事が増加して残業しなければこなせなくなってきたところが出てきています。そんなクライアント経営者に来期以降の見通しを聞いたところ、すでに先行きの受注に引き合いが多く寄せられているとか・・・。これから3年間はかなりの手ごたえを感じているようでした。全般的には景気は好転してきているように思います。
 また、ある高級車販売会社の知り合いに聞いたところ、消費税増税後も相変わらず受注が好調で、生産が間に合わず納車に一年以上待たされるとの事でした。個人消費もそこそこ好転しているようです。
もっとも、4月に入って株式市場の勢いが低迷しているのが気になるところです。アベノミクスが株高幻想で、実体経済は良くならないのではないかとの意見もあるからです。

 今年の税制改正の目玉は「生産性向上設備促進税制」です。
平成26年3月20日に可決成立した税制改正案に先立って、1月20日に「産業競争力強化法」が施行されています。「産業競争力強化法」はアベノミクス第三の矢である成長戦略をより確実に推進するための法律です。
 「生産性向上設備促進税制」は「産業競争力強化法」に基づく税制です。
その内容は、新しく一定のA先端設備か、B生産ラインやオペレーションの改善に資する設備を平成26年1月20日から平成28年3月31日までに取得し事業に使用し始めれば、取得価額全額を即時償却するか一定の税額控除の恩典を受けることができるというものです。なお、平成28年4月1日から29年3月31日まではその恩典が半減等されてしますので、早目の投資が有利になります。
 この税制の特徴は、適用できる業種が幅広く、規模に縛りがないことです。また、取得等をする資産に最低取得金額の定めがありますが、上限がありません。
極端に言えば、何億円、何十億円でも構わないことになっています。
 A先端設備については減価償却資産の種類によって対象となる用途や細目が決められています。さらにそれぞれが?最新モデルの新品であること、生産性が年平均1%以上向上していること、最低取得価額以上(上限金額なし)であること、設備メーカーからの証明書が必要なことなどが要件になっています。
 B生産ラインやオペレーションの改善に資する設備については全ての減価償却資産が対象になりますが、その投資は事業者の投資目的を達成するのに不可欠なもので、投資計画における投資利益率が年平均15%(中小企業等5%)以上であること、?取得等までに経済産業局の確認が必要なこと、?最低取得価額以上であることなどが要件になっています。
 いずれにしても、思い切った投資減税です。
儲かっていて資金が豊富な企業には何ともありがたい減税措置です。

ただ残念なことは、経済産業局に取得等前までに「確認」が必要なことです。この手続きが面倒です。取得等をする事業者は公認会計士や税理士に投資計画における投資利益率の適否を確認してもらい経済産業局に申請書を提出します。経済産業局は提出された申請書で、更に内容を「確認」することになっています。
 経済産業局の申請書の「確認」は書面上のチェックだけなのでしょうか?主務官庁の「認可」や「許可」となっていないのが何とも不思議です。
だとすれば、「投資計画の申請書」の「確認」は経済産業局の仕事を作り出しているともいえるのかもしれません。
新たな制度は役人の存在感を高めるためるために必要なのでしょうか・・・?

平成26年度税制改正に思うこと

投稿者 Bush吉田 2014年04月10日

 3月20日参議院で可決成立した平成26年度税制改正法案が4月1日から施行されました。今年の税制改正の特徴はアベノミクスの第三の矢「成長戦略」の勢いをつけるべく、日本経済活性化の政策が目玉になっています。
 概要を述べれば、○復興特別法人税の一年前倒し廃止。○民間投資の拡大策として、一定の設備投資を行った場合に即時償却または税額控除を認める。○中小企業の投資促進税制など、即時償却や税額控除を拡充している。さらに、○雇用関連税制としては勤労者の所得拡大促進のため給与等を一定以上増加させた場合、増加額の10%税額控除について適用要件が緩和されました。ほかに○交際費等の損金算入限度額の拡充などがあります。
 これらはいずれも景気対策ともいえる減税措置で、企業(法人事業者・個人事業者)を対象にしています。
 ところで、この企業向けの減税措置は儲かっているところだけに恩恵をもたらすものと云えます。赤字で苦しんでいる多くの中小企業においては投資減税も雇用促進税制もまったく無縁です。儲かっている企業は最新設備や優秀な人材を確保し、計画的に減税によってコストを削減し、収益力はますます向上していくでしょう。一方、業績が苦しい企業は設備が古くなり、人材が不足し競争力がますます低下します。この結果、企業の二極化が進み格差が大きくなると思います。

 最近の税制改正は消費税・所得税・相続税などの個人課税が増税される傾向が読み取れます。
ご存じのように、平成24年度改正で消費税の増税(5%→8%→10%)・平成25年度改正で所得税の最高税率引き上げ(40%→45%)平成27年以後相続開始から相続税の基礎控除の40%縮減(5000万円→3000万円・相続人1,000万円→600万円)や最高税率引き上げ(50%→55%)の大改正が行われました。
すでに今年1月から、利子・上場株式等配当所得の源泉分離課税の増税(10,147%→20.315%:復興特別所得税+住民税を含む)4月から消費税増税(5%→8%)が行われており個人の負担が多くなっています。

そして、平成26年度改正では給与所得の経費ともいえる給与所得控除額が縮減されます。現行では給与収入が1500万円以上について給与所得控除245万円を上限額とされていますが、平成28年分から給与収入1200万円以上について給与所得控除230万円の上限額が引下げられます。さらに平成29年分からそれぞれ1000万円以上について220万円の上限額が引き下げられることになりました。

確かに日本の財政状態は大変厳しく、3月20日成立した平成26年度の一般会計予算においても基礎的収支(プライマリーバランス)は18兆円もの巨額マイナスになっています。過去の累積赤字とも云える国の借金は1,000兆円を超えています。
それなら財政健全化の見地から、法人税も課税強化すべきで、個人の生活を優先すべきとの意見もあります。しかしながら、企業はグローバル化が進む現在、世界的な競争に巻き込まれています。企業は少しでも税などのコストの低い国へ拠点を置き、効率的な経営をしていかなければ生き残れない時代になってきているのです。
私も増税は嫌ですが、個人をターゲットにした最近の改正は仕方がないように思います。

日本は国土も狭く資源もありません。しかし、先進国として今日の繁栄をなし得た原動力は日本企業が世界市場で競争力のあるメイド・イン・ジャパンを作り上げることが出来たからだと思います。ただ残念なことに、この20年間の経済の低迷で日本の年間一人当たりGDPも相対的に下降気味です。ちなみに、日本3.9万$で、もうすぐ香港3.8万ドルに追い越されそうです。日本をお手本にして経済発展に成功したシンガポールには5.3万ドル超とかなり後れを取っています。
これから日本が繁栄を続けていくには、シンガポールのように付加価値先端企業に的を縛って経済を活性化していくしかないように思います。
それができれば個人所得も後を追って上昇していく好循環になるでしょう。
第3の矢「成長戦略」がうまくいくことを祈ってやみません・・・・。

今年の確定申告を顧みると

投稿者 Bush吉田 2014年03月24日

 今、確定申告(平成25年分)業務が終わってホッとしています。
毎年の確定申告は会計事務所として、その実力を試される時期とも云えます。
 そんな中、今年は申告期限の3月17日ぎりぎりまで電子申告の送信に追われ、ここ10年で最も遅い終了となってしまいました。
 その原因を考えてみると…2月の2度にも渡る大雪で出勤が制限され、また4月からの消費税増税対策についてクライアントへ指導をしなければならなかったこと、さらに大口の相続税の申告時期も重なりました。その上、昨年より確定申告件数が20%も増加していました。これらによって今年の確定申告は苦戦を強いられることになったのです。
今年の確定申告を顧みると、次のような特徴がありました。

  1. 昨年同様、同族法人の株式贈与が多くありました。事業承継対策の一環から、株価の安い(来年の26年分からは類似業種株価は株高の影響を受けて高くなると予想)内に後継者へ株式を移転しておくようアドバイスしているためでもあります。私ども事務所のクライアントもちょうど事業承継対策をやっていかなければならない時期にきているのです。優良な同族会社の株式(支配権)の移転が手遅れにならないように計画的に実行を推進しています。さらに平成27年から相続税の増税が決まっています。優良中小企業ほど早目の事業承継対策が不可欠で、株式の移転をしなければ手遅れになってしまいます。

  2. 歯科開業医について、措置法26条(マスコミは医師優遇税制と書いています)の選択適用をするクライアントが増加しました。
    昨年のブログでも書きましたが、歯科医師業界の低迷でクライアントでも社会保険診療報酬5,000万円以下が多くなってきました。その結果、措置法が適用できるようになりました。この措置法26条の有利・不利の判定は毎年行っていますが、今年は歯科医クライアントの多くが実際の経費と、?措置法で算出したみなし経費との差額(???=措置法差額)が大きく有利になりました。そのため措置法を適用される方が多くなりました。

  3. 外国税額控除(外国と日本との二重課税を防止)を申告する方が増えました。世の中がグローバル化して、人や資本が海外に出て行って給与やロイヤリティー、配当などを海外で稼ぐケースが多くなっているからである。例えば、日本に居住している方(日本で所得税を申告しなければならない)で海外でも課税されている所得について、日本の課税庁は外国税額を一定のルールで控除ができる仕組みがあります。これは個人でも法人でも、外国税額を控除するための算定ルールがあります。また控除しきれなかった外国税額や控除限度余裕額(枠)を3年間繰り越すこともできますが、外国税額控除の考え方や算定方法はかなり複雑で分かり難くなっています。

  4. 上場株式譲渡損益や上場株式配当金のある方々のうち、昨年まで繰越損失のあった方々が今年でほとんどの損失を取り返していました。多分?26年分確定申告では特定口座で源泉徴収ありの方は確定申告不要となります。面倒な上場株式等の申告分離課税の譲渡所得からやっと解放されそうです。
     もっとも、アベノミクスは株高の幻想との声もありますが、経済の先行き不安から株式市場が下落すると、来年も確定申告をして上場株式等の譲渡損失の繰越し損失の特例を適用する方が増えるかもしれません。
    せっかく上向いてきた経済に冷や水を掛けないよう、株式市場が大崩れしないことを切に祈っています。このところの株式市場の勢いの無さは不安です。

今年もなんとか乗り切ましたが、これも事務所の職員全員が一丸となって頑張ってくれたお陰だと思います。本当にお疲れさまでした。ありがとう・・・。

奈良薬師寺で開催された「寺島経営塾」に行ってきました

投稿者 Bush吉田 2014年03月10日

 先週、私が通っている寺島実郎経営塾が古都奈良で開催された。
薬師寺に寺島塾長と東京塾、広島塾の塾生80名が集合しました。
そもそも、薬師寺は7世紀白鳳時代に持統天皇(天武天皇のお妃)が身と心を病から救ってくださる国宝「薬師如来」(医王如来)を中心に建立されたそうです。しかし長い歳月の間に、幾多の戦乱や災害を受けてほとんどの伽藍が灰燼に帰していました。昭和42年から平成15年にわたり、有名な故高田好胤管主の尽力で全てが復興され蘇ったそうです。
檀家を持たない薬師寺の再建という長年の大悲願は、国家の庇護なしに一般大衆からのお写経勧進(2,000円+寄附金?)によって集められた資金で賄われたそうです。大変な努力の結果、なし得た復興です。寺でありながら現在に生きる民間企業と同じように素晴らしい経営感覚を持ち合わせていると思います。
 そんな事実を、寺島塾長や薬師寺執事の話ではじめて知りました。

 われわれ業界が一年で最も忙しい確定申告時期に、はるばる薬師寺までやって来てこんな感動的な話を聞くことができ、無理して来た甲斐がありました。
手入れの行き届いた敷地の広大さに圧倒され、その構内に一歩踏み入れた瞬間から心が和むような雰囲気に包まれていました。1,300年以上も前にこのような伽藍や空間があったかと思うと、日本人の技術や英知の素晴らしさに誇りさえ感じました。
勉強会では山田管主が宗教的な話ではなく、人間が生きるとはということに焦点を当てた話をされておられました。心に残ったのは「今日の機械文明は神や仏が造ったものではない。全て人間が開発したものである。」「ところがその張本人である人間とは何者かということの探求が十二分にされていない。」と語っておられました。思うに、企業経営も究極的には人間そのものをテーマにしています。
この厳しい競争社会にあって、私もそうですが経営者たちはノルマや実績を重視するあまり、何のための仕事か、突き詰めればこの世になんのために生まれてきたのかという根本を忘れてしまっているのではないか・・・?
まさに生きるための大切な気付きを得たひと時でした。

確定申告時期が一段落したら、自分用に購入してきたお写経を心静かにやるつもりです。
あの西遊記に登場する玄奘三蔵の有名な「般若心経」、つまり「かたよらない心」「こだわらない心」「とらわれない心」つまり「ひろく、ひろく、もっとひろい空の心」人間の生きるエッセンスをまとめたノウハウです。
 もっと、もっと「大きな器」の人間になりたい。(願)

最新、金融事情(2)

投稿者 Bush吉田 2014年03月03日

 ところで、黒田総裁率いる金融政策は大金融緩和策である。
最近読んだ本によれば、過去800年間、時の国家権力者たちは同じことを繰り返しているようである。例えば、江戸時代の元禄年間、慶長小判を元禄小判に改鋳している。改鋳により元禄時代の小判は金の含有量が大幅に減少した。その結果、何百万両もの改鋳差益を幕府が手に入れて、巨額な借金を抱えた財政状態を一気に解消したという。今でいうリフレ政策である。

 この話は現代の日銀がやろうとしていることと何だか似ていて気味が悪い。
元禄時代、この改鋳で幕府の財政は改善したものの、物価は高騰して大インフレを引き起こしたという歴史上の事実がある。つまり、この改鋳で一番つらい思いをしたのは社会の底辺に生きる一般庶民であった。
 もし、日銀が紙幣(お札輪転機)を増発して社会に出回ると、当然な事であるが社会全体の経済活動に対して貨幣量(M)が多くなる。この結果、通貨価値が下がって(円安)、インフレになってくるはずである。

最近の円安がそのことを物語っているのもかも知れない。インフレについても消費税が引き上げられ、円安によって電気・ガス・ガソリンなどのエネルギー価格が高くなって今年の後半はかなり影響が出るように思われる。
 ちなみに、ある企業の電気代やガス代など光熱費が、3年前に比べて2倍になっていたのは驚かされた。福島原発事故で企業向け電気代が一気に値上したことも効いている。ただでさえ日本の電力料は高く、韓国の3倍、米国の2倍、ドイツの1.5倍と云われている。
 また、経常収支(貿易収支と所得収支など)の黒字が縮小し続けているのも不安である。来年赤字に転落すれば、1,600円兆円預金などの国富が目減りしていくことを意味する。

 話を元に戻して、今回のアベノミクスの金融政策の本当の狙いは何なのか?
これから先の日本の姿を考えると、恐ろしさを感じてならない。
 今回の大金融緩和策の出口が政策当局から何も述べられていない。いつまで金融緩和策を続けていくのか?インフレになったときには金利水準がインフレ水準以上になってしまうのか?世界の投資家から政府や日銀への信任が崩れてしまったとき、円が暴落してものすごい円安とインフレ、国債が暴落して金利高になってしまうのか?まったく予想がつかない。
 確かに、経済が良くなって適度なインフレ下で経済成長していくに越したことはない。その結果、政府は経済成長による税収がアップし、1,000兆円を超す最大の債務者である日本政府の債務者利得は効果的な財政再建策となる。
 アベノミクスの本当の狙いは、莫大な公的債務を健全化させることではないか?適度のインフレと経済成長をソフトランディングさせる。果たしてそのように上手くいくのか不安である。そこでアベノミクスの成否を左右するのは第三の矢である成長戦略である。かって米国、シリコンバレーでIT企業が多く生まれ、今ではアップルやマイクロソフトなどように世界企業となっているが、今の日本でそのような予兆があるだろうか?最近、われわれが聞く前向きな話題は医療や介護施設の設備投資の程度の話である。IT企業の出現やシェールガス革命に比べるといささか迫力に欠ける。

 それではアベノミクスが計画通りに上手くいかないとどうなるのか?
いずれ近いうちに、猛烈な円安、20%超のハイパーインフレ、高金利となり、社会的弱者である債務過多の中小企業者や住宅ローンを抱えている庶民、年金生活者などが犠牲になるだろう。
 アベノミクスは経済が低迷し続け、巨額な公的債務を抱えた、日本の最後の賭けなのかもしれない。(祈)

最新、金融事情(1)

投稿者 Bush吉田 2014年02月26日

 当事務所ではクライアントの借入需要をSマネージャーが全て把握している。
最近事務所とパイプのある銀行から「借入が必要な企業があれば是非紹介してください。」との訪問や電話が頻繁にあるそうです。今までにないような積極的な融資姿勢にビックリして、私に報告をしてきました。

 確かに「アベノミクス」の第一の矢、日銀の黒田総裁は、かつてないほどの大金融緩和策を行っている。日銀券をジャブジャブと発行して市中の金融機関に資金を供給している。しかし、肝心の市中銀行から民間企業への貸出は増加していないようである。そんな事情があってか、政府、日銀、金融庁の意向を受けて、市中民間金融機関が必死に融資先企業を探している。まるでお上からの貸出金増加のノルマが決められているかのようである。

 一方、金融機関からラブコールされている企業の態度はどうであろうか?超優良企業は財務内容が良好でフリーキャッシュフロー(営業活動キャッシュフローから投資活動キャッシュフローを差し引く)が潤沢で資金需要がほとんどない。
また一般的な黒字企業の経営者は設備投資などの借入には極めて慎重である。
経営者たちは景気が良くなるとの観測もあるが、先行きの見通しには手ごたえを感じておらず、積極的な設備投資を行おうとしない。
それは、1.受注先の企業が海外に移転して仕事が少なくなった、2.リーマンショック時の急激な売上減少によって資金繰りに苦労した経験、3.古くはバブル崩壊の時のバランスシート調整(借入金を優先して圧縮)で借入金を必死で圧縮してきたなど苦い過去があるからである。借入金が多いと毎月の返済額が多くなり損益分岐点売上高が上昇、不況抵抗力が低下、資金繰りや赤字に苦労することになる。経営者はこんな苦い経験から、借入は経営上のリスクと考えるようになっている。

逆に金融機関は、実績はないがこれから成長したいと意欲のある企業や、本格的に再生して立ち直っていこうとしている企業には貸したがらないのだ。TKC提携金融機関の優遇貸出制度、鳴り物入り?にもかかわらずその実態は保証協会枠の範囲内、銀行側にとってノーリスク融資でがっかりである。
「銀行さん本当に貸出金額を増加させたいなら、プロパーでもっとリスクを取って欲しい」今のような融資姿勢ではアベノミクスの第三の矢(成長戦略)も成功しない。金融機関は社会的使命として、新しい企業を育てていこうとする気概を持ってほしいものである。
「雨の日には傘を貸さないで、晴れの日に傘を貸したがる」(笑)  続く

80周年記念と新たな縁

投稿者 Bush吉田 2014年02月17日

 昨年のことですが、大学時代に所属していた体育会自動車部の創立80周年式典に参加し、久しぶりに同級生と共に三田の母校を訪れました。
 田町駅前の商店街はまるで40年前にタイムスリップしたようで、当時とほとんど変わらない昔ながらの雰囲気であった。しかし一歩校内に入ってビックリ、新しい校舎や記念館が作られていて、当時とはまるで様変わりである。もっとも学生時代の私は授業には出ずに、部活動や麻雀に熱心だった記憶しかない。

80周年式典が始まり久しぶりに塾歌(校歌)を歌い、懐かし思いに浸った。歌詞は不思議と思い出して歌詞カード見ることなく唱和できる。若いころの記憶力は本当に素晴らしい。何故か「青年老いやすく、学成り難し、一寸の光陰も軽んずべからず」という言葉が頭に浮かんできた。
会場では先輩諸兄とお会いでき想い出話に花が咲いた。歴史あるこの自動車部の記念式典には70、80代の大先輩が多く元気に参加されていた。
 まさに日本の人口構造を象徴しているようである。
来賓の挨拶の中で、自動車部の部長の任に当たっておられる教授は「この歴史ある自動車部を潰さないことが私の使命だ・・・」と語っておられた。
 最近はこの部に入部する学生が極端に少なくなっているらしい。若者の自動車離れが影響しているようだ。
ビジネスも、学生の部活動も時代の流れには逆らえない。
また、塾長挨拶は面白かった。この80周年参加者がほとんど高齢者で占められていたからか、日本の高齢者福祉や健康で長生きする秘訣などの話をされた。
 「長生きする高齢者は小学生の頃の成績が良い。もともと真面目な人は小学生のときも宿題をしっかりやるし先生の言うことも聞く。大人になっても医師の言うことを守るからではないか・・・」と、冗談とも聞こえるがデータに基づく本当の話だそうである。
「塾長・・・今さら、小学生の成績の話をされても、もう手遅れですよ」(笑)
そんなあきらを込めた笑いが式典参加者から沸き起こった。
 塾長は政府の「社会保障制度改革国民会議」の会長に就いて、政府のこれからの社会保障のあり方について諮問し、「確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋」と題した最終報告書を提出している。
社会保障の日本の第一人者である塾長の話には説得力があった。

 また今回の80周年記念事業で財務責任者としての大任を果たしたのはK君である。彼はある大手監査法人に所属しており、監査の経験が豊富でシニア―マネージャーとして活躍中であったが、以前から私がわが事務所へ来てもらいたいとのラブコールを送っていた。
同窓であり後輩のK君に遠慮なく言い続けた甲斐?か、いずれにしても自動車部の縁あって、今年2月からわが事務所に勤務している。
これからの事務所での活躍が楽しみである。

ベトナムは将来が楽しみな国・・・?

投稿者 Bush吉田 2014年02月12日

 親しくさせて頂いている経営者グループのベトナム視察旅行に参加しました。
日程は1月23日(木)成田朝出発?27日(月)朝帰国の5日間、面白い旅でした。
 ベトナムは社会主義国家で人口9500万人、平均年齢が31歳と子供や若者が多く、高齢化が進む日本とは大違いでホーチミン(サイゴン)はエネルギッシュで活気に満ちていました。

道路はバイク(ホンダやヤマハが多い)の大群でまるでいわしの群れのように、車の間をすいすい通りぬけている。驚いたことに何とバイクには一家?お父さん、お母さん、子供2人の4名も乗っていた。お父さんが運転、ハンドルとの間に小さい子、お父さんと後ろに乗っているお母さんとの間に挟まれて大きい子、危なっかしい光景である。おまけに観光バスからその様子を眺めているとこちらに向かって手を振ってくる、なんと微笑ましいことか…。
 ふと、何だか懐かしい、物心がついた頃を思い出した。私の家にスクーターがあって母と兄が後ろに次男の私は親父とハンドルの間のバッテリーボックスの上にチョコンと座って、よく映画を観に出かけたように思う。日本も1950年代はそんな時代でした。
 小学生になる頃にはスクーターから自動車になったけど、ベトナムはちょうど日本のその頃なのかもしれません。長かった植民地支配から解放されたベトナム戦争後1986年に経済改革政策「ドイモイ」が行われ、高度成長期が持続しているそうです。ただこのところ経済成長率が7%から5%に鈍化しているそうですが一時的な調整でしょうか・・・。

ベトナム人との接点は現地のツアーガイドやホテルスタッフ、ショッピングの時など限られていたが、印象はまず親日的?で日本に憧れをもっているようであった。特にベトナム人は女性が働き者で商売熱心、価格交渉はなかなかタフで、結局われわれ日本人は彼らに根負けする。
 ベンタイン市場に出かけた。ベトナムはコーヒーの世界一?の生産国ともいわれているようで、私はジャコウネコが完熟したコーヒー豆を食べたそのフンから採取した世界一美味しいコーヒー(コピ・ルアック=インドネシア語)があるかどうか探しました。
聞いてみるとこれだという?500グラムでUS17$?ずいぶん安い・・・。どうせ偽物だろうから値切ってみたがなかなか強かである。とうとう根負けした。
 ベトナムには「狸の糞」から採取した極上コーヒーがあるそうだが、日本の販売価格は100グラム15,000円?31,000円もする。どう考えても買ってきたコーヒーは偽物であることは間違いなさそうである。
 帰国後、その偽物を味わったが結構いける。値段にしては美味しく、日本でいつも飲んでいる豆より安く独特の風味があった。
 次に市場の入り口で、「いい偽物買わない?」と声を掛けられた。エーッ!!“いい偽物”ってどういうこと?…(笑)
ロレックスなどの高級ブランド時計の偽物を堂々と売っていた。

ホーチミン市内ではいたるところで高層ビルの建築ラッシュだった。
夕食会場であった高層ビルの最上階の「チル・スカイバー」から市内を眺めるとその発展ぶりがよく分かる。またこのような高級?レストランにベトナム人家族も多く来ていて、食事を楽しんでいた。一方、庶民はごみごみした混雑した道路上で腰かけて「フォー」を食べている。なんともエネルギッシュな人々が住む国である。

最後に、この旅行でお世話になった経営者の皆様、特に事前に現地視察された団長のK氏の心配りには感謝の気持ちで一杯である。
ベトナムで目にした光景や現地人の気質、それに日本の高度成長期を重ね合わせて思うに、ベトナムは将来大いに発展する予感がします。

永遠のゼロ・・・今は平和で幸せな時代

投稿者 Bush吉田 2014年01月29日

 電車の中で、久しぶりに本を読みながら涙を流した。
「永遠のゼロ」、今、ベストセラーになっている。
たった70年前の日本で現実にあったことだが、国のために命を捨てなければならない厳しい現実があった。
 先の太平洋戦争を、海軍ゼロ式戦闘機の一戦闘員の物語を通していかに無謀だったかを、われわれ戦争を知らない世代に訴えかけている。
 当時の国際情勢のこと、国を動かしていた高級将校(上級公務員)の基本的な思想。また大戦の勝敗を決めたミッドウエイ海戦、ソロモン海戦、マリアナ沖海戦、ラバウル航空隊などの作戦のお粗末さなど、私が知らなかった戦史が詳しく書かれている。

国家は国民の生命と財産を守らなければならない。あたりまえである。
しかしたった70年前の日本は信じられないことにそのような考え方はなかったようである。
若い兵士は命令一つで、生きて帰れる可能性がゼロの特攻作戦を行っている。すでに太平洋戦争の勝敗は決している段階で作戦を開始。しかし特攻機は真空管迎撃砲で敵船舶に突撃する前にほとんどが撃ち落されている。
特攻機による戦果はほとんど無かったようだ。
本当にやりきれない気持ちである。
当時の作戦指導者たちは何を見ていたのだろうか。まったく現場を顧みることなく過酷で無意味な作戦を繰り返していたのだろうか?
私は、鹿児島県知覧の旧陸軍特攻記念館を見学して、涙が止まらなくなって困った記憶がある。将来を期待される17歳からの若者が旧海軍2,525名、旧陸軍1,388名も特攻戦死している。その他に人間爆弾(桜花)や人間魚雷(回天)で将来を担うべき多くの若者が惨死している。本当にもったいない死である。

 一国や組織のリーダーは国民やその属ずる人々の運命を決してしまう。
私の持論であるが、先の大戦後は戦勝国主導で東京裁判が行われたが正しくないと思う。本来は大きな犠牲を受けた国民主導で当時の戦争責任者を裁くべきでなかったか?そして、何よりもまずいのは「今の決められない政治」と同じで、太平洋戦争後期では負けることが分かっていてもいつまでも引き伸ばして事態を悪化させ、市民を巻き込み戦争被害者を甚大にしてしまったことである。東京大空襲、沖縄戦、広島長崎の原爆投下、市民にまでこんなひどい目に逢うまで戦争を終結させなかったのは何故なのか?
国の運命を決められなかった責任を国民主導で総括すべきではなかったか。

年末には映画も封切られた。大晦日、映画館に出かけ観劇後、しばらく外に出られなくなった。本より感情的で、観る人に永遠の愛を訴えかけてくる。
でも、私は本で読むほうが当時の情勢や戦争の実態?がより立体的に理解できて、人は時代に生かされていることを思い知った。

つくづく思うことだが、今のこの時代、日本は本当に平和で幸せである。
近隣諸国との関係がギクシャクしているが、いつまでもこの平和が続いて欲しいものである。

消費税増税の準備は大丈夫ですか?

投稿者 Bush吉田 2014年01月29日

 4月1日からの消費税増税まで、あと2か月と迫ってきました。みなさんその準備は大丈夫でしょうか?
このところ、クライアントから消費税の増税についていろいろと質問されるようになりました。確かに実務家にとっては厄介で、事前に考えて準備しておかなければならないことが多くあります。その中でよく質問されることをまとめてみました。
●4月1日施行日前後の取引の管理をどうしたらよいだろうか?
例えば、売上請求期間が3月21日から4月20日のような場合、請求書はどうするか?当方の売上計上日が出荷日で3月31日、先方得意先の仕入れ計上日が検収日で4月1日となるケースでは税率がそれぞれ5%と8%と異なってしまいます。
●請負工事などの経過措置の適用についてその要件は?
●その他事前に準備しなければならないことは何でしょうか?等の会計や税務のこと。または
●価格転嫁をどうしたらスムーズに出来るか?「消費税転嫁対策特別措置法」に関係するビジネスや法律上のお尋ね。
 確かに、医療や介護などの非課税事業者や一般消費者を相手にしている事業者は価格転嫁が難しいという現実があります。
 また、非課税売上の多い医療機関からは、消費税増税で利益への影響がいくらになるのか?減益金額をシミュレーションして欲しいという要請もあります。
今回の消費税増税は社会的、経済的に影響がかなり大きいようです。

 前回税率3%から5%に増税されたのは、今から17年前の平成9年4月ですから、当時のことはもうすっかり忘れてしまっています。事業者だけでなく、われわれ会計事務所も同じで、消費税法を読み返したり、国税庁消費税室の「平成26年4月1日以後の行われる資産の譲渡等に適用される消費税等に関する経過措置の取扱いQ&A」や専門雑誌を再チェックしています。
 確定申告時期も迫っている中、クライアントの声を受けて事務所主催の「消費税増税実務対応セミナー」をこの22日(水曜日)にやることになりました。
 なんとも忙しい、正月明けとなりました。(泣)

 アベノミクスで税収が増えても、まだ国の基礎的財政赤字は23?24兆円。
あと5%増税しても13兆5,000億円、税率10%にしても基礎的財政赤字を黒字化できません。2度目の平成27年10月の増税後にさらに、3回目の増税が施行される可能性は大きいと思います。
 一部政治家が言う、軽減税率(複数税率)は絶対やめて欲しいです。
人気取りの票集めだけの見方でなく、政策は現場をよく認識した上、社会的なトータルコストを考えて発言すべきです。ただでさえ、平成元年に消費税が制定されて経理事務が煩雑になっています。
その上もし軽減税率(複数税率)導入されたら、経理税務の実務をさらに複雑にして現場は大混乱します。
そうなったら、税務署、会計人、経理実務家は過労死するほど大変な目に逢うでしょうね。(笑)

感動の結婚式

投稿者 Bush吉田 2014年01月15日

 あけまして、おめでとうございます。
今年はじめての記事は、おめでたい「結婚」の話です。
事務所が主催する後継者塾第一期生の素晴らしい式と披露宴に参列しました。

彼の家との出会いは今から26年前、新郎のおじいさんからで三代にわたってのお付き合いです。そのおじいさんは平成11年に亡くなり、新郎のお父さんの代になりました。
私はお父さんとは同年代ということもあって、個人的にも親しくさせていただきました。毎週末にはゴルフを一緒にプレーし、ゴルフ旅行にもよく出かけました。彼は飛ばし屋でいつもフルスイング、あだ名も「ブンブン」と云われていました。ドライバーの飛距離はいつも置いて行かれ悔しい思いばかりでしたが、彼はOBも多かったです(笑)。ゴルフは上がっていくつのスポーツですから、ニギリではほとんど負けたことがありませんでした。(笑)
また、私の車好きが感染したようで、晩年にはイギリス製のウォールナットと革の素晴らしい内装の大型乗用車を愛用していました。私もいずれ歳を取って渋くなったら、乗ってみたいなあ、と思っていました。
そのかけがえのない友人が8年前の平成17年、病でこの世を去ってしまいました。この時、彼の息子(新郎)はまだ26歳。その若さで家業を継ぐことになりました。事業承継時には様々な難題を抱えており、一体この先どうなるのかと心配でした。
そんなクライアントの危機に、私は全力で協力しようと心に誓いました。

今回の結婚式で祝辞を述べさせて頂きましたが、お付き合いをはじめてからの三代のエピソードを話し、新郎のお父さまの下りでは、感極まって言葉に詰まってしまいました。この日この場で、息子さんの晴れ姿を見て欲しかった・・・、そんな思いが頭に浮かんで、情けないことに絶句してしまったのです。(泣)

 新郎は事業承継後、一つ一つの難題を解決し、さらにステップアップしていきました。突然のバトンタッチにもかかわらず、若いのによくやったと思います。彼はご先祖さんの因縁か、一種の強運の星を持っているようにも感じます。
また後継者塾でもその人柄と真摯な姿勢で仲間から大変人望がありました。結婚式にも後継者塾で知り合った多くの仲間が出席していました。
当事務所が主催の後継者塾も、このような経営者同士の仲間作りに一役買っている。こんな出会いの場を提供できたことに、すごくうれしく思いました。

最後に、二人の末永いお幸せと、家業の繁栄を祈念しています。

2013年

オーストラリア旅行 第5章

投稿者 Bush吉田 2013年12月30日

展望台から、駐車場に戻らずワイグラスベイに向かって急な坂道を降りて海岸に、そこから半島のくびれたところを反対側のハザードビーチまで横断し、さらにハザードビーチ沿いに海岸の砂浜や山道を踏破して半島を周遊して駐車場に戻ってきた。
思ったより険しいトレッキングコースでかなりしんどかった。4時間半の道のりで万歩計によると2万6千歩を示していた。このトッレキングがオーストラリア旅行の一番のクライマックスであった。トレッキング中には巨大なトカゲにも遭遇し、ビックリ。生涯の素晴らしい想い出になるだろう。
この日の夕食はシーフード、フレシネ海岸で取れた豊かな海の幸、カキ、ムール貝などを堪能した。レストランからの眺めは格別で、夕日がゆっくり沈んでいくのを満喫した。このロッジは国立公園内の最高のロケーションに位置している。
今回のオーストラリア旅行で最も素晴らしいホテルであった。
 さて、翌日はゆっくりフレシネ公園を楽しんでから、ホバートに向かった。
ホバートはタスマニア最大の人口20万人の都市で、美しい港町である。
ホバートの飛行場でレンタカーを返却した。

ついでながら今回の旅行ではレンタカーには恵まれなかった。タスマニアで割り当てられた車種は何と、韓国製のKIAである、RV車で名前は忘れたがひどい車であった。島内には信号がほとんど無いにもかかわらず燃費も悪くリッター9キロ、内装は安っぽく、また運転していて怖かったのはバランスの悪さである、ハンドル操作と車体の動きのタイミングのずれ、コーナリングやブレーキの効きの悪さ、そしてオートマチックトランスミッションとエンジンのマッチングなどちぐはぐで運転しづらい危ない車だった。ただ単に安い部品をかき集めてきて組み立てただけで、車としてバランスなどトータルな調整が全くなされていない感じがした。
 オーストラリアでも韓国車が目立って多くなっているが、車好きの私から見ると日本車のバランスの良さやきめ細かさに比べると品質や性能でかなり劣っている。低価格が魅力なのかもしれないが日本では絶対売れない代物である。

 タスマニア島について、植民地となった当初はイギリスの囚人収容の地であった。原住民タスマニア人を入植者たちが撃ち殺し絶滅させ、タスマニアタイガーを狩猟により絶滅させたなんとも暗い負の歴史もある。
しかし今、われわれが目にするタスマニアは原生林がそのまま残されており島全体が美しい国立公園のようである。これからもあまり開発されずにありのままの自然を維持して欲しいと思う。
終わり

平成26年度税制改正大綱

投稿者 Bush吉田 2013年12月25日

 平成26年度(2014年)の税制改正大綱が発表された。
来年4月から消費税率が5%→8%に増税されることが決まっているなかで、どのような税制改正を目指すか、気になっていました。

今回の大綱から感じることは、法人税は「設備投資減税」「賃上げ促進減税」や「大企業の交際費一部損金」「復興特別税の一年前倒しの廃止」など、法人にとってはおおむね減税方向、経済活性化を目指したものになっている。

一方、個人課税は所得税や相続税の増税傾向が強まっている。
驚いたのは、給与所得者の増税である。これから、社会保険料率の引上げや消費税の増税で個人負担が益々増えるのに、これに追討ちをかけるような増税だからである。
しかも、平成24年度改正で給与所得控除(給与所得者の必要経費)の上限が引下げられ、年収1,500万円超の給与所得者の増税が決まったばかりである。

それが、今回の改正で最終的に年収1,000万円超の給与所得者についても給与所得控除が引き下げられ、増税になるというのだ。
つまり、平成28年分から年収1,200万円超の給与所得控除の上限が230万円、さらに平成29年分から年収1,000万円超の給与所得控除の上限が220万円にそれぞれで引下げられ、給与所得控除が頭打ちとなる。
結局、この改正で、富裕層だけでなく中間層も搾り取られることになるため、消費が絞られてデフレが進むことになるだろう。

また所得税でどうしても納得できないことがある。青色損失の繰越期間である。法人税の青色欠損金は9年間繰越できるが、所得税では3年間しか繰越せないのだ。これでは所得税の繰越期間があまりにも短いと言わざるを得ない。
また、資産損失についても損失の切捨てについては冷淡極まりない。

今回の改正でゴルフ会員権やリゾート会員権の譲渡損失については、来年4月から他の所得からの通算ができなくなる。含み損のある個人は早目に売却することをお勧めする。
既に、土地や建物の不動産についてはその売却損は10年前から通算できなくなっている。ただし自宅の売却損は住宅ローンなど一定の要件があれば一部通算できるが、実務上一件も出逢ったことがない。

有価証券税制についても譲渡損失については厳しい要件がある。
証券業界ではNISA口座の開設で新たな投資家を呼び込もうとしているが、こんな制度はただお茶を濁しているに過ぎない。確かに証券投資をして儲けたいと考えている人も多いと思うが、年度ごとの投資額に100万円の制限があることは良いとしても、最大の欠点はNISAで損失を出した時の救済が無いことだ。
 つまり有価証券以外の所得はもちろんNISA口座以外の特定口座や一般口座との通算ができない。財務省はNISAの投資家がすべて儲ける人たちと考えているのだろうか?

これはNISA、NISAで無税をアピールした財務省発のプロパガンダである。
一方、有価証券税制は分離課税の所得税率が10%から20%に倍に跳ね上がる大増税である。
 アベノミクス?(実は外国人投資家の買い越し)で株式市場は値上がりしているがこの相場もそう長くは続かないように思う。日経平均1万円を割れば安倍政権の支持率も急落してしまだろう。

今回の税制改正大綱は「取りやすいところから取る」といった印象が否めない。確かに国の財政は追い込まれているが、焦って増税したらかえって景気の勢いを削いで、ますます財政が悪化するのではないかと心配である。政治家は財政赤字対策として社会保障費など財政支出を削減することを優先させなければならないはずである。

この反動が将来どのようなかたちとなって現れるのか末恐ろしい。

オーストラリア旅行 第4章

投稿者 Bush吉田 2013年12月25日

 クレイドルマウンテン/セントクレア湖国立公園で自然を満喫し、翌朝ゆっくりと次の目的地ロンセストンに向かった。
ロンセストンは人口10万人、ぶどう畑やラベンダー畑で有名だ。到着した日は日曜日で人が少なく閑散とした街であった。予定より早く着いたので25キロ離れているラベンダー畑(ブリットストゥ・ラベンダーファーム)に出かけた。しかし季節外れでラベンダーは咲いていなかった。
夕方、レストランを探しに街を散策したが、ほとんどの店がお休み。仕方なく宿泊するホテルのレストランで夕食を取った。

翌日はいよいよフレシネ国立公園へ、175キロ2時間半のドライブである。
フレシネ国立公園はタスマニアで一番行ってみたかったところだ。
国立公園入口のビジターインフォーメーションセンターで、車の入園料24ドルを支払い国立公園内に入った。ちなみに人の入園料はクレイドルマウンテン国立公園で支払い済みであるため要らなかった。
この日の宿泊は公園内のフレシネットロッジ。大手旅行社の当初の企画案ではこの日もロンセストンに戻って前日と同じホテルに宿泊するようになっていた。しかし距離的にも無理だし、タスマニアで最も期待していたフレシネ国立公園である、出来るだけ長くこのフレシネに滞在したいと思っていた。
インターネットで検索して探し当てて、このロッジを予約してもらった。国立公園内の唯一の宿泊施設で人気のロッジである。日本ではあまり知られていなく、大手旅行社の指定宿泊先になっていない。
このホテルに到着して軽い昼食するためレストランに入ったところ、驚いたことに働いている若い女性スッタフが日本人で、われわれに懐かしそうに声をかけてくれた。こちらに来てまだ1か月とか、辺境の見知らぬ土地で若い子が頑張っている姿を見て嬉しくなった。最近の日本人は内向きで海外に出ようとしないと云われている。特に若い男性にその傾向が強いが、どうやら大和民族は女性の方が勇気と行動力があるようだ。

絶好のお天気にも恵まれたので午後からトレッキングに出かけた。
有名なワイグラスベイその周遊には何通りかのコースがある。
ロッジから車で5分、ウォーキングトラック駐車場に車を置き、ワイグラスベイ展望台まで歩いて45分、有名な観光スポットのため沢山の観光客で混雑していた。イギリス、ドイツなど白人や騒がしい中国人韓国人おとなしい日本人など国際的な観光地である。傍若無人に大騒ぎしている中国人の団体は本当にマナーが悪い。彼らが去ってから、ワングラスベイを観た。折からの好天の中、まさに息を飲むような美しさである。(写真参照)
次回へ続く

オーストラリア旅行 第3章

投稿者 Bush吉田 2013年12月19日

 いよいよ、空路メルボルンからタスマニア(デボンポート)に・・・。
タスマニアはわれわれ三人とも初めての訪問である。
空港よりレンタカーで郊外に出ると、まるで北海道のような景色だった。タスマニアの面積は北海道よりやや狭く、人口は50万人(北海道568万人)、市街地から一歩離れると牧歌的な緑地が広がっていた。
タスマニア初日の目的地はクレイドルマウンテン/セントクレア湖国立公園内のロッジである。
ナビは便利だ。来たこともない見知らぬ土地で標識がない田舎の道を迷うことなく2時間ほどで国立公園内のインフォメーションセンターに到着した。

ドライブをしていて、道路上にはりねずみやワラビ―(小型カンガルー)などの野生動物の死体が放置され、なんとも嫌な気持ちになった。夜行性の野生動物がヘッドライトの光に目が眩み交通事故にあって犠牲になったのではないか。およそ100メートルおきに無残な姿をさらしていた。タスマニアにはいかに多くの野生動物が生息しているかを物語っている。

タスマニアは全島の36%が国立公園、島全体が自然のままの手つかずの環境である。ただ国立公園に入るには大人一人16.5ドルの入園料を取られた。産業の少ないタスマニア州にとって貴重な収入なのかもしれない。
この国立公園は世界自然遺産「タスマニア原生林」に登録されている。私の生涯の目標である世界自然遺産めぐりに新たな1ページが加わった。「タスマニア原生林」は車の乗り入れが厳しく制限されていた。観光客はインフォメーションセンターの駐車場に車を置いて、トレッキングを楽しんでいた。

ロッジにチェックインするときに、いきなり女の子が近寄ってきて日本語で「パパは私にラブラブなの・・・」と言われびっくりした。われわれの会話から日本人だと分かったのか。その子はシドニーに住んでいる日本人で、休暇を過ごしに家族でこの国立公園にやって来たとのこと。こんな辺境の地でおじいちゃんと同じ年代の日本人に出会って、懐かしく思ったのかもしれない。

ロッジは木造の素朴な山小屋でテレビもなく、静寂そのもので小動物が天井裏を走り回っている。夜は思っていたよりも寒い。タスマニアの南緯はちょうど北海道の北緯と同じ緯度で寒冷地に位置する。
ロッジの暖炉に備え付けの薪をくべてその燃える火を眺めているうちにいつの間にか寝入ってしまった。
次回へ続く

オーストラリア旅行 第2章

投稿者 Bush吉田 2013年12月17日

 翌日、メルボルンのホテルにバゲージを預けて、レンタカーでグレートオーシャンロードに1泊2日の小旅行に出かけた。海外でレンタカーを借りるのは勇気がいるが、オーストラリアでは道路が日本と同じで左側通行、ナビも付けられ道案内してくれるので安心だ。スピードはキロ表示であるが、制限速度が速いことにびっくりする。郊外に出ると対面通行でそれほど道幅が広くないのに80キロ100キロはあたりまえで、日本の厳しい速度制限とは大違いである。

グレートオーシャンロードはメルボルンから南西270キロメートルほどの海岸線沿いで、風光明媚なドライブウエイである。出発して一時間で海岸線に出る。サーフコーストとして有名で湘南海岸をずっと大きくしたようなスケールである。メルボルン郊外のリゾート地として別荘が点在している。途中のローンというリゾート地で昼食のためカフェに立ち寄った。何気なく不動産屋の売り物件情報を見ると、百万ドル(9千万円)以上の別荘が数多かった。
ローンはメルボルンから150キロ以上離れており、車で2時間半の位置である。景気が良いのか不動産バブルなのかいずれにしても日本では考えられないような不動産価格である。

さて話をドライブに戻して、この道はローンから山道となる。山に入ってみると自然のままの巨大なユーカリが茂るうっそうとした森である。こんな道が何十キロも続く、本当にオーストラリアのスケールの大きさを感じた。国立公園なので自然のままの姿をとどめており、徹底して自然環境を保全していなければこのような原生林が残らないであろう。

その日の宿泊はポートキャンベルのドライブイン、この町の周辺に「12人の使徒」「ロンドンブリッジ」などで有名な奇石の景勝地である。断崖絶壁の切り立った海岸線はものすごく迫力がある。長い年月をかけて波と風で侵食してこのような姿になったのだろう。このような何十キロも続くスケールの大きい侵食され切り立った海岸線は今まで見たことがない。
翌日はグレートオーシャンロードをそのまま戻ってきたが、前日の曇りから一転して快晴となり、海や空の色が一段ときれいで鮮やかに輝いていた。片道280キロ、往復550キロを満喫したドライブであった。

レンタカーは最初トヨタカムリの予定であったが、日産エクストレールに変わっていて、シートはトラック並みで良くなく、このため持病の腰痛がひどくなった。
また、車体から異音は出るは運転席の足元のパネルもはずれ、燃費も悪くひどい車であった。
 ついでに一言、この車種は日産九州工場で生産している。
メードインジャパンの名に恥じるような車である。
噂では日産九州工場で生産している車種の部品は韓国製とのこと、やはり出来の悪いのはこのためなのだろうか。

車好きの私がオーストラリア旅行で、表向きは日本製のこんな出来の悪い車に出逢ったのが何とも皮肉である。

次回へつづく

12/7 第二部

投稿者 Bush吉田 2013年12月14日

第2部を担当させて頂く、職員のTです。
12月7日に行われたセミナーの後半は、坪田まり子先生にお越し頂きました。

今回のセミナーは自分を上手く表現することでコミュニケーションの円滑化を図り、かつ、より良い人間関係を構築することがテーマとなっております。私自身、今回のセミナーには多くの気付きがあり、仕事を行なう上においても大いにプラスになりました。

ここで、セミナーの主な内容を振り返ってみたいと思います。

まずは「自分は何故話すのか?」という問いから始まりました。
自分は何故話すのか…。
考えてみると単純そうで難しい。
自分の考えを相手に伝えるため、気持ちを伝えるため、コミュニケーションを図るため…?

坪田まり子先生の答えは「自分を受け入れてもらうために話をする」でした。
なるほど、相手のことを考えないで自分のことを前面に出すのは独りよがりで、
相手の立場に立って自分という存在を受け入れて頂く、それこそが話すという行為の目的だったのでしょうか…。自分にそれができていたかというと疑問で、何かハっとするものがありました。

次は接客ワースト3についてです。
ワースト1位:私語
ワースト2位:無愛想
ワースト3位:挨拶がない

挨拶をしないことや無愛想でお客様に接するのは、接客をするうえであってはならないことです。私語も、裏の方で店員同士がおしゃべりをしていたら良い気分はしませんね。だからと言って、私語を止め愛想よく接し、挨拶をきちんとすればいいのかというと、そうでもないようです。単に「する」だけでは心がこもっておらず相手に伝わらない、ということです。

では、どうすれば自分の心が伝わるのでしょうか。
相手に心を伝えるには第一印象が大切なのです。
そして、第一印象は見た目で判断されることが多いんですね。
見た目で一番大切なのは笑顔です。ただ笑顔で挨拶をしても、言葉に気持ちがこもっていなければ伝わるものも伝わりません。
坪田まり子先生は正しい笑顔を作ると、発する言葉にも良い影響を及ぼすことを教えて下さいました。ひいては、良好な人間関係を築くきっかけになったり、電話対応の良し悪しにも大きく影響するようです。

どうして電話対応に笑顔が効果的なのでしょうか?
だって相手には電話越しに笑顔は見えないでしょう?
いえいえ、不思議なことに実は相手にも笑顔が見えるのです。
声のトーンによって。

舌先を上の歯にくっつけて口角を上げると、相手に好印象を与える笑顔を作ることができるのです。それによって声のトーンが高くなり、電話越しの相手にも好印象をもって頂けるのです。

以上からまとめると、「相手に自分を受け入れてもらうには言葉だけでは足りず、心をこめて笑顔で伝える」ことが大切だということです。

私自身、日々の電話対応について、相手に自分を受け入れてもらおうという気持ちが欠けていました。今回のセミナーをきっかけに、心をこめて感謝の気持ちをもって笑顔で接するように心掛けたいと思います。

12/7 第一部

投稿者 Bush吉田 2013年12月14日

12月7日(土)年内最後となる事務所セミナーを行いました。
土曜日にもかかわらず、多数の皆様のご参加、誠にありがとうございました。
今後の皆様の仕事にプライベートに少しでもお役に立てれば幸いです。
さて、今回はこのセミナーの内容につき、二人の職員に書いてもらうことにしました。

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第一部を報告させて頂くSです。

セミナーは二部構成でしたが、私の担当は第1部「?次世代リーダー育成?最近注目を浴びているコーチングを体験」です。
講師はプロフェッショナルコーチの神西賢一先生です。
今回のセミナーには、経営者や経営幹部の方々のみならず、私たち監査スタッフも参加しました。
セミナーのプログラムとして実施されたロールプレイングなどを通じて貴重な意見交換をさせていただき、有意義な時間を過ごすことができました。

神西賢一先生はコーチングについて「正解はない」とセミナーの中で何度か仰っていました。
リーダーは「自主性と主体性を育成できることが大切」とも…。
また、その実現のためには「意見を自由に主張できる土壌」「対話ができる環境」などが重要であるという着眼点についても非常に共感いたしました。
個々の自主性と主体性は、会社だけではなくスポーツなどにおいても、組織の成長や発展には必要不可欠だと思います。
私もいつかは後輩に
「遠慮することはない。生意気くらいでちょうどいい。」
「失敗を怖がらずにどんどんやってみろ。責任は俺がとる。」
「どんどん提案してくれ。前例慣行を覆すくらいの気持ちでいい。」
なんて言えるリーダーになり、遠慮なく伸び伸びと仕事をしてもらえたらと思いました。
コロンブスの卵を持った人材を生かすも殺すも自分次第と自身を戒めることを忘れず、目から鱗が落ちるような発想をどんどん引き出し、互いに組織の発展に貢献しながら成長できるような関係を築きたいものです。

オーストラリア旅行 第1章

投稿者 Bush吉田 2013年12月14日

 大学時代の友人3人で、三年ぶりに視察を兼ねた海外旅行を再開しました。
今回はオーストラリアに行ってきました。
 南半球にあるオーストラリアは日本とは逆の季節で、11月がベストシーズン。
19時50分成田を出発、眠っているうちに翌朝7時35分シドニー到着、シドニーから国内線に乗り継ぎ、11時05分には一番目の目的地であるメルボルンに到着。ヨーロッパやアメリカと異なり、ジェットラグによる時差は+2時間(サマータイム)だけで、時差ボケが無く体が楽で快適である。

メルボルンはオーストラリア第二の都市で、人口360万人の大都市である。
あいにく到着した日は小雨で肌寒かった。中心部にあるホテルにチェックインした後、セーターを着て市内見物に出かけた。ホテルから徒歩で行けるカールトンガーデン内にある、王立博覧会ビルのあるメルボルン博物館を見学した。
 メルボルンは有名な割に見どころがなく、少々がっかりしたが国としての歴史が浅いためかもしれない。メルボルンの街並みは碁盤のようになっており、道路の真ん中に市内電車(トラム)が走っている。公園や植栽の緑が豊富で美しい街である。

散策後、事前に聞いていたレストランに夕食に出かけた。カジノのあるクラウン・エンターテイメントコンプレックス内のステーキハウスである。メニューを見てびっくり、なんと和牛があった。ただしお値段が高く三人とも敬遠して、オージービーフのフィレを注文、大きな肉の塊と格闘した。味は思っていたよりもおいしく、日本で売られているオージービーフよりジューシーで脂身もなく私の口に合った。野菜もレタスやホウレン草はまあまあ、ただしトマトはまずかった。オーストラリア滞在中、日本で食べられるフルーツトマトのような美味しいものには巡り合えなかった。
 しかし、まさかメルボルンのステーキ屋で和牛を売っているとは思わなかった。日本の畜産家は自分の生産品にもっと自信を持つべきである。
 ちなみに、オージービーフは40ドル、和牛は60ドルで値段の差は1:1.5である。酪農の本場にもかかわらず値段が高い。

このところの円安とオーストラリアのインフレの影響からか物価が高い。ちなみに、マクドナルドのビッグマックの値段はオーストラリアの都市部で7ドル(650円)。日本では320円である。
 また、ホテル料金も割高で、中級クラスで25,000円から35,000円、感覚的にはホテルのグレードやサービスの質から比較して日本の約2倍である。
わがままなおじさんたちの旅行のため一人一部屋、したがってホテル代のコストが旅行代の半分以上を占めた。
 オーストラリアで物価が高いと感じるのは両国の為替相場の歪みから生じていると思われます。つまり購買力平価で考えてみると、ビッグマック指数でも明らかなように円相場とオーストラリアドルとの相対的な為替相場が異常なためです。このアンバランスはいずれ通貨相場で解消されるはずです。日本が円高になるか、オーストラリアドルは下落するかで調整されることになると思います。

次回へ続く?

まさか。

投稿者 Bush吉田 2013年12月05日

「まさか…ね。そのまさか…。」
今回、ブログを書かせて頂きます、職員のSです。
とある月曜日の朝、クライアント(仮にAさん(女性)とします)から連絡がありました。

「大日本通商という業者が10時半頃やってくるため、立ち会ってもらえないか」という内容でした。
電話口のAさんはとてもあわてており、切羽詰まった様子。普段のしっかり者の印象はどこへやら。
とりあえずお話を伺ってみました。
案の定、怪しい気配がちらほらと。すぐに最寄りの警察(仮にB警察)に相談するようにアドバイスしました。そして私はすぐにAさんのご自宅へと伺いました。

そして、そのAさん宅にてB警察からきた警察官2人とAさんと私の4人で午前中いっぱい待ちましたが、とうとう何の連絡もきませんでした。
その間に電話口では聞けなかった詳しい話を聞いてみると…、
こんな経緯でした。
? 株式会社ジーサクセス」という会社から金投資のパンフレットが届く。
? ○○警察生活安全課を名乗る男から「お宅は都内から電話がかかってくることが多いので詐欺の被害に遭っていないか確認をしたのだが、その会社は信頼できる」という連絡。
?大日本通商のモリという男から「Aさん名義で金の購入代金をジーサクセスに振り込んだ。名義変更手続きに伺いたい」という連絡。

このようなことを警察が連絡してくること自体、不審ですし、また、勝手に他人の名前で送金しておいて名義変更したいという話も不自然に思いました。
調べたところ、全く同じ業者が同じ手口で詐欺をおこなっていることが判明しました。

どうやらこの後、弁護士役のメンバーから「名義を貸したから法律違反になる。示談金を払えば話はつく」と連絡があり、お金を振り込ませる筋書きだったようです。

普段から、しっかり者の印象が強いAさんですら、こんなことをあっさりと真に受けてしまうことに驚きましたが、やはり誰しもこんな突然の電話だと冷静な判断もできなくなってしまうのだな、とあらためて思いました。
でもそんな緊急事態の中において私たちの事務所に連絡を頂けたこと、少し嬉しく思いました。
もちろん、Aさんには非通知での電話は無視していただくよう、十分にお願いしました。
まさか、こんなことが身近で起きるとは…油断大敵!
心配事があったらいつでも連絡してください、私にできる事なら何なりと!

アベノミクスで経済は良くなるのか? 続き

投稿者 Bush吉田 2013年12月04日

しばらく海外旅行で留守にしていたためブログも小休止していました。
海外旅行については、次回から連載したいと思います。

 前回のブログではアベノミクスの経済効果で公共投資関連が好調であることを書きました。また、最近クライアントから聞いた景気情報によれば、産業機器(特に省力化ロボット)に関して急に忙しくなっているようです。
 ここ数年間、世界の工場である中国で人件費が高騰し続けたため、中国国内の製造業はコストダウンの必要から、マンパワーから機械へのシフトが起き始めているようです。マンパワーにとってかわるオートメーション化、つまり省力化ロボットの導入がはじまってきたようです。中国の製造業も人件費高騰で機械化の第二ラウンドの時代に突入したと思います。
 省力化ロボットと言えば日本の独壇場です。中国外需が本格化すれば、日本の景気上昇の期待が持てるかもしれません。もちろん輸出ですからこのところの円安のメリット(1元=13円:昨年同月→現在17円)もプラス効果で、リーマンショック前までの中国特需と同じようになってほしいと思っています。

 次にアベノミクス第三の矢、成長戦略についての感じていることですが、
私が聞く限りでは、介護施設など福祉関係の投資以外、新たなビジネスの創業や投資の話はほとんど聞きません。政府から伝わってくる情報でも、医療介護、農業、観光と女性の社会進出などのお題目は並び立てているものの、具体的な話は伝わってきません。その上、労働制度の見直しなどの岩盤規制は相変わらず緩和される兆しはありません。企業家にとって従業員の雇用や解雇がしやすくなれば、採用意欲が高まり結果的に雇用は拡大すると云われています。しかし、法律や社会の慣習、既得権益に係ることなので根深く、労働制度の規制緩和は不可能に近いと言ってよいと思います。
また最近、医薬品のネット販売が話題になりましたが、結果は企業家心理にとってマイナスでした。

一方、私が常々成長戦略に必要だと思うのは、新たな起業のための投資について、個人投資家に対する税制上の優遇策を講じなければならないということです。新たなビジネスの起業はリスクも多く、成功するよりも失敗する確率がはるかに高いはずです。個人で会社を興し出資したとして、そのビジネスが不成功に終わった場合、現行の所得税では何の控除も認められていません。
少なくとも出資相当額か、出資に伴う損失は所得控除(または一部所得税額控除)をする税制を設けるべきです。

現行所得税は資産損失の所得控除についても、狭く限定(生活必需関連のみ)されています。
また、貯蓄から投資へとのスローガンをここ数年言い続けています。
NISA制度を創設はしたものの、儲かる場合のみの非課税で、損失への所得控除などの手当てがありません。政府や財務省の投資に対する考えは相変わらず従来のままなので、貯蓄から投資へ大きくお金がシフトする可能性は低いでしょう。
政府や財務省の役人に言いたい、本気で流れを変えようとしているならば、人がビジネスのリスクを取るという意味やその損失補てん、さらには企業家や投資家の心理をもっと深く知ってほしいと思います。

アベノミクスで経済は良くなるのか?

投稿者 Bush吉田 2013年11月12日

 「アベノミクスで景気が上向いている業種はありませんか?」とクライアント経営者からよく質問されます。
確かに、ここにきてクライアントの一部では受注が多くなってきている。
建設業向けの特殊工具製造業や建機製造業、産業用自動車つまりトラック部品製造に関係している企業はそんな状況になってきました。
例えば、ダンプトラックは発注してから納車までに1年以上待たされる。
これは東日本大震災の復興工事が本格的に動き出したことや、アベノミクスの第二の矢である公共工事による影響である。その上2020年の東京オリンピックの招致成功により施設建設やインフラ整備への需要増の期待も大きい。
 冷静に受注増の影響を受け始めた企業を分析すると、第二の矢である政府支出による公共事業による効果ではないかと思われる。しかし、これから先どれだけの期間にわたって、マクロ経済へプラス効果が続くのかという不安もある。

ご存じの通り、第二の矢である公共工事は政府支出である。また、消費税増税後も経済の腰折れをなくすため、さらに5兆円規模で政府支出を増やし、GDPの底上げを行うようである。つまり消費税増税による総消費の減少を公共投資の増加で総需要を増加させるつもりらしい。
 ただ、日本の財政状況は大変厳しい。すでに国の借金は1000兆円を超えており、先進国の中で最悪の財務内容である。公共工事は政府支出なので、その支出を増やせば増やすほど国の歳出は多くなり財務内容は悪化に拍車が掛かることになる。したがって、これから継続してこのような政府支出ができず、一時的なカンフル剤に過ぎない。
 経営者の方々もこの辺の事情をよく心得ていて、これから先行き受注が増える見通しであっても一時的?決して安心していないのである。公共事業のプラス効果が萎えて急激な受注減になることを警戒している。したがって、設備投資や人的投資などには極めて慎重になっているように思う。

 税制上、企業に対して設備投資を促進し、人的投資や給与引き上げのインセンティブを与えるために税額控除などの恩典の措置を講じ、それに加えて現在税務上のインセンティブをさらに引き上げる議論しているところである。(民間投資活性化等のための税制改正大綱H25年10月1日)
この具体的内容については今後、当社ホームページでご案内します。

バブル崩壊後の長年のデフレ経済と、過大設備や過剰人員で経営の立て直しに苦労した経営者は多くいて、借入による設備投資や人の採用ベースアップにはきわめて慎重なのである。そして、公共工事による一時的?な好循環は本物の経済復活ではないと考えているようです。
 したがって、政府が考えているような本格的な設備投資や給与水準のベースアップを決断する経営者は少ないのではなかろうか。

そう考えると第三の矢の成長戦略の成功へのハードルはきわめて高いように思えてならない。・・・・「続編あり」

整形外科に掛かりました・・・。

投稿者 Bush吉田 2013年11月05日

 ここ数年、腰痛に悩まされています。
職業柄、椅子に座ることが多く、姿勢が前傾しているため腰に負担がかかります。ゴルフが大好きなことも腰痛の原因だと思います。知り合いの医師から「吉田さんの腰痛はゴルフのやり過ぎだよ・・・」とよく言われています。プレーは週一回程度で決して度が過ぎているとは思っていませんが、日焼けした顔がそのような印象を与えているようです。生まれながら肌が浅黒く健康的でゴルフばかりしているように見えるらしい!?のです。

さて、10月17日に事務所主催の異業種交流ゴルフコンペ「グリーンセミナー」がありました。そこでまた腰が痛くなり、その後しばらく歩くたびに痛みを感じるようになりました。
あまりの痛みに自分でも心配になり、総合病院の整形外科で診てもらうことに。担当医は若い医師。私は症状を熱心に?訴えました。
ところが、その話の途中で遮られ、「過去に脊椎管狭窄症と言われているなら、年齢的にも腰痛がひどくなって当たり前、とりあえずレントゲンとMRIで検査しましょう。」と軽く笑いながら言われ、何とも釈然としませんでした。
いかにもの事務的でドライな対応、少しは患者側の苦痛や心情を察してほしいものである。
診療の待ち時間45分、診察時間1分間、腰を触診することもなく、分かりきったことを言い、レントゲンとMRI検査の日時の予定を入れるだけの診察で終わりました。一日ブルーな気持ちだったことは言うまでもなく…。

こんな診察に釈然としなかった私は、知り合いの医師に聞いてみた。
「大きな病院勤務の医師は忙しく患者一人にかけられる時間に制約がある。特に整形外科は外来の患者数が多いのでまず検査ありきで診断治療方針を決める。」しかしそうは言っても、触診もしないのはかなりの手抜きだそうである。
また、「患者に対して軽く笑いながらの発言は医師というよりも人間としての基本ができていないのではないか?」「特に若い医師の中には高等学校から大学受験で偏差値が高く成績優秀者が医学部に進学するケースが多いそうである。」「もともと医師という職業にやりがいを感じ、使命感をもって医学部に進学している学生が非常に少ない。そんな学生が医者になっても、医師が一番大切にしなければならない患者へのやさしさや気配りなど身につくはずがない。」とも語っていました。
世に中で本当に必要とされる良い医師は、的確な診断と治療はもちろんのこと、患者の心配を和らげるメンタル面の対応ではないかと思います。

最後に、ご存じの方が多いかと思いますが、MRIの作動中はすごい音がするので耳栓をしますが、今回の検査中に私の耳栓が外れました。まるでドラム缶の中に手足を縛られ放り込まれ、外からバットでドラム缶を連打されたような拷問の20分間でした。(*_*;
 今回の整形外科とは巡り合わせが良くないようだ・・・。

バックアップしていますか?

投稿者 Bush吉田 2013年10月28日

 自宅のブルーレイ録画機が壊れてしまった。
4年前に購入し、テレビとの相性を考え同じメーカーのS社製である。
録画するのは興味のある古典的な名作映画や「半澤直樹」など話題になったドラマ、ゴルフ中継、歴史ドキュメンタリーなどで、大変重宝していた。録画件数も相当な量で、まだ再生していないものも数多くありました。
これまで、見たい番組は録画し、時間にゆとりのある時に見るようにしていた。私は録画再生のメリットは時間の節約であると考えている。コマーシャルは早送りし、番組だけを見る。面白くない番組しかない日は、もってこいの機能だ。(最近面白くない番組が多くなった?)

S社子会社のメンテナンス会社に修理をお願いしたところ、故障個所がハードディスクで過去に録画した番組は全て駄目です、とのこと。
これから見ようと思っていた番組は残念ながら再生できません。
メンテの担当者は「ブルーレイの中身はパソコンです。しかも、一般のパソコンよりかなりデリケートな作りで壊れやすいのです。」と言っていた。
「お客さん(私)のように録画件数が多いと、負荷がかかる。」その解消策は「時々DVDに落として、初期化しないと容量の空きができない。番組を消去しても記録はメモリー内に残っている。」のだそうである。
また、「熱に弱いので今年のように暑い夏は、ブルーレイの空調ファンに隙間を空けた方がよいですよ。」とのアドバイスも受けた。いろいろ部品を交換したがやはり調子が悪く、結局工場に持ち帰って精密検査をして、原因究明することになった。これから2週間ブルーレイのない不便な生活である。
修理代金はまだ分からないが、かなりの金額が予想される。しかし、ヨドバシカメラの延長保証サービスに加入していて、その保証期間内でよかったが(5年間)、録画した番組が復元できないのが残念である。

ブルーレイは壊れやすくメンテ件数も多く、特に今日は土曜日で修理の依頼が一番多い曜日だそうだ。ちなみに、今日はこれから17件のお宅に訪問して修理をする予定とか・・・。

今回の教訓として、ハードディスクにある記録で残したいものはDVDにバックアップしておかなければならない。パソコンは外付けHDを繋げてマイピクチャや重要なフォルダはバックアップしているが、テレビ用の外付けHDを購入すべきだろうか?
そうだ!今回の修理代がポイント還元されるので、それを利用して買えばいいのだ、と思いついた。(*^^)v
でも…復元だけはどうにもならないんだよなぁ…。

奇跡のカムバック・・・。

投稿者 Bush吉田 2013年10月22日

 昨日、クライアントであるS社の40周年記念式典に出席しました。
S社の現社長は7代目ですが、中小企業にありがちな同族経営ではなく、世代交代のたびに同族関係者以外で適性のある者が社長に就任してきた歴史ある会社です。

私ども会計事務所との付き合いは平成15年からで、先代社長O氏の時からです。当時の会社は大変厳しい経営状況にあり、財務の管理体制も十分ではありませんでした。もっとも先代社長は独特の魅力がある方で、営業力やリーダーシップに優れ、資金繰りや業績こそ厳しかったが、O氏の人間力で荷主や従業員、協力関係先をまとめていました。
 ところが、平成17年1月に突如、脳梗塞で倒れ、その後、平成23年6月に67歳の若さで帰らぬ人となってしまいました。

次に社長を引継いだのが現社長であるS氏。当初、就任にあたって相当迷われたとのこと…。会社の経営状況も芳しくなく、ましてや同族関係者でもなんでもない。そんな中、決め手となった理由は、今までお世話になった荷主、この会社で生活している多くの従業員とその家族や協力関係先のことを考えたからだ、と聞きました。
私は本当に勇気のある決断だと尊敬した。正に「自利利他」の精神そのままの生き方です。同族関係者でもなく、財務体質が厳しい企業を承継するのはある意味、自己犠牲を厭わず大切なものを守っていこう、ということにほかなりません。
そして、この経営理念は次期社長になることが確定しているH氏(当事務所主催の後継者塾第3期卒業生)にも引き継がれることでしょう。

S氏の社長就任後、緻密な経営手腕で経営体質も改善されていきました。世の中の景気低迷が続く中、売上を減少させても利益を出していこうと方向転換したのです。もちろんコストの削減なども思い切って行いました。いわゆる黒字化ための手を打ったのです。また、得意先の荷主や従業員の協力にも恵まれました。これも先代社長であるO氏やS氏に対する信頼があったからこそ、なし得たことだと思います。
実は、不幸中の幸いもありました。先代O氏が法人契約で生命保険(高度障害付)を付保していたのです。業績の黒字化に加え、保険金のお陰で借入金や延滞債務などが支払うことができたことも財務体質改善につながりました。
改めて、会社経営のリスクヘッジ(事務所では企業防衛と呼んでいる)の重要性を思い知らされた次第です。
さて、話しをパーティーに戻します。
アトラクションではサプライズがありました。なんとS氏が青春時代の懐かしいベンチャーズの曲を披露してくれたのです。最初はプロレスデストロイヤーの覆面で顔を隠していたので全く気付きませんでした。
S氏は経営者として精神的に厳しい中、アマチュアバンドの仲間とリードギターでストレスを解消していたのでしょうか…?

当日は朝からあいにくの雨、慢性的な腰痛が応え、足元も悪く、なんとなく気持ちがふさぎ気味なまま参加した私でしたが、素晴らしい記念式典にお招き頂いたこと、大変よかったと思いました。帰りには腰痛も軽くなったような気がします。

最後に、われわれ会計人にとって、S社が奇跡ともいえるようなカムバックを果たし、厳しい財務状況から優良企業に生まれ変わったことが、何よりもうれしいことです。

大家さん満室ですか?

投稿者 Bush吉田 2013年10月16日

 先日、事務所主催で「大家さん向け、満室経営」というテーマで不動産大家さん向けセミナーを行った。セミナーというよりも勉強会だろうか。
そしてこの勉強会、毎年開催していて今年で三回目となった。
第一部の講師は地元の地主さんで、不動産賃貸市場に詳しい廣田氏を、第二部は株式会社ハウスメイトパートナーズ東東京支店店長の谷氏をお招きした。

廣田氏の話は、現在の賃貸市場の経営環境について、「ここ湘南台地区でも供給過多で空室が目立ってきた、また賃料の下落やコスト上昇で競争が激しく、収益も悪くなっている。」さらに「ここにきて立地や物件の良し悪しで賃貸経営も二極化してきている。」と語っておられた。
確かにクライアントを見ても、駅から徒歩10分以内、魅力のある物件は10年を超えても相変わらず満室経営であるが、反面、バス便やある建設会社が一手に建築した鉄筋コンクリート(ワンパターンデザインでセンスの悪いタイル張り)のアパートは空室が目立っている。そんな物件は家賃を引き下げても長期間入居者が決まらない。この傾向は年々顕著になっている。

そんな状況を踏まえて、競争力を失った物件をどうして蘇らせるのか?
第二部のセミナーでは「管理会社と大家さんが作る・入居者に選ばれる『愛され賃貸』」というテーマで谷さんにお話をしていただいた。
賃貸市場は人気物件と空室が目立つ物件、二極化が始まっている。増え続ける新築物件やインターネット環境の発展で、情報は簡単に誰でも手に入る時代になってきた。(SUUMO(スーモ)等)だから部屋の魅力やセールスポイントをアピールし、写真をたくさん載せる工夫が大事である。入居希望者はまずネットで周辺情報(築年数、設備、家賃、セキュリティー)などを検索している。
 “愛され賃貸”のスタートは「入居者層や入居者が望むライフスタイル」を知ること。(マーケティング)入居者層のターゲットの絞り込みにもSUUMO(スーモ)オーナーレポートは有力な武器になる。
さらに大家は周辺ライバル物件もチェックし、自分の物件の優位性を作り出すリフォームなど行っていくことである。もちろんコストも少なく、入居者のニーズに合うようなリフォームが重要である。
肝心なことは住宅の入居の意思決定者は女性(奥さんなど)である。リフォームは女性目線で、センスのある女性が絵描くのがベストであろう。

谷さんの話、妙齢な女性ならではのトークと笑顔で、聞いている我々もすっかり魅了されてしまった。(笑)

最後にお二人の講師が、ともに強調されていたこと…。
じっと何もせずに「待ちの姿勢の大家さん」から、賃借人に選ばれる物件を「積極的に創造する大家さんへ」そんな、プロの不動産賃貸業経営者としての姿勢・心構え・実行力が問われ始めていることを熱く訴えておられた。

大家家業もプロとしての意識改革が不可欠な厳しい時代になってきたようだ。

佐渡ヶ島観光

投稿者 Bush吉田 2013年09月30日

 この連休に、新潟県佐渡ヶ島に2泊3日の旅に出かけた。
私ども事務所の顧問弁護士であるNY法律事務所(HH会)の主催する懇親研修旅行である。
佐渡ヶ島は35年前、監査法人勤務時代に訪れて以来だったが、今回、お天気にも恵まれ、ゆっくりと佐渡の旅を満喫できた。
佐渡両津港から貸し切りバスで、佐渡ヶ島の主だった観光スポットを隈なく巡ったが、35年前とは比べ物にならないぐらい観光スポットが整備されていた。「トキの森公園」、「佐渡歴史伝説館」が新設され、有名な「佐渡金山」はずいぶんとリニューアルされかなり投資したようだった。

バスガイドの話では、佐渡ヶ島の人口は62千人で年々減少しているらしい。さらに、島の人口の60%が高齢者(日本の平均25%)で占められているとのこと。若者は島内に大学が無いため、島外に出て帰ってこないケースが多いとか。もっともその理由は就職先が限られて仕事がないからのようで佐渡には水産・林業・農業の第一次産業と観光業や福祉介護しかないのだ。確かに島内をバスで巡ってみたものの工場は一軒も見かけなかったし、子供にもほとんど会わなかった。
 また3連休にもかかわらず道路も空いていて、寂しく活気がないように感じた。

佐渡は歴史上政治犯や権力闘争に敗れた者が流された島としても有名である。
曽我ひとみさんのご主人のジェンキンスが働いている「佐渡歴史伝説館」に流された人物が展示されていた。
鎌倉時代「承久の乱」(公家勢力の回復のための鎌倉幕府打倒の戦い)で敗れた順徳天皇(1197年?1242年)。1271年片瀬龍口寺竜の口で鎌倉幕府に囚われ断罪されるその瞬間に落雷のため死刑を免れた日蓮上人(1222年?1282年)。
能を大成した世阿弥(1363年?1443年)も足利義満没後に不遇になり、晩年佐渡に流されている。「佐渡歴史伝説館」ではそれらの人物たちが蝋人形ロボットでリアルに展示されていた。
 また、びっくりしたのはファシズムの理論的指導者「北一輝」(1883年?1937年)が佐渡出身者で、ある博物館に掲げられていたことだ。
2.26事件の首謀者として死刑に処されている。日本の歴史上大きな汚点を作った狂信的な軍国主義者が、どうしてこんな穏やかな島から出てきたのか不思議でならない。

今回の佐渡旅行で面白かったのは、お酒が弱い私ではありますが、佐渡赤泊にある北雪酒造の見学でした。私が行きつけの鮨屋さんで出てくる美味しい辛口の酒の醸造元である。ちなみに、あのハリウッド俳優のロバート・デニーロがお気に入りのお酒だそうである。
HH会はお酒に興味がある人が多く、いろいろとメーカーの担当者への質疑が絶えなかった。見学後は酒飲みには待ちに待った利き酒、辛口の吟醸酒や梅酒と鬼殺しを半々にしたその美味しさについつい杯を重ねて飲みすぎてしまいました。
不覚にもバスの中で大いびきの爆睡で迷惑をかけたようです。(酔)

社会福祉法人の評議員と理事の独り言

投稿者 Bush吉田 2013年09月25日

 私はT社会福祉法人の評議員と理事に設立時から就任している。
T社会福祉法人は特別養護老人ホーム・デイサービス・グループホーム・高齢者専用賃貸住宅の施設を兼ね備えている。

評議員会・理事会でいつも話題になるのは、人事のことである。
新規に若い職員が入所してもなかなか定着せず、福祉関係の仕事に失望して別の仕事に就くケースが多い。確かに仕事内容はきつく、給料も世間一般から見ると低い水準である。仕事をすると云うのは「稼ぐ面」と「社会貢献面」があるが、「稼ぐ面」から見ると労多い割に見返りが少ない。反面「社会貢献面」からすれば人生の終末期には不可欠で、介護福祉は社会的な意義が大きい。
本来市場原理によると、社会的ニーズが高ければ、給与水準も高くなるはずである。しかし現実はそうなっていない。公的な介護保険制度で収入が固定化され、関わる人たちの給与水準が間接的に決まってしまう。公的な縛りが市場原理を無視した動きとなっているのである。
その上、日本は高齢化がものすごいスピードで進んでいる。今は高齢者人口約3000万人を生産年齢層約7000万人(2.33人に1人)で支えている。しかし東京オリンピックが開催される2020年には高齢者約3612万人を生産年齢層約6783万人(1.88人に1人)で支え、さらに2040年には高齢者約3868万人を生産年齢層約6393万人(1.65人に1人)で支えていかなければならない。(内閣府2010年データ)
つまり、介護を必要とする高齢者に対して支える側が絶対的に不足していく人口構成にもかかわらず、今のままの低い給与水準では誰も介護の仕事に就くはずがない。少なくとも働く人が人生を懸けるだけの魅力を与える仕事でなければ、その職業は発展しないと言ってもよいだろう。

次に話題になるのは、新しい施設ができるとベテランで優秀な人財が引き抜かれる。新聞によると、介護保険改正で特別養護老人ホームの入居基準を要介護3以上にすると報道した。その理由として特養施設の入居待ちが多いことを根拠といているが、実態はかなり異なっていると聞く。行政は入居希望者を二重に集計したり、軽い希望者まで含めたりして、現場の実態とはかけ離れているようだ。T社会福祉法人は実際の入居希望者の状況から見て、介護保険改正案やそれ関するマスコミの報道に違和感を持っていた。
ところで、現在T特養施設では特養施設の入居者で要介護3未満は1割程度、平均介護度は平成24年度4.0、平成25年4?8月3.9だそうである。
また最近の傾向として、男性の施設入居希望者が増加していると聞いた。(現在入居者割合?男性1割強、女性9割弱)
厚生労働省の方針として在宅介護を推し進めているが、男性が認知症などを発症すると、家族だけでは手に負えなくなるようだ。自立して生活してきた女性が認知症になるのとではかなり事情が異なっている。
 ところで、男性の入居者はT社会福祉法人の幹部たちが語るところによるとものすごく手が掛り職員泣かせとか、その分職員のマンパワーが必要になる。

そんな話を聞いて、何だか自分ことを言われているようで、いずれは訪れる終末期の不安が大きくなった。
「ピンピンコロリ」これが男子の本懐であろうか・・・。(笑)

消費税の増税について

投稿者 Bush吉田 2013年09月18日

 消費税の増税について、10月初旬に安倍首相の最終的な判断が下される。
既に平成26年4月から(5%→8%)と、平成26年10月から(8%→10%)の増税案は国会で成立されているが、政府は経済に与える影響が大きいだけに消費税引き上げにはきわめて慎重な姿勢で臨んでいる。
安倍政権が発足して以来、株式市場は上昇している。株式相場は先行きの期待と円安基調から外人投資家の買いで値を上げている。
GDPなどの経済指標が好調との発表もある。ところが中小企業の業績や先行きの見通しは相変わらず厳しい。私が会計事務所業務を通して感じているのとはかなりズレがあるように思う。
 クライアントの多くの中小企業経営者は本格的な経済成長の実感はないような口ぶりである。

話が変るが、先週の7日早朝にTVで「2020 TOKYO」とIOC会長から発表されたのを見て、本当に感動し嬉しくて涙が出てきた。原発の汚染水漏れがあったことでほぼ諦めていただけに感激も大きかった。勝因は日本のオリンピック招致委員のプレゼンテーションが素晴らしかったからだろう。この2020年東京オリンピック招致の成功によって日本は一気に明るいムードになってきたと思う。東京オリンピックの経済効果は3兆円と云われているが、それにも増して日本人にとって、大きな目標ができて経済だけでは計り知れない高揚感が出てきた。

さて話を消費税増税に戻そう。日本の財政状態は国の借金がGDPの2倍、世界のどの国よりも悪化している(世界ワースト2)。しかし貯蓄が1500兆円と国の借金1000兆円を上回っており、借金のほとんどが国内で引き受けられている。この点が欧州金融危機のギリシャなどと異なっているところで、今のところ安穏と生活できている。しかし日本はこのまま財政健全化しなければいずれ破綻する。
なぜかというと、毎年歳入(収入)不足で借金が20兆円も増え続ければ、いずれ国内の貯蓄で消化できなくなるからである。この状態がこのまま続くと20年後の2033年には400兆円も借金が増え1400兆円になるからである。
そう考えると、消費税などの増税は避けられない。われわれ団塊の世代はともかく、若い世代や子孫に大きな負担を強いることになる。
さらに高齢者にとって厳しいが、年金や医療費など社会保障費のついてもメスを入れなければなるまい。今の制度では毎年社会保障費が1兆円ずつ増加するとの情報もある。日本は高齢化社会で社会保障費が増加するコスト構造になっている。
私もこれから社会保障の受益を受ける年代だが、国家的見地から社会保障制度を見直すべきである。このままでは金がいくらあっても賄いきれない。

したがって、私は消費税の増税には条件付きで賛成である。
同時に社会保障制度も見直すと云う条件である。そうでなければ、今後消費税増税も10%から15%20%もあり得るからである。

いずれにしても、成立した法案は実行せずに先延ばしすると全世界から信任を失い、後に大きな禍根を残すことになるだろう。

心に残る結婚式

投稿者 Bush吉田 2013年09月09日

 先週の日曜日にクライアントの結婚式に出席した。
新郎は事務所で主催している私塾「後継者塾」の卒業者である。
いずれ、創業者の親父さんの後を引継ぐことになるが、お兄さんとともに兄弟で会社を経営する予定である。
 新郎新婦は美男美女、まさに結婚式場のホームページを飾るような素晴らしいカップルである。新郎はアクティブな性格で、後継者塾でも特に勉強後の懇親会で存在感のある塾生であった。懇親会は決まって、一次会→二次会→三次会と、翌日の朝まで徹底的に飲み、塾生同志語り明かしたそうだ。
 今、若者が独身のまま中年になってしまうことが多い。わが事務所の男性職員も例外でない。それは「出会いの場がないからだ」と云われているが、この新郎のようにアクティブに行動して出会いのチャンスを自ら捕まえて欲しいものである。

さて話を戻して、結婚式は誠に感動的であった。あくまでも新郎新婦が主演で、来賓は新郎新婦の知り合いだけ、出席者は友人や親族だけで形式ばらず親しみのもてる雰囲気であった。式の演出も凝っており、サプライズや感動の連続で心に残る結婚式でした。
この結婚式には新郎が後継者塾をご縁に知り合った若手経営者らが多く出席していた。参加者ほとんどは朝帰りの常連たちだそうである。私は後継者塾をきっかけにこのような交友の輪が広がって大変うれしく思いました。

さて、企業経営を兄弟で仲良くやっていくのは難しいとよく言われている。
兄弟と云えども性格や考え方が異なっているからである。会社の経営状態が良い時はともかく、厳しい局面になるとその戦略や意思決定にズレが生じるからである。そんな時、兄弟間の信頼関係が肝心になる。たとえ意見や考え方が異なってもよくコミュニケーションを取って、お互いの言うことに誠実に耳を傾け、真剣に付き合っていく姿勢が大事だと思う。そうすると、自分の考えが至らなかったことに気付き、深く物事を考察できるはずである。
また、兄弟の家庭間の付き合いも大切にして欲しい。結婚し、家庭を持つと必然的に兄弟間の絆も希薄になりがちである。家族どうしの交流で鍵を握るのはお嫁さんだ。そんなことに思いを巡らしていると、お兄さんのお嫁さんが挨拶に来られた、親しみやすく気さくで好感のもてる奥さんだ。またこの結婚式でのお兄さん、弟のために一生懸命である。式を盛り上げるために歌を披露したり、席を回って出席者に挨拶し来られたり、写真を撮ったり‥‥。
そんなお兄さんの姿に感動して、二次会で新郎は涙を流していた。
こんな兄弟が力を合わせれば、会社も家庭もともに幸せになるはずである。(祈)

神々の宿るバリ島 第四話

投稿者 Bush吉田 2013年09月03日

 いよいよ帰国、デンパサール国際空港で、とんでもない事態に遭遇する。
空港の入り口から長蛇の列、ラゲッジを預けるのに30分以上も並ばなければならなかった。荷物を預けると次の手荷物検査でも相当待たされた。さらに出国手続きも長蛇の列で辟易とした。通常、出国手続きは簡単に済ませる国が多いが、インドネシアはやたらと時間がかかった。
 やっと出国したがロビー内でも大変な混雑である。乗客が座る椅子は出発客でごった返していた。床に直に座る人、中国人?らしき団体客は床にそのまま寝ている。どんな状況におかれても生き残ってきた中国人のタフさを垣間見た気がした。日本人たちは行儀がよく、しかし、疲れ切った表情であった。
 急速に海外からの観光客が増加して、空港のキャパシティーが追い付いていないのだ。車の急増による慢性的な交通渋滞と同じ現象が起きていた。急速な経済成長で道路や空港などのインフラが追い付いていない。
 旅行社のガイドによれば、10月に開催予定のAPECに向けて、デンパサール国際空港を大急ぎで拡張しているそうだ。空港に向かう途中のバスから工事中の建物を見たが、素人目にもあと2か月ではとても竣工しそうにない。

私たちの搭乗する飛行機は予定では翌日0時25分発であったが、1時間30分の遅れとなった。まさに弱り目に祟り目である。搭乗手続きも遅れたが出発ゲート前の待合室は狭く椅子の数が絶対的に不足していた。大多数の人が深夜に2時間近く立ったまま待たされることになった。ほとんどの乗客は床に直にすわって寝ていた。子供たちや幼い子供を抱えた人は大変な思いをしたはずである。

 昔から、「終わりよければ全てよし」ということわざがある。
今回の旅行、そういった意味では残念である。せっかくいい企画でバリ島を満喫し、楽しむことができた。しかし、最後になってデンパサール空港のインフラの不備と、航空会社の人為的なミス?機内資材の遅れで、多くの観光客に悪いイメージを与えたのではないかと思う。
 このような悲惨な空港の状況が分かっているのなら、インドネシア当局は空港ロビー内のスペースに補助的なベンチを設置するなど応急的対策をして欲しかった。利用者側の目線に立ってほしいものである。
どこからか「だから、まだ新興国なのだよね・・・」との声が聞こえてきた。
最後に、この旅行を企画していただいたTKCやD社に心より感謝したい。
いたれり尽くせりの申し分のない旅であった。
この旅行で出逢った鹿児島のF先生の事務所の方々にもご縁を感じている。
神々が宿る島で、また一つ人生の貴重な思い出が刻まれた。

神々の宿るバリ島 第三話

投稿者 Bush吉田 2013年09月03日

 バリ島3日目。
最終日であるこの日は、ウブドとゴア遺跡観光のオプションツアーに参加した。
ウブドは遺跡や寺院、そして伝統工芸品のメッカでバリ王朝の古都である。
交通渋滞を予想して、早朝7時30分に出発、前日のマリンスポーツ?とタコ踊りで疲労が貯まっていた。
 そして、どうしたことかバス車内が暑く蒸している。エアコンの温度を下げるように要望が出たが、なんとエアコンが故障していた。このバスは窓も開かず、まるで蒸し風呂のような暑さである。こりゃたまらん、私はおまけに朝急いだせいか、汗拭きタオルも忘れてきた。最悪である。
 今どきの車でエアコンの故障はあり得ない?バスもそれほど古くないし何故だろうかと思った。ウブド遺跡に着いて外に出ると、なんと心地よい涼しさではないか。まったくこのぼろバス…。メーカーを確認すると、Hを崩したようなマーク。「ヒュンダイ」である。安いが品質がイマイチのメイドインコーリアのバスに乗ったのが運のつきであった。
 ゴア遺跡はヒンズー教の聖地である、この島の住民のほとんどがヒンズー教徒である。ちなみにインドネシアはイスラム系の住民が多くいるが、このバリ島だけはそうではないらしい。
 このウブドで面白い人物と出逢った。「恵子・マンデラ」氏である。日本のマスメディアで何度も取材されている。昼食会場の、緑豊かなチャンプアン渓谷に「ビバ・リゾート」がある。そこのオーナーはウブド王室(インドネシアは共和国で大地主?)、恵子氏はそのお妃として有名だ。恐れ多いが王妃に話しかけたところ「25年前に嫁いできた」と語っていた。
 やり手の王妃恵子氏はホテル経営のマネジメント、村での儀式、ブリアタン歌劇団の運営を任されている。またネットで確認したところ、3人の息子の母親でもあるらしい。
 民族衣装が良く似合い、図図しくもツーショットの写真をねだってしまった。
笑顔で快く応じていただき、帰り際に名刺も頂いた。
 いずれまた神々の住む緑の秘境、この恵子氏のリゾートに行こうと思う。
こんな環境の中、食事(イタリアン)もおいしくて、すっかり平らげた。また昨日の疲労も嘘のように消えていく気がした。
 帰路は素晴らしい食事と緑のアロマセラピーが効いて、代車のバスの中で一時間以上も爆睡してしまった。
 そして夜は旅行最後の合同晩餐会である。その日のうちにホテルを出発しなければならない。はっきり言ってしんどかった。しかし、最終日にとんでもないハプニングに見舞われようとは、この時、誰が思っただろうか。
「第四話」につづく…。

神々が宿るバリ島 第二話

投稿者 Bush吉田 2013年08月28日

 バリ島2日目。
「バリハイ・ビーチクルーズ」に参加した。
ホテルからバスで一時間ほどの場所にあるハーバーから貸し切りのクルーザーで約1時間30分のクルージングでレンボンガン島の海岸に行き、そして、サンゴ礁が生息する美しい海でマリンスポーツを楽しむツアーだ。
私はあまり泳ぎが得意でないが折角の誘いだったので半ば渋々といったところ…。
島に着いて、グラスボートで海底に生息するサンゴ礁を観察。言葉の壁のせいか解説がなく?わからなく?一通り眺めただけで感激も何もなかった。
次のメニューはシュノーケリングであった。15年前に家族でオーストラリアのグレートバリアーリーフでシュノーケリングをして以来である。スイミングスクール育ちの娘たちは怖がることもなく、すいすいと泳ぎ回っていた。それに反して、私は呼吸がうまくできずに溺れかかった苦い経験があった。
 今回の挑戦もそんな不安な気持ちでのスタートだった。舟で沖合に行き、そこからシュノーケリングスポットまで50mもある。そこまでたどり着くのに大変苦労した。足かきの使い方が下手で、犬かきのような泳ぎ方になり、ほとんど前に進まずそれだけで疲労困ぱい。何度も海水を飲んで溺れそうになった。H先生から体験ダイビングに誘われたが、お断りして本当によかったと思う。
 なんとかスポットに到着しても息があがってしまい、静まるまでシュノーケリングどころではなかった。やっとのことでコツを思い出してサンゴ礁を眺めながら、その美しさを堪能できたのは最後の10分間だけであった。グラスボートから眺めたサンゴ礁とは全く異なり、緑、青、黄色のサンゴ礁や、色とりどりの熱帯魚は本当に素晴らしい眺めであった。もう少しゆっくりとサンゴ礁の海を楽しみたかった。
 温暖化の影響でインドネシアの海もグレートバリアーリーフと同じようにサンゴ礁が白くなっているそうだ。サンゴ礁は天的のオニヒトデの増加と海水の温度が上がると死滅すると、沖縄の人が語っていた。
サンゴ礁が生息できる地球環境があと何年続くのか心配である。

帰りのクルーズは波間に白波が立ち、うねりが高く船がかなり揺れた。外海に出てしばらくすると、コーヒーやケーキのテーブルがひっくり返り、一時船内が騒然となった。私は泳ぎがあまり得意でないが、船酔いにはめっぽう強く何ともなかったが、多くに乗客は不安そうな表情でソファーに横になっていた。

そして、その夜はインドネシア料理で懇親会が開催された。席はレゴンダンス舞台の最前列、かぶりつき席である。ダンサーに誘われるままレゴンダンスのつもりのタコ踊り?を披露し、TKCメンバーの前で恥をかくことになった。
「第三話」につづく…。

神々が宿るバリ島 第一話

投稿者 Bush吉田 2013年08月28日

 神々の宿る島として有名なインドネシアのバリ島に行ってきた。
訪れたのはおよそ20年ぶりだろうか。前回は会計事務所の職員の福利厚生をかねた所内旅行。全員でケチャックダンスに参加し、大いに盛り上がった思い出の地である。
 そして今回は、会計事務所グループであるTKC全国会の団体旅行で訪れた。
当初からオプショナルツアーがぎっしり組まれていたが、私はリゾート地でのんびりしたかったので到着した翌日だけは自由行動を選び、宿泊先のグランド・ハイアット・バリのプールサイドで読書や昼寝を楽しんだ。
 プールサイドで一日、リゾート地ならではのゆったりとした時間を過ごさせてもらった。
このホテルにはオーストラリア、中国(台湾か香港?)、韓国、ドイツ(ドイツ語に聞こえたが元の植民地支配国オランダかも?)から来ている観光客でいっぱいで、本当に国際色豊かであった。まさに、世界的なリゾート地である。
 プールでの遊び方はお国によってさまざま、中国人?らしき団体は大勢でやってきてワイワイ騒ぎ、うるさく気に障ったが1時間ぐらいでいなくなりホッとした。それ以外の観光客は静かなもので、本当にのんびりできた。
 リゾートでの醍醐味は何のスケジュールもなく時間を気にせずにぼんやりと、読書や昼寝をしながらリラックスすることだ。こんな時間を持てることが一番の贅沢かもしれないと思うようになってきた。
 ちなみにプールサイドで一日過ごしたが、同行者の誰とも会わなかった。

さて、20年ぶりのバリ島、当時と様子が大違いである。ホテルに隣接して大きなショッピングモールがあり、日本資本の「そごう」まで進出していた。
空港のあるデンパサールもだいぶにぎやかで、生活も豊かになっているようだ。日本製のオートバイに二人乗り三人乗りで、車の間をすり抜けていた。
車も日本車で溢れていた。ちなみに車の90%以上が日本のメーカー(トヨタ・スズキ・ホンダなど現地生産車)だ。
20年前はオートバイや車はほとんどなく、空港からホテルまで30分もかからなかった。今ではこの交通渋滞は慢性的だそうである。
アジアのリゾートはビンタン島(インドネシア領)、ボルネオ島(マレーシア領)のコタキナバルに出かけたことがある。
こちらのほうは観光地としてまだあまり知られていないせいか、俗化されておらず観光客も少ない。ちなみにコタキナバルの観光はボルネオの大自然ツアーとオランウータンの飼育見学(ホテルの裏山)が素晴らしかった。
それに比べてバリ島は観光地としての歴史が長く、オプショナルツアーも沢山あった。旅行2日目、3日目は同行者の誘いもあって付き合うことにした。
「第二話」につづく。

銀行大競争時代

投稿者 Bush吉田 2013年08月21日

 最近事務所に銀行の方々がよく訪ねてこられる。メガバンク、地方銀行、信用金庫などさまざまであるが、ときどき信託銀行の方もみえる。
「どこかクライアントで資金を必要としている先がありますか?」そんな声をよく聞く。確かに、アベノミクスの効果で景気の先行きがそれとなく明るい兆しがあるものの、まだ本格的な設備投資を行う企業はほとんど見られない。一方、銀行サイドの貸出(融資)状況は相変わらずで、貸出金は減少傾向に歯止めがかかっていない。ちなみに銀行が預金として預かっている資金を貸出金として運用する割合は国内銀行平均70%程度(預貸率)の過去最低水準で、信用金庫にいたっては50%を割れているデータが公表されている。(8月16日付日経新聞)そして預金のうち貸出金を差し引いて余った資金を仕方なく国債などで運用している。
 これでは銀行としての本来業務であるビジネスモデルが成り立たず、また金融機関としての社会的な役割を果たしていないことになろう。

 日本経済が低成長時代になって、企業などの資金需要(貸出)が旺盛でない状況下なので、これから先も預貸率は減少傾向が続くと思われる。
この現象に歯止めがかかるのは、(1)一時的な資金需要かもしれないがアベノミクスで設備投資が活性化すること。(2)銀行が融資姿勢を変えて赤字続きのベンチャー企業などにリスクを取って積極的に融資すること。(3)高齢化が進み生活資金として預金取り崩しが始まって預金残高が減少すること等が考えられる。
つまり、(1)と(2)は融資を増やすことになり、(3)は預金が目減りすることになる。(1)のケースは、アベノミクスの第三の矢の成長戦略について、企業経営者が将来の見通しにはっきりした確信が持てるまで積極的な投資をしないと思われる。それはバブル崩壊やリーマンショックで過大設備や借入過多などで散々痛い目に逢っているからである。特にバブル期の土地購入の債務過多のバランスシート調整は、つい最近まで経営者を苦しめてきた。
 次に(2)のケースでは、来年から金融庁の検査マニュアルが見直されるようだ。今までの金融庁はバブル崩壊後、銀行検査について不良債権処理を主目的としてきたが、昨今銀行の財務内容は健全化している。それぞれの案件について融資判断を銀行に任せるようになるらしい。
したがって、今までは不良債権になることを恐れ、中小ベンチャー企業の赤字で財務内容の悪化した先への融資に腰が引けていたが、これからは銀行独自で判断でリスクを取った融資がしやすくなろう。もちろん銀行も担保ありきの融資姿勢を思い切って変えていく経営判断も不可欠である。
 最後に、(3)のケースではこれから本格的な高齢化社会に突入していくわけだが、年金だけでは満足した生活が送れないことから、今までの預貯金を取り崩す高齢者が増加していくはずである。高齢者の老後の生活の安心のために「リバース・モゲージ」をもっと普及させるべきではないかと思う。「リバース・モゲージ」は銀行の融資増につながり、また高齢者の老後の生活保障にもつながる社会的に役に立つ制度である。しかし、現状では使い勝手が悪く改善しなければならない問題が多いようである。このことについては改めて考えてみたいと思う。

 こんな銀行間の過当競争?に在りながら、湘南台地区に新たにS銀行が開業された。聞くところによれば個人向け住宅ローンだけではなく法人向け融資も積極的に行うそうである。新規に地盤を固めていくためにリスクをとって中小企業融資を期待したい。そして他行も過当競争の中でもっと中小企業に対する資金ニーズに応えてもらうとありがたい。(祈)

quality of life

投稿者 Bush吉田 2013年08月12日

 久しぶりに、認知症(ボケ)の専門医として有名なMドクターの講演を聞いた。
新しく出版されたM氏の著書をベースに認知症について、最新の知見を盛り込んだ内容であった。
認知症は高齢者になると発症しやすいが、その患者数は全国で460万人ともいわれている。さらにその予備軍は400万人もいて、認知症はますます増加していくそうだ。
これは国の大きな社会問題。つまり国の社会保障費30兆円(平成23年度)が高齢化に伴い毎年一兆円も増加している。ちなみに医療介護の総支出(40兆円)は社会保障費と医療介護社会保険料で賄っている。そして社会保障費のうち医療介護支出への負担割合は40%。さらに医療介護のうち、認知症への支出は明細がはっきりしないが、その治療には長期間にわたって施設で療養しなければならないといわれ、巨額な負担であると推測される。働く若い世代が医療介護保険料を負担しなければならないだけではなく、税金の負担増にも跳ね返る社会的な大問題なのである。

認知症は発症しても、初期であれば治療の可能性が高いようだ。
それには家族が日常からよく観察しておくことが重要だそうだ。例えばおしゃれな人が急に服装などを構わなくなるとか、きれい好きだったのに散らかし放題でも気にならなくなる、外出好きが誘っても億劫がって出かけない、好きだった趣味を急に止めてしまうなどは認知症の初期の兆候だそうだ。
 ある意味、他の成人病とおなじで早期発見が大事なのかもしれない。
治療法は薬もあるが、生活習慣の中で、体を動かすことや頭を使うこと一番。例えば、定時の散歩、簡単な日記、家族団らんや孫との会話、さらには麻雀やカラオケなども効果的だそうである。

セミナーで印象的だったのは、認知症は「生活環境」が重要で、高齢になってからのライフスタイルが影響するようだ。
特に配偶者と死別して孤独、息子や嫁に主導権を渡した人、また施設へ入ったり、住居の引っ越しなどの環境の変化は認知症を発症するリスクが高くなるそうだ。
そこで私自身も認知症にならないために、自分が少しでも社会に貢献できる間は働き続けるべきだと思った。それには何事にも前向きで好奇心を持ち、生活も行動的に楽しんで、健康に注意し絶えず頭を使い続ける習慣を身に付けることが一番の防止策ではないだろうか。

実は還暦を過ぎたころから「物忘れ」が多くなってきた。必ず手帳にメモを取っているし、また寝る前には翌日の仕事の書類チェックや着る服装もそろえておく工夫をしている。ところが固有名詞や名前が出てこないことがある。
「物忘れ」は認知症の初期段階なのか?と心配していた。Mドクターは「物忘れ」と認知症は同じではない、と語っていた。さらに「吉田さんは認知症にならないタイプだ・・・」とも聞きホッとした。

これからの人生の幸せは「Quality of  life」をいかに長く続けられるにかかっている。それには大好きな趣味、諸事への好奇心、ダンディズムや色気を失わないように生きていこうと胸に刻んだ。
20年後の自分はボケないと念じているが、はたしてどうなるでしょうか。(笑)

税理士の適正申告表明の意見「書面添付」

投稿者 Bush吉田 2013年08月05日

 先日、税務署からクライアントの申告について電話がかかってきた。
そのクライアントは2年前に付き合い始めた新しい顧客である。
それだけに会計事務所としても関与以前の決算内容には多少の不安があった。
関与は毎月会社にお伺いする、いわゆる月次巡回監査を行っている。そこで担当者は経理指導や業績およびキャッシュフロー、そして決算予測などを経営者に説明しいろいろとアドバイスを行っている。
関与を始めてから、決算内容は適正でしっかり経理処理してきた心証が得られたので過去2事業年度の決算書申告書には税理士の適正意見の表明ともいえる「書面添付」を付けてきた。

今回の税務署からの問い合わせは当該顧客が税務調査に選定されたという連絡であった。調査に選定された法人の申告書に「書面添付」があると、税務当局は第一段階で疑問点や異常な事項などの内容をあらかじめ税理士に確認する手続きが必要である。そのときに税理士側は申告内容に意見を述べた適正申告である旨のアピールや逆に質問する機会を与えられる。これを「意見聴取」という。
そこで、担当者を伴い「意見聴取」のため税務署を訪問した。署側では法人税統括官と担当官が待っていた。約一時間いろいろと署側から質問され事務所側の意見を申し上げた。署側からの質問はあらかじめ我々が想定していたもので、ほぼ納得が得られる回答が出来たと思う。ただし関与する前の年度については署側から何の質問も無かった。「書面添付」がないからである。
そこで私から質問をした。「過去に修正申告を提出しておりその内容がよく分からないが、当時の経営者は亡くなって今ではその後継者である息子さんが代表者で、経理責任者も交代しています。後継者たちはまったく過去のことを知らないのです。」
統括官曰く「平成19年に税務調査を行っており、そこで修正事項として雑収入の計上漏れ、交際費の否認を行っています。雑収入はある得意先からの生産調整金を先代の家族預金口座に入金されていたものでした。」(驚)
「えっ、それでは重加算税が課されていませんか?」「そうです・・・」「金額からすると青色申告の取り消しになるのでは?」「一回目なのでお目こぼしでセーフになっています。」(やれやれ)
私の知らない過去の事実が分かったが、関与以前についての不安が的中したことに驚いた。過去に重加算税を課された事実がある場合「意見聴取」だけで税務調査省略にはなるとは思えない。
救いは当時の経営者や会計事務所の交代で会計システムや申告に対する意識が改善していることである。署側がどのように判断するか連絡待ちである。

社外役員への期待

投稿者 Bush吉田 2013年07月29日

 私は公認会計士という職業柄か、いくつの会社で社外役員を仰せつかっている。その組織は株式会社、医療法人、社会福祉法人など様々である。
役員といっても非常勤で、役職は監査役、監事、理事等で原則毎月行われる取締役会理事会に必ず出席して質問や意見を述べている。もともと会社などから依頼されて就任しているので、取締役会ではいろいろと意見を求められる雰囲気で、発言が少ないとかえって期待外れになってしまうと思っている。

最近の世論は会社へは社会的な期待の反面、コンプライアンス違反などの反社会的な行為に対して大変厳しくなっている。企業が不祥事を起こすとペナルティーなどの罰則だけではなく、場合によってはその企業の命取りになりかねない。つまり企業不祥事とは法令や定款に違反する行為や社会的非難を招く不正もしくは不適切な行為をいう。そしてそのことがマスメディアにスクープされてしまうとあっという間に反社会的企業の烙印を押され、企業の信頼を失い、世の中で存続できなくなってしまうのである。
その防止策として内部統制システムが有効に機能していることがきわめて重要になる。

先日も事務所主催のセミナーで、破綻した会社の経営者が語っていたが、20年前の不正経理(粉飾)がきっかけで取り返しのつかないことになった。
「本当は潰れなくてもよかった会社が粉飾という会社法違反の不祥事が命取りになった」と述べていた。最近は一つでもコンプライス違反あれば、利害関係者は容赦なく非難し、そこを叩いてくる。氏曰く、「昔なら誰でもやっていた粉飾が今では絶対許されない。そんな世の中の変化を見落としていた。」

このことはなにも会計だけに限らない。
次に社外役員としてよく聞く課題として、労務上のトラブルが役員会の議題として上がってくる。確かに労働基準法などの規定は雇用や働く環境など、企業活動の実態にそぐわない面も多いが、どんなに法令が企業活動に不都合であっても、企業は労働法規は遵守しなければならない。
世界中でも日本では労務上の規制は最も厳しいといわれている。
そこでアベノミクスの第三の矢で特区を設けて労働規制を見直そうとの動きもある。企業経営のダイナミズムを取り返さないと日本経済の復活はないということかもしれない。

また会社と役員との利害相反取引や公私混同が行われることにも注意をしている。これは社内の取締役は言いづらいのか、取締役会などの議題に上がりにくい。
だが、監査役としては取締役の私的利益を優先して、会社の損害を与えるおそれのある取引に目を光らせなければならない。もちろん利益相反取引は取締役会決議も必要で、取引当事者取締役は議決権がない。

昨今の世の中の流れから企業の社会的責任が強く叫ばれている。
したがって、思慮深い企業にあっては第三者的社外役員の見識や客観的な見方へ期待するところが高まっている。ゆえに、私は社外役員として積極的に取締役や理事に対して遠慮なく忌憚のない発言をさせていただいている。

ハイブリット車に乗って思うこと

投稿者 Bush吉田 2013年07月24日

 昨年8月、ハイブリット車を購入してから一年が経過した。走行積算距離は10,000キロ、もっぱら仕事に利用している。
私は若いころから車好きで、趣味が高じて学生時代には体育会自動車部でドライブ旅行やラリー、改造などを楽しんでいた。車好きになったきっかけは父親が自動車販売修理の仕事をしていた影響ではないかと思う。
そして、この年齢になっても相変わらず車が大好きである。

さて、初めてハイブリット車を乗ってみてそのメリット・デメリットや印象を私なりに述べてみる。
 まず購入時であるが、車両価格はガソリン車に比べ15%?20%割高である。
ただし、自動車取得税の5%と自動車重量税(3年間49,200円)は免税になる。
また、毎年の自動車税も半額29,000円(58,000円×50%)になる。
さらに、燃費についてはこの一年間はリッター当たり14.5キロ、同じ車種のガソリン車に比べ約2倍の燃費の良さではないかと思われる。ちなみに私の車のカタログ上の燃費JC08モードではハイブリット車18.2キロ、ガソリン車9.8キロである。冬場には燃費が伸びないが、春暖かくなってからぐんぐん燃費が向上した。年間のガソリン代の省エネ効果は5万円程度。
ところでEVモード(モーターだけで走行)は時速70KMまでが限界である。高速道路ではエンジンとモーターが併用される。したがって燃費を伸ばす走行パターンは皮肉なことに道路が渋滞しているとき。そのせいか今までと違って渋滞時のイライラはだいぶ解消された?ように思う。
その上ハイブリット車特有の、もったりした加速に洗脳されたせいか、最近では急な発進もスピードも控えめにゆっくりペースの運転になってきた。
学生時代の部活で、エコラン競技(一定距離をできるだけ少ないガソリン消費量を競う)があった。それは自動車メーカーから車を借りて、日本一周のルートを決めて大学対抗で燃費を競うラリー、素晴らしい思い出である。

ところが、車好きにとって高性能なガソリンエンジン特有の加速レスポンスやスピードは忘れることができない魅力である。
ハイブリット車のもったりした加速の立ち上がりはスポーツ志向の若者には受けないだろう。さらに私のハイブリット車はガソリン車に比べ車両重量が170キログラムもメタボである。自動車メーカーは重い電池など、もっとスピーディーに改良をしてもらいたい。
最後に、ハイブリット車は価格や性能などまだまだ改良の余地が残されている。にもかかわらず化石燃料による地球温暖化などが叫ばれており、これも省エネ車を選択する時代の流れなのだろう。

下請け企業の活路は?

投稿者 Bush吉田 2013年07月14日

 下請け企業は儲からないと言われているが、本当にそうだろうか?
確かに、中小企業の多くが下請けという立場で仕事をしている。
業績が芳しくないところが多いのも事実である。業種は特に製造業や建設業が多い。元請は電機・自動車・建設などの大手企業である。価格決定権は元請にあり、自動車産業では毎年のように原価低減と称したコストダウン要請、つまり売値が下げられている。電機産業でも、この価格でやってもらわなければ他の下請け先を探す、とまで言われている。これらのコストは中国、東南アジアで製造される原価が標準となっているらしい。これでは儲かるはずはない。

もしアベノミクスで日本の経済が運よく好転しても、これから先長期的にわたって下請け企業として生き残っていくのが厳しい時代になっている。新興国でできる産業は人件費やエネルギーなどの高いコストの日本では成り立っていかない。大手製造業がグローバル化で海外に進出しており、さらに情報・資金・貿易・人流の国境がなくなっているからである。

東京大学の伊藤元重教授は、日本のような成熟した先進国では下請け企業のように産業構造の中間に位置している企業は競争の中で淘汰されると語っている。産業構造を川上(素材など)、川中(下請け)、川下(消費者に近い元請)に分けてスマイルカーブとおしゃっている。(笑)つまり川上と川下の両極は好調でグラフ化すると高い位置、中間は低い位置で、これを一つの線で結ぶと笑った時の口の形のように見えるからだそうだ。教授曰く、逆に市場が拡大している新興国では川上と川下が低い位置で、反対に川中の中間が高い位置、つまり怒ったときの顔?になるのか・・・。
 確かに、新興国では川下に位置するブランド化された企業や川上の素材メーカーのいわゆるオンリーワン企業は存在しない。先進国の日本ではトヨタやホンダなどの世界的なブランド製品や、東レや村田製作所などオンリーワン素材メーカーが数多く存在している。

 ところで、厳しい立場に位置する下請け企業に活路はあるのだろうか?
そんな下請け企業でも素晴らしい業績を上げている企業がある。それらの企業の特徴としていえることは仕事の専門性を磨き上げ、その専門性やスピーディーな対応を武器に元請企業へ積極的にアプローチしている点である。元請のアイデアを迅速にそして具体的に商品・製品化し、場合によっては提案することができるため、元請企業にとっては、なくてはならない存在として他の下請企業と差別化を図っているのである。したがって受注に際して、下請け企業側の言い値が通り、価格決定権を持つことができているのだ。
 たとえ、下請け企業であってもその仕事の専門性を極めれば、得意先と対等な関係を築けられるということである。

林原倒産事件の教訓

投稿者 Bush吉田 2013年07月10日

 先週の水曜日、株式会社林原元専務取締役林原靖氏のセミナーを行った。
受講者はクライアント経営者、多くの方々から「大変参考になった。なかなか聞けない話であった」などの感想を頂いた。
 ある女性経営者は涙ぐんで聞いておられた。
それというのも、会社の倒産(会社更生法)という大変な経験をされ、経営者としての責任を問われたにもかかわらず、林原氏の語り口は冷静で淡々と事実を述べていた。厳しい難局を経て悟りの境地に達した聖人のようだった。「今はすっきりしている」とも語っていた。女性経営者はそんな姿に感動したようだった。セミナーに参加した多くの経営者は「他人事ではない」と感じたはずだ。
そもそも、倒産した会社は取引銀行からの借入金返済期日は完璧に履行されており、一度たりとも返済猶予の要請もしていない。さらにここ10年間で借入残高を20%も削減圧縮していた。もちろん毎期の業績は黒字でキャッシュも潤沢に稼ぎ出していた。「潰れるはずのない会社」であった。
それなのに、どうして会社更生法が適用されたのか?
 確かに20年前、粉飾したのは事実である。これが発覚して金融機関との信頼関係を失い、倒産に追い込まれたのである。しかし会社更生法が終了して、その負債の弁済率は驚異的な93%である。一般的に会社更生法が適用された会社の弁済率はせいぜい30%である。したがって「潰れなくてもよい会社」を取引銀行や法律家が寄ってたかって潰したよう見てしまうのは私だけではないと思う。
 セミナー後、一部の受講者で飲み会が行われたようでそこで「だれが仕掛けて、だれが利益を得たのか?」そんな議論で白熱したと聞いている。
ちなみに、林原氏は一言もその点には触れていない。
このセミナーの締めくくりで、次のように語っていたのが印象的であった。
経営には必ず中立で第三者的な立場の人が必要である。
例えば、弁護士や公認会計士などの専門家を社外役員として意見をいつも聞ける体制にする。当然、その社外役員は会社の真の味方で、企業の存続を強く願っている人でなければならない。
 次に企業経営には落度があってはならない。最近は特に法令やコンプライアンスの遵守が強く叫ばれている。確かに粉飾は会社法違反行為である。マスコミは徹底的に粉飾を非難した。
今回の倒産はこの落度の隙を突かれたと言ってもよい。
 最後に、ヴィクトル・ユーゴ―の名作「レ・ミゼラブル」の主人公ジャン・バルジャンは飢えからパン一切れを盗んで一生追われる身になった。たとえパン一切れでも隙を見せてはならない。「ああ無情」命取りになる。

大家さんはプロ経営者でないと・・・

投稿者 Bush吉田 2013年06月24日

 先日、不動産オーナーの講演に出席した。
講師は地元で多くの不動産賃貸物件を所有している研究熱心な大家さんである。
供給過剰気味の賃貸市場で、大家さんとして自ら実践されていることを中心とした内容で示唆に富んでいた。
特に印象的だと思った点を述べると…
現在、空室率約19%と供給過剰が続いており、今後もマーケットは悪化傾向でますます借り手市場になっている。したがって、大家さんは賃貸経営というよりも経営に携わっていくサービス業としての自覚、そして賃借人のニーズに合うような創意工夫をし続ける覚悟が必要とのことを語っていた。

会計事務所の業務を通して、賃貸物件を所有するきっかけを観察すると、もともと地主さんで、「相続税対策」「固定資産税の節税」「安定収入の確保」が目的であることが多い。
したがって、建物の企画設計から建設業・ハウスメーカーに任せ、竣工後の管理も不動産管理業者のお任せのパターンが多い。運よく、質が良くてセンスもよい建設業・ハウスメーカーなどと巡り逢えば良いが、必ずしもそうではない残念なケースも見受けられる。大家さんに問題意識がないとどうしても他人にお任せになってしまうのだ。その結果、新築から10年も経過すると差は歴然となり、空室が出ると家賃を下げてもなかなか入居が決まらない。そんな大家さんは往々にしてリニューアルもせず、賃借人にとって快適ではない魅力の無い物件になっている。大家さんの意識の低さや情報不足は致命的になるのである。

不動産投資の回収には長い期間が必要である。家賃の下落や空室によって家賃収入が減少するとキャッシュフローが回らなくなる。通常、建築資金の調達は銀行からの借入金で賄う。したがって、家賃収入が減少すると借入金の返済資金に困ることになる。そこで私どもの事務所では、物件が新しくて競争力を維持できる10年以内に出来るだけ借入金の返済をすることを勧めている。それには借入金の返済方法を元利均等ではなく元金均等償還にしておかなければならない。そうすれば建築後10年が経過して空室が多くなり始めた頃には、20年ローンであれば借入金の残りは半分になっているからである。また、10年目以降は設備などが壊れ、その取り換え費用の資金用意も必要となる。
また、減価償却費と借入金の元金返済額とのマッチングもキャッシュフロー上のポイントである。減価償却費は支出を伴わない経費、元金返済額は経費にならない支出だからである。
 いずれにしても、これからの不動産賃貸業は難しい。大きな投資で回収まで長期期間を要する。これから先、家賃下落、資産デフレ、金利アップなどのリスクを考慮して慎重に投資を行う時代である。
みなさんの中には、「相続税対策」「固定資産税の節税」「安定収入の確保」等のために、平成25年9月30日までに請負契約を締結して消費税増税前に駆け込んで建築したいと考えている方も多くいるだろう。
 しかしその前にビジネスとして成り立つかどうか、十分な市場調査や賃借人のニーズに合った企画を練らなければならないことを忘れてはなるまい。

第4期後継者塾開校

投稿者 Bush吉田 2013年06月18日

  今年も事務所主催後継者塾が開校となった。第四期生となる。
後継者のための経営塾を始めて4年目になるが、今年は15名が参加した。
受講生にはすでにトップに就任した2代目3代目の後継者もいるが、これから事業承継をする方たちも多く、みなさん若くてやる気がある。

初日の第1講は私が「会社を存続発展させていくために後継者に求められるもの」というテーマで受講生たちに話をした。
 受講生たちに「いま、世の中にどのような変化が起きているのか?」と質問してみたが、思ってもないような発言があった。
「一人一人の自己主張が強くなって、義務とか責任を考えない身勝手な人が多くなってきて仕事がやりづらくなっている。」とか「若者に覇気がなく、仕事で壁にぶつかると乗り越えられない人が多くなってきた。」などである。
 私の質問は、「グローバル化に進展」、「少子高齢化人口減少社会」、「情報IT化の発展」を引き出そうと意図したものでしたが、みなさんは仕事を通して最近の人間像の変化を痛感しており、これを世の中の変化と捉えたのかもしれない。確かに人間像の変化も世の中の変化ともいえる。その根底の原因は少子化によって子育てや教育が過保護になっており、成人までに挫折や忍耐を体験していないことにあるのかもしれない。
次に「会社経営で最も重要視していることは?」という質問に対しては、多数の方が「顧客の支持を得ること」と答えていた。顧客なくして売上なし、売上なくして会社の存続があり得ない。そして顧客の支持を受け続けるには「顧客満足度が高くなければならない」「そのためには顧客ニーズにスピーディーに対応すること。」そんな発言が相次いだ。
そして経営理念の話に移り、「皆様の会社に経営理念・経営ビジョンなどがありますか?」と尋ねてみた。結果は意外なことに、経営理念などを文書化されていない会社が多かった。経営者の心には経営に対する思いがあるはずである。オーナー経営者にとって経営とは人生そのものだからである。ただ文書化されていなければその思いが社員や取引先にも伝わらない。この点は銀行の企業格付け定性要因で経営能力スコアになる。

あっという間の2時間が終わり、場所を移して懇親会が行われた。
後継者塾第1期生や取引銀行支店長と担当者などが飛び入りで参加し、大いに盛り上がった。私も塾生の若さや元気に刺激されて大きなエネルギーをもらった。
 最後の中締めは工業団地組合長にお願いした。40年キャリアの経営者の挨拶は説得力と風格に満ち溢れて素晴らしかった。流石である・・・。

「林原」元専務、真実を語る

投稿者 Bush吉田 2013年06月10日

 7月3日の水曜日、「林原」元専務取締役林原靖氏の講演会を開催する。
岡山市の「林原」は地方企業でありながら、バイオ企業として有名で将来を期待されていた。
残念なことに、「林原」は経営が追い込まれて、私的整理(ADR=裁判外紛争解決)で経営改善を図ろうとしたが金融機関から同意が得られず、会社更生法が適用され倒産してしまった。経営破綻の責任をとって林原一族が辞任し、同族会社経営の幕を閉じている。カリスマ経営者で有名な林原健氏、実弟で実務一切を担っていた林原靖氏が「林原」グループを今日まで丹精をかけて夢のあるバイオ企業として育て上げてきた。経営破綻後、専門商社の長瀬産業がM&Aで引き継いだが、経営方針は大幅に見直されるはずである。
同族経営ならではのユニークなバイオ企業が消えてしまうのは何とももったいない結末である。

 近々、林原靖氏と講演会の事前打ち合わせを行う予定である。今回の講演会はクライアントを対象としているので、林原氏からクライアントの経営者達が何を聞きたいのか事前に教えてほしい、との要請もあった。

 「日経新聞の私の履歴書、TV番組カンブリア宮殿にも取り上げられていたバイオで成功していた企業がなぜ倒産してしまったのか?理解できない。」と話す経営者が多くいた。要は、ビジネスで成功していても倒産してしまうことが分からないということだろう。
また、「ビジネスで成功していても、金融機関は融資先を見放すことはあるのか?」本業は黒字、売上高280億円営業利益40億円があっても金融機関に支援されなくなる、こうなる本当の理由はなんだったのか、という質問も寄せられた。

「林原」は長年に亘って粉飾が行われていたのが原因か?との声もあった。
金融機関はそのことを独自に把握していなければならないはずである。「林原」の負債総額は200億はるかに超えている。ちなみにメインの中国銀行だけでも400億円を超える融資を行っている。したがって、「林原」は会社法上大会社で、会計監査人(公認会計士等)の監査報告が義務づけられている。
 中国銀行をはじめ融資銀行は当然、会計監査人の監査報告を確認しなければならない。この期に及んで粉飾がどうのというのはおかしな話である。まして中国銀行はメイン銀行にもかかわらずいざとなったら頼りに出来ないのか。雨が降ったら本当に傘を貸さないのか?

また、「林原」は膨大な含み資産がありながら、バブル崩壊後の資産デフレで資産価値が目減り、その反面1400億円もの負債を抱え、債務過多に陥ってしまって実質債務超過と報道されているが・・・。「資産デフレの進行段階で、負債を削減するようなバランスシート調整を何故やらなかったのか?」との質問もあった。
 確かに巨額な負債である、有効活用されていない不動産の処分などで負債の削減、バランスシート改善するのが常套手段である。その点も聞いてみたいポイントでもある。以前、林原氏は「林原」の戦略として、グループ会社の上場を目指してその資金でコアーの本体の財務上の改善を図っていくとも語っていた。事実、グループ会社の岡山製紙や三星食品を上場させてキャピタル資金を調達している。

また、業績は売上高280億円、営業利益40億円ではあったようだが、借入金1300億円の支払利息もレート2.5%として33億円にもなり、経常利益の段階ではほとんど利益が残らない。したがって、「増益のために赤字部門の撤退や固定費カットを何故行わなかったのか。」とも言っていた方もいる。この辺は研究開発の夢を追い続けるトップの方針もあって選択できなかったのかもしれない。

 しかし、結果は会社更生法適用で「林原」は経営破綻してしまった。
ちなみに、会社更生法計画が完了し、債権者への弁済率93%は異例の高配当、ほとんどの債権者に迷惑をかけていない。
これで本当に会社更生法を適用する必要があったのか疑問に思うのは私だけではないはずである。裁判所に任命された管財人は更生計画を短期間に終わらせるのがプロとしての役割である。不動産などは売却を急ぐと安くしか売れない。足元を見られるからである。時間をかけた任意売却であれば弁済率は優に100%超になっているはずである。

このようにバイオ企業で名を馳せた「林原」の歯車が狂ってしまったのはなぜか、報道からだけでは分からない多くの謎がある。
講演会では林原靖氏がその真実を語ってくれるはずである。

資産運用とリスク、金融機関のモラルは?

投稿者 Bush吉田 2013年06月03日

ある私立学校法人の監査を依頼されているが、頭の痛い問題がある。
歴史もあって財務的に優良な学校法人で、資金を潤沢に保有しているのだが、その実情を知ってか各金融機関が系列の証券会社を連れて営業を仕掛けてくるのだ。
特に関西系のメガバンクが執拗で、リスクのある金融商品を売り込みに来る。

もともと、学校法人の運営は生徒からの授業料等、善意の寄附金、国民の税金によって支えられている。税金とは国や地方公共団体からの補助金のことで、教育の振興上の必要から、教育等に係る経常的費用の二分の一以内の補助を受けることができる。そして、学校法人の財務計算書類等に公認会計士の監査証明書の添付が必要になっている。とあるご縁から、事務所で私立学校法人の財務計算書類の監査に従事している。
教育を目的としている学校法人の資産は、学校を安定的継続的に支えるための大切な財産である。したがって、資産運用は慎重に行うべきであり、リスクは避けて安全性を重視しなければならない。価格変動の激しい株式や為替変動に伴う外貨建債券、仕組債そしてデリバティブ取引は好ましくない。

しかし、その証券会社はそんなことはお構いなし、手数料が多い?リスクのある金融商品を押し付けてくる。全くけしからん話である。
かつて、駒沢大学や神奈川歯科大学が投資に失敗して、巨額な損失が発生し、大きな社会問題にもなった。駒沢大学の場合はリーマンブラザーズが破綻し、リーマン発行体の金融派生商品(デリバティブ取引)が返済不能になったからである。また、神奈川歯科大学は投資詐欺まがいの事件だったと思う。いずれにしても学校法人の資産運用としては本来手を出してはいけない金融商品であった。
 こんな事件が起きているにもかかわらず、メガバンクや系列証券会社は総勢5?6人で学校法人に売り込みにくる・・・。彼らは厚顔そのものというしかない。正直言って、そんな金融機関の営業姿勢には憤りを感じている。

学校法人にはリスクのある資産運用に警告を鳴らし、そんな証券会社の出入りを断るよう指導している。

最近は円安と株式市場の回復で、過去に購入した有価証券の時価もかなり回復している。したがって、今が保有する有価証券を解約するのは絶好のチャンスではないか。
最近、株式市場、為替、金利なども激しく乱高下しているが、この乱高下は世界的な金融バブル崩壊の予兆のような気がしてならない?
 これから先、マーケットがどうなっていくのか不気味である。

優良申告法人制度、まだあるの?

投稿者 Bush吉田 2013年05月28日

 あるクライアントに8年ぶりの税務調査が入った。税務署より特別調査官と特官付上席調査官の二人がやってきた。
今回の税務調査は3日間にわたり、かなりきめ細かく突っ込んで行われた。
 このクライアントは優良申告法人会に加入しているので、いわゆる「特官」が税務調査にくるのは何か特別な理由があってのことかと思い、顧問会計事務所としては多少不安を感じた。優良申告法人の場合、5年に一度の見直し調査では担当部門の統括調査官がやってくるからである。当然ながら、調査日には私も立ち会い同席した。

さて、今回の税務調査で特に印象的なことを述べたいと思う。
当日、社長は海外出張中だったので、経理担当取締役が会社側として対応した。
製品パンフレット、会社組織図のコピーを渡して、調査官の質問に一つ一つ答えていった。調査官はあらかじめ会社のホームページを確認しているが、あえて確認のために質問してきた項目もあった。経理担当取締役は税務調査が今回、初めてということで多少緊張した様子であったが、ハキハキと答え、なかなか良い心証を与えたように思う。もちろん、税務調査前に私ども会計事務所と会社側とは打ち合わせを行っている。

「特官」は取締役会議事録、稟議書などのファイルを閲覧し、会社の配置図、工場のレイアウトを求めてきた。初日午後には工場や倉庫の見学の要望があって、現地に赴いてレイアウト図に何やら書き込んでいる。機械の設置状況や人員の配置などを確認しているようであった。
実はこの現場視察が、今回の税務調査のポイントであることが、2日目に分かることになる。
このクライアント、多額の試験研究費税額控除を適用していたので、この試験研究費の内容が税務調査の重点項目とされたのである。
2日目の調査は次のようなものであった。

  1. 新製品の開発についての社長からの指示命令の仕方、その文書の閲覧。
  2. 試験研究に専任している社員の業務日報の閲覧。
  3. 試験研究開発を行っている工場配置の確認。
  4. 試験研究に関わる責任者への業務内容、専任社員名の確認。
結果としては、会社側と事前に打ち合わせしていた甲斐があって、現場の責任者も落ち着いて上手に応答してくれた。本当にお疲れ様でした。

最近は優良申告法人であっても、税務調査はなかなか厳しくなっているようだ。
優良申告法人制度そのものが形骸化し、一昔前のような優遇?されたものではなくなってきたように思う。
もっとも、このような変化は「課税の公平性」から見ればあたりまえのことである。

事業承継は大丈夫ですか?

投稿者 Bush吉田 2013年05月21日

 ある金融機関から「取引先の事業承継について相談にのってくれないか?」
という問い合わせがあった。
そこで金融機関の支店長とともに、会社を訪れ社長、会長とお会いして会社の経営概況などをお聞きした。

その会社は創業50年、後継者がすでに社長になっており、創業者は会長になっていた。会社の経営成績も順調で、リーマンショックの時以外は毎期黒字を続けており、過去の利益の積み重ねである内部留保も相当蓄積されているようであった。
しかし、後継者である社長に会社の支配権である株式の移転がほとんど行われておらず、また驚いたことに経営者たちは自社株の株価も知らなかった。事業承継をするうえで株式移転がほとんどされておらず大きな課題になっていた。

その会社とは事業承継に関するアドバイスを行うことで合意し、第一段階として株式評価を行った。その結果は予想通り、かなり高い評価額になっていた。

その報告を社長と会長に出来るだけ分かり易く説明させていただいた。
非上場会社の株式評価の仕組みは複雑だが、しかし、今後スムーズに株式移転を進めていくうえで、経営者には非上場株の株価の考え方を理解していただかなければならない。そこで自社株の評価額の算定の仕組みと会社の直近決算期末の株価についてポイントを具体的に説明した。
まず上場会社と自社を比較する「類似業種比準価額方式」。それは同業類似上場株式の株価をベースに、?配当?利益?純資産をそれぞれの要素で比較し、算定する。さらに「純資産価額方式」は解散時の株主に払い戻される分配金を想定した算定方法である。
昨今はアベノミクスの影響で、直近期末時より上場株式の相場が大幅に上昇している。したがって当然、自社株の株価も直前期末時よりも上昇してしまっているのである。また、事業承継を控えている非上場会社にとって悩ましいのは、非上場会社の株式は税務上の価値だけであって、関係者以外には換金性が無いことである。また、自社の利益(他の要素の3倍)や配当が株価に影響を及ぼすので決算対策がきわめて重要であること等を簡単に説明した。後継者である社長が高い関心を示し、話を食い入るように聞いていただけたのがうれしかった。

そんなこの会社にとっても朗報がある。
平成27年度から事業承継円滑化法が使いやすく改正されている。
これから、会社や同族関係者の個人情報を得ながら、会社にとってのベストシナリオである事業承継計画の作り方やアドバイスをさせていただくつもりである。

母の日

投稿者 Bush吉田 2013年05月15日

 「母の日」は、マザコンの私!にとって大切な日。
お袋は今年で94歳になるが、いたって元気である。
いつも口癖のように「私は百歳まで生きるような気がする。」とわれわれに言う。
前にもこのブログで書いたことがあるが、週末には一緒に食事に出かけるが、家族全員で行くより、兄と私と親子三人の水入らずの方が嬉しそうにしている。
また、お袋の好みは「ステーキ」か「とんかつ」で、その胃袋には感心させられる。医師の兄によると、高齢になっても肉類が食べられるのは丈夫な証で長生きの秘訣だそうだ。
母の日も、花束を抱えてお袋を迎えにいって、行きつけの湘南台にある国産黒毛和牛のステーキ屋GPさんに行くことになるだろう。
そのお袋だが、46歳で夫(私の父親)と死に分かれている。
親父は大変なヘビースモーカ―で、ラッキーストライクやハイライトを1日60本以上喫煙していた。そのためか?肺がんになり52歳の若さでこの世を去っている。
 お袋が当時のことがよほど残念で悲しかったのか、「おとうちゃんは煙草の吸い過ぎ・・・。それも進駐軍が吸っていた強い煙草をね・・・。だから肺がんになったのよ。」と47年前の不幸な出来事を今でも繰り返す。
また、私が子供の頃のいたずらが激しくて、しょっちゅう先生や隣近所の人へ謝りに出かけたことを耳にタコができるほど繰り返し語る。私のとっては聞きたくない過去のエピソードである。しかし、お袋が若いころの記憶が思い出されるのだろう。
これを言ったら相手が嫌な気持ちになるとは考えられなくなっているようだ。
一種の痴ほう症かもしれない。
過ぎ去ったどうにもならないような暗い話がはじまると、まともに聞いていると気分が滅入ってくるものだ。そこでそんな話が出てきそうになると、私は話題を変えるようにしている。先週はお袋が50代の頃、四国八十八か所巡りをしていたことから、お大師さん「空海」の話題にすり替えた。
 平安時代、讃岐生まれの日本史上最高の天才で、真言宗密教の開祖の人物である。お袋はさすがに詳しく高野山にも観光し、東寺も曼荼羅のことも知っていた。
 私はたまたまTVの特集番組で空海を見ていたので思いついたのである。
若干、痴呆症がある年寄りに対しては、このような興味のありそうな話を振ると、脳の刺激になっていいように思う。
こんな話を同年代の友人にすると、「幸せじゃないか、孝行したいときには親はなし・・・」「生きているうちによくしておきなよ。」と云われる。そういえば彼らの母親はすでに他界している。居なくなってはじめて分かるのが親のありがたみかもしれない。普段当たり前のように空気や水のようでその存在すら気が付かないが、亡くなってはじめてその大事さが分かるものかもしれない。しかし、たいていはまともに聞いてしまって「暗い話はやめろよ。」と言い、お袋を怒らしてしまうことが多い。私の修行が足りないせいかお袋の相手はなかなか難しい。
とは言え、今年も一緒に母の日を迎えられたことが何より嬉しい・・・。

まさかの貸倒れ

投稿者 Bush吉田 2013年05月13日

 クライアントA社の得意先が突然に倒産した。
A社は鋼材の加工商社で、B社に売上債権として10百万円以上を与信している。したがって、貸倒れとして多額な損害を被ることになるだろう。
A社社長の話を聞いてみると、「B社への売上は今年に入って1月2月3月と増えていたが、売上金額のほとんどが未回収となっている。そして突然4月初旬に自己破産の申請をした。」とのことであった。
私は話を聞いて、B社の商道徳に反する悪意を感じた。
第一に、B社は自ら破産を申請していることである。通常は企業においては自己破産の意思決定はかなり時間をかけて判断をするはずである。したがって、今年の1月頃にはすでに会社としての方向性は決まっていたのではないか?それなのになぜか今年になってから材料の仕入を増やしている。つまり、払えないことが分かっていながら、材料を仕入れていたことになるのではないか?まさに取り込み詐欺に近いことをやったことになる。
第二に、もしB社が同じ業種で事業を再建したいと考えているのであれば、利息を受取っている金融機関はともかくビジネスで一番大切にしなければならない仕入れ先などの関係者には迷惑をかけないようにするのが常識的なやり方である。要するに自己破産申請が認められ、破産手続きが管財人によって順調にすすめば、B社は最終的には仕入れ先はもちろん、債務の免責を受けることになる。このようなやり方をすると、今後、B社の経営者が事業を再開したいと思っても、誰も悪どいやり方をした人には協力しない。
私はこの話を聞いて腹立たしく思い、なにか手だてがあるかを当事務所の顧問弁護士に問い合わせてみた。答えは、取り込み詐欺として告訴するのはかなり難しく、明確な証拠がないと警察も動いてくれないようだ。ただ、B社は同族会社であることから、代表者自身も個人破産の申請をしているかどうか確認した方がよいとのことであった。
計画倒産する場合、往々にして実質経営者はあらかじめ代表権取締役を変更して、会社やオーナーの財産を家族などに移しているケースも多いそうだ。
いずれにしても、破産管財人にA社との一連の取引について詳しく調査を依頼して事実を確認すべきで、うまくいけば倒産直前に納品した材料を取り返すことができる可能性も残されている。

一般的に掛け売りでよく言われていることだが、売上が急激にいつもの月より増加している得意先については十分な注意と観察が必要である。そして防止策として、あらかじめ各得意先に与信枠の限度を設けておくことも重要である。
「金融円滑化法の期限切れで、これから倒産企業は増えてくると思われる。
 今後は売上債権の与信管理や回収ルールを徹底していかなければならない。」

うゎー野原いっぱいの芝桜・・・

投稿者 Bush吉田 2013年04月23日

 うわー、見事、野原いっぱいに満開の芝桜が・・・・。
千葉のゴルフ場へ行った帰りに寄り道して、袖ヶ浦市にある東京ドイツ村(というより、千葉ドイツ村?)に立ち寄った。
ドイツ村の芝桜が満開だという朝のニュースをみて行ってみたいな、と思っていた。
広大な敷地なので、カーナビでもすぐ見つかり、ルート案内をセットすることなくたどり着いた。

到着したのが4時を過ぎていたので、入場料が通常の半額の600円で入ることができました!
場内は周遊道路があり、車に乗ったまま見物でき、芝桜の中にもフットパスがあってお年寄りや車いすでも楽に見物できます。
車でまわってみたところ、広い敷地に芝生や傾斜などからゴルフ場みたいだな、と感じた。そこでスタッフに聞いてみた。「もともとはゴルフ場として計画されていた敷地だったが、計画が頓挫してテーマパークとして再開発された」と話してくれた。
なるほど・・・やはりそうだったか。

このドイツ村は芝桜の広場のほか、芋ほり畑、こども動物園、牧場、パターゴルフ、ドッグランなどの他、バーベキュー施設やレストラン、売店があって、家族連れが楽しめる施設も整備されていた。
 平日の午後だったせいか、入場者も少なくゆっくり芝桜を満喫できた。

千葉県内には競合するマザー牧場や東京ディズニ―ランドが有名だが、こんなのんびりしたテーマパークもなかなか良いと思った。
何しろ敷地の割にアトラクションが少ないので解放感にあふれている。入場者が少ないせいもあるかもしれないが、人ごみとは無縁のテーマパークはそうないのではないか?まさに大人の公園といった趣である。
 ちなみに、ドイツ村は芝桜のほかにクリスマスのイルミネーションが名物だそうだ。
冬場のイルミネーションでは日本一とかで休日は大変な混雑だそうである。

私のへたくそな携帯電話写真ではイメージがわかないかもしれません。野原いっぱいの芝桜に興味のある方は「芝桜咲く東京ドイツ村のYou-Tube」を検索してご覧になってください。きっと皆にもその素晴らしさが伝わると思います。投稿者には感謝です。

帰りには唯一、ドイツらしいお土産として、直輸入ドイツビールとソ?セージを買って帰路に着きました。
そして今、見事な芝桜を思い出しながら、ソーセージをつまみに濃厚なドイツビールを味わっています。(笑)

緑の後継者塾のスタート

投稿者 Bush吉田 2013年04月19日

 先週、造園業だけの「緑の後継塾」が始まった。
事務所恒例の毎年6月から開催される「後継者塾」のパート2ともいえる特別版である。
 今回は、昨年度、後継者塾に参加したI氏とS氏が藤沢市内の造園業組合に呼びかけて実現したものだ。I氏曰く、「われわれ業界の経営者は決算書など数字に弱く、顧問税理士に決算を任せきり。自社の経営状況の把握もできず、経営上の課題も分かっていない。だから金融機関との交渉もできない。」昨年度後継者塾に参加して知らないことばかりだった経験から「後継者塾はきっと経営者にとって必ず役に立つはず!」と思ってくれたそうである。
ちなみに今回の「緑の後継者塾」の塾生のエントリーは13名である。

第1回目のテーマは「会社を存続発展させていくために後継者に求められるもの」で、私が講師を務めた。いつもの「後継者塾」は塾生の業種がさまざまであるが、「緑の後継者塾」は造園業者だけなので、塾生たちの本音を引き出すのが難しいのではないかと思われた。しかし、経営に関する考え方について各塾生に投げかけたところ、ビジネスに対する思いを各自が率直に語ってくれた。
 例えば「仕事をするにあたって、経営者として何を一番大切にしていますか?」という問いかけに対して、
「プロとしての提案力とお客ニーズの確認を大事にしている。」、
「従業員の生活安定のため仕事量と利益獲得を重要視している。」、
「クレームはほとんどがコミュニケーション不足、報告や連絡や説明が重要。」、
「あいさつ、片付けなどをしっかりとスタッフ全員が徹底するよう心掛けている。」、
「経営者として日常の業務に真摯に取り組んでいる。真面目さが基本だ。」
「作業の品質アップのため人材教育が欠かせない。人材あっての会社だ」、
「試行錯誤だが今までの造園から新しい造園への挑戦を行っている。」、
「造園業もサービス業だと自覚して仕事をしている。」
「センスを磨くため評判のよい公園や庭園を研究するのが若い自分の役割である。」などなど・・・・・。
若手後継者たち、本能的に究極的には顧客満足度を高める必要性を分かっているようである。

また、経営理念について触れた。参加している塾生の皆さんは頭ではなんとなく描かれているようであるが、明確に文章化している企業はなかった。「会社理念」として明文化することをお勧めした。明文化しなければ顧客や従業員、外注先に対して伝わらない。考え方が明文化され明確になると、経営に説得力が生まれる。

最後に、「中小企業経営者として成功する条件」を説明し、「後継者の心構え10か条」を塾生たちに読んでもらい、大いに盛り上がって?無事終了した。(拍手)

さて、次回以降は決算書など苦手な?数字の話、最終回第6講までなんとか頑張って欲しいものである。

黒田日銀総裁のサプライズ

投稿者 Bush吉田 2013年04月09日

 黒田日銀総裁が華々しくデビューした。
新たな金融政策は2%の物価上昇を目標とした、大胆な量的質的緩和策である。
日銀の緩和策が発表されるやいなや、急激な円安と株式相場の乱高下が市場を大きく揺さぶった。株式売買高が過去最高に達し、長期金利も史上最低となり、アベノミクスの一本目の矢は世界的に大きな衝撃を与えた。

アベノミクスとは日本の経済を活性化すべく「三本の矢」にたとえられる政策で、景気を浮揚させるのを目的としている。「三本の矢」とは、金融緩和策、社会インフラ等の公共事業、新しい産業創造の三つの政策のことである。

今回の一本目の矢は市場にサプライズを与えたが、私は金融政策だけでは景気浮揚にならないと考えている。それはいくら日銀が金融緩和を行って市中銀行までお金が流れても、最終的にわれわれ企業や個人にはお金が回らない。つまり、企業や個人が市中銀行から借入してはじめて、金融緩和策のお金が社会に回ってくるのである。
企業や個人は事業を起こすためとか事業拡張するとか、そんな経済環境にならなければ投資は行わない。また個人においても先行き所得が増えそうだとか物価が上がりそうだと思わなければ、住宅や耐久消費財を買いたいという動機が出てこない。
つまり、企業は仕事が増え利益が先行き上がる、個人は所得が上がるとかそんな実体面の経済が良くならなければ、設備投資や消費が増加して、景気浮揚に結びつかない。むしろ将来への不安から、今抱えている、借入金やローンの出来るだけ早く返済してバランスシートを改善し、財務の健全化を行うはずである。
金融緩和策は低金利によって投資などをし易くする投資環境整備に過ぎず、実体経済が良くならなければ、設備投資の決め手にはならないからである。

景気の「気」は気分の「気」とある大臣の発言もある。確かのそのような心理も否定できないが、ここ15年間で個人の可処分所得は10%以上減少している。また中小企業の仕事が減少しており業績が悪化し80%近い企業が赤字経営に陥っている。とうてい設備投資や耐久消費財を購入しようとする「気」になれないのではないかと思われる。

それでは、実体経済が良くなるにはどうするか?それは第二の矢の社会インフラへの公共事業で、総需要の不足(GDP3%)を穴埋めする財政支出である。不況によるデフレギャップを解消するための経済政策としてきわめて有効である。公共事業は将来のあるべき国家のため、長期的なビジョンを持って戦略的な視点で継続して欲しい。もちろん公共事業は建設国債などで資金調達するが、日本は国家の借金が1000兆円もあることから、財政面から見ると厳しい制約もある。
アベノミクスの第一の矢、金融緩和策の真の目的は、日銀が間接的に新規国債を消化するための支援策なのかもしれない。

これから持続的に経済が活性化していくためには第3の矢である、新事業創造が不可欠である。三本目の矢がアベノミクスの成功の鍵を握っていると言ってもよいだろう。つまり、従来型の産業は中国など新興国にバトンタッチされ、あるいは大手日系企業の海外進出が加速している。新興国でできる製造業はグローバル化の流れから衰退するか空洞化していくしかないだろう。

新興国ではできない新しい産業を創造できる否かに日本の将来がかかっている。新しい産業創造とは、例えばかつて米国のシリコンバレーIT技術でアップルやグーグルが起業した「ITイノベ―ション」で出来上がった今までなかったビジネスをイメージしてもらいたい。
日本でも山中教授のIPS細胞など、これから世の中に役に立つ有望な技術が豊富にある。世界でオンリーワンの日本独自の産業として大きく育成していけば、今までなかったような産業創造の可能性は十分あると思われる。それには戦略的な重点投資や規制緩和によって、将来性のある産業を国家レベルで育成して欲しい。その息吹を是非この目で確かめてみたいものである。
さて話を第一矢の金融緩和戻すと、この異常な狂乱とも思える債券市場や株式相場、いつまで続くだろうか?
かつて、1990年の土地と株のバブルを連想したのは私だけではないと思う。(笑)

第三の矢の芽が出て育ち、実体経済に良い影響が及ぶまでにはかなりの年月が必要かもしれない。当面それまでは、第二の矢を射続けなければこのデフレ不況(総需要<総供給)は続くだろう。

私は国家財政が臨界を超えて、国債の暴落から金利高にならないことを切に祈っている・・・。

頑張れ19歳

投稿者 Bush吉田 2013年03月29日

大変お世話になっている大先輩の税理士のグループと九州旅行に出かけた。
2泊3日のツアーで、飛行機とバスで大宰府天満宮?湯布院?別府(泊)?やまなみハイウェイ?高千穂峡?熊本城?雲仙(泊)?九十九島?有田を巡るコースである。あるツアー会社が企画したパッケージ商品にわれわれグループは8名で参加した。このツアー、参加者はほとんどが高齢者である。バスの旅に参加していつも思うことだが、高齢者たちは本当に豊かに余暇を楽しんでいる。
もちろん、私もその中の一人だが(笑)

ところで、バスツアーの楽しみは、ガイドさんの魅力で左右されると思う。
今回のガイドさん、ラッキー?なことになんと入社1年目の新人19歳であった。
私が今まで出逢った観光バスのガイドたちはほとんど熟女か初老の方ばかりであった。観光バス業界も高齢化しているのだろう・・・。

最初は新入社員と聞いて頼りない感じがした。しかし二日目、三日目、と付き合ううちに時々鹿児島なまりや変な敬語があるものの、それ以上に「自分のことば」で一生懸命語りかけてくれている熱意を感じるようになった。その熱意がほかの客にも伝わってか、バスの車内は大いに盛り上がって楽しい雰囲気になった。ガイドさんと客とは親子、いや爺婆と孫といった年齢差である。しかし、ガイドさんには幼さはあるものの若い情熱で、その壁を見事に突破した。最終日には参加者はみんな、私もそうであるがツーショット写真や拍手の喝さいであった。見事である。
このガイドさん、福岡市にある観光バス会社の社員で、鹿児島県出身の「薩摩オコジョ」だそうである。

バスガイドは大変である。九州の観光地の見どころ、歴史、物語などの知識、長距離移動中は客を飽きさせないようなトークや歌など、身に付けなければならないことは山ほどあるはずである。
その勉強方法を、そっと聞いてみた・・・。
彼女は必ず寝る前に翌日のルートを確かめ、話す内容や流れをしっかりと予習をするのだそうである。そして、もしガイド中に言葉が出てこなくなっても決してメモは見ない。自分のことばで何とか対応していく・・・・。そんな工夫をしているそうである。
 最後に、「私はお客様が楽しんで喜んでいる姿を見るのが一番うれしい。」とも語っていた。

 このように一生懸命頑張っている19歳の新人ガイドさんを見て、元気をもらったのは、私だけではないはずである。

確定申告、なぜか自社株贈与が多かった

投稿者 Bush吉田 2013年03月22日

今年も確定申告が終わってやれやれ?である・・・。
2月後半からスギ花粉が多く飛散し、今年の確定申告時期は例年にも増してつらく感じた。
 私ども事務所のクライアントは個人事業者の割合がが少なく、ほとんどが法人を占めている。それでもこの時期となると個人所得税や消費税の確定申告の作業が集中する。業種は地元の地主さんや開業している個人形態の医師や歯科医が大半だ。

今年の申告状態を分析してみると、地主の方々は経営が安定しているところが多かった。湘南地区は恵まれているのか空室や家賃の値下げなど目立った動きもなく、収入が減少しているところは少なかった。またコスト面では減価償却費や借入金の利子も年々減少傾向にある。つまり、地主さんへ電気設備など建物付属設備は定率法の選択を、借入金は元金均等返済を推奨している。そして借入時には金利水準の情報も提供している。特に最近では金融機関同士の競争が激しくなっており、ビックリするような低金利で資金を借り入れできる時代になっている。
その反面、歯科医の業績は苦しいところが増えている。特に医師が高齢化している医院は業績が悪化している。業種柄か視力や体力が重要で、年齢とともにやる気も衰えていくのではないかと思う。頑張って、増収ないし現状維持している歯科医は50代以下の方が多い。歯科医も医師一人で年間5千万円を超えている診療所とそうでない診療所と二極化し始めている。歯科医師の供給過剰の昨今、下位の歯科診療所が毎年のように下降気味で推移している。

 それと、最近感じていることだが贈与税の申告件数が増加傾向にある。
特に、同族会社の株式を現オーナー経営者から後継者へ贈与するケースである。
従来から、事業承継の必要なクライアントにはオーナー経営者の年齢を見計らって、後継者に株式(支配権)を計画的に移転するようアドバイスしているためでもある。なので、クライアントで事業承継が必要な先には、株価を決算毎に定点観測のように算定している。
昨年秋までは上場株式の株価が低く、また景気後退で業績も悪化傾向であったため、同族会社の株価も低く、ある意味では移転する(贈与)チャンスでもあった。昨年末、安倍政権が成立するとの噂から日経平均株価も大幅に回復したが、それ以前は低水準で、平成24年度は株式贈与にとって好都合の年であった。
しかし、逆に土地の贈与は少ない。これからも地価は下がり続けていくと思っているようだ。
事業承継と相続対策は計画性とタイミングが極めて重要なポイントである。

金融円滑化法終了と企業存続策

投稿者 Bush吉田 2013年03月05日

  先日、長年お付き合いをしているクライアントが事務所に来られました。
そのクライアントは創業から半世紀を超えて機械類を扱う問屋を営んでいます。
「実は今日は折り入って相談が・・・。来月期日が到来する支払手形の資金が足りないのです・・・・。」と社長が話し始めました。

このクライアントの業績はここ10年来低迷を続け、赤字続き。過去の内部留保や同族経営者たちの蓄積を取り崩しながら事業を継続してきた。今までわれわれ会計事務所が関与する中で、黒字化するべく方策をくどいほど述べてきた。毎年黒字化のために固定費を削減し続けていたが、売上減少や利益率の低下が急激であり、利益が出るまで業績の改善が追い付いていない状況であった。

いよいよ恐れていた、来るべき時がきたな・・・・。
そこで、当面の資金繰り状況を監査担当者と再度検討したが、現状では確かに資金が不足して、来月期日の支払手形は預金不足で支払い不能になる。しかし、月末引き落とされる借入金返済を止めれば何とか来月の支払手形決済は賄えることになる。そこで、金融円滑化法による返済猶予の申請をして、急場をしのぐアドバイスをした。実は、金融円滑化法は今月3月で期限切れ、4月からは適用できない。しかも一年間の返済猶予期間内に事業再生や経営改革をして黒字化していかなければならない。経営改善が出来なければ、いずれは行き詰ってしまうからである。

そして、社長から今後の経営方針や事業継続していく意欲などを聴くことにした。そこで社長が語ったのは、先代が創業した会社を自分の代でなくしてしまうのは申し訳ない。さらに、この会社で働いているのは全員同族関係者であり、この仕事で生活している。そんなことから会社をなんとしても継続したいという意向であった。

ただ、そうはいっても現実は厳しく、経営努力をしているにもかかわらず一向に黒字化できない。その原因として、会社の業種は流通業であるが、今はメーカーからユーザーへの直販でいわゆる中抜き現象が顕著になっている。また、製造業の海外進出が激しく国内市場が縮小しており、同業者間の競争が激しくなって利益率も低下している。
まさに、世の中がIT化、グローバル化したことが、問屋業が苦境に立たされた要因でもある。時代の変化に取り残された結果と言ってもいいのである。
 今後、存続していくためには今までのやり方では駄目である。悪戦苦闘の10年間の結果がそれを物語っている。従来のビジネスモデルでは社会に必要とされなくなっているのである。
そこで、過去に培ってきた会社の強みなどを冷静に見極めて、そこを強化し具体化してビジネスを作り上げていかなければならないことを申し上げた。

金融円滑化法の期限切れで30万社?40万社が影響を受けると言われているが、その中で事業再生や転業が必要な会社は5万社?6万社などと報道されている。
4月以降金融円滑化法の終了で中小企業の倒産が増えないことを祈っている。そこで政府としても中小企業経営力強化支援法を施行し、認定経営革新等支援機関等の協力を得て、苦境に陥った中小企業の経営改善の相談や経営改善計画書の策定を行い、企業の存続の支援を続けていくことが決まっている。(日経2013年3月2日朝刊)
湘南パートナズ税理士法人も2012年11月5日に認定経営革新等支援機関等として認定を受けました。

行き詰った企業にはいろいろな要因がある。時代遅れになったビジネスや財務健全化を無視した無謀な投資で過大な借入金を抱え込んだ場合などである。この問屋さんは前者に該当するが、いかに社会のニーズに合ったものしていくか?
しかし、急にそのようにかじ取りをしていくにはなかなか難しい・・・。

したがって、企業経営は絶え間なく事業を再生すべく改革を行い続け、この激しく変化する社会の中で必要とされる企業としてイノベーションをしていかなければならない。
このことは金融円滑化法の適用を受けた企業だけでなく、すべての企業に共通する経営上の課題なのである。

大気汚染と花粉症

投稿者 Bush吉田 2013年02月25日

 今年は例年より遅れて花粉症の季節がやってきた。
私もこの「不治の病」に悩ませられている一人で、花粉症とは30年来のお付き合い。そして症状がひどくなるのは会計事務所で一番業務が集中する確定申告の時期であるのが何とも皮肉である。
マスクとティッシュペーパーを手放せないでいる今日この頃・・・。

 さて、隣国、中国ではPM2.5が社会問題になっている。また偏西風にのって日本にも影響が及ぶのではないかと観測をし始めている。ニュース画像では北京の天安門広場が霧のようなスモッグでかすんでいる。映像では市民もマスクを付けていて、鬱陶しい生活を強いられていよう。政府はできるだけ外出しないように呼びかけているがなんだか虚しく聞こえる。大気汚染は息をしないと生きていけない生物にとって防ぎようがない。微粒子をキャッチする高性能の日本製の空気洗浄機が飛ぶように売れているようだが、その効果も限界があるように思う。
 PM2.5の正体はディーゼルエンジンの排気ガスや石炭ばい煙などから、2.5マイクロメートル以下(マイクロメートルは百万分の一メートル)の微粒子状物質で空気中に浮揚している。汚染された空気を吸い込むと、肺の奥深く入り易く、ぜんそくや肺気腫、肺がんの原因になる厄介な物質である。
中国では、経済発展で急速に世界最大の自動車市場(年間1930万台の販売)になっており、保有台数も1億2000万台に達している。その結果、大都市では大渋滞が日常的に発生しており、排気ガスによる大気汚染が拡大しているようだ。
 しかし、中国の自動車メーカーはディーゼルエンジンなど排気ガス防止技術に立ち遅れており、また燃料など石油メーカーも汚染物質を取り除く設備が設置されてないのが現状だそうである。
 そして、新たに政府が規制を設けると、競業している日本や欧米メーカーに有利になるため、経済優先で自国の産業育成の考え方から規制を先延ばししている。また石油メーカーも新たな汚染物質を取り除く設備投資には巨額な資金が要るため、規制が先延ばしされているようである。自動車や石油の大手は国有企業で、経営者も共産党員で国に発言力があり、強力な政治力のもと既得権益で固められている。

 しかし、日本でも高度成長時代には中国を批判できない状況であった。
私は20代半ばから30代半ばまで、東京都内の幹線道路沿いのアパートに暮らしていた。当時はまだ独身で、監査法人に勤務していたが、ある日突然しつこい鼻炎に悩まされることになった。当初は不規則な生活のせいか?と高をくくっていたが、なかなか治らなかった。そこで近所の耳鼻科で診てもらったら、アレルギー性鼻炎と診断された。今、思うとこれがスギ花粉症のはじまりだったように思う。一説によればディーゼルエンジンの排出ガスの煤がスギ花粉症の発症の引き金になるのだとか・・・。

当時のアパートのサッシの隙間にはディーゼルエンジン排気ガスの真っ黒な煤が吹き込んでいた。
徹底した規制は石原都知事になってからで、つい最近のことである。
日本でも輸送費や軽油価格のコストアップを理由に、族議員と産業界が抵抗して、なかなか規制強化に踏み切れなかった歴史がある。

 近頃感じていることだが、日本の都会もずいぶんと空や川や海がきれいになったものである。
できれば、戦後人工的に大量に植林したスギも伐採して、従来の自然の雑木に戻してもらいたいものである。

証券税制改正に要注意

投稿者 Bush吉田 2013年02月20日

 株価が回復して、ホッとしている人が多いと思う。
アベノミクス効果なのか?下がり過ぎた株価が調整されているのか?は分からないが、株価の回復は人々の気持ちや消費に良い影響を与える。

ただし、2月15日現在の日経平均株価11,174円は回復したと言っても、2008年9月15日に起きたリーマンショック前の日経平均株価に対しては、まだ70%の水準でニューヨークダウに比べても回復がイマイチである。
リーマンショック前は2006年1月から2007年12月までの月次平均株価16,649円から15,307円の水準で、それを単純に平均すると15,978円となる。この間の最高値は2007年6月の18,138円であった。

過去の日経株価の推移を調べてみると面白いことが分かる。それは日経株価が米ドル相場とリンクしていることである。米ドルの月次平均レートは2006年1月が117.27円から2007年12月111.49円で、2007年6月が123.14円と最も円安で日経平均株価の最高水準と同じ月なのである。つまり、円安になるとそれに連動して日経平均株価が高くなる。日本を代表する上場企業の多くが輸出しており、円安が進むと業績を押し上げると投資家は見ているのだろう。
現在の為替相場は米ドル93.53円であるが、今後の為替相場の動向は企業の業績や日経平均株価を左右すると思われる。

平成25年度の証券税制改正大綱で、平成28年度から上場株式等の譲渡所得と上場株式等の配当所得が見直され、分離課税が10%の軽減税率から20%(+震災復興所得税2.1%)に引き上げられる予定である。

また、この改正で証券税制の損益通算のルールも平成26年1月から変更されるので要注意だ。この損益通算は上場株式等の配当金と改正案によると公募した特定公社債等の利子所得等や譲渡所得等も可能となるようだ。

反面、従来認められていた上場株式等の損失を非上場株式の譲渡益と通算できなくなる。
例えば、上場株式等で譲渡損失が1,000万円あるとすると、非上場の同族法人の株価の高い同族株式を別の持ち株会社や後継者に売却して非上場株式の株式売却益1,200万円が発生すると、従来は上場株式等の譲渡損失1,000万円を相殺でき、株式譲渡益200万円で済むことになっていた。
しかし平成26年度からこの通算ができなくなる。

事業承継などから同族株式を移動する必要があり、上場株式等での譲渡損失がある場合は今年度中に譲渡を済ませておきたい。

日経平均株価が回復したといっても、リーマンショック前の水準に比べるとまだまだ低く、株式投資で損失を抱えている人が多い。
また税制上、上場株式の譲渡損失の繰り越せる期間も諸外国と比べ3年と極めて短い。
仕事柄、多くの申告書を見てきたが、証券投資をした人が繰越譲渡損失の期限切れで損失を取り戻す機会を失っている。

貯蓄から投資にお金が流れないと日本経済は元気にならない、といわれている。
もっと投資のリスクをとれるような税制になってほしいものである。(望)

経営状況を把握していますか?

投稿者 Bush吉田 2013年02月15日

 中小会計要領(中小企業の会計に関する基本要領)をご存じですか?
平成24年2月に公表されたが、中小企業の経営者にはあまり知れていない。
そもそも、中小会計要領は中小企業経営者団体、金融機関、学識経験者等が中心となり、金融庁、中小企業庁、法務省などが協力して策定されている。
 従来の中小企業会計指針(中小企業の会計に関する指針)のように、税理士や公認会計士、日本商工会議所が策定したのと異なり、経営者やその利害関係者である金融機関が主体となって策定しているのである。
 つまり、これは中小企業サイドからのニーズによって策定された会計ルールと言ってもよい。
その目的は、第一に経営者が理解しやすく、経営状況の把握に役立つこと、次に金融機関、取引先、株主などの利害関係者への情報に資すること、実務上計算書類等の作成負担は最小限にして中小企業に過度な負担を負わさないような会計ルールとなっている。
もともと財務会計ルールは、外部の利害関係者に情報を提供することを第一の目的としている。例えば、税務会計は税務当局への申告する所得金額のベースのためであり、中小企業会計指針も中小企業の利害関係者である、株主や金融機関、取引先などに情報提供するための会計ルールである。
これに対して中小会計要領は、経営者自身が自社の経営状況を把握することを主たる目的とした会計ルールであるのが特徴だ。

それでは、この経営状況を把握するとはどういうことだろうか?
経営状況は数字に表れ、具体的には損益計算書、変動損益計算書、キャッシュフロー計算書、貸借対照表上の数字、比率、回転率等として示される。さらに前年同月比較、月次推移などのトレンド、イレギュラーな異常値などが経営の状況を反映したシグナルとして表される。
例えば、在庫回転期間が異常に長くなっている?売上高が横ばいなのに在庫が増えると、在庫の陳腐化リスクや資金の固定化により資金繰りが苦しくなる。この兆候は貸借対照表だけでなくキャッシュフロー計算書にも表れる。
この対策として、仕入れを抑える、早目の販売キャンペーンセールで在庫処分をする等の意思決定をすることになろう。いずれにしても経営者は、部門別利益や在庫、売上債権などあるべき数字や比率をイメージしておくと、経営状況の把握、原因分析、解決への対策が迅速に実行できるようになる。また同業他社(BAST値)との相対的な比較をすることで自社の強みや弱みが分かり、将来の経営改善の目標設定の参考になるはずである。

このように、経営者が自社の経営状況をタイムリーに把握するには、日々、適時に記帳(日々の取引を帳簿に記入すること)をすることが重要になってくる。
そのため、中小会計要領においても、「記帳の適時性」が要求されている。会計データは適時に早目に処理しなければ意味がなく、現預金の記帳は出来れば毎日、その他の会計処理は毎月、当月損益計算書、変動損益計算書、キャッシュフロー計算書、貸借対照表は少なくとも翌月10日までには作成出来るようにして欲しい。そして、会計データの正確性の担保や経営状況の把握分析対策を会計からサポートするために、毎月定期的に巡回監査を行っている会計事務所を利用することをお勧めする。
そうでなければ変化の速いこの時代、自社の経営状況の把握は遅きに失することになり、取り返しのつかないことにもなりかねない。
経営者は毎月継続して自社の数字をチェックして、絶えず経営状況を把握していかなければならない。

大相撲見学で親孝行

投稿者 Bush吉田 2013年02月12日

 先日、大相撲観戦に出かけた。
それも年老いた母親を連れてである。
今回の大相撲観戦、顧問のN弁護士が新年会を兼ねて企画されたもので、それに便乗させて頂き親孝行?をした次第である。
 なにしろ93歳の老婆を連れて国技館のある両国まで行くことが一苦労であった。自宅から湘南台駅までタクシーで来てもらい、そこから一緒に市営地下鉄に乗り、戸塚駅で横須賀線に乗り換えて錦糸町へ、駅からはまた、タクシーに乗り、やっと国技館に到着。何とか土俵入りや幕内からの取組みに間に合いました。

道中、母親は杖を突きながらゆっくり歩き、また、駅ではエレベータ―やエスカレーターを探しながらの乗り換えです。横須賀線のグリーン車内では、アテンダントが車内販売に来るとすかさずお菓子を購入、それも森永の小豆キャラメルの大箱を全て買い占めていた。お袋は大の甘党である。お袋曰く「このメーカーのキャラメルは子供の頃からあったのよ。天使の絵のついたミルクキャラメルがおやつだったの。」甘党は子供の時のおやつの影響かもしれない。生野菜は一切口にせず、とんかつやステーキを今でも食べたがるお袋である。どうも長生きの秘訣として巷で云われる食生活に関する情報は本当に正しいのか?と疑いたくなる。

さて、大相撲観戦、なんとか国技館の升席にたどり着いてから・・・。
この日の幕内前半の取組みは際どい勝負が続き、審判から4回も「物言い」が付いた。特に、行司の軍配差し違いによって、琴勇輝関が富士東関を逆転勝利?さぞかし敗れた富士東関はがっかりしたことだろう。また、時天空関と宝富士関の同体引き分けの取り直しも出る始末で、めったに見られない珍しいことに巡り合った。
そして、横綱白鵬が大関琴欧州に敗れる波乱もあって、座布団が飛んだ。

お袋は取組みを観戦しながら、升席のお弁当やお菓子を美味しそうに食べてご機嫌であった。やさしい親孝行の兄貴も同行したこともあって余計嬉しかったようだ。
「相撲は日本の国技だけど、二人の横綱もモンゴル人だし、白鵬を破った琴欧洲もブルガリア人ね、こんなことでは国技と云えないわね。双葉山のような強い横綱がいればねえ?」。確かにそう云われれば、幕内力士42名中14名が外国出身者である。時代の変化とともに相撲界もグローバル化している。
年老いたお袋はこのような相撲界の状況、あまり面白くなかったようだ。

確かに相撲は日本の伝統そのものである。例えば、行司の衣装や所作、力士の動作、呼び出しの拍子木や大樹などの多くの決まりごとが脈々と続いている。
私は日本古来の伝統の相撲が世界に広がって、世界中から若者が夢を携えてやってくることは良いことだと思っている。
「大相撲モンゴル場所」とかいう人もいるが、勝負の世界では強い人が出世するのは当たり前である。野球でも世界の頂点である米国MLBもサッカーの英国プレミアリーグでも同じで、世界中から素晴らしいプレイヤーが集まってくるのだ。

そして、相撲が跳ねた後、お袋は大正時代の姿に復元した東京丸の内赤レンガ駅舎に兄貴と向かった。
青春時代の思い出と戦前の赤レンガ駅舎とを重ね合わせていたようだ。
さてさて、この旅はお袋にちゃんと親孝行できたかな・・・。

国税情報技術専門官をご存じですか?

投稿者 Bush吉田 2013年02月04日

 先日、クライアントの税務調査に立ち会った。
国税通則法が改正された後、はじめての税務調査である。
調査官も新しく改正された手続きでずいぶんと神経を使っていたようだ。
 私と担当者、クライアント側の社長も立ち会った三日間に及ぶ税務調査立ち合いで興味深い経験をした。

今回の調査に来た人間は特別国税調査官をはじめ総勢9名、その中には情報技術専門官という肩書の者が一人いた。彼は電子商取引専門チームの一人で統括官レベルの調査官だそうである。ちなみに東京局に12名、神奈川県に2名が配置されている情報技術の専門家である。
 インターネット取引が多くなっている昨今、ネット販売をはじめ、自分のブログや記事に広告を載せて広告収入を得るアフィリエイトなど、インターネットを利用したビジネスが多くある。調査が入ったクライアントもネット販売部門が成長しているので情報技術専門官が訪れたのであろう。

驚いたことにその情報技術調査官は「社長のパソコンを見せてほしい。」と要請してきた。通常社長は自分専用のパソコンを使用しているが、仕事のみならず、プライベートのために利用することもあろう。
 個人的な自分の趣味、仕事以外の友人へのメールも利用するだろう。なかにはエッチなサイトへのアクセスもあるかもしれない(笑)。いずれにしても調査官に閲覧されれば、プライバシーにかかわる部分も出てくると思われる。
 通常の質問調査権(税務調査をする権限)から解釈して拒否できると思われる。しかし情報技術専門官は、パソコンの所有権や使用するための電気代、さらに消耗品費などの費用が会社負担であれば、質問調査権がおよぶものと主張していた。

 また、調査官はパソコンの過去の利用履歴やデータを全て復元できるとも語っていた。完全に削除されたはずのメールやデータの改ざん等も復元する手法を心得ているとも言っていた。
 最近も厚生労働省の官僚が無実だった事件で、検察庁のM検事が起訴事実を改ざんしていたことが分かり、大きな社会問題となったことがあった。

税務調査も情報化社会とともに、税務調査のやり方を変えているのである。
詳しく知りたい方は「国税庁Web-TAX-TV」情報技術専門家編を見てください。
さて、事務所の情報機器がどのような履歴なのか、あのやり方でチェックしてみるとしよう。情報漏れの確認のためにも・・・。(笑)

世界文化遺産「武家の古都・鎌倉」

投稿者 Bush吉田 2013年01月21日

先日、社団法人鎌倉市観光協会(まもなく、公益社団法人に認定予定)の会長にお会いした。
今、武家の古都・鎌倉がユネスコ世界文化遺産に推薦され、今年6月に世界遺産委員会で審査される予定とのことでした。日本や地域経済のためにも、ぜひ、鎌倉が世界遺産として登録されることに期待をしたい。
 そもそも、鎌倉は西暦1192年に初めて武家(さむらい)による政権が樹立し、その古都(ふるさと)として、禅や茶道などのルーツとしてよく知られている。
 世界文化遺産になると、まず、外国からの観光客の増加が見込まれる。
しかし、市内の中心部にはホテルがなく、観光客は横浜市のホテルを利用することになる。また、地元鎌倉で商売をしている人の中には、意外にも外国人に対して一種のアレルギーをもっている人もいて、同じ世界文化遺産の京都のような受け入れ態勢が出来ているとは言えない様である。
例えば、英語が苦手だからなのか?いまどき、「外国人お断り」と冗談のような話さえもある。これは外国人からすれば人種差別だと誤解される可能性もある。
 また、クレジットカードが使えないところもあって、あまり現金を持ち歩かない外国人にとってはこれまた、さぞかし不便なことであろう。
 そこで、鎌倉市観光協会ではこの対策として、JR東日本のSuicaを利用できるようにすることを考えているそうだ。すでに、長谷寺などの寺院では拝観料にSuicaが使えるようになっていて、その結果、飛躍的に入場者が増加したそうである。
最近の外国人は日本に到着後、まず、空港でSuicaを購入し、あらかじめチャージをする人が多くなっている。Suicaは、ほとんどの電車やバス、コンビニにも利用でき、大変便利だからである。これが鎌倉の観光客相手のショップや飲食店、寺院などで使えれば、もっとお金が落ちるはずである。しかし、鎌倉ではSuicaが使えるショップや飲食店は実は少ない。なぜなら、Suicaを利用するための入力機械が高く、導入を渋っているお店が多いからだそうだ。
会長は、世界文化遺産へのインフラ整備が遅れているのを心配されていた。

日本は観光立国を目指している。ASEANをはじめ新興国が発展し、外国人が多く日本にやってくる時代になった。古都・鎌倉が世界文化遺産に登録されれば、例えば横浜のパシフィコで国際会議を行い、最終日には鎌倉観光というパターンが多くなるだろう。横浜市の林市長も古都・鎌倉の世界文化遺産登録を応援している。

 また、鎌倉では毎年秋に鎌倉宮で薪能が催されている。私も最近やっと幽玄な世界を理解できるようになり、個人的にもとても楽しみにしているが、歴史ある伝統と文化、美しい自然が調和した街が、首都に近い場所にあるのだ。
「武家の古都・鎌倉」が世界文化遺産に登録されることを期待したい。

そして、「さむらい」が世界に知られ、より多くの人々が古都・鎌倉を訪れてくれることを願う。

賃上げ促進税制?

投稿者 Bush吉田 2013年01月18日

 経済復活を目指す「アベノミクス」への期待が膨らんでいる。
税制面からも、自民党税制調査会から次々と改正案が発表されている。
今までなかった、賃上げを促す法人減税が目新しい。
一人あたりの平均給与が基準となる年度(現時点では未決定)より増えて、給与総額が増加していれば、その10%を税額控除ができる新しい仕組みである。
例えば、従業員20名の中小企業が、基準となる年度の給与総額8,000万円の給与総額を8,800万円に増加したとする。この場合、給与総額が800万円増加となり、80万円税額控除のできるということだ。
ただし、税額控除の上限があり、法人税総額の20%までしか控除できない。したがって、黒字企業で法人税も400万円以上納付していなければ、80万円全額控除できる恩典は受けられない。ちなみに、その企業が350万円の法人税総額だったとすると、70万円までの税額控除となると思われる。
この新税制の目的は人件費を引きあげることで雇用の環境の改善を促し、消費税増税による消費の冷え込みを抑える効果を狙っている。

しかしこの制度、どれだけ企業に普及するのか?
企業経営者はどう考えるだろうか?確かに、人件費は経費(会計上)であり損金(税務上)である。したがって人件費が増加すれば、損金も増え課税所得は減少する。そして、新税制では、さらに最大で増加額の10%を法人税から控除できるが、これが昇給のインセンティブとなるだろうか?
 私は疑問に思う。
また、人件費が上がれば、社会保険料(会社負担)は約15%程度負担が重くなる。確かに社会保険料の会社負担も損金にはなるが、インセンティブとしては物足りない。
政権が本気で、雇用の改善を目指すなら、せめて給与総額増加分の20%?30%の思い切ったものにする必要がある。
 平成23年6月、民主党時代に「雇用促進税制」が成立、雇用者一人当たり20万円の法人税税額控除のインセンティブ制度が施行された。しかし、ほとんど普及していない。手続きが煩雑で、適用要件が厳しく、分かり難かった。そして経営環境が悪く、雇用者の増員どころでなく、適用している企業が少ない。
今回の税制改正案も、一見インパクトがあるように見えるが、よくよく考えてみると、企業にとって決してうまみがあるとは思えない。(苦笑)

タイ視察旅行ー4

投稿者 Bush吉田 2013年01月17日

 タイ視察旅行の三日目はプミポン国王の誕生日を祝した休日でした。
国王は85歳と高齢で、現在、医療施設で生活されている。
街中いたるところで、お店、事務所などの入り口に、プミポン国王の肖像画を飾りたてている。タイ人ガイドさんから肖像画の前で失礼な態度を取らないよう注意された。
肖像画には「国王、長生きしてください」とお祝いのメッセージが書かれていた。
確か数年前、タクシン派と反タクシン派の政治闘争で、飛行場の占拠などバンコク市内が焼き討ちにされた。この混乱を最終的に鎮め、収拾したのは国王だった。
タイの民衆は国王を心から尊敬している。
この日は世界遺産で有名なアユタヤ遺跡に出かけた。14世紀から18世紀までアユタヤ王朝として417年間も存続した。アユタヤはポルトガル、英国、ベトナム、マレー、中国や日本等との交易で栄えた国際都市であった。日本から貿易商人が多い時で千人以上在留していたようである。川に囲まれた美しい仏教都市だったが、ビルマ(ミャンマー)軍の攻撃で滅ぼされた。今でも遺跡には多くの仏塔や仏像が残っており、観光地として整備されている。観光客を乗せるための象が、アユタヤ遺跡に自然と溶け込んでいた。(もちろん、私も乗りました。)
バンコクに戻り、スカイレストランの晩餐会で今回のタイ視察旅行の反省を行った。
多くの参加者から「今回の視察旅行は大変参考になった。実際にタイに来て、経済発展のエネルギーを直接肌で感じることができた。」と感想があった。確かに、日本では失われた、何とも言えない熱気がある・・・。かつての日本の高度成長期のような雰囲気である。
しかし、「製造業としてこれから進出していくにはもう遅い。」との声も多かった。確かに人手不足で人件費も上昇し始めている。
 反面、サービス業はタイ人の一人当たり所得水準が高まるに従い、市場としての魅力があるとの声も多かった。確かにアユタヤから戻って、バンコクのセントラルワールドプラザ(伊勢丹のある高級ショッピングセンター)では、客で混雑していた。ほとんどが高所得層のタイ人で、家族連れで買い物を楽しんでいる。ユニクロもショッピングセンター内で広く店舗を構えて、値段はむしろ日本より高く、不思議なことにダウン入りのコートが売られていた。熱帯なのに必要なの・・・?海外旅行者のための品揃えだとか?それだけタイでは経済成長とともに所得水準が上がっているのだ。
来年も同じような企画を立ててほしいとの要望が寄せられた。主催者側としては大変ありがたいことで、今回の視察旅行が期待に応えられ、ホッとしている。
 最後に、ショッピングセンター内でタイ古式マッサージを受けました。
大きな太ったおばさんが私の事を一生懸命に揉んでくれたが、大変ハードだった。ソフトにやってほしかったが言葉が通じない。日本語はもちろん英語もまったく分からない。痛い目にあって300バーツとチップ100バーツ。(泣)
帰りの夜行便の飛行機では揉み返しの熱と激痛で一睡もできなかった。(涙) 終。

2012年

これからのトップに求められる資質

投稿者 Bush吉田 2012年12月27日

 衆議院総選挙で、自民党が大勝した。
そして、新政権では自民党総裁の安倍氏が首相となった。
しかし、前のブログにも書いたが安倍氏には一抹の不安を感じている。
氏は岸信介氏が祖父の毛並みの良い、三代目のお坊ちゃんで、見るからにひ弱そうである。今までの、人生で挫折の経験があるとは思えないような軟弱さである。
また、過去にも健康問題を理由に、首相を任期中に辞任している。氏の持病は潰瘍性大腸炎で、投薬によって再発を抑えているが完治することがない難病である。一国の首相の職務は激烈極まりない。まして、時代の変化の激しく、内外に問題を抱えた中で、意思決定をしていかなければならず、そのストレスは尋常ではあるまい。また健康問題を理由に首相を辞めることになるのではないかと心配である。
 では、諸外国のトップはどんな人間だろうか?
米国のオバマ大統領、父親はアフリカからの留学生、アメリカでオバマ氏の母親である白人女性と出会って、オバマ氏が誕生した。その後、父親は子供のオバマ氏をおいてアフリカに帰っている。母親はシングルマザーでオバマ氏を育てた。
母親は一時、オバマ氏を連れてインドネシアのジャカルタで生活している。それはインドネシア人男性と結婚したからである。
オバマ氏の生い立ちは必ずしも恵まれたものではなく、混血であり、かなり厳しい環境で少年時代、青年時代を過ごしてきはずである。しかし、そんな中でがんばって努力を積み重ねて、名門ハーバート大学に入学、弁護士となって、政治家になっている。もちろん、オバマ氏は才能にも恵まれていたと思う。
それにしても、こんな恵まれない家庭で育った黒人の混血の人間を、大統領にしてしまうアメリカという国のダイナミックさや可能性を感じるのは私だけではないと思う。
 一方、中国の次期総書記の習近平氏の生い立ちはどうか。
氏の父親はバリバリの共産党員で、副首相にもなったエリートであった。しかし文化大革命のときに失脚し、一家そろって過疎地の農村に送られている。日本の網走のような辺境の地である。そこで氏は多感な少年期を過ごし、泥まみれで貧しい生活を体験している。その後、文化大革命が終わり、復権して都市部へ戻り、精華大学に入学した。その頃アメリカのアイオワ州にホームステイし、良きアメリカ人の勤勉なレッドネックの人たちとの親交を深めている。最近、氏が渡米した時には親交のあった家庭や人々と再会している。氏は、この体験を通してアメリカのポジティブな空気に触れている。
 氏はエリート女性(英国大使の娘)と結婚し、そして挫折し、また田舎に引きこもっている。現在の配偶者は女性人気歌手で、再婚だそうだ。いずれにしても氏はただのエリートではなく、挫折を繰り返し、這い上がってきた泥臭い男である。
 人間性の形成や価値観は、その人の少年期や青年期の多感な時期に体験したことが、大きな影響を与える。
ましてこれからのトップには、挫折から這い上がる強いエネルギーや気力、成功体験をもっている人間力が必要だ。
この難しい時代、軟弱で人間力のないリーダーが務まるはずがない。(嗚呼・・・)

タイ視察旅行-3

投稿者 Bush吉田 2012年12月25日

視察2日目は、AMATA・ナコーン工業団地のマーケットマネージャで日本人のT氏のお話を伺った。T氏は若くしてタイに来られ、タイ人女性と結婚されて、現地で10年以上も生活されている。
その工業団地には日系企業が60%も進出している。公示価格はライ当たり(1600?)、700万バーツ(2000万円)で一般加工区を販売中であった。ちなみに、AMATA・ナコーンの土地開発は大掛かりなものである。開発地内に住宅、学校、医療施設、ショッピングセンター、日本食レストランなどもあった。驚いたことに開発地に本格的なゴルフ場(アマタスプリングスCC:7,453ヤード)もあり、ちょうどあの石川遼も参加するトーナメント(タイゴルフチャンピオンシップ)を開催する直前であった
T氏の話によれば、タイ進出の成功の秘訣は、「郷に入れば郷に従え」、「タイ人の気質は家族主義と助け合い、自由を重んじ、お金より人間関係、ストレス解消のための工夫なども大事である」と言っていた。このことは初日に伺ったNT社が社員旅行や誕生会に力を入れているのと共通していた。
また、日本からの出向している会社のトップについて、「人間力、リーダーシップ能力、決定権の有無等をよく見ている」ともざっくばらんに語っていた。
午後からは、日系自動車メーカーの一次サプライヤーS社へ伺った。車体下部のパネルを製造している。大型プレス機を使って、鉄板をプレスする迫力満点の工場である。
S社は毎日生産に追われ、連日残業が続いているそうだ。現在工場を増築し、大型の3000Tプレス機を設置中であった。投資額も何百億とか・・・。日系メーカーも海外ではものすごい勢いで設備投資している。参加した視察旅行の経営者もうらやましいと思ったに違いない。隣接するいすゞ自動車のタイ工場も年々生産台数を引き上げているそうだが、残念ながら原材料の鉄板は日本からの輸入だそうで、タイには品質の良い製鉄メーカーがないとのこと。
何故このように日系企業のタイへの進出が続くのか?
バンコク周辺には工業団地として開発されているエリアが多くあり、大規模な空港・港湾、舗装された道路網、安定した電力供給などのインフラが整備されている。
 最近は人手不足だが、熟練した労働者が多く、日本に比べ人件費が10分の1と安い。また、到着してすぐに感じたことだが、親日的な国民性で穏やかで企業運営がしやすい。
 一人当たりGDPが5,000ドルを超え、中進国に成長し、タイ国内でも日系企業が提供する製品やサービスへの需要に期待できる、市場として魅力を持ち始めたことも要因だ。また、外資優遇政策として、FTAの締結や税制の恩典がある。
法人所得税制は現在の23%から、2013年度以降開始事業年度から20%に引き下げられる予定で、投資促進税制など企業優遇策が講じられている。(羨ましい限り?)
 そして、ゾーン別に、工業団地内などに進出した企業に、法人所得税の免税(最高8年間)措置の恩恵がある。日本と違って、思い切った優遇税制策も講じていることが何よりだ。 次回へつづく。

忘年会。

投稿者 Bush吉田 2012年12月25日

今回は職員からのブログです!
先日、平塚のワイン酒場イザヴィーノにて事務所の忘年会を行いました。
今年一年、お疲れ様でした?!などと簡単な一言では済まされないほどの怒涛の一年!?だったような気もしますが、とりあえず、みんなで飲んで騒いで楽しく、そして誰も壊れることなく大人の時間を過ごしました。おいしい料理においしいお酒、とてもよかったです。
そして、恒例のビンゴ!さてさて、ディズニーランドのチケットは誰の手に!!
何せこのチケットを争ってマジモードの面々…。
このチケット、しかるべき人に?当たるといいんですけど…。そして当たったのはこの人でした!来年こそ、扶養家族を増やすぞっ、と意気込む人に当たってよかったです。

さあ、みなさん、来年もこのメンバーで、みんなで協力して楽しく一年間乗り切りましょう。
(耳の痛い人、いませんか????)
最後になりましたが幹事さん、お疲れ様。

タイ視察旅行-2

投稿者 Bush吉田 2012年12月19日

前回からのつづき・・・。

NT社視察の後、午後からバンコックに戻り、JETRO(ジェトロ)のディレクターH氏の「タイ概要」の講演を聞いた。そのあと、MC銀行バンコック支店に出向き、支店長T氏、MHCBコンサルティングマネージャーディレクターH氏の「タイの投資環境」の話を聞いた。
二つの研修のマクロ的な話の内容は多少ダブってはいたが、印象的なところをまとめてみた。
タイは、立憲君主制の王国(プミポン国王)で、人口6811万人で日本の半分、ただし65歳以上の高齢化者割合は7%超、20歳未満30%以下で、中国と同じく高齢化社会になっている。ちなみに日本では高齢者割合は23%で25年程度先に行っているようだ。
国土は日本の1.4倍の面積。ただし、南部は広大な平地で、特にバンコック周辺は海抜が低くほとんど高低差がないため、洪水になりやすい。昨年の11月12月の大洪水で日系企業の多くが被災している。しかしながら、損害総額1兆円、(日系損保会社損害額5千億円)の被害にもかかわらず、訪問した時点ではすっかり復興していた。
JETROのH氏曰く、「タイは日本車だらけ、90%の車は日本メーカーで、そのほとんどが、タイの現地生産車。」確かに、街中でみるのはトヨタ、ホンダ、マツダ、三菱、いすゞなどまるで日本にいるようであった。そして「人気車種はトヨタのハイラックス(5人乗りの小型トラック)で車種別売上NO1です」、「そのわけは、タイでは農業や零細企業が多く、家族と荷物を運べるのに適しているからだ・・・」とのことでした。「トヨタの信頼は高く、品質耐久性やリセールバリューの高さから人気」だそうです。
しかし、車の値段は物品税の影響か日本に比べてかなり高額です。例えばトヨタカムリハイブリットは日本では289万円から364万円だが、タイでの販売価格は437万円から486万円と高い。そして高級車レクサスS300(旧GSタイプ)は1455万円から1617万円もするようだ。日本での価格の約2倍以上である。(MC銀行資料)
日本からの進出企業は多い。バンコック商工会議所メンバーは1371社で東南アジアではトップ、ベトナムを大きく引き離している。業種別では製造業が約半数を占めている。最近は中小企業の進出が目立っているそうだ。
日系の製造業が多いわけは、製造業については外国資本100%で設立が可能だが、サービス業など非製造業は外資規制により、資本の過半数をタイ人が保有しなければならない。(MC銀行資料)
したがって、日系の自動車や電機メーカーが先を競って進出している状況で、日系企業が集積し、その二次三次の下請けのサプライチェーンができ、日系の中小メーカーの進出がラッシュとなっているようだ。(JETRO研修)
「これからは、タイ人の所得も上がり、きめ細かい最高の日系サービス業、美容室や結婚式場などが進出するチャンス」とJETROのH氏が述べられていた。(笑)

タイ視察旅行-1

投稿者 Bush吉田 2012年12月18日

 12月初旬、東南アジアの中心であるタイ、バンコックの視察旅行に出かけた。
クライアント企業7社と事務所より2名で総勢9名、4泊(機中1泊)5日の忙しいスケジュールであった。
 バンコック到着は深夜、そのままホテルに直行で夜中2時に就寝、そのまま、おやすみなさい・・・となった。

翌朝、7時ロビー集合、9時からNT社工場視察。
NT社は塩化ビニールのディップモールディング・コーティング業、日系で1983年にタイに現地法人として設立、社長はラオス人のKP氏、従業員は320名の会社である。
 到着するなり、社長KP氏や後継者のPP氏から説明を受け、会社の概要を聞いた。
そのあと、両氏の案内で工場見学へ、まず、驚いたのは工場内の雰囲気・・・。
第一に、工場がものすごく整理整頓され、きれいなこと、製造設備のレイアウトも整然として、いかにも生産効率が高そうに思えた。
第二に、社員の礼儀正しさである。視察しているビジターに対して立ち止まってタイ式の挨拶をしてくる。社員はすべてタイ人で、女性も多く働いていた。
 工場内や会社のたたずまい、雰囲気を見ただけで、NT社の業績の良さが分かるような気がした。
 社長の話によると、売上高は毎期連続で、二桁以上の伸び。近日中に工場の増設を行う計画だそうである。最近の日本ではありえないようなまさにGDP5%アップの高度成長を続けているタイ経済である。日本でビジネスをする経営者にとって、そんな経営環境が本当にうらやましい・・・(羨)

しかし、その反面、タイでは工業化が進み求人難だそうで、いかに従業員を獲得していくかが課題だそうです。ただし、社長曰く、当社では人を大切にし、「社員の誕生会や社員旅行、福利厚生施設などを充実させている。」「だから社員の定着率もよく、会社の評判もよいから、人は集まるはず・・・」と自信を覗かせていた。

ちなみに、政権が代わって、初の女性首相インラック氏はその公約の目玉が福祉政策で、最低賃金の引上げを行っている。2012年4月から日給215バーツ(1バーツ=2.7?2.9円)→300バーツとものすごく賃金上昇がしている。正規雇用者には日給の30日分を月給として払う仕組みになっている。
 NT社での給与は完全能力給だそうで、熟練度や難しいスキルを身に付けた社員を優遇するシステムである。「タイ人は女性の方が仕事熱心で、スキルアップも早い・・・」と後継者のPP氏が語っていたのが印象的であった。

対日デモでもめている中国とはタイは大違い?人々の価値観や人間性も異なるように思う。まず感じるのは対日感情。タイでは日本人には好意的である。またお金よりも人情や絆を大切にする国民性で、日本人とはウマが合いそうだ。(笑)
次号へつづく・・・。

衆議院選挙どうする?

投稿者 Bush吉田 2012年12月08日

 衆議院が解散され、いよいよ国の将来を決める選挙が行われる。
解散を決めた野田総理大臣は信頼感がある。消費税改正を成就させて、約束どおり野に降りる覚悟を決めて国政選挙の引き金を引いた。
さて、これから書くことはあくまでも個人的な意見である。選挙について私の思いを綴ってみることにする。
まず、民主党が分裂し、政党が乱立して各党派の政策主張が分かり難い。
また、政策論点が多い。円高対策などの金融政策、原発やエネルギーを巡っての議論、尖閣などの外交問題、消費税以外の税や社会保障、TPPなどである。各政党の議論を聞いていても、しっくりと納得できるものはない。
安倍総裁は、日銀法を改正してまで円高阻止をし、インフレ目標2%を掲げているがそんな禁じ手、本当に大丈夫なのだろうか?円安と金利高で、国債の時価が下落して日本の金融危機にならないのか?金融機関が国債を多く抱えている。慢性化した風邪に強い劇薬を打って、体が衰弱して命を落とすようなものではないか。下馬評によりと自民党が政権を奪い返す可能性が高いが、将来に一抹の不安を感じている。
安倍氏は過去に首相の座を投げ出した前科者である。そして、氏の発言には重みがなく、意見にも深い見識がみられない。安倍氏の頼りなさを感じているのは私だけだろうか。総裁選挙のライバルであった石破氏の方が、リーダーとしてしぶとさと粘り強い交渉力を持っているように思う。
維新の会の石原氏の意見は分かり易く納得させられる面もある。しかし、外交防衛政策ではあのタカ派ぶり、総理大臣にはどうか?と思う。もし首相の座に着いて、氏の政策を実施するには強力な軍事力などの外交切り札を持たなければならない。氏の政策を推し進めるには、国民の軍事費負担や徴兵制など相当な覚悟が必要だ。
また、氏の報道インタビューを聞くたびに、あの不遜とも思える人を見下したような言い方は不愉快である。人間性からしてリーダーの資格はない。
共産党、社民党の意見も尊重されなければならない。しかしTPP、原発、消費税増税反対の主張を受け入れるのは、桃源郷でもないかぎり実行できない理想論で現実的でない。例えば中小企業へ資金が供給されるために、金融政策のより一層の緩和が必要といっているが、そんな政策は何の効果もない。もっと現実の経済の実態を勉強してほしい。中小企業はお金よりも仕事を欲しがっている。町の税理士の声を聞いて、中小企業の現状を見てみろと言いたい。理屈だけで企業経営が分かっていない。
いずれにしても、今回の選挙で誰にどの党に投票するか?大変難しい判断である。
これからの日本の針路を決める極めて重要な選択である。己が将来どんな国で生活したいのか、イメージを描いておかなければ決められない。あとは政治家で信頼できるに人、政党の政策が大局的に自分の将来ビジョン合った主張しているかで投票するしかない。
小さな一票だが日本の針路を決める重要な一石である。

競馬の儲けを巡っての争い!

投稿者 Bush吉田 2012年12月03日

 大阪国税局が、「競馬の儲け」である男に税金を追徴課税し、もめている。
この男、2009年までの3年間、28億7千万円の馬券を購入して、30億円の配当を得ていた。したがって儲けは1億4千万円であったが・・・強運な勝負師である。
 この男、残念ながらこの儲けを、確定申告しておらず、国税局に無申告として追徴課税されてしまった。
ただ無申告の話だけだと面白くないが、実はこの事件、課税方法を巡って、この男と、国税局とで戦っている。
国税局の競馬の儲けに関する所得の解釈は、当たった馬券からその購入費を経費として引いた額が所得になる。はずれ馬券は一切経費にならないとの判断だ。
この男の場合、当たって儲けが出た馬券からその購入費の経費を引くと、29億の所得になる。競馬の儲けは一時所得で、(配当金年間合計―当たり馬券購入費年間合計―50万円)×2分の1が所得となる。
それによって計算すると、追徴税額は何と6億9千万円となり、その巨額さには驚かされるばかりである。しかし、この課税は、何は変だと思いませんか?多くの常識ある社会人にこの課税庁の追徴額について意見を聞きアンケートを取ったら、この課税はおかしいとの回答が大勢を占めるはずである。
所得税法の条文通り、解釈すれば確かに、大阪国税局の課税処分となるが、そもそも以下の点から個人課税の仕方が間違っていると思う。

  1. 儲かって所得の出ている面のみしか着目していない。はずれレースの損失取引は一切所得計算に考慮されない。いかにも財務省の「取らんかな」方式の個人課税を象徴している。
  2. こんな課税方法では、納税者個人は納税不可能で、担税力が無い。所得とはそもそも資産の増加を伴ってなければならない。つまり、この男の3年間の競馬の儲けは1億4千万円で、追徴税額6億9千万円の支払いは資産の裏付けがなく納税不可能である。
  3. このように3年間で30億円、年間平均10億円にもなり中小企業より多い取引額である。このように反復して継続的に馬券を購入している場合は、一時所得というよりも事業所得というべく実態である。そうであれば、はずれレースの馬券購入額ついても必要経費になろう。
  4. この競馬投資業を法人で経営したら、もちろん3事業年度で1億4千万円の所得課税となっている。個人課税は個人では損をしないはず、所得の部分しか着目しない、旧態依然とした先入観と固定概念の非民主的なルールのように思える。

この男、現在大阪国税局の課税処分に対して、不服審判所に審査請求しているそうだが、成り行きに注目したい。直感的に見て、この男の主張の方が納得できる。
勝負師として、国との勝負にも勝ってほしいものである。

2013年3月金融円滑化法終了後の新たな経営リスク

投稿者 Bush吉田 2012年11月13日

 当事務所の11月2日付けのHP記事、「金融円滑化法終了まであと5か月」についてコメントします。
当時、亀井大臣がこの法案を提唱し始めたときから、こんな延命措置は将来に禍根を残すのでは・・・?と言っていた銀行の人が多かった。
残念ながらその予想は当たった。借金の返済猶予の適用を受けた企業で、猶予期間中に自主再建できた企業は少ない。
返済猶予の適用を受けた企業が再生できるのは10%程度、いったん苦境に陥った企業が立ち直っていくのがいかに困難であるかデータが示している。
確かに、大手電機メーカーの苦しい業績に見られるように、このところの欧州金融危機、円高、中国の景気減速、反日デモなど激しい経済環境の変化に対応できない企業は淘汰されようとしている。企業経営が本当に難しい時代になっている。
ところで、金融円滑化法の返済猶予を受けている企業に貸し付けている金融機関は、メガバンク、地銀、信用金庫であるが、メガバンクや地銀はそのほとんどが政府保証協会付であり貸出金の貸し倒れのリスクはない。保証協会付融資は貸出金が焦げ付いたら保証協会から代わりに弁済されるからである。
問題は保証協会が肩代わりした融資や信用金庫などがプロパーで貸し付けた融資の焦げ付き部分をどうするかである。当然、それらの金融機関は貸出金の回収不能で、大きな貸倒損失を被ることになろう。
この損失は70兆円以上と巨額にのぼる恐れがある。日本の年間の一般会計予算は90兆円、その損失の大きさに目が眩むほどである。保証協会の損失は最終的には政府が税金で補てん、国民の負担となるはずである。
そう考えると、この金融円滑化法は一体何だったのか?淘汰されていく企業をただ先延ばししただけの無謀な政策の延命措置に過ぎなかったのではないか?当時、政策を立案した亀井大臣の責任は無いのだろうか?またいつものように、政治家は政策の結果を検証せずにうやむやにしてしまうのだろうか?

事務所ではクライアントに向けて、次のように注意を喚起している。
来年4月以降、金融円滑化法終了後30万社が倒産するとの予測がある。借入金の返済猶予の適用を受けている得意先の売上債権や、外注先の倒産リスクである。
今から取引先等の倒産リスクに備えて、与信管理を厳しく、財務内容が苦しい得意先の情報入手を徹底化し、どんな動きがあるかリサーチすることを進言している。
 いずれにしても、売掛金の回収が遅れ気味の得意先などがあれば要注意である。

事務所で一番重要視しているのはクライアントの得意先などから蒙る貸倒リスク防止である。万一に備えて中小企業倒産防止共済に加入しておくのもお奨めである。
http://www.smrj.go.jp/kyosai/index.html

事務所30周年式典に思う

投稿者 Bush吉田 2012年10月22日

 10月16日火曜日、事務所創立30周年の記念セミナーと式典を行いました。
クライアントや取引関係先をお招きしてのイベントが何とか無事に終わってホッとしている。
お忙しい中、多くの方々にご来場いただき、大変感謝しています。
第一部の記念セミナーでは寺島実郎先生を講師に講演を行って頂きましたが、その独特の語り口で、統計データに基づき世界の情勢や日本のあり方について分かり易くお話していただきました。
多くの方々から「現状の世の中の動きがよく理解できた。」「今まで断片的に知っていた情報がつながってこれからの世界の動きに興味を持てるようになった。」「TVで見ていた寺島氏とイメージが異なっていた。」など様々であったが、好評でありました。

第二部の記念式典では、まず、私の挨拶において、私が慶応大学卒業後、紆余曲折を経て湘南台に会計事務所を開設し、今日までいろいろな苦労?したエピソードを披露させていただきました。
そのスピーチでクライアントの印象的な出来事を一例だけ披露させていただきましたが、実は他にも話したいエピソードが沢山ありました。
時間の制約で言えなかったことをここに書かせて頂きます。

  • 地主のA氏、病気で死を目前にして、私に「家のこと、後を頼む・・・」とかすれた声でおっしゃいました。私と担当者は涙が・・・。その一週間後に氏は亡くなりました。
    そして、当時暴走族だった?息子さんが立派に家長としてA家を承継し、地域活動に大変活躍しています。きっと草葉の陰でA氏はホッとしていると思います。
  • 同じく地主さんで公私ともに仲良くゴルフも一緒に楽しんでいた私より若いオーナーS氏が数年前に亡くなり、本当に悲しくて涙が止まりませんでした。まだご子息さんもこれから他人の釜の飯を食べないといけないと相談を受けていた矢先です。会社は不動産賃貸業でテナントとの訴訟も抱えており、ピンチに立たされていた時の相続開始でした。そこで私は経験の浅い若い後継者をサポートすべく、親父になったつもりで経営の重要な意思決定に加わりました。もちろん、顧問弁護士さんや付き合いのあるハウスメーカーにも協力をいただきました。生命保険金は相続税の納税に助かりました。あれから7年経った今では、先代の時より素晴らしいテナントに恵まれています。そして何よりも嬉しいことはこの若き後継者がものすごく逞しく成長されたことです。
  • バブル経済崩壊後、経営が行き詰って先代に責任をとってもらったことがありました。社長の退任と自己破産の提案をしたとき、ものすごく怒鳴られてぶんぶんなぐられそうになりましたが、従業員の生活や取引先との責任を訴え、何度も説得を続け、なんとか納得していただきました。顧問弁護士にも相談して会社は再生を果たしました。今では負の遺産も解消されて社員も一体となって、いきいきした会社に生まれ変わっています。

また、この30周年式典ではたくさんのサプライズがあり、私はたまりませんでした・・・。
特に、後継者塾の塾生から心のこもったお花をいただき、本当に感動しました。(涙)ありがとうございます。
そして、最後に今後ともよろしくお願い申し上げます。

”大家さん”セミナー

投稿者 Bush吉田 2012年10月04日

平成24年9月26日14時から昨年より行っている不動産セミナーの第二回目を開催しました。
今日は、その内容についてセミナー運営を担当した坂本より簡単に報告させていただきたいと思います。
まず、第一部は「満室経営に向けた賃貸管理」というテーマで有限会社丸金商事廣田裕司様に、そして第二部は「成約率を高める100円からできる空室のドレスアップ術」というテーマで加藤隆様にご講演いただきました。

第一部の廣田様は、大家さんを「満室経営チームの監督」として、管理会社や仲介会社、リフォーム業者や税理士を「満室経営チームの選手」と位置付け、サッカー日本代表に例えてお話しいただきました。また、入居者(顧客)目線で入居者の満足度向上を目指すことが満室経営につながることをお話しいただきました。

第二部の加藤様は、大家目線と入居者(内見者)目線には違いがあり、常に入居者(内見者)目線を習慣化する必要があるということでした。そのうえで、物件価値を向上させるため、物件の飾りつけ(ドレスアップ)が効果的であるとお話いただきました。具体的には、IKEAやニトリでカーテンや照明、テーブルやグラスなどを購入し、内見者の心を掴むことで契約につなげるということでした。また、いくつものドレスアップ事例をご紹介いただきました。
早速、翌日にそのドレスアップを真似されたお客様もいるようです。

普段、私どもで開催するセミナーとは違い、同じ立場の同じ目線での講義ということで、ご参加いただいた皆様にはかなり好評のようでした。
その様子は、アンケートにもあらわれており、皆様、たくさんの感想をよせられておりました。
私ども事務所でも年に数回、税法やその他さまざまなテーマでセミナーを開催しています。
もちろん、その際にアンケートもお願いしていますが、なかなかそこまでの感想を書き込んでいただけることはありません。まだまだ私たちのセミナーは努力と工夫が必用という事かもしれませんね・・・・・(笑)。

講義終了後は、会場を移して、懇親会を行いました。
こちらも皆、お酒も入り、口も滑らかに大いに盛り上がりました。
大家さん同士の交流の場になったことと思います。
こうなれば、来年も継続して行っていかねばならないですね。
廣田先生、加藤先生、本当にありがとうございました!

「経営者としてあるべき姿は」

投稿者 Bush吉田 2012年09月25日

 みなさんは、「盛和塾」をご存じだろうか?
あの名経営者である「稲盛和夫」氏が塾長をしている経営塾で、定期的に稲盛氏の経営哲学を学んでいる経営者の勉強会である。
先日、その代表世話人N氏の話を聞いた。

稲盛氏はJALの再建で経営手腕を発揮し、先日見事に再上場を果たした。
その当日、NHKニュースに出演されていたが、大仕事をしたにもかかわらず謙虚な態度にその人柄がにじみ出ていた。本当に実力がある人物はこのように偉ぶらず謙虚なのかもしれない。
インタビューの最後にアナウンサーが「この不況で日本の経営者が見失ったものはなにか?」との問い掛けに対して、稲盛氏は「自分の想い、願望に対する強烈なやり遂げる行動に欠けている・・・、リーダーシップの無さ」を言われていたことが特に印象的であった。私なりには日本は豊かになってハングリー精神が無くなってきたとも感じたが誤りだろうか。

 さて、勉強会での話に戻るがN氏曰く、稲盛氏の経営を学んで理解したことは、
「会社は何のためにやるのか?」というミッションや経営理念の重要性である。
「人生・仕事の結果」=「考え」×「熱意」×「能力」だそうである。
そしてその中で最も重要なのが「考え方」だそうで、そこを間違えるとマイナスにも作用する。「熱意」や「能力」は高いか低いかだそうだが、「考え方」はマイナスになるため、人生哲学や経営理念が最も大切にすべきであるとの事である。たとえば「脱税はとんでもなく、適正な税金はむしろ喜んで払うべきである。」と説いていた。
次に、稲盛氏の有名なアメーバ―会計であるが、われわれ会計事務所でいう部門別損益計算書をコストセンター別に細分化したものである。社員一人当たりの時間別採算計算を明らかにし、それをもとに無駄を排して目標利益を達成していく手法である。
その導入目的は、「市場に直結した部門別採算制度の確立」と「経営者意識を持つ人材育成」をし、「全員参加型経営の実現」だそうである。JALでも導入してその制度が軌道に乗るまで1年半の歳月を要している。
言うは易しだが、実現には大変な努力や忍耐力は要るようだ。

 最後に、稲盛氏は不況期を乗り切るための対策として、「トップをはじめ全員の営業」「新製品新サービスの開発」「あらゆる経費の削減」「全ての業務で創意工夫」「社員の融和と団結を図れる良好な人間関係」を唱えている。
今、不況にあえぐ企業が多いが、いずれ景気が上向く?神風待望論ややる気を失せてあきらめている経営者も少なくなく、会計事務所として歯がゆい思いである。

中国反日暴動の愚かさ

投稿者 Bush吉田 2012年09月20日

 尖閣諸島の国有化を巡って、中国で反対デモがエスカレートしている。
中国は海洋資源が埋蔵されるとなると自国の利益を強引に主張してくる。ちなみに海洋資源が見つかっていない1970年ころまでは両国の間で領土問題はこんな大きな問題ではなかった。南シナ海の南沙諸島でも同じやり方だ。
日本政府の言い分通り、両国には領土問題はないと思う。中国の言い分にはあきれている。
それにしても驚いたのは中国でのデモの激しさである。日系企業に対して襲撃、破壊、焼き討ち、略奪が行われている。いくら領土問題で意見が異なっていても、不法行為ともいえる暴動を起こすことはまったく理解できない。暴徒はほんの一部だと信じたいが、そのやり方がいかにも稚拙で愚かである。
日本では北方領土や竹島をロシヤや韓国に不法占拠されていても、これほど愚かな行為を行う者はいない。日本人は良識的で秩序ある国民である。東日本大震災でそのことが証明されている。
一方、中国人は気性の荒さを持っているのだろうか。韓国人も同じ気質を持って人が多くいるようだ。よく言われているが、彼らは自己中心的で自分の立場を強烈に主張してくる。勝つために手段を選ばず徹底的に攻撃してくる。

また、日本に対する憎悪感の高まりは教育にあるように思う。中国や韓国では多感な時期に反日教育を叩き込まれている。そんな潜在的な心理から、特に日本に対しては領土問題がこれほどまでにエスカレートするのかもしれない。中国や韓国政府の反日教育は執拗でまったく不愉快である。
中国や韓国の国民は不幸である。政府のプロパガンダ的な教育によって若い無知な人々は洗脳され踊らされている。デモは国民の生活や不平等な政治へのガス抜きに利用されているとの見方もある。
中国で会社を経営している人の話では、中国は共産党員やその親戚一族と庶民との格差が激しく、一般庶民はその不平等さに地方中央の政府共産党に不満を抱いている。その不満を訴えても政府共産党は全く取り合おうともしないそうである。民主主義の日本では理解できないお国柄なのである。一般庶民にはいつも不満が煤ぶり続けているそうだ。

反日感情のそもそもの原因は、戦前の大陸への侵略戦争であるが、当時の国の指導部はまったく愚かなことをしたものである。
 この反日感情は、中韓の教育を変えない限り無理のように思う。
これからも、過去の歴史上の過ちを執拗に政治的に利用されることになろう。

私は二度と不愉快な思いをする中国や韓国を訪れることはないだろう。

日本は人も企業も長寿国

投稿者 Bush吉田 2012年09月11日

 先週、山梨県の八ヶ岳にて開催された日本公認会計士協会東京会主催の「事業承継セミナー」に参加した。夏バテ気味の私には天国のような涼しい環境で2泊を過ごし、少し元気を取り戻せたように思う。セミナー準備など大変な思いをされたS先生をはじめ講師陣に感謝したい。
ここでは難しい会社法や税法の話をするつもりはないが、驚いたのは200年以上継続している長寿企業は、世界で日本が一番多いことだ。
日本3937社、ドイツ1563社、フランス331社(後藤俊夫著「ファミリービジネス」より)と断トツに日本が多くあるという。世界最古は創業578年(飛鳥時代)の寺社建築業の「金剛組」が有名である。また、なんとギネス認定世界最古のホテルも日本に存在する。創業705年(飛鳥時代)の西山温泉の温泉旅館、慶雲館だそうだ。
 千年を超える年月の間には、戦乱、天災など多く障害があったはずである。
200年前に遡っても、幕末明治維新や第二次大戦の敗戦、定期的に繰り返される大地震等が起きている。これらを乗り越えて企業が存続していくのは大変な苦労があったであろう。
 ではなぜ、こんな災害が多い国で生き残ることができたのか?
それは日本では昔から商業が社会に受け入れられていて、知る限りでは、封建時代に商業が時の支配者から迫害を受けたことを聞いたことがない。そんな歴史から長期的に経済が安定し、成長してきた。
次に、顧客重視の経営視点を持っていた。「買い手よし」「売り手よし」「世間によし」とは近江商人の商いの教えがあるように、顧客や社会に貢献してきた商人道が根付いていたように思う。
また、日本人は気質的に保守的である。たとえば1500兆円の金融資産のほとんどは安全な預貯金を好む国民性である。ビジネスにおいても本業重視で堅実で保守的である。ただし、時代の変化に対しては柔軟に果敢な挑戦をする。商いは地道に工夫を凝らしながら努力していく。勤勉な国民である。
さらに、日本人の特性として、約束やルールを重視することも見逃せない。そうでなければ顧客との掛け取引、良好な雇用関係、仕入れ先との納期や価格などの協力関係も成立しなかったと思う。日本の隣国の中国や新興国の状況を知ると、いかに日本が安心してビジネスができるか分かる。
最後に長期に存続していくうえでは、上手な事業承継が欠かせない。そのためには血縁を超えた後継者選びが欠かせないだろう。経営者は経営能力、リーダーシップ、人間性を備えてなければならない。同族だけに頼っていては経営に適さない者を選ぶことになる。事業承継の拙攻は企業の運命を左右する。
今回のセミナーに、おぼつかない足取りの高齢な会計士が多く参加していたのには驚かされた。その年齢にしてその勉強意欲は大変なものである。
日本は人も企業も長寿で居心地のよい恵まれた国なのかもしれない。

目先のことに惑わされず長期ビジョンでとらえよう

投稿者 Bush吉田 2012年08月28日

 数年前に企画コンサル会社を解散した、68歳になる某氏が久しぶりに事務所に相談に来られました。
その相談とは…。
「実は、賃貸していた不動産を譲渡することになった。そこで買換えの特例を受けて、譲渡所得税を節税したい。」という。
譲渡をする不動産は何百年も前から親族が所有してきた先祖伝来の財産です。
 そして、買換えで取得する予定の不動産は駅前立地のマンション2部屋で、これを老後の生活の収入源にしたい、と考えていました。確かに某氏の言う通りであれば、事業用の買換え特例は適用できよう。
 新たに事業用資産を買い換えて、新たに取得する不動産が売却代金以上であれば、売却益の80%は圧縮記帳が可能である。しかし、少なくとも概算で5?6百万円の所得税と個人住民税の負担がある。某氏は現在年金暮らし、売却代金のすべてを買換えで新たな不動産の購入代金に充てることは難しいと思われる。
 そこで、某氏の意向や今後の老後の人生設計をヒアリングしたところ、以下のようなことが明らかになった。
 氏曰く「子供もいないし、家内とのんびり楽しく暮らしたい。」「ただ、買換えを適用しないと、譲渡所得税等が27百万円も取られて損をしてしまう。」
私は、買換えの特例の意味を伝え、今回の不動産売却は単に譲渡所得税の課税の繰り延べ(節税と異なる)で、税金負担を先延ばしするだけであり、また、売却代金の全額を新たな不動産の購入資金に充ててしまうと、5?6百万円の所得税と個人住民税が納税資金として必要で、老後の生活資金が少なくなってしまうことを説明した。
 さらに駅前のマンションを購入することが、どういうことか、次のことからよく考えて欲しい旨の説明をした。
「この20年間(いわゆるバブル崩壊後)の経済状況から不動産オーナーは資産デフレであえいでいる。まして、これから先の日本は2015年から、神奈川県では2020年ごろから所帯数が減少していく。このように日本は本格的な人口減少社会を迎えているが、企業の工場などの減少も加速度を増している。長期的には不動産の相場は下落することはあっても値上がりする可能性は乏しい。ましてやマンションは価値の大部分は建物で償却資産であり、経年とともに資産価値が無くなっていく。」
 「ここは、目先の税金に惑わされることなく、20%の低い譲渡所得税を支払ってでも、残ったお金で老後はゆうゆう自適に楽しく過ごすべきです。」と。
某氏はしばらく考えこんで、「目からうろこが落ちた」と納得され、帰られた。
 今は、まとまった現金を持っている人こそ最も恵まれた人である。

顧客本位を思い出して銀行さん

投稿者 Bush吉田 2012年08月10日

 事務所には、いろいろな銀行の方々がよく来られます。
「お金が必要な企業はありませんか?」
そしてパンフレットを出しながら、「保険や投資信託の話を聞いてくれませんか?」と私に営業をかけてくる。
 最近、クライアントの借入金(銀行にとっては融資貸出金)が年々減少し、業績好調なところは借入の圧縮を目指している。また、これからの経済の見通しが不透明なことから、新たな設備投資に対しても消極的で、借入需要が極端に少なくなっている。銀行にとって貸倒れリスクが少ない企業の資金需要が少なくなっているのだ。
 逆に、赤字続きで運転資金が不足している企業に対しては、資金需要があっても貸出を断っている。これは当然のことで、赤字続きの企業は倒産するリスクが高く、銀行の貸出金が貸倒れて不良債権化するからである。バブル崩壊時には巨額な不良債権が発生して、銀行そのそのものも経営危機に陥った苦い経験がある。こんな経緯から、銀行側も融資先の倒産には神経を尖らせている。
銀行マンが「融資貸出が毎年少なくなっています。融資残高も年々返済されて減少し、新規先が思うように増加しません。」とは言うものの、経営状態が悪い企業にはリスクを負ってまで決して融資しない。
 銀行から見てよい融資案件があると、多くの銀行が競って奪い合う。
各銀行は、金利、担保、返済期間などの条件を融資見込み先に提示する。
銀行も競争に勝たなければ融資案件を獲得できない。そのためかビックリするような好条件を提示してくる。たとえば金利は1%以下、返済期間も15年以上の長期にわたる。ただし、抵当権や保証人の担保が必要で変動金利である。とりあえず新規先案件を獲得していこうという算段であろう。
 また銀行の都合で、情に絡めて企業には必要がない資金を一週間や一か月超短期間の付き合い融資を要請してくる。もちろん、金利は取られるのだが・・・。

本業以外の、経営者生命保険や損害保険、投資信託やデリバティブ契約(為替金利商品原油など)も盛んに勧める。利息収入の減少を手数料で利益確保しようとしている。しかし保険や投資信託は銀行の人たちには全くの素人集団、片手間で行っているように思う。
 過去に銀行から購入した投資信託は、現在では取得価格を大きく下回っている。また保険契約も企業の実態にそぐわないもの、企業の経営状況の変化にミスマッチとなっていても放置されたままである。またデリバティブ契約特約条項つき融資では顧客とのトラブルが続出している。
銀行だけの一方的な都合で顧客をないがしろにしたビジネスモデルでは信頼関係が続いていくのか心配である。
銀行も顧客を大切しなければならないビジネスのはずだと思うのだが。

エンディングノート

投稿者 Bush吉田 2012年07月30日

 先日、娘から「お父さん、もし認知症になったら施設に入れてほしい?お父さんのはっきりした意思が分かるようにしておいて。」と思ってもいなかったことを云われ大変ショックを受けた。
 自分では、まだまだ体も元気だし仕事も頑張ってやっていきたい、と意欲を持っていた。この仕事はいわゆる定年は決まっていないので、人の役に立っている間は現役でやっていきたいと考えていた。
 還暦を過ぎ、同級生の会社勤めの連中は定年になっている。
彼らは夫婦で海外旅行を楽しんだり、ボランティア活動をしたりして日々生き生き?と過ごしている。先日も大学時代の自動車部(れっきとした体育会である)の同期生と会う機会がありました。同期生の一人は自動車メーカーに定年まで勤めたパワーあふれる熱血漢である。相変わらず世に中に関心を持ち、自身の意見を熱く語っていた。多少独断と偏見があったが、大体において私も賛同できるような発言であった。
彼は旅行社のパンフレットを見て「北欧クルーズ」の旅を思い立って、夫婦で10日間出かけてきたそうだ。70歳になるまでは観光目的で海外旅行に出かけたいとも話していた。会社勤めの頃は世界中を飛び回っていたが、楽しむ時間はほとんどなく仕事一筋だったようだ。引退後に世界の観光地巡りをしたい思う気持ちもわかるように気がする。
 我々の年代はまだまだ元気、いろいろなことに前向きに意欲を持っていると言っていい。しかし、残念ながら体は確実に衰えてきている。友人曰く「時差の調整に時間がかかるようになってきた。現役時代とはだいぶ体が違ってきている。」
 私も感じていることだが、無理が利かなく疲れがなかなか抜けない。人やモノの名前が即座に出てこない。ゴルフのドライバーの飛距離がかなり落ちた。
これは確実に歳を取ってきた証拠でもある。

そんな矢先に、本屋で「エンディング・ノート」が目に留まった。高齢化社会でニーズが多いのか?人生の終末を迎えるため、自分のことやいろいろな思いなどをあらかじめ整理し、まとめ記録できるノートである。
 まず人生については、自分の生い立ち・経歴・思い出・家族のこと・友人知人へのメッセージを書く。エンディングへの要望として、死に臨んで最後の希望・葬儀のこと・埋葬のこと・遺言や形見分け。そして財産の記録や保管場所など。さらにもしものときの連絡先リストである。
娘に云われた言葉が心に残っていたのか、数多く出版されている何冊か手に取って、きれいな色の一冊を購入した。これから先の持ち時間は分からないが、ぼちぼち、わが人生の総まとめの準備をすることにしよう。

消費税増税 NO3

投稿者 Bush吉田 2012年07月18日

(前回のつづき)
財政がそんなに厳しいならば、なぜ社会保障のバラマキを止めないのか?
まったく、政治家の人気取りにはうんざりだ(怒)。
赤字企業が黒字化していくための対策は三つしかない。
収入の増加、粗利益率の改善、コストの削減だ。苦境に陥った企業がまず確実にできるのはコスト削減である。政府も例外ではあるまい。
たとえば、日本航空のケースでは役員を総入れ替えし、再建計画に基づきコスト削減や事業を見直して、経常収支の赤字基調からやっと脱出した。
過去からの過大な借入金については今後、産み出される余剰資金をもとに算定された返済可能な範囲まで借金の棒引きをした。つまり、従業員の首を切り、株式を紙くずにし、金融機関からの借金を踏み倒して再建を果たしたわけである。
国の財政の健全化も同じことではないだろうか。国がこのような常套手段をとらなかったのはなぜか?国の言い分は、安定した社会保障の財源を確保するためにまず、消費税を増税する。コスト削減はそれからである、というが本当にそんなことが可能なのだろうか?
民主党のマニフェストでも露呈したように(前回ブログ参照)、削減額の見通しがないまま、増税しても健全化するはずがない。
つまり、消費税の5%(13兆5千億円)アップで足らないので、いずれ近いうちに再増税することになるだろう。
ちなみに24年度財政では税収42兆円、その他収入4兆円に対して歳出は90兆円、その不足分44兆円は国債の新規発行によって赤字部分を補てんしている。歳出削減なくしては消費税の増収13兆5千億円も焼け石に水なのである。何としても歳出コスト削減をしなければ財政の赤字基調から逃れることはできない。
今の民主党は、企業でいえば赤字補てんのための後ろ向き資金の借入れを繰り返しているようなものである。企業がこのような状況が2年も続けば、借入は出来なくなる。なぜなら銀行の信頼を失墜するからである。
私は職業柄、民間企業でのコスト削減の現場を多く見てきたが、企業トップなら今後、こんな手を打つに違いない。
思いつきで書いてみました。

  1. 役員にあたる政治家や高級官僚の定員50%削減、さらに給与額の50%減額(政治家は本来ボランティアのはず)・・・1兆円↓内閣等歳出削減
  2. 国家公務員地方公務員定員の30%削減(ただし税務警察消防を除く)、給与水準30%減額・・・3兆円↓地方交付金の削減
  3. 年金給付資格の見直し(資産家や高所得者を除外)、年金給付額の一律30%削減、医療費の受益者負担一律30%に増額、公務員共済制度を公的年金制度に一本化・・・8兆円↓社会保障費の削減
  4. 生活保護者208万人の半減(特に若者や健康者への給付条件強化)、給付額は削減(ワーキンプアー給与水準の70%)にして公平な分配に見直し・・・2兆円↓地方交付金などの削減
  5. 中長期的には、いずれかの時期の金利上昇に備えて無利子国債を資産家に引き受けてもらい、金利負担を軽減する。(1,000兆円の2%で金利は20兆円)・・・10兆円↓国債費の削減
これだけ歳出カットしても、経済成長して税収が上がらない限り、収支均衡して赤字から脱却できないのではないかと思う。具体的に計算すると財政の厳しい現実がよりはっきりする。財政規律の健全化こそ待ったなしである。

民間企業ではこの程度のコストカット策は当たり前のシナリオである。
ちなみに国民の現実に対する無関心さや身勝手から財政健全化策の賛同を得られなければいずれはこの国は破綻するだろう。
 日本人の英知と忍耐に期待したい。

消費税増税 NO2

投稿者 Bush吉田 2012年07月10日

 最近、消費税増税による影響がいろいろと議論されている。
なかでも所得の低い人への増税の負担率が相対的に上がることから、逆進性が指摘されている。
この10数年間で一所帯あたり50万円以上も可処分所得が減少し、年収200万円以下のいわゆるワーキングプア世帯が増加している状況でこれは大きな問題である。今回の改正案では複数税率の導入はせずに給付金を予定している。
 しかし、この給付金は国民が納得できる仕組みが明らかにされていない。
もっとも複数税率が採用されたら、申告業務を行う、われわれ会計事務所にとって仕入れ控除要件が帳簿方式(EUはエビデンス方式)では実務上、対応不可能である。

また、中小企業の税務実務を担う会計実務家として消費税増税に関していろいろな課題が見えてくる。
 第一に、下請け企業や零細小売業において、ただでさえ不況により売上減少に悩んでいる折、消費税増税分をお客さんに納得してもらい、価格に上乗せ(転嫁)できるとは思えない。
デフレ圧力のある現状では値上げできずに、結果として納税義務者である企業の負担、つまり消費税増税分が値引きとして利益が圧縮されてしまうことになる可能性が高い。零細中小企業にとって、価格転嫁ができないと売上の5%減益は致命傷になってしまう。
 次に、企業にとって消費税増税は納税額が従来の2倍に増えることになる。資金繰りが厳しい赤字企業にとって顧客からの預り分を納税のためにキープしておくことは難しい。現状でさえ、消費税の滞納が多い中、さらに増加するのではないかと思う。
所得税の源泉徴収のように消費税納付税額にかかわらず毎月納付制度に移行すべきであろう。

5億円超の売上の企業の95%ルールが見直された。(2011年度税制改正)
改正前までは、課税売上高割合が95%以上であれば、全ての仕入れ額の消費税が全額100%控除できた。しかし、改正後は、課税売上に対応する仕入れと非課税売り上げに対応する仕入れを厳密に区分して消費税計算をすることになった。区分計算には個別対応方式と一括比例配分方式があり、その選択次第で有利不利が出てくる。この改正は2012年度4月開始事業年度から適用されている。
したがって、消費税が増税されるとその有利不利がさらに倍増される結果になり、消費税納税額に大きな影響を及ぼすことになる。しっかりとしたシミュレーションを行ってどちらが有利になるかを判定しなければ大きな損害になりかねない。しかも毎年の納税額なのですから・・・。
なお、判定方法に困ったら、いつでもわれわれ事務所にお気軽にご相談ください。(笑)

また、消費税増税にあたって、増税前の駆け込み需要が発生すると思われる。したがって予定通り増税が行われるとすれば2014年4月の前から、自動車や住宅など耐久消費財が多く売れると思う。私も何れ必要になる家具や家電製品、自動車を増税前に購入しようと考えているし、多くの人も同じ行動をするはずだ。消費税の課税時期は実際に商品を購入し、引き渡された時であるが、建物などの請負工事では例外が設けられている。
2013年9月30日(指定日10月1日の前日)まで請負契約を締結した場合、たとえ建物の引き渡しが2014年4月以降にずれても増税前5%で済む特例が設けられている。
近々、住宅などを取得する予定があれば、この特例は見逃せない。

また、このような駆け込み需要が想定される業界は在庫戦略を早目に立てて、品薄になる前に商品材料など仕入れておく準備をしておかなければならない。増税までの時間はそう長くはないので早目の手当てで一遇の販売チャンスを逃さないようにしなければならない。
ただし、増税後は需要が急減し、売上は減少し不景気になると思われる。
リーマンショック対策のエコポイント制度が終了した後、大手家電メーカーは大幅な赤字になった。エコポイントの追い風でテレビ等が売れすぎて思わず調子に乗り設備投資し過ぎたのであろうか?
経営環境は激変するから要注意である。
今回の消費税増税でも経済景気など企業の置かれている経営環境は激変するに違いない。

しかし、どんな時代が来ようと顧客に満足してもらい、無駄なコストを削減し、財務体質を強化する経営改善を地道にやり続けている企業は生き残っていけると思う。

今回は、長く語ってしまいました…。

消費税増税が衆議院で成立した NO1

投稿者 Bush吉田 2012年07月04日

 消費税増税案が衆議院で可決された。平成26年4月から5%から8%に、27年10月から10%に二段階で増税される。
消費税の増税にはいろいろな議論があった。
 残念に思うのは、民主党政権が始まったとき、従来の自民党政権では財政には無駄な支出(埋蔵金)が沢山あるので予算削減の余地がある。したがって増税しなくても財政健全化が可能であるかのごとく述べていた。事業仕分けなどマスメディアを巻き込んでアピールしたものの、結果は1兆円の削減にも満たないお粗末なものとなった。さらに新政権は人にやさしい政治を目指して、財源の当てもないにも関わらず、社会福祉の蛇口を緩めた。今回の増税法案も福祉予算の蛇口はそのままで締めていない。民間では考えられない甘さだ。
 今、当時のマニフェストを読むと嘘八百のオンパレード、世の中が分からない幼い子供が夢を語った作文のようである。こんなにも何も見えていない政治家が国の政策を決めているのかと思うと背筋が寒くなる。
そして、一番不満に思うのは経済面で何もしていないことである。緊急的な課題として円高対策は待ったなしである。日本の経済を引っ張ってきた自動車、電機などの製造業は日本を捨てて海外に拠点を移しはじめている。そのグループ企業や下請け企業などが淘汰され近々に失業者が街に溢れてしまうことになろう。何としてでも国の空洞化の元凶である円高阻止を断行すべきである。
円高対策としては、豊富な外貨準備で海外の資源権益の確保・外債購入・投資家の為替差損益の損益通算を認める税制改正など円高阻止への打つ手はいくらでもある。そのための法律改正など規制緩和に早急に着手すべきである。
自民党時代の規制緩和で今になって花開いたものがある。たとえば、東京駅周辺の高層化は目を見張るものがあるが、容積率の緩和やリートと言われる不動産の証券化を小渕内閣のときに行った。また、森内閣のときには、NTTの保有する電話回線(光ケーブル)を国民へ無料で開放した。これが日本のネット社会の爆発的な普及になって、ネットビジネスの躍進や国民生活の向上につながっている。世の中がこんなにも大きく変化する時代、国や国民にとって便利で役に立つ新しい試みやビジネスが可能になるような法律や規制の枠組みをスピーディーに見直していかなければならない。しかし、民主党政権になってから日本の将来に向けての規制緩和は全く行われていない。
千年に一度の東日本大震災、ユーロ圏の財政金融危機などの陰に隠れて民主党政権の愚行?ぶりは検証されないままである。そして今回の消費税の増税である。これから先、何も規制緩和等の改革がなく、経済成長の芽が出なければ、日本はますます閉塞感が増すだろう。将来を背負う若者たちが就職難や低賃金で希望を持てない活力のない社会になるように思う。
私は民主党政権発足当初、愚かにも投票してしまったことを今になって反省している。

T.Kのブログ

みなさま、こんにちは。
Bush Yoshida’sブログにお邪魔させていただきました、職員のT.Kです。

さて、なぜに私がここにお邪魔をすることになったのか…。
ここでも話題に上がる代表社員の所属する会の集まりに代理で参加してきました。
そして、そのまま?ブログも代理で書きなさい、という影の声に押され(笑)。
今回の行き先…
やっぱり、いまが旬!?
といえば東京スカイツリー、そして旧タワー代表と言えば、元祖!東京タワーのダブルタワー見学に行ってまいりました。
いきなり、東京スカイツリー4Fに集合!ということだったのでとりあえず、電車に乗って最寄り駅である「押上駅」まで。
ちなみに、ここ湘南台からだと1時間半。まあまあの距離です。

到着すると、すぐ目の前(正確には目の上ですが)には東京スカイツリーが!!
そして平日の昼間にもかかわらず、たくさんの人であふれておりました。
それもそのはず、東京スカイツリーには、タワーのみならず、多彩な店舗の集まる東京ソラマチ、プラネタリウム、水族館など、さまざまな施設があり、観光客の興味をそそるものが目白押しで、まるでそこに一つの街があるようでした。

東京ソラマチを抜けて、4F入口フロアーの集合場所に到着。参加者の方々に挨拶をして、いざ、展望台へ!高さ350mの天望デッキへ高速エレベータで移動、そこから、さらに最上階である高さ450mの天望回廊へ到着しました。
そこから見えた景色は…
たくさんの高層ビルがはるかかなたに小さく見え、まるで模型のよう…何だか不思議な感じでした。高所恐怖症でない私ですが、気圧のせいか、くらくら目眩まで感じてしまいました。
地上から450mの高さに圧巻、恐るべし、といったところでしょうか。
並んだ時間も含め2時間ほど東京スカイツリーを満喫し、東京ソラマチを散策した後に、次の目的地である東京タワーへ電車で向かいました。

最寄駅である神谷町駅を下車し、10分ほど歩くと、真っ赤な東京タワーが目に入ってきました。先ほどまでの人だかりとはうってかわり、ほとんど人がいない状態。新潟の小学生が修学旅行にきていたぐらいでした。大展望台にのぼり、150mの高さから周りを見ると、同じ目線にビル郡が立ち並んでいました。昔、東京タワーに来た時は、高いな?という印象でしたが、ついさきほどの記憶のせいか、地上にいるのとほとんど変わらない?感覚でした。1時間ぐらいゆっくり東京タワーを満喫し、外にでるともう日が暮れていました。真っ赤な東京タワーはライトアップされ、神秘的な輝きを放っておりました。

そんなライトアップを見ながら、高さでは全くかなわない東京タワーでも記憶や思い出では、東京スカイツリーに負けていない!!と。まだまだ、東京タワーは現役だ!

いつか、東京スカイツリーにもそんな日がくるのでしょうかね?。

経営者のサポーター

投稿者 Bush吉田 2012年06月06日

 3月年度末法人(5月末申告)の決算申告業務がやっと終わり、ホッとしている。
今年は新規に受けたクライアントが4件あり、それぞれ決算を組むに当たって解決しなければならない問題を抱えていた。
その問題とは…。
過年度から引きずってきた負の遺産が貸借対対照表にしっかりと表れてしまっているのだ。
貸借対照表には資産・負債・純資産(資本)が記載されており、企業の過年度の経営活動の結果を物語っている。つまり、資産や負債の個別の科目について内容をよく分析してみるとその会社の歴史が浮き彫りになってくる。
 そこで私たちが具体的に行うことは、まず、現預金については現金有高を実査してもらい、帳簿残高と一致しているかを確認する。また、銀行預金についても金融機関からの残高証明書と帳簿残高を突合する。びっくりするのは現金有高と帳簿残高が不一致になっているケースが案外多いこと。
次に売上債権の年齢調べや勘定分析をする。特に売掛金については得意先元帳や請求書を個別に確認し、元帳残高と一致しているかどうか?回収可能性に問題があるかどうかも検討する。一番困るのは、どう見ても回収が厳しいと思われる一年以上滞留している売掛金である。
この原因は、?日々の与信管理が杜撰で不一致のままになっている。?下請け企業で見られるケースだが、力関係で元請先からお金を貰えないままになっている。?過去の粉飾?の後遺症を引きずっている。などさまざまである。いずれにしてもその原因を分析するのはかなり手間がかかる。過去のことは、経営者も忘れてしまっていることも多いので。
棚卸在庫についても、期末の実地棚卸記録や在庫の評価を確認する。やはり、問題は長期に動かない在庫や隠れ在庫である。もちろん、在庫回転期間や粗利益率で当たりは付けるが大まかすぎて決め手にはならない。
在庫計上の仕方ほど過去の企業の業績を物語るものはない。傾向として言えることだが、好業績企業では隠れ在庫、業績不振企業は資産価値のない不良在庫がそのまま計上され、場合によっては仕掛品などとして架空在庫も発見される。経営者は安易に利益操作を在庫調整で行えるとでも考えているのだろうか?税務上、在庫の調整をすると重加算税の認定を受けるので要注意だ。

以上が新規先クライアント先で重点チェックしている項目のほんの一部である。このような企業の実態を適正に表示されていない貸借対照表を見るにつけ、会計事務所業界の指導力の無さや本来の任務を怠っているように思えて残念に思う。
なぜならば、会計事務所はクライアント企業に業績の実態を伝え、あるべき管理体制を指導するべき存在だからである。つまり、経営者に協力して企業の存続や成長発展をサポートする使命を求められている。

金環日食

投稿者 Bush吉田 2012年05月28日

 先週の話になりますが…
月曜日の朝、金環日食を観測するために日本中の人々が空を見上げたであろう。
私も、7時という忙しい朝の時間に空に注目した。あいにくの曇り空であったが、雲の切れ目からリング状の太陽が垣間見えたとき、感動した。あきらめかけていた時の一瞬の間で、時間にして1分30秒ぐらいであろうか、金環が観察できて幸運であった。こんな興奮は久しぶりである。

 思い出してみると、小学生のころ学校で皆既日食を観測した。初めての経験で、だんだん空が暗くなって不気味であったこと。ガラスにろうそくで煤を付けた質素なもので、太陽が欠けていく姿を夢中で追いかけていたこと。また、友人が持ってきた天体望遠鏡をのぞかせてもらってその迫力に感動したことなど、1963年7月21日から50年近く経た今でもはっきりと記憶が残っている。
当時は多感な時代、皆既日食は重大事件であった。また、そのころ渋谷にあった東急文化会館(すでに取り壊わされた)に日本でただ一つプラネタリウムがあった。見学に行って天体の素晴らしさに目を見張ったものである。今でもよく覚えているのは、キリストが処刑された時間に、エルサレムで実際に日食があったことをプラネタリウムで実演してくれたことである。聖書の記述が正しかったのを証明したのである。今ではこの湘南台に地にもプラネタリウムがあります。本当に当時に比べて豊かな社会になりました。

今は、太陽をガラス利用した粗末なもので観測することはあり得ません。今回の金環日食ではTVなどで盛んに太陽観測の注意を促しており、裸眼では絶対に見ないように等メディアはずいぶんと親切である。もっとも小学生だったころ、そんな粗末な観測ツールで、誰も目を傷めたという話は聞いたことがなかった。この49年間の時代の変化や人々の考え方も様変わり様したのには本当に驚かされる。

皆既日食か金環日食かは地球と月の距離が近いか遠いかできまるが、金環日食は生まれて初めてで、なおさら見逃せないで気持ちであった。
これから先の神奈川県で見られる日食は、皆既日食は2035年9月2日、金環日食は2041年10月25日だそうです。その時にボケないで元気で観られるといいのですが・・・、その時の私の年齢は怖いのであえて数えないことにしました(笑)。
いずれにしても、この大宇宙や天体の時空に比べると人の命はなんと短いものであろうか、まるで人が蜻蛉のように思える。いや、雨だれが軒下から地上に落ちる一瞬の間のようなものかもしれませんね・・・・。

「DARC」って知っていますか

投稿者 Bush吉田 2012年05月22日

みなさん、「DARC」って知っていますか?
DARC(以下、「ダルク」とします)とは、Drug Addiction Rehabilitation Centerのことで、麻薬,向精神薬、睡眠薬、覚せい剤、シンナー、市販薬、アルコールなどに依存の人たちを社会復帰するためのリハビリ施設のことです。
世相を反映してか、薬物依存者は年々増加しているようで、このような施設が不足している状況だそうです。
最近ご縁があり、ダルクを運営している方と出会いました。また、この方はダルクの運営だけでなく長年にわたり刑務所や少年院、学校等で年間50回以上の講演活動を行っていて、薬物依存者の社会復帰のために尽力されています。実は、氏は若いころ薬物依存症で苦しんでいた過去があり、ダルクに入所し、良き指導者と出会い、共同生活を送ったそうです。自ら立ち直っていくまでの孤独さや苦しみを体験しています。講演でも自分の薬物依存症の頃のトピックスや克服するまでの体験談を話すそうです。

ほとんどの薬物依存者は人生に自暴自棄になっていますが、一部の芸能人Nに見られるように安易にのめりこんでしまったケースもあります。また、裕福な家庭に育った若者も多くなっているそうです。そんな家庭は父親が大会社の経営者や両親ともがエリートとのこと。
依存症からの立ち直りの時期は、最終的に自分との闘いになります。孤独で話し相手がいなく、一般人には理解できない大変な苦しみがあるようです。
そんなことから、同じ境遇の人たちが出会い、互いに励まし合い、癒し合いながら共同生活をします。そして、施設でプログラムを通して社会活動も行うようです。たとえば、東日本大震災の津波の瓦礫処理の手伝いのプログラムなどもあります。薬物依存者もそのような社会活動を通して、被災地の人々から「ありがとう」と言われるとすごく嬉しいようで、生きがいを実感するとのことです。我々が仕事を通してお客様から感謝されて、やりがいを感じるのと同じことなのでしょう。
また、施設では薬物依存者同士がお互いの体験談を聞いて、自分から心を開き正直な話をして、仲間と薬物なしの新しい生活を続けること。このようなプログラムを通して依存者たちは一年がかりで立ち直っていく。本来は国等がやるべき社会更生活動かもしれません。

人は一人では生きていけません。お互いを認め合って、社会に役に立っている実感が糧となって、生きるエネルギーとなるのかもしれませんね。
最後に、氏の運営するダルクは静岡県ですが、神奈川県にもダルクを計画しています。もし、思うことがある方がいらっしゃったら、ぜひ当事務所までご連絡ください。

経営計画発表会に参加して

投稿者 Bush吉田 2012年05月15日

Y社の経営計画の発表会に招かれた。
計画の無いところに成功なしと云われるほど、企業の継続発展に欠かせないのが経営計画である。ちなみに、最近の金融機関は中小企業への融資の際に経営計画の策定を要求してくるケースが多い。

Y社の発表会は毎年恒例となっており、正社員以上全員はスーツ姿で参加、シティホテルの宴会場で緊張した面持ちで始まる。私ども会計事務所もここ5年間継続して招かれている。
第一部は総務担当常務取締役が司会を担当し、社長が昨年度の実績の総括を行い、次年度の方針や目標を発表する。Y社ではその目標を達成した場合には社員へ臨時ボーナスを支給する約束になっている。ちなみに昨年度は残念ながら、もう一歩のところで目標を達成できなかった。売上は伸びたものの、コストが増加して営業利益が増加しなかったからだ。過去4年間は目標を達成していただけに、今年の不達成がかなり無念だった社長は、次年度経営計画の説明に一段と熱が入ったものになった。一方、聞き手の社員たちは社長が熱く語れば語るほどしらけムードになっていった。

そのあと会場を移して第二部の宴会が始まったが、第一部と異なり、がらりと雰囲気が変わった。社長の挨拶も第一部と打って変わって、ユーモアに富んだ面白い話で始まった。それがきっかけとなり、しらけていた空気が一変した。乾杯の音頭からはアルコールも入り、大いに盛り上がりはじめた。わいわいがやがや、社員たちの話に耳を傾けるといろいろな話題が飛び交っている。趣味や家族などのことがほとんどである。食事が一段落したころ、数人の新人の自己紹介が始まった。
「新しく入社した○○です。仕事はまだ一人前ではありませんが数年のうちに先輩を追い越すつもりです!」「アルバイトから正社員になりました△△です。これまでの経験から、現場のことはみなさんより知っていると思います。今日の発表会に参加して自信が確信に変わりました。」こんな発言が若者から飛び出して驚いた。今年の新入社員はなかなかの強ものぞろいである。
このあたりから各社員たちの間でも仕事の話が多くなってきた。普段から考えていたのだろうか、業務上の改善策やクレーム解消法などアイディアを競い合うように熱く語り合っていた。

第一部でしらけていたムードはどこへいったのやら。これなら来期は目標を達成するに違いない、と安堵しました。やはり、社長の会社への熱き想いは社員にも伝わっていたようです。

プロゴルファー遼くんは気の毒

投稿者 Bush吉田 2012年05月07日

 最近のプロゴルファー石川遼くんは気の毒である。
昨年は国内一勝もできず、日本中が期待していた米国マスターズトーナメントはあえなく予選落ち。遼くんは不振?にあえいでいる。しかし、そんな状況でもお構いなくマスメディアは彼を放ってはおかない。TV中継では当日の成績にかかわらず、必ずと言ってよいほど遼くんのその日のプレーのハイライトを放映する。そしてマスターズトーナメントでは予選落ちしても遼君はインタビューに駆り出されている。はたして本人はどんな気持ちだろうか?私だったら、ふがいないみじめな姿を報道されたくないと思うだろう。

仕事でも何でもそうだが、一般的に成果を得られないときは面白くなく、ふさぎ込む。そして上手くいかなかった原因分析を行い、対策を立てる。まして競争の激しいプロゴルファーの世界では、その日のプレーが思うようにいかなければ、一日を振り返って一人になって反省し、課題の克服のために猛練習をするだろう。プロは悔しさをバネに成長していくはずである。そんなとき、周りはそっとしてあげ、一人の時間を作ってあげるのがマナーである。
マスメディアは人への思いやりや心の痛みを感じないのだろうか?おうおうにして事故などが起きたとき被害者の家族にインタビューしているが、その無神経ぶりは言語道断である。またマスメディアがインタビュー攻勢でプレッシャーを懸けすぎて、つぶれていったオリンピックメダル候補選手やプロスポーツ選手は数多くいた。
あるいはマスメディアは遼くんを芸能人として位置づけているのだろうか?確かに遼くんのさわやかな印象は世間受けする。勝っても負けてもTV中継で主役を演じなければならないのは、視聴率を稼ぐための番組のスポンサーなどからのたっての要請なのかもしれないが?
スポーツ番組は上位選手を中心に報道するものだと思っている。しかし、最近の男子ゴルフツアー番組は遼くんが主役になっている。なんだか報道そのものが偏っていて公平さを欠いている。

確かに大衆はスーパースターや英雄に憧れる。遼くんもそんな期待を背負って偶像化されようとしている。そんなプレッシャーの中で本物のスーパースターになれればすごいと思うが、下手をするとつぶされてしまう可能性もある。
 若い遼くんはこれから先、大きく成長する可能性を秘めている。成績が悪い時にはもっとそっと見守る方がよいと思うのは私だけだろうか?

最近のマスメディアは大人の良識に欠けている。そのせいか民放TV番組も幼稚で稚拙なものが多いように思う。

アウトレットにペットOK

投稿者 Bush吉田 2012年04月23日

 ゴルフ帰りに、最近オープンしたアウトレットに立ち寄った。
アクアラインの金田インターすぐそばにある「三井OUTLETPARK木更津」である。
広大な敷地に沢山の有名ブランド専門店が軒を連ねている。
平日にもかかわらず、オープンしたばかりで話題性があるのか大変の盛況ぶり。
来場者のほとんどがショッピング?を中心にレジャー気分でやってきているようだ。小さな子供連れの若い年代の家族や若いカップルに混じって年配者もいた。私もその一人だが…。

そこで驚いたのが、犬を連れた人の多さである。私はこんなに混雑した中にペットを連れてくる人の感覚が理解できなかったが、飼い主は自分のペットをどうだ、といわんばかりに他人に見せびらかしているようにも見えた。
犬は里山など自然のいっぱいあるところの方が喜ぶと思うが…?
飼い主はおしゃれして、犬も手入れして連れて歩くのが一種のファッションなのかもしれない。だが不思議なことに柴犬など日本犬は見かけなかった。上野の西郷さんの銅像は着物姿で日本犬を連れているというのに。
確かにおしゃれなファッションには日本犬は似合わない。

さらに驚かされたのは、ペットを連れたまま入れる店もあることだ。私の知っているスーパーでは、犬はカートに乗せなければならない。デパートはもちろん犬は一緒に入れない。私が住んでいるマンションはペットも住めるが、敷地内では抱っこしなければならない。アウトレット内の敷地でそんな規制がないのはどうしてだろうか?さすがにフードコート内のレストランにはペットは入れなかった。いくら躾がよい犬でも食べ物が目の前にあると自制心を失うからだろうか。

時代が変わったのか、ペットはもはや家族の一員になっている。
ベビーカーの中には洋服を着せられた犬を何度か見かけた。飼い主はほとんど年配の女性である。まるで自分の赤ん坊のような可愛がり方である。ベビーカーの中の犬は運動不足になっているのか?メタボで不健康そうに見えた。

感心したのは、こんな混雑した人ごみの中でも、吠えて騒いでいる犬は一匹もいなかった。行儀のよい犬ばかりで感心した。
それに反して、人間に子供の煩さには閉口した。転んで大泣きしている女の子や人ごみの中で走り回って人にぶつかりそうになっていた男の子など…。

躾をしなければならないのは犬よりも人間かもしれない。(笑)

母親は今年92歳

投稿者 Bush吉田 2012年04月16日

 私の母親は今年92歳になる。
幸い痴呆症もなく、在宅介護の世話にもならず、自立して暮らしている。
私の父親が昭和41年(1966年)に亡くなったので、その後46年間、未亡人として過ごしてきた。

さて、その母だが毎週末、母と兄と私の親子3人だけで食事をするのが習慣となっている。兄や私の家族が加わらない方が喜ぶ。きっと嫁に気を使うのが面倒なのだと思う(笑)。
「何が食べたい・・・?」と聞くと「ステーキかウナギ」と答えが返ってくる。いまどきならぬ、肉食系人間だ。息子たちが胸焼けしてしまうような油ぎった!?食事が大好き、脱帽である。サラダの生野菜は大嫌いでほとんど食べない。コーヒーにはたっぷりと砂糖とミルクを加えて美味しそうに飲む。さらに間食には甘いドーナツやコンビニで売っている大きなメロンパンをペロリと平らげるほど。こんな食生活では健康的なものとは程遠いというどころか、まったく気をつけていない。医食同源というが、母の長生きの秘訣は自分の好きなもの食べることなのかもしれない。

また高齢になって、わがままが増長されてきたと思う。息子たちが自分の意に反することを言おうものなら、ものすごく怒り出す。理屈や論理はまったく通用しない。
そして困ったことに母は耳が極めて遠く、会話に苦労する。普通に話していてもほとんど聞こえていないのに、こちらが大きな声を出すと「何を怒鳴っているの!」と逆に怒られる。ちなみにTVは最大の音量で点けている。そしてその大音響の中、大いびきで寝ているのにはびっくりする。補聴器は大嫌いで、兄が何度かプレゼントをしたようだが、あっさりと捨てられたようだ。
そんな状態なのでとても会話にならず…。週に一度の食事のときは耳がタコになるほど聞かされている昔話を、我々兄弟はただ黙って聞いている。

最近、母は車や飛行機に乗るのを極端に怖がるようになった。母は若い時より事故などのリスクに対して敏感になってきている。高齢になって死が身近に感じられるからであろうか。私は高齢になればなるほど命に執着が無くなっていくのかと思っていたが、母はそうではないらしい。口癖のように「私は百歳まで生きるような気がする・・・」「私、死なないのでは・・・」とよく言う。きっと、己の命の源泉を鼓舞しているのだろう。

兄や私に命を与えてくれた母親、ぜひ元気で百歳を迎えてほしいものである。そして、兄や私は親より先にあの世へ逝って親不孝をしないように健康管理に気を付けることにしよう。

シニア様ご一行!?

投稿者 Bush吉田 2012年04月03日

 先週は私の会計人としての大先輩であり恩人でもあるN先生の親睦旅行会に参加した。毎年行われているこの旅行、今回は世界遺産で有名な南紀熊野地方であった。
大阪から入り、名古屋に抜ける2泊3日の日程で時間的にゆとりのあるのんびりした旅です。行き先の主なところは道成寺から南紀白浜温泉、熊野三山である那智大社や那智大滝、熊野本宮大社、速玉大社、さらに串本に出て本州最南端である潮岬などを巡りました。こう書くと山登りや階段が多く大変な旅のようですが、実はほとんどの観光スポットにはバスからタクシーに乗り換え、歩くことはほとんどないシニア向け!?の旅でした。
実は私自身(このブログでも書きましたが)、3年前に別のグループで熊野古道を巡回したことがあります。那智勝浦から熊野那智大社周辺の古道、有名な中辺路の滝尻王子から牛馬童子を経て熊野本宮大社まで歩きました。古道の杉木立の中で木漏れ日の差す山道を無心に歩き、日常の雑念から解放されたような快感を体験した私にとっては、今回の楽々旅行はちょっと物足りないような、もったいないような気がしました。
しかし、今回の親睦旅行の主催者の大先輩の先生は86歳です。みんなに声をかけて一緒に景勝地を巡り、楽しむというのもまた老いならではの楽しみ方かもしれません。高齢になって、体力が衰えてくると旅の仕方も変わってくるでしょう。今回の旅行は自分が高齢者になったときの楽しみ方を教えてくれたようにも思います。
また旅行だけでなく、何事も体力や気力があるうちにやっておかないといけないということも学んだように思います。やりたいことや善いと思ったことは直ぐやらないといけない。後回しにすると年を取って悔いを残すことになる。正に「善は急げ」である。そしてもう一つ、必ずやってくる老いに対しては、それはそれでまた楽しみ方がある。その年代年代で人は面白い楽しみ方を見つけ出すものかもしれませんね。
最近高齢化社会のせいか、このようなシニア向けの旅行企画が良く売れているとのこと。確かに今回のパッケジツアーの参加者は高齢者がほとんどで、われわれのグループ以外は老夫婦ばかりでした。

確定申告?続編

投稿者 Bush吉田 2012年03月19日

ここ数年の株式相場の低迷により株で損をした方が多くいる。
平成23年度の確定申告においても、譲渡損や前年から繰越された損失と、今年の株式配当とを通算する選択をして申告をする人が圧倒的に多かったように思う。平成20年度の税制改正でこの損失と株式配当金とを平成21年1月1日より損益通算できるようになりましたが、年々増加する一方。
これらの方々から話を聞くと、株式投資信託などの保有は自分の意思ではなく、金融機関から強く勧められて購入しているケースがほとんど。特にリタイアされた高齢者の方が多額な損失を被っている。つまり、金融機関は各人の預金残高を把握し、狙い撃ちして投資信託を売り込んでいるようだ。大切な老後資金なのに何とも気の毒な話…。金融機関の手数料稼ぎ?の強引なやり方には道義的責任があるように思う。
しかし、その反面で上場株式等の損失をうまく活用している方もいる。
同族会社のオーナー経営者で自分の意思で株式投資し、損失を被っているが、年齢的に事業承継を計画している方。同族会社が優良で業績が良い場合は株式の評価が極めて高くなる。こういう会社は同族非上場株式を後継者に移管するには後継者に贈与するか適正株価での譲渡しかない。こんなケースでは上場株式等の損失と同族非上場株式の売却益とを通算ができる。つまり、上場株式等の損失と同族非上場株式の売却益を相殺して、同族株式の譲渡益(20%)を節税できる。同族会社オーナーで上場株式等の含み損がある場合、会計事務所によく相談してみるとよいと思う。
 上場株式等の損失を何とか取り返そうとリスクを取って信用取引などで積極的に投資してもかえって深みにはまるし、今年に入ってから株式相場も上昇基調にあるが、世界の動きを見てもこれから何が起こるか全く予測がつかない。米国の不況や欧州金融危機等をはじめ、世界中の国が景気浮揚のため低金利や通貨量を増加させている。将来、世界中のジャブジャブな金融緩和策がどんな災いをもたらすか何とも不気味。参考までに、世界GDP63兆ドル(2010年度)に対して世界金融資産が250兆ドル(2011年度)、なんと4倍まで膨張。ちなみに、リーマンショック前の水準は4.4倍であった。また危険水準に近づいてきているように思う。

最後に、事業所得や不動産所得、上場株式売却損もその繰り越しはたった3年と非常に短い期間です。(※法人税の繰り越し損失の控除は9年間)所得税では財産の目減りなどの損失に対して大変厳しい税制になっている。
これから、日本は財政難等の理由から、取りやすい一部の納税者だけを狙い撃ちし、所得税の増税が予定されています。ある経済学者の話では所得のある人のうち所得税を払っている割合は50%しかいないのだとか…。
この国の仕組みがこのままでいいのかどうも割り切れない。

確定申告について

投稿者 Bush吉田 2012年03月12日

 確定申告も終わりに近づき、ホッとしている。
毎年われわれ職業会計人にとって、確定申告が終わらないと新しい年度が始まらない。
昨年の3月11日、まさに確定申告時のピーク時に大震災が起こり大変慌てた。災害が発生しても、申告期限に間に合わせるため、今年の確定申告は早目に着手し9日にはほとんどの業務を終えることができた。クライアントの協力やスタッフの頑張りのお蔭である。
 今年の確定申告の特徴は、震災の影響もあって減収減益の決算が多くみられた。特に多かったのが震災後の計画停電の煽りを受けた飲食やサービス業で、さらに今まで比較的安定していた不動産賃貸業においても、業績好調のところと不振なところの明暗がはっきりし、二極化してきている。不振の原因は空室が増えているためである。この湘南地方は居住用の賃貸業が多いが、地の利が悪く競争力の劣る物件は苦戦している。

今年の確定申告で一番煩わしかったのは寄附金である。
税務上の優遇される寄附金には「震災関連の義援金」や「ユニセフ」「国境なき医師団」「一定の政治献金」などが該当する。今年は震災が発生し、多くのクライアントが日赤や被災地自治体や被災者支援活動を行っている認定NPO法人など(特定震災指定寄付金)へ支援をしていた。
 何が煩わしかったかというとその義援金の税務上の取扱いについて。
震災関係の義援金は寄附金控除として所得から控除されるものと、特定震災指定寄付金のように所得控除または税額控除の選択となるものがある。その他の一定の政党政治献金や、認定NPO法人への寄附も同じである。したがって、所得控除か税額控除かは、納税者ごとに計算してみなければ有利不利の判断ができない。わが会計事務所ではTKCの所得税ソフトで処理しており、自動計算で判定してくれるので助かった。
ちなみに、納税者はこのような税務上の有利不利があることを考えてまで寄附をしていないと思う。確かに世の中が複雑化して、公平性の見地からきめ細かく税制を整備していくと、このように税制も複雑になろう。
しかし、義援金がらみの申告で、今年は納税者からの税務署への問い合わせや申告相談がものすごかったのではないだろうか。国税局のHPもかなり充実されていたが、制度そのものが複雑すぎて理解するのも大変である。
私見としては、もう少しシンプルで分かり易い税制にしてもらった方が社会的なストレスが少なくて済むように思う。

 このように年々税制が複雑化し、素人では確定申告が難しくなっている。
だから、会計事務所がビジネスとして成り立っているのかもしれないが。(笑)

納豆に注意!

投稿者 Bush吉田 2012年03月01日

 今回は1月に開催した事務所セミナーの講師をお願いしたI氏から聞いた話です。

I氏は中国福建省廈門(アモイ)市の郊外で石材工場を経営しています。
この20年間はご家族を日本に残して中国で一人暮らしをしていて、3か月に一度ぐらい日本に帰国という生活を送っています。

(向こうでの生活に)「やぁー本当に大変ですね。健康管理はどうしているのですか?」と尋ねると…。
「中国人は食材を何でも油で炒めて食べる習慣があるんだよ」ということで、とても食事が口に合わないそうです。
なので当然、食事については大変気を付けている、そうです。
そしてその秘訣とは「日本食を食べること。特に納豆」なのだとか。
I氏は茨城県出身です。日本に帰国するたびに、大量の茨城産の美味しい納豆を大量に買い込んで中国に持ち込みます。そしてその持ち込んだ納豆を冷凍保存し、解凍しながら毎日食べているのだそうです。

「ただ、その際に困ったことが一つあって…」
「中国に納豆を持ち込むときに問題が…」と。

廈門の空港に到着し、ターンテーブルから自分のバッグを探すと「なんと麻薬犬が自分のトランクから離れようとしないんです。」
当然のように税関職員からトランクを開けるように言われます。
その税関職員はトランク内の大量の納豆にびっくりして、その説明で相当足止めを食らうのだそう。

I氏曰く犬には「麻薬と納豆は同じ臭い…?」あるいは、「中国の麻薬犬は納豆の臭いが大好きなのか…?」いずれにしてもよく分かりません。
嗅覚の鋭い犬にとっては納豆の臭いはとても刺激的なのか・・・?
もしかして、その麻薬犬はただのバカ犬!?(怒られちゃいますかね)なのかもしれませんね。(笑)

みなさんも海外旅行に納豆を持参する時はくれぐれもご注意を!

無料相談会で・・・

投稿者 Bush吉田 2012年02月24日

 毎年この時期になると税理士会の「確定申告無料相談」が行われます。
「無料相談」とは、税理士会に所属している会員が朝8時30分から夕方16時30分までの丸一日、少額納税者の確定申告の相談や申告のサポートをするものです。
 今年、私が赴いたのは長後市民センター。8時30分に会場に着くと、すでに納税者が20名ほど待っていましたが、そのほとんどが高齢者の方でした。朝早くから順番待ち、本当にご苦労様です。
 所得の種類もパターンが決まっており、公的年金を主として、一部給与所得のある方々でも所得税率は5%?10%です。
納税者の中には几帳面に、「確定申告の手引き」を読み込んで自ら全て完璧に完成されてこられる方もいれば、申告書に何も記載されないまま、全て我々にお任せタイプの方まで様々です。また、病気や障害をかかえているケースも多く、私が相談を受けた納税者は難聴でコミュニケーションが難しい方、高齢や病気?で字を書けなくなった方、公的年金の源泉徴収票をなくされ申告ができない方などでした。
今後、社会の高齢化が進むと公的年金で生活する方々が増加し、「無料相談」も大変な混雑になってくることでしょう。「社会保障と税の一体改革」で社会保障費を消費税の増税で賄っていく予定ですが、はたして公的年金受給者の課税のあり方も現在のようなやり方でよいのでしょうか?もっと簡素な方法に見直す必要があるように思います。たとえば社会保障費の給付という視点から思い切って無税にしてしまうなど、生活保護と同じ考え方もあるのではないか・・・。現在のように丸一日がかりの確定申告の手続きは煩雑で高齢者の負担も相当なものです。まして、確定申告の時期は寒くて厳しい季節ですから大変です。

また、無料相談では医療費控の領収書を多く持ってこられる方が多いのも特徴です。対象者のほとんどが高齢者であるので当然のことかもしれません。
今年の相談者の中で、多額の医療費がある方がいました。さて還付される金額は?と質問されました。この方の所得は公的年金のみです。そして源泉徴収票を確認すると何と源泉徴収税額はゼロ…。税金を納めていませんから、当然還付される税額は残念ながらありません。
その方に医療費控除によって還付される金額がない旨を説明するのが本当に大変でした。この説明に長時間を要し、すっかりエネルギーを消耗してしまいました。(ここだけの話、げっそりです…)
どうやら、その方は医療費控除の制度を、医療費が返ってくると勘違いしていたようです。最後までなかなか納得してもらえず?しぶしぶ帰られましたが。気の毒ですがこればっかりは私にはどうにもできませんので・・・(苦笑)

書面添付制度を知っていますか

投稿者 Bush吉田 2012年02月21日

 みなさんは「書面添付制度」をご存じでしょうか?
これは、税理士がクライアントの税務申告書について、その内容や意見等を表明する書面です。(税理士法第33条の2)
税務署が書面添付のある納税者に税務上の疑問点や確認事項が生じた場合、いきなり税務調査に着手するのでなく、まず、添付書面を作成した税理士に意見を求める意見聴取を行います。(税理士法35条第1項)
では意見聴取とは…?
税理士が税務署に出向いて行われるものです。所轄税務署の統括官などから、その会社の実状やビジネスなどについての質問や、現金管理や経理制度のことなどをあらゆる疑問点を聴かれます。また税理士側からも関与の仕方をはじめ会社の事業内容や経営者の人となりなど、良い意味で申告内容が適正である旨を積極的にアピールすることができます。その結果、場合によっては意見聴取だけで税務調査が省略されることもあります。
平成21年に国税庁から「事務運営指針」が公表され「書面添付制度」の普及・定着を推進していく旨がうたわれ、その結果として税務当局の現場においてもこの制度の重要性がより増しました。そして実務を通して、税務当局側の意見聴取などのやり取りに熱意と真剣みを感じています。平成13年以来、書面添付制度がやっと税務当局側においても本格的に根付いてきたように思います。
当事務所では、法人税、消費税、相続税、所得税については原則として、書面添付制度を税理士の権利として活用しています。ただし、すべての納税者が書面添付制度の対象にできるのか?やはり難しいと思います。税理士から税務当局に自信を持って、適正申告である旨を高らかに宣言できる、そんな納税者に限ります。
A法人クライアントの法人税で具体的ケースに考えてみましょう。
毎月巡回監査担当者が、前月までの取引記録を入念に確認している。
もちろん、その時に会計処理や税法上の取り扱いの適否もチェックされ、会計上も税務上も正確なものになって、A法人の相談も会計事務所の指導やアドバイスに真摯に応じている。そして、決算時には決算スケジュールに沿って、会計事務所とA法人が役割を決めて協力し合って適時にまとめ上げる。事務所の内部審査チェックも少なくとも決算日以後45日までに完了し、直ちに電子申告を行う。つまり、クライアントとの信頼関係があり、かつ決算や申告書の内容が適時に適正なものであるとの心証が当然に必要です。
わが事務所の平成23年度の実績として、書面添付先クライアントで税務当局から意見聴取の申し入れがあったものの、その大半が意見聴取後、税務調査が省略されました。
税務調査省略は事務所としてうれしいこと(笑!?)でしたが、一番喜んでくれたのは他ならぬクライアントの方でした。(めでたしめでたし)

なお、「書面添付制度」の詳しい内容については当事務所までお気軽にお問合せてください。

グリーンジャンボ

投稿者 Bush吉田 2012年02月11日

「グリーンジャンボ」

 三度目の登場となりました、湘南パートナーズの岩井でございます。
代表社員の命令?により、また、先日お伺いさせて頂いたクライアントの社長とのお約束もあり、再度の登場となりました。社長、約束守りましたよ。ご覧頂いていますか?

今回の話は、宝くじの話です。
(実を言いますと今週の朝礼のネタです。今週、私が朝礼当番でしたので)
2月14日に「グリーンジャンボ宝くじ」が発売されます。
今回の1等前後賞は何と5億円!(1等3億円、前後賞各1億円の併せて5億円)
普段、賭け事と言えば、お馬さんしかやらない私は、勝手に数字を決められ、予想の楽しみもない宝くじなんて、と馬鹿にしていましたが、5億円と聞いて胸がときめいてしまいました。5億円当たったら、高級外車を買って、世界1周旅行をして、仕事は適当にして(笑)と夢が膨らみます。
ここでふと疑問が。1等が当たる確率はどんなもんだろうと。
調べてみました。今回、宝くじの発行総額は660億円だそうです。1枚300円ですから、2億2000万枚。1等の当選本数は……22本。
……確率は何と1000万分の1です。1000万分の1って…。途方もない数字です。
インターネットで調べたところ、1年間に450回交通事故に逢うのと同じ位の確率だそうです。450回って…。一生に一度や二度逢っただけでも大変なことなのに…。そりゃ当たる訳ないですね。
因みに他の確率も調べてみました。競馬をやられる方は御存知かと思いますが、対象5レースの1着を連続で当てる「WIN5(最高2億円)」は、全てフルゲートの場合でも1/1889568の確率だそうです。予想出来る分更に確率はあがりそうですね。
更に、ゴルフ好きの方には、こちらの確率はどうでしょうか?ホールイワンの確率です。
調査会社等によってバラつきがありますが、アマチュアで1/15000?45000の確率だそうです。1回のラウンドで4ホールがショートホールだとして、3,750ラウンド回ればホールイワン出来る確率です。宝くじに比べると現実的ですね?。ゴルフ好きの皆様、頑張ってみて下さい♪
という訳で、宝くじは確率が低いのでやめましょう?。
じゃありません。今回の「グリーンジャンボ」には東日本大震災復興支援が含まれています。1枚の宝くじにつき約40円が復興支援として使われるとのことです。
寄附をしたいけど手続き等で面倒臭いという人もこういう形だったら、協力しやすいかもしれませんね。復興を支援しながら、夢を買う。いいですよね。私も今回はやってみよう!因みに、抽選日は3月23日金曜日です。

復興特別税が創設されたが・・・

投稿者 Bush吉田 2012年02月06日

 東日本大震災の復興財源確保のための復興特別税(所得税・住民税・法人税)が創設された。その内容をみて、唖然とした。
もちろん、復興特別税には賛成である。
あれだけの甚大な被害なのだから大多数の国民が被災地の復興に協力を惜しまないと思う。
 私が驚いたのは、復興特別所得税の平成25年1月から「25年間という長い年月」にわたって税額の2.1%上乗せするということ。
ちなみに当初法案では10年間4%上乗せであったが、野党の反対で10年から25年になったそうである。その理由は負担の軽減なのか?真相はよく分からない。
25年という期間をどう考えるのか?
25年といえば親から子への代替わりが起きてもおかしくない。
将来は震災を知らない人まで、復興特別所得税を負担することになる。社会保障のようにまた若い世代への負担の先送りを繰り返すのか…。これから日本の人口は減少し、それに伴って所得を稼ぐ勤労人口も減少していくのに、だ。
また、先日報道されたように、首都圏直下型の大地震も今後4年間で70%の確率で起きるとも言われている。これから先、25年もの時間軸はまた大きな災害やテロなどが起きてもおかしくない。そんな悠長なことをやっていていいのだろうか?国家の危機管理の観点からも理解しがたい長さである。
そして、復興に要する期間が25年もかかるとも思えない。ちなみに平成7年の阪神淡路大震災では復興費用の支出は5年間続いたが、10年後には見事に復興していた。今回、政府が発行する東日本大震災復興債の償還期間は10年である。復興債を購入すると表彰状を贈呈されるようだが、ありがたいとは思わない。そんなものより義援金や寄附金で被災者に支援したいと考えている人々が多いのではないだろうか。
そんなことから、ずるずると25年もの先送りには大いに反対である!
これから先の財政は、2015年に消費税が10%に増税されても、基礎的収支(プライマリーバランス=PB)は赤字が解消されず、財政はますます悪化していくのだから。
この状況の中でこの復興特別所得税は、将来、恒久的な増税にすり替えられるように思える。それは過去の税制の歴史からも推測されよう。
110年前の日露戦争の戦費調達のための臨時税は今日の「相続税」として恒久化されている。また、揮発油税は昭和29年に道路特定財源等として暫定的に道路整備の目的のためとされていたが、平成21年から恒久化され一般財源化されている。このように、今までの政府のやり方から見ると、このような長期的な特別税は恒久化される可能性が高い。25年後には、国民も長期間の増税に慣れてしまい当初の目的を忘れてしまうだろう。(笑)
 そういう、私も25年後にはたしてこの世にいるかどうかわからないが…?

台湾出張ー続編

投稿者 Bush吉田 2012年01月30日

 台湾出張の続編です。
帰国する前日、我々日本人グループ6名と台湾の友人CT氏家族5名との会食がありました。場所は超高層ビル台北101最上階の人気レストランです。101地区は台北市中心部から東に位置し、軍の施設跡地を再開発してできた地域です。そこには台北市役所やデパートがあり、高層マンションも次々と建設されています。
 そのレストランでCT氏が持ち込んだジョニーウォーカ青ラベル(マイルドで危険)を飲みかわしながら(陶陶)、台北市の不動産価格についての話になりました。高層マンションで坪あたり250万台湾ドル(630万円)以上、面積が同じだとすると東京の港区周辺の値段に相当します。さらにこの値段は建物本体だけで、内装工事は購入者の好みに応じてオーダーして、工事費を購入者が別に負担します。当然、驚くような高い値段になります。また、マンションの面積も広く、最低でも30坪以上で平均的には50坪の面積があります。トータルで高層マンションは最低でも数億円となりますが、経済が好調な台湾ではよく売れているそうです。
 もちろん、庶民には高値の花です。ちなみに初任給は日本の半分程度ですから不動産がいかに割高かはお分かりだと思います。参考に居住用の賃貸の相場ですが、50坪で家具付きで7万台湾ドル(18万円)です。賃貸は割安なように思いました。ただ給与水準に比べると高いですかね・・・・・。

会食後、一緒に行ったクライアントの社長のビジネス相手であるVC氏とその友人JL氏の話を聞きました。あるIT機器(PCやCOPやTVなど家電機器を一体としてコントロールするルーターのようなもの?)を日本の企業に売り込みたいがどうしたらよいか?JL氏が長年構想してきたものを設計企画し、中国大陸で製造した「優れもの」なのだとか‥‥。価格もリーズナブルで、受注量の多寡によっては価格交渉の余地があるとのことでした。VC氏やJL氏は見ず知らずの私に熱心に意見を求めてきました。
話を聞いて、会社事務所やホームエレクトロニクスで有用だと思われることから、ハウスメーカーなどへ販路を開くのがいいように思いました。両氏とも、これから新しくべンチャー企業を立ち上げて成功しようと意欲満々で、目がきらきらと輝いているのが印象的でした。若い両氏から発するオーラから新興国台湾のエネルギーを感じました。

最後に、VC氏のおじいさんは旧台湾総督府に関係していたようで、氏は子供の頃からおじいさんに日本流のライフスタイルやものの考え方を教育されたせいか、日本にものすごく憧れています。
それが高じてか、ただいま日本人の奥さん募集中!(笑)

台湾出張

投稿者 Bush吉田 2012年01月24日

 2泊3日の日程で、クライアントの社長に誘われて台湾に出かけた。
羽田から台北松山空港まで3時間、近い隣国にもかかわらず私にとっては初めての訪問だ。
社長の人脈で、台湾人の友人やビジネスマンと出会えて楽しい旅でした。
台湾は、大震災時の義援金にも表れているように極めて親日的です。
台湾人は同一民族の中国大陸の人々は信用していないようでした。人と人との約束を守らない、自己中心的な利益追求をしがちである、などそんな話を現地の人々から聞いた。話を聞く限りでは、同じ中華民族である中国大陸の人民共和国の人たちよりも日本人の価値観に近いものを持っている。日本が統治していた時代があったが、よい意味での遺産が生きているような気がする。
台湾の人々の中に、日本式の生活が浸透している。セブンイレブンやファミリーマートはいたるところにあり、とんかつ、天ぷら、すし屋など日式レストランは大繁盛。道路では日本車が氾濫し、宿泊したホテル(現地資本)ではパナソニックのテレビ、ウォシュレット付便器など食事をするのも買い物もどこでも日本語が当たり前のように通じる。まるで日本国内にいるような感覚になった。
 旅行中、ちょうど総統選挙の終盤戦、国民党の馬英九氏か新進党の蔡英文氏どちらを支持するか台湾の人たちに聞いてみたが答えてくれなかった。台湾には過去に民族対立ともいえる歴史がある。もともと以前から台湾に住んでいた「本省人」80%と1945年蒋介石とともに台湾に移住してきた「外省人」20%である。1949年台湾建国当初は「外省人」が政治や経済を掌握し、「本省人」は迫害された歴史があったようだ。
 今回の選挙でも国民党の馬氏は「外省人」、新進党の葵氏は「本省人」との構図でなかなか根深い軋轢があるようだ。
馬氏が総統の時に中華人民共和国の要人が台湾を訪れた。馬氏は中華人民共和国の機嫌を損ねることを懸念して、台湾国旗を降ろさせた。このことが台湾人のプライドを傷つけた。また、一昨年前に台中地方に大洪水が襲って多くの犠牲者が出た。このエリアは本省人が多く住み、自分の支持基盤でないことから、総統が現地入りしたのが極めて遅れた。台湾人(本省人)にとって面白くないエピソードがあったが、選挙は国民党の馬氏が辛うじて勝利した。
台湾の人々はナショナリズムより大陸との経済や安定を冷静に選択したのでしょう。
 さて、話はかわりまして夜の飲み屋での話も少しだけ。
行った先は友人の行きつけの店で、どこでも日本語が通じ値段も良心的でした。お店で働く女の子は美人揃い(笑…嬉!)、毎年のように日本へ旅行し、ディズニ―ランドやショッピングを楽しんでいる、とのことでした。
最後に、台湾料理について中華料理が苦手な私にとっては思いがけず味が薄めで美味しく、すっかり気に入ってしまいました。帰国後、さっそく横浜高島屋に入っている鼎泰豊(ディンタイフォン)へ出かけたほどです。

将来を担う若者たちへ

投稿者 Bush吉田 2012年01月17日

先日、あるTVの討論番組を見て、はっ、と思うことがありました。
それは、私の二人の娘の語っていた話とまったく同じだったからです。
「若者は今、就職難に低賃金と、これから先の将来に夢や希望などあるわけない!」
「学校を卒業しても就職先が見つからない。
仮に就職できたとしても、これからは低成長時代で給与は上がらない。
それどころか業績不振でリストラにもなるかもしれない。
さらに国家財政はいつ破綻してもおかしくないような悪化の一途をたどっている。その要因は、高齢化社会のため社会保障費として毎年1兆円以上の歳出が増えていること。そして現在の年金制度は受益者たる老人の給付削減を先延ばしし、若者たちへ大変な重荷を背わせている。
こんな不平等な世代間格差の問題があるにもかかわらず、サラリーマン政治家は自分の保身(落選)のため、何もやろうとしない。選挙は多数決制の選挙では老齢人口が多いため、老人の意向が優先されてしまう。」
とまあ、こういった話でした。

若者たちの考えは、「将来、自分たちが高齢になったときには、もう財源などなくなって社会福祉は受けられない。」
「今、高い社会保険料などを取られても自分たちにはほとんど戻ってこない。」「欲しいものがこんなにたくさんあって、お金が必要なのに、無理やり老人を養うためにお金を奪われている。」というわけです。
そんな思いがエスカレートしてくると、国や政治に不満を爆発させて、フェイスブックで呼びかけて暴動へエスカレートしても不思議ではありません。
確かに、私もこの一連の「消費税改正」「社会保障と税の一体化改革」の内容をみても、「しっくり」したものを感じません。
若者たちの不満は良くわかるように思います。
国は、リーダシップを発揮して改革は絶対にやってもらいたい。
しかし見方を変えれば、私(若者ではありませんが)は、日本は諸外国に比べると自由で、安全(治安)で、医療(国民皆保険)も自然もインフラもすべて整って、国民に極めてやさしい国だと思う。そして、震災時に発揮した国民の結束力は素晴らしい。きっと、これから大きな試練も柔軟に乗り切っていくように思います。本物のリーダーが現れ、勇気をもって誠心誠意に訴えかければ、きっと国民は分かってくれるはずである。
若者に訴えたいのは、あきらめずに夢ややりたいこと求めて本気で熱く生きてもらいたい。君たちの武器は長い年月(持ち時間)である。一歩一歩確実に夢に向かっていけば、必ずチャンスは巡ってくる。
世界から見れば、恵まれた国にいて、しらけて夢を持たないことが最大のリスクとなる。甘ったれるな・・・、国の将来は若者たちが担っていかなければならないのだ。
 ところで、私はそろそろ年金受給を受けられる年齢になる。しかし身近に若者の不満の声を聞いて、何だか申し訳なくて年金を貰う気が失せてしまった。

あけましておめでとうございます

投稿者 Bush吉田 2012年01月11日

 あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年の経済はどうなることでしょう?
私は、意外と底堅いのではないかと思っています。
年末に経営者の方々とお会いした中で、
「前年並みには売上を確保できそうだ。」
「危機感はあるが、何通りかの手は打てる。」
「自動車の生産は堅調…。」(エコカー減税3年延長)
「携帯・道路等のインフラ需要の高まりがある。」
などなど、決して見通しは悪くない様子が伺えました。
輸出が多い企業の経営者からは「中国経済にブレーキ。」という声もありましたが、中国経済の停滞は一時的なもののように思います。
 また、今年から大震災の復興需要も本格化して経済もプラスになっていくことでしょう…。

話しは変わりますが、事務所では2012年度にあたって、恒例の年度方針を発表しました。(ツィッターで、すでにご存じでしょうか?)
第一に、クライアントから「ありがとう」と言われる、行き届いたサービスを。
第二に、銀行や税務署から絶対的に「信頼」される決算書や申告書の作成を。
第三に、明るく活力ある職場環境、お互いに「やりがい」を称えあう組織風土を。
われわれ会計事務所はクライアントと運命共同体です。クライアント企業の発展や衰退は会計事務所にそのまま反映されます。ですから当然ながら日々クライアントの継続、発展を祈って関与しています。

企業の盛衰は時代の変化にうまく柔軟に対応できるかどうかにかかっています。そして発展する企業は不思議なことに幸運(ツキ)にも恵まれています。
明るく迫力もあって人望がある魅力的な方々は運を呼び込むのではないでしょうか。そんな経営者の方々は私たちとの関わりも上手です。何かにつけて笑顔とともに「先生、ありがとう」と言ってくれます。
私は「ありがとう」と言われたときが一番うれしいです。
その一言が、疲れを吹き飛ばし、明日へのエネルギーが湧いてくるからです。
何はともあれ、今年も明るく!元気!に過ごしたいと思います。
そういえば、私ごとですが所属しているクラブの初打ちコンペで3位に入賞しました。これはもしや…今年の運気もこの勢いで!

2011年

今年を振り返って、この一年ありがとうございます。

投稿者 Bush吉田 2011年12月26日

 いつもありがとうございます。
これが今年最後のブログです。
先週の朝礼でパートナーから今年の事務所5大ニュースが発表されました。

  1. 『災害』
    東日本大震災や10月に上陸した台風の退避動作の遅れ、緊急時の対策について準備不足が表面化した。交通手段がストップして帰宅困難な状態になったが幸いなことに事務所車両の分乗で何とか帰宅することができた。
    しかし、状況判断(情報収集の遅れ等)から決定まで時間を要し、混乱した。

  2. 『新入職員』
    新人が2名新たに加わり、若干???平均年齢が下がった。厳しいが良き先輩たちが面倒を見てくれているのできっと成長するはずである。早く実力をつけて事務所戦力の一員になってほしい。

  3. 『新規業務』
    今までやったことがない新しい業務を積極的に行った。連結納税制度の選択をした上場会社のコンサルティングや連結納税申告書の作成である。また、公益法人など多くの新しい分野の進出があった。快く受け入れ協力してくれた税理士やスタッフに感謝の意を表したい。

  4. 『セミナー開催』
    後継者塾や勉強会など通してクライアントと事務所のつながりがより強くなっているように思う。またこの出会いが縁で経営者同士や土地オーナー間のネットワークの輪が広がっている。人の役に立つのはうれしいことである。

  5. 『人』
    そして、なんといっても一番うれしいことが退職者が一名も出なかったこと。それだけ事務所の組織風土や雰囲気が良くなっている証拠だと思う。
    確かに忘年会での異常?いや、楽しく盛り上がったことがそれをよく表していた。

そして、私が最後に挙げるのは…
書面添付(税理士法33条の2)は毎月巡回しているクライアントには原則的に実行しているが、今年は例年以上に意見聴取だけで税務調査が省略された件数が多くあったことだ。それだけ事務所の業務品質が良くなったことかもしれない。税理士法人として税務当局からの信頼度は一番気になるところであるからだ。

この不況の中、今年を振り返ってわが事務所はまあまあの年であった。
それは、ありがたいことに多くにクライアントから新しいテーマや課題をいただき、それをチャンスだと考え積極的に挑戦してきた結果だと思う。
それを可能にしてきたのは事務所の組織風土がよく、みんなが前向きで積極的な気持ちでいることができたからだと思う。
仕事は、人(クライアントや社会)からチャンスをいただき、人(パートナーや職員)がチャレンジして行動するものである。
こんな不況な時こそ、一番大事にしなくてはならないのは人を大切にすることかもしれない。

今年も何とか乗り切ることができました。
来年も皆様にとっても我が事務所にとってもよき年となりますようお祈り申し上げます。

オリンパスの不正経理のつけ

投稿者 Bush吉田 2011年12月21日

 オリンパスが「財テク」の失敗による巨額な投資損失を隠蔽していた。
いわゆる「飛ばし」の手法によって、含み損を抱えた有価証券などの金融商品を外部に移し替え、時価会計上の損失を表面化しないように仮装していたのである。投資家など利害関係者を欺く不正経理で、損失隠しに関わっていた経営陣への厳しい責任が問われることになろう。損失を長年に亘って隠し続け、さらにM&Aを利用してその穴埋めを行おうとしていたことには驚かされる。何故このような不正経理が行われたのか?
私は、経営陣が財テク投資の失敗の責任を株主総会で問われないために損失を隠したのだと思う。会社の経営者は株主総会で選任されるが、会社に損害を与えたことが表面化すると「解任」、場合によっては「株主代表訴訟」により取締役や監査役等の責任が追及される。その結果、取締役や監査役は会社の損害について、賠償義務を負う場合がある。したがって経営と所有(支配権)が分離した会社(特に上場会社)においては、株主からの信任がきわめて重要である。経営陣は自分にとってマイナスとなることは表に出したくない。つまり自分の地位保全のために不正経理を企てたように思う。まさに、会社より自分を優先したサラリーマン根性丸出し、経営者として許されざる行為である。
ほとんどの経営者は会社のために一生懸命頑張っていよう。しかし今回の事件で多くの上場会社のイメージが低下したのも否めない事実だと思う。

一方、中小企業はどうであろうか?中小の会社は同族会社であることが多い。会社の株式(支配権)は同族関係者が過半数以上を所有し、経営者は同族から選任される。したがって「財テク」の失敗があっても解任されることはない。投資の損失も速やかに「損切り」を行うだろう。そうすればその損失が実現し、税務上も損金とされ、本業が黒字であれば投資損失も税率相当部分は税金で補てんされることになるからである。投資損失が巨額であっても、その後7年間、本業の儲けで取り戻すことができる。バブル崩壊後の投資損失をこのようにして多くの企業が処理し、会社が再生している事例が多い。
同族会社では「財テク」の失敗による投資損失はあるものの、「飛ばし」のような不正経理はあり得ない。
ちなみに、「飛ばし」による不正経理について過去の決算書を訂正しても、発生からとうに5年を超過しているため、巨額の投資損失は税務上、損金として認められないと思う。

重要なことは、不正経理により株主からも税務当局からも見放されることになり、経営陣のサラリーマン根性が会社に与えたダメージは、単に巨額の投資損失だけでは済まされないということである。

日本製自転車、実は・・・

投稿者 Bush吉田 2011年12月14日

 お天気のよい休みの日に自転車に乗って出かけることが多くなった。
車だと交通渋滞やら駐車場探しやらで面倒くさいが、自転車はCO2削減にもなるし、何より健康にもよく一石二鳥!
 そんな私の自転車生活は新しく自転車を購入したことから始まった。
日本製メーカーの6段変速で、暗くなればLEDライトが自動的に点灯するという優れものでホワイトパール色のデザインも気に入った。おまけに値段も手ごろで、今では、毎週末のサイクリングが本当に楽しみの一つに。

このところ日本経済の長期低迷が続き、会計事務所のクライアントにおいても製造業を中心に元気がないところが多くなっている。そんな理由から私は何か買うときには必ず、「MADE IN JAPAN」を選択することにしている。
歴史が証明しているが、日本は第二次大戦後奇跡の発展を遂げた。そして先進国にまで栄えることができたのは自動車、カメラ、電機など製造業が頑張ってきたからである。ところがここにきて、そのけん引役の日本の製造業に元気がなく、我が国の将来の見通しが立たなくなっている。
微力であるが私は食品、衣料、家電製品、自動車など、できるだけ日本製を買うようにしている。少しでも国内経済に貢献したいとの思いからである。

さて、話を自転車に戻す。せっかく日本製を選んで購入したが、実は組立だけが日本国内で、6段ギアーはトップメーカーのシマノブランドだが台湾製、LEDライトなどのパーツもほとんどが中国製のものでがっかりである。唯一タイヤだけが日本製だった。ちなみにこの自転車メーカーはタイヤメーカーの系列のものだ。
しかし、もし全て日本製の部品でつくった自転車なら、多分値段は2?3倍の10万円以上でなければ採算が取れないのかもしれない。マーケティングから見ると企業が生き残っていくため、メーカーは海外に移転せざる得なくなっている。その結果、国内が空洞化していくのは仕方がない。経済のグローバル化は誰も止められない大きな流れである。

もし仮に、純粋国産自転車で値段が10万円以上であったら、はたして私は購入したであろうか?気持ちは国産愛用主義者だが現実的には難しい・・・。

三ツ星レストラン

投稿者 Bush吉田 2011年12月06日

藤沢にある日本料理店が、湘南で初めてミシェランの三つ星に選ばれた。
世界的に権威ある格付け会社が認めた三つ星料理店「幸庵」を心より祝福したい。

洋食より和食を好む私も二度ほどそのお店で懐石料理を楽しんだ。
その店は、マンションの一階にあり、落ち着いた雰囲気のたたずまいで、吟味され選りすぐられた食材とメリハリのある味付け、センスの良い食器、さらには従業員の接客も行き届いて大変心地よく、かなりの満足感を得られるお店だ。

さて、私たち素人には三つ星として選ばれるポイントはよくわからないが、料理そのものだけではないように思う。経営姿勢、料理や食文化伝統に対するこだわりなど様々な角度からの評価なのだろう。
メニューの品質はもちろん、顧客への演出なども重要なはずだ。
料理長は、関西(滋賀県)で長年修行を積んで地元藤沢に2004年に開業、現在40歳の方だと聞く。料理の妥協を許さないこだわりや新しいメニューへの創作意欲も素晴らしく、プロとして見習うべきところが多いように思う。
そういえば…料理が運ばれてくるたびに、「これは〇〇産の魚で〇〇産の塩で味付けをし、〇〇産の水を使って調理して…」と我々素人にもわかるよう、懇切丁寧な説明をしてくれていた。接客係の教育にも相当の労力を費やしたと思われる。
この手の話になると非常に耳が痛く?なる。
もしも会計事務所に格付けがあるならば、うちに星はつくのだろうか???
(なくてよかったかもしれない…)

話がそれたがこのお店もミシェランの三ツ星獲得ということで、これからは予約もとりにくくなってしまうことだろう。
大げさな様だが、身近にあったお店が、空に輝く星のように遥か彼方に離れて行ってしまったようにも感じる。
次回、このお店に行けるのはいつになることやら…。

後継者塾

投稿者 Bush吉田 2011年12月02日

私ども事務所では昨年より「後継者塾」を開催しています。
将来、企業の経営トップになる方、すでに経営トップとなっている若手の経営者のための勉強会です。
今まではクライアント中心の集まりでしたが、来年7月から予定している第三期生後継者塾はクライアント以外からも募集しようと思っています。
 来期の勉強会では、経営者が知っていなければならない知識、マネージメントの基本、経営者が知らなければならない決算書の読み方、業績評価のための経営分析の見方、金融機関との付き合い方、税務調査等の税務対策、事業承継などの相続対策、中長期の経営計画の立て方、更に基本的な法律や労務人事の講座を加える予定です。定員は10名以内の少人数にする予定です。
講師が一方的に話す一方通行のセミナー形式でなく、参加者たちの発言や意見を聞きながら進めていきたいと考えています。参加者のみなさんはそれぞれ得意分野があり、いろいろなタイプの方々がいますので、皆さんの発言を聞くこともお互いによい刺激を受けます。そのために定員も少なくして発言の機会を多くしたいと思っています。
この12月には第二期生の塾の最終回を迎えます。
打ち上げの飲み会には第一期生も参加予定で大いに盛り上がることと思います。半年間にわたって一緒に勉強し、よい刺激をし合ってきた塾生たちです。
同じような立場の後継者たちですからお互い親しくもなっています。そして仲間意識が広がり、二期生たちは一期生たちとも親しくなっています。
 参加者した塾生の意見として、勉強もよかったが、同じ立場で同年輩の経営者達と知り合えたことが本当によかったとの声も寄せられています。
 これから、中小企業のおかれている経営環境はますます厳しくなってくると思います。グローバル化の進展、資源価格の高騰や最低賃金などコストアップ要因、電力不安など不透明な時代です。リーマンショック以来、ギリシャなどEUの信用不安、東日本大震災、タイの大洪水など予想できなかった事態が発生して、中小企業の経営にも大きな影響を及ぼしています。
経営者たちは変化に追い付いていくのが大変です。こんな時代、トップダウンで早急に経営判断を下さなければなりません。そのためには変化をみる眼力や経営判断を的確に行うには状況に応じたバランス感覚が重要です。また「後継者塾」に参加したいという向上心も大切で、その気持ちが経営に対して飽くなき探求心や実行力につながっていくと思います。また、バランス感覚を養うためには幅広い知識が不可欠でしょう。
もっとも「公私混同」をなくすことも成功した経営者一族にとって気を付けなければなりません。そういえば会社の金を持ち出して、カジノで大きな穴をあけてしまった某製紙会社の三代目がいました。どんなに経営者として優れていても会社を私物化しては話になりませんよね…。

ポイント協奏曲

投稿者 Bush吉田 2011年11月10日

ポイント協奏曲

またまた、代表のblogにお邪魔いたしました、当事務所社員の岩井でございます。先日、ピーマンネタでの初登場させて頂きましたが、何名かのお客様が見て下さったとのお話しを聞きまして、感激すると共に、改めてHP(ブログ)を更新する、情報発信をする重要性を実感しました。
さて、前置きが長くなりましたが、今日のネタはポイントネタです。
一部の職員は知っていますが、私はポイントに超はまっております。
きっかけは某アルファベット(Sの次)のポイントカードがコンビニで使える事を知ってから。通常、事務所で昼食を取る時、そのコンビニを使うものですから、ほぼ毎日の事なのでポイントが以外と貯まりだして。しかも提携先も多いので、あらゆる場所(飲食店、洋服店、ガソリンスタンドなどなど)でポイントが貯まっていく…そのポイントを貯める楽しさに完全に虜となってしまいました。
今では、そのポイントが結構貯まりまして、そこのコンビニのおばちゃんの「…××ポイント貯まっています。凄いですね?、何に使いましょう。」の問いかけに、「お店ごと買ってしまいましょうか」などと返し、冗談を交わしているほどです。
しかし、今はイロイロなものにポイントがつきますよね。家電量販店、クレジットカードはもちろんの事、携帯電話、しまいには自動販売機にまで。しかも、そのポイント、値引き(お金)として還元するだけでなく、ポイントに応じた品物にも替えられたりもしますね。
そういった訳で、最近では上記のポイントカードだけでなく、ポイントが付くあらゆるものについて積極的に参加しております。財布はポイントカードだらけになってしまいましたが(笑)
というわけでポイントライフを楽しんでいるわけですが、このblogを書くにあたって、我が家のポイントは実際どれくらいあるのだろうと、ざっと計算してみました。
何と、約4万ポイント!結構ありました。有効活用すれば我が家の家計が非常に助かりそうです♪皆様のご家庭では何ポイントありますか?計算してみると面白いかもしれません。出張が多い方でマイレージを貯められている方は凄いポイント数になっているのではないでしょうか?
因みに、現在のポイント市場(年間最少発行額)は約9500億円とのこと。日本の人口を約1億として単純に計算しても一人当たり約10,000ポイントを獲得している計算になります。しかし、すさまじい数字ですね。この数字は、日本の各企業が、今後、益々少子高齢化が進んでいき、縮小していく事になるであろうこの日本の市場の中で、顧客の囲い込み、優良顧客の獲得、優良企業とのポイントを通じた提携など、生き抜く為の必死の経営努力の一つがこのポイントサービスになるのではないかと私は感じました。
実際、ポイントを発行している企業アンケートでは、90%の企業が、ポイントサービスは顧客の囲い込みに有効であるとの回答があったようです。
顧客の囲い込み………。会計事務所にとっても非常に重要な事です。ここは、当事務所でもポイント制度を導入してみましょうか?セミナー参加、後継者塾参加には1ポイント、お客様ご紹介して頂いた場合には5ポイントなどなど設定し、ポイントが貯まったら、月次・決算報酬に還元するというのはどうでしょうか?
と、話が脱線してしまいましたが、とりあえず、企業の戦略に、はまってあげた事にして、今後もポイントライフを楽しんでいきたいと思います。

TPPはアメリカの罠か

投稿者 Bush吉田 2011年11月08日

 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加の決断が迫られている。
正直なところ、情報が伝わってこないためTPP参加による影響は、あるタレントが言っていたが、PTAと同じで内容がよくわからない。
賛成派は産業界を中心に、低成長経済で閉塞感がある現状を打開するには、世界に向かって市場を開放し、貿易立国をさらに発展させなければ日本の将来はないと主張している。多分にFTA(自由貿易協定)を国家戦略として、急速に貿易を拡大してきた韓国に後れを取るまいと意識しているようにも見える。賛成派は長期的な視野で開国を進める進歩派、規制を排除して現在の既得権益を壊して新しい改革を推し進めていこうとする考え方のように思う。
一方、反対派の意見を聴いていると、農業(保護政策)をはじめ医療介護(保険制度)やサービス業(保険・法律・会計)がアメリカによって崩壊され国益を損なう、とかなりネガティブな主張である。そして断固反対と一歩も譲る気がない。反対派は過去の既得権益を守って、将来的に起きるか起きないかわからない不安を警戒して行動しない保守的なタイプであるようにも思う。そして主張している政治家には、彼らの大きな票田である農協・医師会などの支持団体がバックにいることを意識しての発言のようにも見える。また意見が極端であり、「農業は損するが、製造業は得」など、誰かが得をし、誰かが損をするというような論調が多くて分かり難い。
いずれにしても、情報不足が不安を煽っているともいえる。ただでさえ国民は政治家を信頼していない。こんな重要な決断をそんな理念なき政治家に一任していいのだろうか?またもやアメリカの外圧(黒船)によって、しかたなく応じたのでなければよいが・・・。
そして、農業金融サービス大国のアメリカに一方的なメリットを与えてしまうことにならないかという意見があるが、私はそうは思っていない。
私は、アメリカに幾度となく旅行をし、高級レストランで食事をしたこともあるが、コメ、野菜、果物、牛肉などどれをとっても日本のものの方がはるかに美味しい。日本はコストが高いという問題もあるが、大規模化して効率性を高め、農協を通さず中間業者の省略を行えばかなり改善される余地がある。ちなみにコシヒカリの場合、消費者価格100に対して、一番苦労している生産者の取り分はわずか四分の一の25と、農産品の分配構造はアンバランスになっているのが実態だそうだ。こんな歪んだ分配を放置していることが若者にとって農業への魅力をなくしている原因ではないか。日本の農業は高品質で安全であるだけにもったいない。まずは農業の構造改革をすべきである。アメリカの農産品に恐れるに足らず、やり方次第では日本の農業には大きな可能性を秘めていると思う。
 医療にしても、医療制度は日本の方が優れている。混合診療の解禁要求があっても、医療水準が同じアメリカの高額な医療費が日本人に受け入れられるとは思わない。
 保険・金融・証券業界はすでに日本に進出し、外資系企業が実績を上げている。
法務・会計の専門サービス業もすでに進出済み、外資系事務所が活躍している。
私ども会計事務所はTPPの影響はないと考えているが、油断しすぎだろうか?

すさまじい円高の脅威

投稿者 Bush吉田 2011年10月31日

 円高の勢いが一向に収まる気配がない。
「為替介入を行う。」という財務大臣の発言も腰が据わっていないことを見透かされたのか、全くの無力である。
金融市場ではこの円高がしばらく続くとの見方があるが、エコノミストの意見はいろいろと分かれているところである。
 クライアントの社長と話をするとこの先の経済の動向や円高について質問されることが多い。
為替動向についてはリーマンショック以前までは100円?110円の水準であった。その後は一貫して円高基調が続いている。特に、震災に見舞われてからの円高の動きはまったく理解しがたかった。アメリカやEUの経済状況が厳しく、消去法的に日本が円高になったとのことだが、日本は財政問題や高齢化、人口減少など、先行き大きな不安があるのにどうも合点がいかない・・・・。
「今日の水準は円が実力以上に過大評価されている。」という経営者やエコノミストがいる反面、「1ドル50円になっても不思議ではない。」と言っている学者もいる。それぞれの根拠は過去の為替相場の推移や、日米間の金利差、物価上昇率などだ。またグローバル企業の商品価格、たとえばマクドナルドのビッグマック指数やスターバックス、iPodなどの販売価格を指数としているようだ。
いずれにしても今後の為替相場を予測することは不可能といっていいであろう。

ところで、クライアントの中にはUSドルを保有している会社が多くある。そんな企業では決算時には期末レートで換算し、ことごとく円高による為替換算評価損を計上している。
この場合、ほとんどの経営者はUSドルに対して「いずれ円高から円安に戻ってくるはずだから、ドル預金をそのままにして円安に回復してから円に両替する。」と考えている方が多い。円に換えると為替換算差損が実現してしまうという錯覚があるようだ。しかし、現預金や短期金銭債権は会計上、すでに為替換算評価損を計上しているので、その損失は利益や課税所得に反映されている。会社が近い将来ドルを海外進出や投資に使う予定がなければ、円に換算すべきだと思う。そうしなければドル預金が塩漬けになって、資金が固定化しまうからである。
そしてこの円高は、海外への進出や投資M&Aを考えている企業にとってはメリットがある。中小企業においても生き残りのため、これから発展が期待される東南アジアを視野に入れた戦略が欠かせない。人口が減少していく日本は先細りでマーケットして魅力がなくなっている。また、高い人件費、規制、高い法人税、電力問題など企業経営の足かせとなっている事情もある。
しかし、この円高が続くと、企業は海外へ加速度的に進出して行くことなる。海外への空洞化がさらに進むと、これから先、この国は一体どうなっていくのだろうか・・・?これまでの日本の繁栄や雇用は製造業でなし得たからである。
すでに、新社会人の就職難が深刻化しているそうだが、空洞化の進展でますます若者にチャンスや希望がなくならなければいいが・・・・。

車と私

投稿者 Bush吉田 2011年10月18日

 私の親父は日産系の自動車販売修理業を営んでいた。
そんな家庭環境だったので子供の頃から当時としては貴重な自動車が身近にあった。
そして、大学では体育会自動車部に所属し、将来は親父の後継者になるつもりでした。
 しかし、親父は私が大学2年生(19歳)の時に急逝し、当てが外れ…。
私の自動車好きはこんな家庭環境から芽生えたものと思うが、社会人になってからも車を手放せない生活をしていました。
会計事務所創設期、私がなんと一人三役、つまりクライアントに巡回監査し、事務所ではデータ入力、決算申告書の作成、決算報告書の作成と忙しい日々でしたが、毎日どこへでも車で行動していました。
年間の走行距離は2万5千キロ、一回目の車検時には新しい車に乗り換えていました。30年ぐらい前の自動車は性能が劣り、5万キロを超えるといろいろな故障が出ました。ちなみに走行性能や安全性はドイツ車が一番勝っていました。そんな事情からからしばらくBMWやベンツを愛用しておりました。BMWからベンツに乗り換えたのは、走行距離が5万キロを超えてからの信頼性です。当時のBMWは新しいうちは調子がいいものの、走行距離が増すと故障が急激に多くなりました。ベンツはメンテさえしておけば、ミッションを除いて10万キロは問題なく走破できます。過去に2回、10万キロ記念の表彰と記念メダルをいただきました。ドイツ車は車両価格やメンテ費用が高いのが欠点なのですが…。
 7年前、横浜市中心部のマンションに引っ越しました。老後を見据えてのことですが、生活が一変しました。交通アクセスが良いため電車利用が多くなり、自動車の利用は年間走行距離1万キロと、極端に少なくなりました。
車もクライアントとのお付き合いと、不況にあえぐ日本経済へ貢献のため、トヨタ車に乗り換えました。ところが国産車に20年ぶりに乗ってみてビックリ、当時乗っていた車に比べてものすごくよくなっているではありませんか。高速安定性、静かさ、剛性感等、もしかするとドイツ車より優れているのではないかと感じました。現在の走行距離は4万6千キロ(4年9か月)を経過していますが、調子は絶好調です。来年4月に2回目の車検時期を迎えますが、このまま乗り続ける予定です。現在の国産車の水準は価格・性能・耐久性などで総合的にみると世界一のように思います。
 国内の自動車販売台数が落ち込んでメーカーが危機感を持っていますが、私のような年代から見ると次のような理由があるように思います。
?自動車がよくなり、長く支障なく乗れる。?モデルチェンジ周期(4年→6、7年)が長くなって、魅力的な車が少なくなり購入動機が刺激されない。?高齢化社会になり、ライフスタイルが変わり自動車をあまり利用しなくなった。?エコや健康志向で歩きや電車で活動する。
ちなみに私も中性脂肪が多く、できるだけ歩ように心がけています。
そうは言っても、私の自動車好きの情熱はまだまだ、冷めていません。
個人的にはスポーツカーが大好きで、週末になるとドライブを楽しんでいます。
ところが、あるとき仕事が忙しく一か月間、愛車を放っておいたことがあります。そのためバッテリーあがってしまいました。
おかげで彼女はすっかり不機嫌に・・・・・。
このご機嫌を取るのにだいぶお金が掛かりました。
それでも自動車好きは冷めませんね…。

ああ、「江田島」

投稿者 Bush吉田 2011年10月11日

 「坂の上の雲」の舞台となった、赤レンガで有名な旧海軍兵学校を訪れた。
毎年恒例となっている旅行会での旅で、今回は広島地方の観光、江田島にある海軍兵学校は目玉となる場所でした。実は旅行会の幹事が海上自衛隊OBで、その紹介により現役の海上自衛隊幹部の方が案内してくれた。めったにない体験をすることができ、本当にありがたいことだ。
さて、江田島は広島県呉市、瀬戸内海の沖合にある静かな小さな島である。こんな田舎の島に、国の運命を担う立場になる海軍の幹部候補生が1888年、東京築地から移ってきた。英才教育は煩悩渦巻く都会ではダメだとか…。しかし、私は指導者たる者、人間の煩悩や社会の汚れに触れなければ本物になれないと思う。
 この江田島の中に「教育参考館」がある。海軍創設からの歴史、日清戦争、日露戦争、太平洋戦争と貴重な資料や人物などが整然と陳列されていた。「神風特攻隊」のコーナーでは、自衛官は「過去の反省を踏まえ、過去を忘れないように、鎮魂の意を込めています。」と語っていた。そのコーナーには特攻戦死した若者たちの写真や遺書が陳列されていた。私は鹿児島県の知覧にある「特攻記念館」で受けた衝撃を思い出した。悲しみの次に怒りのような感情が湧いてきたのだ…。
 特攻隊で出撃した若者たちがどんな気持ちで死を覚悟して、散って逝ったのか?
また、その家族や友人たちは…?それを思うと本当に悲しくやりきれない。
そして、軍(国)が何故、若者を犠牲にしてまで特攻作戦を行ったのか?怒りとも思える感情が込み上げてきた。これに対して、「戦争だからしょうがないのだ・・・。」「自から特攻志願していったのだから・・・。」などの意見があるが私は納得できない。
私が怒りの感情を覚えたのは、当時の軍(国)の指導者たちに対してである。この作戦で海軍の神風特攻隊により自爆していった若者は2,633名もいた。特攻で散って逝った若者たちは、将来国や人類にとって大変役に立ったかもしれない。その後の国や社会にとって本当に大きな損失だったのではないだろうか。
戦時中のことは良くわかりません。が、もしかすると世論もメディアも国威高揚で英米鬼畜、当時の若者にとって国のため天皇のために死を賭すのは当たり前になっていたのかもしれない。
しかし、国の指導者たち、そもそも戦争を始めこと自体が大きな判断ミスだが、ミッドウエイやガダルカナルでの敗退で、太平洋戦争の結末は分かっていたはず。
それにも拘わらず、何故特攻作戦までして戦わなければならなかったのでしょうか?また、神国日本に神風が吹くとでも思っていたのか?もっと早く降伏をしていれば、沖縄戦も東京大空襲も原爆の投下もなかったでしょう。
それでは何故、潔く白旗を振れなかったのでしょうか?
思うに、軍(国)の指導者たちが自ら始めた戦争の結果が敗戦という現実を、プライドから許すことができなかったのか。あるいは、国民にどんな犠牲があっても、自分の非を認めたくなくなかったか。負ければ国体(天皇制)維持ができないと思い込んでいたのか。いずれにしても、多くの国民の人権を無視した国家だったことは確かです。国民を愛しいと思うならばこんな無謀な戦争やるはずはありません・・・。
今の日本、われわれは幸いなことに本当によい時代に生きていると思います。

「マック」in HAWAII

投稿者 Bush吉田 2011年10月03日

 クライアントの社員旅行に誘われ、ハワイに行った。
私も10年ぶりのハワイだったので喜んで参加させていただいた。
 ホノルル到着後、夕方からポリネシアンセンターに行き、全員で会食やショーを楽しみました。翌日からは各自のフリータイムとなりました。
私とクライアントの代表者は日頃の疲れ?を癒すため、カウアイ島でゆっくり過ごすことにしました。カウアイ島はハワイ諸島の中でも自然がそのままの緑豊かな島です。街らしい町もなく人口もオアフ島に比べはるかに少なく、夜になると真っ暗になり、レンタカーでホテルまで向っていると不安で心細くなるほどでした。
 ハナレイ湾沿いのリゾートでのんびり過ごし、食事や買い物には車で1時間弱のところにあるリフェへ出かけました。ある日、ウォルマートに買い物にいったとき、思いがけない出会いがありました。小腹がすいたのでウォルマート内にあるマクドナルドに入ると、数人のお年寄りが集まっていました。彼らもこちらに気づき、我々に「日本から来たのか?」と話かけてきました。
「そうです。皆さんも日本からですか?」と尋ねてみると。「われわれは日系二世三世でこの島で暮らしている。」「年を取って、毎日やることがないから、ここで毎日集まって暇つぶしをしているのだ。」この人たちは毎日マクドナルドでお菓子などを持ち込んでおしゃべりをしながら田舎の老人会のようなコミュニティーを作って楽しんでいたのです。
 「もう日本には30年も行ってない‥‥。3.11の地震はどうだったか?」
「自分のルーツは新潟県で、お父さんがハワイに移住した‥…」など、あれこれと話が弾んだ。「私は現役時代、銀行に勤めていてホノルルに住んでいたが、老後は時間がゆったり過ぎ、環境の良いカウアイ島にやってきた。生活もしやすく最高だよ。」このおじいさんが日本語が一番上手でした。ビジネスで日本人と接することが多かったからだそうです。
また、カウアイ島のお土産でお勧めは、「KAUAI COFFEE」なのだとか。
島内で生産し、味がマイルドで美味しく、日本では売っていない。そんなアドバイスももらったのでウォルマートでしこたま買い込み、帰国後味わってみると本当にマイルドで私の口に合っていた。
そんな彼らの中にほとんど日本語が話せないおじいさんがいた。ホノルルの銀行勤めだった友人曰く、「この人はお酒が大好きでしょうがないのだ、だから家族に見放されて‥‥。」と厳しいことを言われていた。確かに酒臭かったが、なぜか気になるおじいさん‥‥。一番人懐っこいまなざしである。そのおじいさんは唯一知っている日本語?で自分を指さし、「バカたれ。」と笑って言いました。酒を飲みすぎていつも家族に言われていたのでしょか?
そして最後に「毎日ここに居るから、またここにおいで‥…」といってくれた。
みなさんどうぞ長生きしてください。またいつか、会いに行きますよ‥‥。

大収穫でした

投稿者 Bush吉田 2011年09月06日

♪大収穫でした♪

 初めまして、湘南パートナーズ税理士法人の社員税理士の岩井でございます。
今回は特別に、ブログ執筆活動に少々疲れ気味の代表社員に代わりまして、私が書かせて頂きます。(代表社員のブログのファンの方、今回はご勘弁下さい)
さて、写真にもある通り、我が家の本当に小さな家庭菜園(畳半畳ほど)でピーマンが沢山収穫出来ました。一時期の大収穫の時期は過ぎましたが、まだ収穫出来ています。
今年、初めて家庭菜園を始めたのですが、その楽しいこと。水やり、肥料やり、害虫との格闘の末に実を付けた時は、わが子が成長したかのような喜びでした。
特にピーマン(他にもトマト等を作っていました)は、最初の頃は虫の被害が凄くて、ほとんど茎だけの状態になってしまってからの大逆転だったので、喜びもひとしおです。
と、家庭菜園そのものについては楽しく出来、大成功だったのですが、残念な事がひとつだけ。
実は私、ピーマンそれ程好きではないのです。子供の頃は全く食べる事が出来ませんでした。こんなにうまくいくとは思わず、苗を買う時、適当にピーマンを選択してしまいました。我が家の食卓では、王道のチンジャオロースや肉詰めではなく、麻婆茄子の中に入れ若干味を誤魔化し食しております…ピーマン君、ごめんなさい(笑)
ピーマンは連作禁止(毎年同じ場所に植えることが出来ない)らしく、4?5年は植えることが出来ないそうなので、それまでにピーマン好きになっているとともに、来年は大好きな枝豆を育てて、ビールのおつまみにしようと思っている今日この頃です。

デフレは幸せ?

投稿者 Bush吉田 2011年09月06日

 近頃、旅行に飲食やショッピング、つくづく安くなったなぁ、と思います。
たとえば、私の趣味であるゴルフですが、年齢とともにパワーが落ち、長年使っていたクラブが合わなくなりました。自分にフィットするクラブを探すためにゴルフ練習場などでいろいろなクラブを試打させてもらいました。
そしてクラブの購入にはインターネットを利用して、ネット通販会社から購入します。どんなクラブでも定価より安く手に入り、本当に便利になりました。
 専門店ではとても太刀打ちできないような値段です。インターネットというインフラの変化で従来から頑張っていた専門店にも大きな影響があるでしょう。もちろん、こうした変化は消費者にとって、うれしい変化ですが、供給側の専門店企業にとっては脅威です。
 また、衣料品などもかつてのバブル時に比べて本当に安くなりました。家族は私の靴下や下着を「ユニクロ」で調達しています。3足で990円のソックス、最初は抵抗?がありましたが、ヒートテックなど素材のよいものが多く、今ではすっかりファンとなりました。よいものが安く手に入るのですから、消費者にとっては大助かりです。
 バブル崩壊後、デフレが長く続き、失われた20年間などと言われています。
しかし、生活している「消費者」から見ると「暮らしやすい社会になっている」と思います。なにしろ同じ収入でもデフレで物価が下がっているのですから、お金が価値を増しています。収入は同じでも購買力で考えると実質収入が上がっているということになります。
 食料品にしても一部を除き、この20年間ほとんど変わっていませんし、海外旅行やゴルフプレー代など大幅に値下がりしたものも少なくありません。
むしろ、バブル時よりも世の中が落ち着き、暮らしやすい時代になっているのではないでしょうか。

エジプトなど中東諸国で反政府運動が起こり政権が代わっています。これは国民の不満が爆発したもので、食料品の猛烈なインフレにより貧しい人が生活できないことが原因の一つだそうです。日本でも第二次大戦終結後の混乱期、ハイパーインフレで飢え死にした人が多くいたと聞いています。
そう考えてみると、職に就いてさえいればデフレ経済下の方が生活者にとってはるかに幸せかもしれません‥…。
世界各国はインフレが進行しています。日本だけ長期的にはいつまでもこんな円高やデフレは続くようにも思えません。もちろん、適度のインフレで好景気になり、収入も増え、若い人の求人が増えてくるのがベストシナリオですが、このグローバル化した社会ではなかなか難しいと思います。
いずれインフレの潮流が押し寄せ、日本がスタッグフレーション(不況下でのインフレ)や円安インフレにならなければ幸いですね…。

借金は経営上リスクなのか?

投稿者 Bush吉田 2011年07月20日

 今年になって、クライアントが数社倒産しました。顧問税理士の立場としては、長年関与してきた思いもあり、誠に残念でなりません。
行き詰った企業には、例外なく売上や事業規模に比して過大な借入金があります。これらの企業の過大借入金となった経緯を分析してみました。
 「その1」経営環境の激変で急速に売上が減少してしまったケース。この企業は大手企業の下請け製造業です。業績好調であった10年前に比べ、現在の売上は30%の水準にまで落ち込んでしまっており、10年間右肩下がりの売上の推移を示しています。一般的な製造業は2008年のリーマンショックからしばらくして、売上が回復しています。しかしながらこの企業の受注元である大手企業は、業績不振とコストカットのため、生産拠点を海外に移転させました。そんな背景からこの企業の売上は低迷し続けてきました。もちろん、売上減少に対して果敢に固定費を削減してきましたが、コストカットが売上減少のスピードについていけず赤字基調が続いてしまっています。したがって資金面でも、売上入金よりもコスト支出が多く、この資金不足を賄うために借入金に依存してきた結果、過大な借入金となってしまいました。
 このような赤字補填目的の借入は良くない結末となります。この企業の場合も将来のビジネスモデルを構築し、設備投資やリストラ後の再構築を実施するための資金ではなく、単に赤字補填の資金の調達に過ぎず、結果はよくならなかったのです。
 業績が好調な時代から、会計事務所として言い続けてことは、

  1. 売上先を一社に偏らず、せめて最低3社程度から受注をとれるように他の企業に普段から営業をし続けて欲しいこと。
  2. コストや品質で顧客に注目させるような企画提案力をもって欲しいこと。
  3. 受注した業務で身に付けてきた技術を磨きに磨いて、他の仕事のチャンスにつなげられるようノウハウや人材を習得養成して欲しいこと。
 しかし、残念ながらどれ一つとして実現できませんでした。社長以下幹部も企業のイノベーションの重要性の認識が甘かったように思います。
 企業活動がグローバル化している今日、今回の原発事故の電力不足、政府の対応の悪さで、これからますます海外に生産拠点を移転し仕事が減少するケースが多くなると思われる。下請け製造業では、今後も生産拠点の空洞化のリスクにさらされていくといってよいでしょう。
例の政府100%保証の融資や、モラトリアム法の返済猶予は、このような後ろ向きの資金に対するものが多いように思います。一時的に延命することはあってもほとんどの企業は長続きしません。言い換えれば、単にキョンシー(幽霊)企業を延命させるだけに過ぎず、社会的にも意味がありません。

「その2」あるスポーツサービス業を営む企業の劇的な話である。初期投資が巨額にかかるビジネスであるが、投資時期が悪かった。時はバブルの最中で、土地建物はもちろん設備費も今で言えば過剰だったのです。さらに当初の収支計画も甘く、売上は初年度から想定を大幅に下回ったままで、3年前には金融機関は不良債権としてノンバンクに債権譲渡しました。昨今は同業との競争が一段と激化して、値引き合戦の影響によりさらに売上が減少しています。こうしていよいよ行き詰った今、なんと同じ地域のライバル企業が買収を申し入れてきたのです。確かに市場が縮小していく中、M&Aは効果的です。
結果的にライバル企業に、この企業は買い取られてしまうという劇的な結末となってしまったのです。
これからは高齢化や人口減少などの需要減少で、デフレギャップ(需要<供給)がますます顕著になってきます。熾烈な過当競争によりこのような勝者と敗者のドラマも多くなってくることでしょう。
勝者となる企業と淘汰される企業との決定的な差は何でしょうか?

  1. 財務体質の違い。具体的には借入金の多寡や自己資本比率、変動損益計算書上の収益性の差は勝敗を決します。
  2. 企業のブランド力。サービスの品質や顧客満足度、従業員の誠実味ある行動、地の利やハードの新鮮さなどが差別化となります。

産業構造の大変化の時は、混乱や淘汰が避けられません。しかしある意味では頑張ってきた企業にとっては大きなチャンスとも言えると思います。
残念ながら今回のケースで、クライアントが淘汰される企業となってしまいました。ちなみに、買い取る側の企業の買収資金がもし金融機関からの借入金で調達するのであれば、このような資金の使い方は将来ための効果的な前向きな借入であるように思います。
借入は確かに約定によって、期限時に必ず返済しなければならない制約があります。そんなことから、借入については資金的な束縛されるので経営上のリスクと考えている経営者は多いのです。
しかし、重要なのは借入の目的です。その資金がビジネスに有意義に使われ、将来の成長発展のためかどうかであると思います。しっかりし計画に基づいた投資と回収、借入と返済は恐れることはないと、私は考えています。

最後に、企業経営とはリスクをとって利益を獲得することとも言えます。先行きの不透明さと経営環境の厳しさから、経営者はリスクをとって積極的に投資や借入をする姿勢が萎えているように感じます。計画的な無理のない借入金であればあまりネガティブに考えるべきではないでしょう。

これ以上政治は悪くならない?

投稿者 Bush吉田 2011年06月10日

 このところの政治家や政権の混乱は目を覆うばかりである。
会計事務所という職業柄、政治と宗教についての発言は本来であればタブーであるが、今回はあえて言わせてもらう。
時代がこんなにも大きく変わっている今、緊急を要する重要な政策課題が山積し、一向に進んでいない。例えば、平成23年度税制改正案なども宙に浮いたまま、震災の復興財源を確保する税制もどうなっていくのか?政治家は国の将来や国民の声は無視して、己の利益のみの政争に明け暮れているように思える。危機的状況下の日本にこのような政治家しかいないのは国民にとって誠に不幸のきわみと言ってよい。

日本が抱えている三つの課題(時限爆弾)としては、国や地方の財政悪化に対して、解消の見通しが無いこと、世界に例のないスピードで高齢化社会なりつつあるが、年金や医療制度の抜本的改革案がイマイチであること、国内企業の大淘汰時代の到来で、日本の産業力が低落傾向にあるのに対して支援策が十分でないこと等が挙げられよう。これらは国の政策で解決するしかない。それには政権トップがリーダーシップを発揮して、野党だけでなく国民を説得していく実力や信頼性が必要である。

英国のエコノミスト誌での日本の政治家に対してのコメントは、「見かけ倒し」「役に立たない」「驚くほど自分のことばかり考えている」と酷評されている(日経5.21大機小機より)。確かに首相の実行力やリーダーシップが無い。政権についてからの実績を見ると明らかである。また、英国フィナンシャルタイムズ紙特約にも首相の実力の無さや自己本位を社説に書かれている(日経6.4抜粋)。震災直後に世界に感動を与えた無私・禁欲の精神を持つ多くの日本国民としては恥ずかしい限りである。震災後、日本人は他人への思いやりや日々の感謝の気持ちを持つようになり、世の中が良い流れになって行くのではないか?友人や企業経営者でもそのような意見を述べる人が増えている。

この流れを無駄にしないで欲しい。つまり、震災復興財源や将来の財政再建のために、消費税増税や復興税を中心に、税金や年金給付など負担を分かち合う議論をするタイミングだと思う。首相が真剣に国民に負担増の必要性を訴えれば、今なら多くの国民が納得するだろう。ただし、国のトップが国民を納得させるには、政治家として真の実力があり、国家に忠実で、私利私欲がなく、人間として尊敬信頼されるリーダーでなければならない。そうでないと、国民は真摯に耳を傾けてくれないはず‥…。
もうこれ以上、余計な心配は止めましょう。
今よりも悪くなりようがないのだから……。

中国賢人からのメッセージ

投稿者 Bush吉田 2011年05月26日

 先日、KG大学国際学部准教授のW氏の「中国の会計と税務」の話を聞いた。
W氏は来日18年の中国人女性、聡明で小柄だがエネルギッシュであった。
講演は3時間と長時間、中国の会計の歴史や現在の考え方や方向性および税務について興味深く聞かせてもらった。
鄧小平の市場経済への移行後、旧ソ連式会計から欧米式会計へ、更にグローバル経済になってからは、国際会計基準IFRSを手本に中国独自の考え方を尊重した会計法をベースにした中国会計基準CASsになっている。つまり、国家の利益を主張し、チャイニーズGAAPを国際的にも認めさせようとする動きをしている。中国は外交や通商だけでなく会計の分野でも「したたか」な国家戦略をもっている、との話であった。

さて堅い話はここまでにして、W氏の講演の中で、雑談として中国と日本の社会やビジネスの違いなどに面白いエピソードを話されていた。
? 曰く「政府や地方政府に顔が利く人間しか豊かになれないのです。」要は、全国民が平等の民主国家でなく、さらには機会均等の社会にもなっていないという意味なのか?いわゆる共産党員の息のかかった者とそうでない者とではビジネスなどの成功のチャンスに格差があるのか?ちなみに、上場している会社の経営には特定の人間しか関れないとのことだ。
? 次に、W氏の知り合いの小売業を営んでいる日本人経営者が原発の放射能漏れで、中国人旅行者が激減し、中国人向けの商品販売で苦戦、その相談を受けたそうだ。W氏は日本で待っているより「中国に出かけてビジネスをしたら良い」と、アドバイスした。今の中国は好景気で、日本製の高品質の商品は人気があり、購買層も多くいるそうだ。したがって、中国に進出してビジネスしていく方が日本でやっていくより成功する確率は高いと話されていた。
但し、中国国内では日本の常識が通用しない。例えば現地従業員の扱い方は待遇や将来のことなど、明確に本人に話さなければいけない。黙っているのは何か隠している、と中国人は疑心暗鬼になるようだ。だからなのか給与も社員同士でお互いに見せっこするのが当たり前になっているそうだ。沈黙は金とか会社と社員は運命共同体など、中国人の個人主義では全く理解できないのかもしれない。
? そしてさらに曰く「日本の就職できない公認会計士についても、金融庁が採用し、中国や世界中へ派遣したらどうか。」日本の金融庁には中国語が話せる職員がいないそうである。グローバル化の中、密接なかかわりのある中国についての理解が必要なのは民間企業だけではない。国家レベルでも、長期的な視野でそういう人材を育成していかなくては、互角に渡り合っていけないはずである。
海外留学を斡旋し、国際感覚を身に付けさせる事や海外の仕組みを勉強する事を国家レベルで行っていると話をしていた。ご存知のとおり華僑は世界中でビジネスを展開しており、このような国際感覚を持った個人が集まり、国を運営していれば、このような発想になるのは当然かもしれない。

? W氏曰く、「中国よりも日本の方が、国家の仕組みは社会主義になっていると感じた」とも話していた。中国人から日本は社会主義と云われるのは変な気持であった。

? 決算に関してもW氏は、「中国では約2,000社の上場企業があるが、その半分は粉飾決算をしている可能性が高い」ようである。
その要因として、目的と原因から曰く、「目的としては企業トップが業績を求める為で、原因は法律不健全・処罰が軽い」事が挙げられていた。
どこの国でも経営者が業績をよく見せたがるのは当たり前であるが、「中国では株式会社の多くは国営企業がルーツである。」「よって会社の業績は出資者の利益の為ではなく、経営者個人の成績表としての性格が非常に強いようだ、」そして、罰則が軽ければ粉飾してでも個人の評価を上げてステップアップする事を望むという背景があるようだ。
W氏は中国でビジネスをする場合には「中国人の本質として不正(粉飾等も含む)は無くならないので、不正がある事を前提に対応する事が大切である」と話していた。とても印象的な内容で、これが今の中国を映し出しているのではないだろうか。

来日18年の中国人学者から両国の違いの生の声を聞きとても面白かった。

ある経営者の英断

投稿者 Bush吉田 2011年05月08日

 5年前、ある中小企業との付き合いが始まった。その企業は経営者が代わった直後で、新経営者は前経営者の親族ではないが、信頼を得てスムーズに経営が承継されていた。
 関与することになって過去5年間の決算書を見せてもらったところ、貸借対照表に売上債権が多額に計上されており、その内訳を調べてみても不明でビックリしました。新経営者も全く知らない状況でした。
 どうも過去から溜まった垢のような残高であったようです。原因としては、売掛金の過大計上や、請求したが未入金の処理を忘れた等、または粉飾があったかも知れない。今となっては会社に証拠もないため調べようがなく、お手上げでした。そこで、新経営者と何度も打ち合わせて、現在の売掛金の残高を確かめていただき、決算年度末に確実に回収が可能な残高に引き直す会計処理を行うことになった。
これは社長の英断とも言える大きな決定であった。
なぜかというと、社長は銀行の反応を懸念していたのです。過去の決算書の大きな訂正は、訂正前の決算書に基づいて融資をしてきた銀行に対して、会社が嘘をついていたことを認めてしまうことにならないか?そして信頼関係を損ない、今後の格付けや融資にマイナスの影響を与えてしまうことにならないか?
 さらに税務上の制約のこともありました。少なくとも会計処理をして損金として認めてもらうためには、証拠書類によってその内容を説明できなければならない。そして損金となる事実があった年度から5年以上過ぎてしまっていれば認められないことになっている。したがって、証拠やタイミングがものすごく重要なのです。
今になって、結果的にはこの社長の決断は良い結果をもたらしました。まず、銀行は決算書の内容はすでにお見通しで、売掛金の過大計上額は独自に分析しており貸借対照表の実態を掴んでいた。したがって銀行は、新社長が就任した最初の年度で決算書を訂正したことに対して、かえって新社長や会社の評価を高めたようでした。ちなみにその後の融資にも積極的で、今でも会社と銀行はいい関係が保たれています。

今、不況や震災の影響で、業績が厳しくなっている企業が多くなっています。経営者の中には決算書を対外的に良く見せかけることにこだわる方もいらっしゃいます。しかし実態の伴わない表面上の黒字は、銀行は見抜いているものです。また税務上も粉飾決算など課税所得の操作に対しては厳しい制約があります。いずれにしても法律にかかわらず、社長は経営に対して真摯に正確な情報を開示する、それは社長の品格の問題でもあります。要は経営者の品格や器で企業の運命が決まってしまうということでしょうか。

頑張れ!福島、茨城の生産者

投稿者 Bush吉田 2011年04月17日

 私が愛用している明治のヨーグルトが手に入らなくなった。
私はもともと大腸に弱く、その商品が健康管理に欠かせない。しかし震災後、そのヨーグルトはどこのスーパーやコンビに見当たらなくなった。乳業メーカーは製造を中止しているわけではないらしい。お店の人に聞くと、地震や計画停電の影響で原乳や資材が不足し、工場の稼働ができなくなって製品の供給不足に陥っているらしい。このような状態がいつまで続くのか心配している。

 学生時代の友人に明治乳業(ホールディングス)に在籍していた人がいる。現在も岡山市に定住して乳業関係の仕事をしている。ヨーグルトが店頭から消えた話をしたところ、岡山でも品薄状態だそうだがなんとか現物をかき集めてくれ送ってくれることになった。友人の好意は本当にありがたいものである。

 今回の東日本大震災はわれわれの生活にいろいろな影響が出ている。
ニュースによると、市場では福島県や茨城県の野菜や魚、酪農などが受け入れを拒否されている。福島県産や茨城県産のものが放射能汚染の騒ぎに巻き込まれて生産者たちは大変な思いをしている。風評による被害といえ生産者には本当に気の毒である。家族とも人との話でもそうだが、野菜や魚や牛乳は多少汚染されていようと殆ど気にしていない。むしろ生産者を応援してあげたいと思っている。市場は消費者の声をよく聞いてほしい。
われわれはこれまで、レントゲンや飛行機に乗ることで浴びるX線(宇宙線)など全く気にしないで生きてきた。食の安全や健康面から見ると、外国製野菜の農薬の方がよほど恐ろしいと思っている。

 ところで、このような風評被害は何故起きたのだろうか?もちろん原発事故の発生がきっかけで放射線に対して過敏になったこともあろう。しかしむしろ、原子力保安員の説明が分かりにくかったことや、政府の情報公開のあり方や報道にも問題があるように思える。難しい分かりにくい説明は正確な情報を伝えたことにならない。また一部のメディアを通して情報の真否について無責任な発言もあったようだ。それで国民は不安をあおられてもしかたがない。

 今回の件で正確な情報をタイムリーに、分かりやすく、しっかりと相手に伝えることの難しさ、そのための工夫がいかに重要かを思い知らされました。専門家が専門用語を使って内容を説明しても、相手が分からなければ何の役にも立たない。このことは会計や税務の仕事にも言えることだと思う。

東日本大震災の被害者にお見舞い申し上げます

投稿者 Bush吉田 2011年03月21日

 報道される東日本大震災の被害は甚大で、想像をはるかに超えるものでした。
亡くなられた犠牲者のご冥福を祈るとともに、被災者には心からお見舞い申し上げます。
この国に生活する者として、同じ日本人として、支援の手を差し伸べたい気持ちでいっぱいです。本来は被災地に救援活動のお手伝いをしたいところですが、素人でかえって足手まといになるだけでしょう。そこで、私はなにか別な方法で復興に協力しよう、と思いました。被害の大きさから見てみると巨額な復興資金が必要です。すでに国内外から多額な寄附金の申し出があります。私どもは復興支援に少しでも役立ってもらえれば、と事務所で義援金を募り寄附をすることにしました。
もちろん、私個人としても、できる範囲内で大震災の義援金として寄附をしたいと思います。
ところで、平成23年度税制大綱(まだ正式に国会で成立していない)では
寄附金についての個人所得税の仕組みが見直されました。
従来、寄附金控除は所得から差し引かれました。しかし、今年度の改正案では直接、所得税より、支出した寄付金額から2,000円を差し引いた額の40%相当が税額から控除することができます。
具体例として、課税所得500万円の人が震災義援金として10万円を寄附したとします。従来の税制で計算すると、500万円から98,000円(寄付金10万円?2,000円)を控除すると、所得税率20%ですから19,600円の所得税が還付されます。
改正案で試算すると、500万円に対する所得税額572,500円から直接に39,200円※マイナスされます。すなわち※税額控除額は(10万円?2,000円)×40%=39,200円となります。したがって改正案の方が有利となります。
本来は寄附の公益的趣旨からすれば、改正案での支出額の40%などとケチくさいことを言わずに、公益性を認められた寄附金は米国のように全額をマイナスしてほしいものですが・・・。
 また、住民税も「ふるさと納税」の活用を考えてみるものよいかと思います。自分のふるさとではなくとも、あらかじめ被災地を指定して寄附金支出を行い、復興に役に立ててもらうこともいい方法だと思います。ちなみに「ふるさと納税」は来年24年度の住民税から控除されることになります。

いずれにしても、寄附金は義務ではありませんし、善意の気持ちで各自の判断で行うものです。とはいうものの、私どもがちょうど終えたばかりの仕事である、平成22年度の確定申告業務においては、寄附金控除の対象者があまり多くありませんでした。
しかし、今回の東北地方太平洋沖地震の甚大なる被害の惨状を目のあたりにして、少しでも役に立ちたいと考えている方々は多くいると思います。政府もそのような気持ちを後押しするような税制を考えてほしいものです。

新社会人へのエール

投稿者 Bush吉田 2011年03月01日

 先日、なじみのお鮨屋さんへ娘と出かけた。
あまり出来が良くない次女(おっと失礼、こんな公の場で書いたらきっと怒るに違いない…)ではあるが、この厳しい就職難の時代になんとか就職先が決まってホッとしている。
その娘が食べる鮨は子供のころよりずっと「わさび抜き」。
「ここのわさびは本物で美味しいのに‥‥何で?」
どうやら理由は、私とこの店の板前さんにあるんだとか。
「子供の頃、この店でわさびのた?っぷり入った鉄火巻きを食べてから嫌いになった…」、「これは、絶対にお父さんと板前さんのいたずらに違いない!!」と。
そしてそれ以来、一切わさびを口にしなくなったという頑固者。

 その娘が、当日、私に誕生日プレゼントをくれた。
携帯ストラップとにおい袋「香福袋」をもらった。わざわざ鎌倉まで行って選んでくれたようだ。
携帯ストラップににおい袋とは…私がいつも付けているTKCロゴ入りの携帯ストラップがダサいのと、加齢臭防止?を考えたせいだろうか。ともあれ、娘の心遣いに大変うれしく、ありがたく受け取った。

 さてさて、食事中の会話より。
娘は、「学生時代もあとわずか。これからは自由な時間がなくなる、大いに楽しまなきゃ。」と、4月の入社まで友人たちと卒業旅行など遊ぶ計画がぎっしりなのだとか。
 それを聞いた私が黙っている訳もなく、「それより、内定した会社(システムコンサル)の業務に必要な最低限の知識はもっているのか?」
もちろん娘は「‥…」沈黙。
私はさらに続けて「この厳しい就職難に採用してくれたのに、そのくらいの基礎知識は身に付けておくべきだ。会社は新入社員に早く会社の役に立って欲しいと願っているはずだ。そんな期待から、多くの就職希望者の中から選ばれて内定されたのである。就活の厳しさを忘れないように‥‥」
娘はうつむいて「……」シラ?っと。
そんなムードも全く無視して、こともあろうに私はどんどんエスカレートして、教訓じみたことまで言ってしまった。
「だいたい今時の若者は学生から社会人になって、180度立場が変わるのを理解していない。お前も良く考えてみなさい。つまり授業料を払う側から給料を貰う側に立場が大きく変わるのだからそれを自覚しなければならないだろう。」
ついつい、雇う側からの見方で気合?が入ってしまいました。
折角の楽しい夕食のはずだったのに、シラけた時間となり、「あーあ、これじゃあ、まさにKYだよ。」と思っていると、娘が「じゃあ、どんな本を読めばいいの?」と質問をしてきた。
私は、「基礎知識なら日経文庫などに揃っているよ。」「わかった、明日、ジュンク堂に行ってくる。」
「ああよかった。」娘の言葉に本当にホットしました。
私のわさびのような辛い教訓を少しは気に留めてくれたのだ。
本音で語ることも大切かもしれないと思いました。
新社会人よ、娘よ、頑張れ!多くの先輩たちはエールを送っているはずです。

日本JC同窓会 (2)

投稿者 Bush吉田 2011年02月26日

さて、今回は前ブログからのつづきとなります。

N君(久喜JC)は建築塗装業を営み、アスベスト除去などで特殊な技術をもっている。アスベスト除去が社会問題化し業績が大幅アップしたのはいいが、その後、査察が入って大変だったとか。昔から男気のあるN君、建設業界の泥を一身にかぶり大きな税負担となったようです。しかし、仕事をするうえで最も大切?にしなければならない信用、つまり秘密や約束などは、当局には最後の最後まで漏らさず、関係先へは一切迷惑をかけず大いに株が上がったとか…。
私どもの事務所のクライアントでなく本当によかった!?(笑)
と思いました。

M君(となみJC)は繊維ニット加工業を営んでいる。歴史ある会社で日本ならではの繊細な製品を手がけている。得意先が大手商社で、製品に細かく口を挟んでくる。最近、経営に関することをいろいろと銀行と商社が共に提案してくるのがなんともしたたかなことから不気味に感じているとか…。

K君(川越JC)は地元で電気機器の販売と修理で活躍している。きめ細かいサービスが高齢化社会に受け入れられ、大いに忙しくなってきているようだ。また、K君は大変な勉強家でユダヤ教の聖典タルムード(ユダヤ教徒の生活・信仰の基)に詳しく、ある大学では臨時教授になったとか…。

H君(東入間JC)は富士見市の市会議員であったが、今月其の職を辞して、この4月の埼玉県県議会に立候補するとか。H君は日本JCで、M委員長のセクレタリー役としてチームをまとめるべき黒子に徹してよい働きをしていた。私には残念ながら選挙権はありませんが、来る選挙の当選を祈っています。

N君(富山JC)本業は地元で都市ガス会社を経営しているが、実は、N君はこの委員会を出た後11年目に1998年度日本JC会頭になっています。

ちなみに現在の日本JCは新制度の公益法人として認定を受け、全国各地の709ヶ所のJCロムの頂点の組織である。
JCは日本の将来を担う若者(40歳まで)を研鑽するのに最も優れた団体だと私は考えています。

さらに別の小委員会のメンバーであるが、会計事務所の同業者である、お座敷遊びの好きなN君(豊田JC)やゴルフシングルプレイヤーを目指しているI君(八ヶ岳JC)とも雑談や名刺交換をした。両君とも私と同じTKC会計人であったことが驚きであった。

このように25年ぶりに、若き日の現役JC時代を思い起こし、懐かしく楽しいひと時を過ごしました。皆と会ってよい刺激を受けて、当時の志を思い出し、改めて活力が湧いてくるように思いました。

日本JC同窓会 (1)

投稿者 Bush吉田 2011年02月23日

 先日、日本青年会議所指導力開発委員会の同窓会がありました。
ご存知の方も多いと思いますが、青年会議所はJCとも呼ばれ全国各地にあります。日本JCはその上部団体で、全国JCから志士を募って運営されています。
私は、その日本JCに1987年度に藤沢JCから出向していました。

そんな訳で25年ぶりの再会となった訳ですが、案の定、すっかり老け込んで様変わりした人や昔とほとんど変わっていない人とさまざまでした。
が、皆との会話や表情に接していると、25年前にタイムスリップしたかのごとく当時の記憶がよみがえってきました。

当時(昭和62年)はバブル前の好景気、我々メンバーも若くて何事にも熱くエネルギッシュでした。JC活動はもちろんのこと懇親会などにもアクティブで、昼の部も夜の部も周りがあきれるほど元気!でした。
 今回の同窓会には委員会全体で50名弱(総勢114名、物故会員7名)の出席、私のいた第2小委員会では27名中12名の参加でした。残念ながら物故会員も2名おりました。
当日は、第一部で委員長など幹部の挨拶と参加者全員の3分間スピーチで、近況報告やJCで学んだことがその後の人生でどう生かされているかなどが多く語られました。いろいろな経験を重ねてきた皆のスピーチは味があって、大変面白く飽きのないものでした。第二部は立食パーティーで談笑や携帯番号のやり取りです。何しろ、当時は携帯やメールが普及していませんでしたから…。
 二次会は、銀座の小さなバーを貸し切って、第2小委員会のみで25年前に回帰し、わいわいがやがや楽しく語らい、酒を酌み交わしました。

そんな面々の感心したこと、面白かったことを披露します。

M君(東入間JC)は我々小委員会のリーダーで、飲み会では「とりあえずビール2本!」が口癖でした。その独特な人柄で委員から人望があった彼は、日本でやっている金属加工業をベトナムでも展開していこうと考えている方です。すでに中小企業でも進出している企業がかなりあるそうですが、本格的な経済発展はこれからです。一番の壁は言葉と法律だとか…。

I君(室蘭JC)は医療法人を経営する歯科医ですが、北海道で社会福祉法人の理事長も兼務しています。その法人でケアハウス・デイサービスや養護老人ホームなど運営していますが、それはほとんどボランティア仕事で、個人としての経済的なメリットは無いが、社会奉仕活動としてのJC時代に学んだやりがいを感じているとのこと…。

S君(大曲JC)はガラス加工業で優れた技術をもっており、本社移転後、市場として魅力的な東南アジア諸国に工場進出を考えている。優れた技術が現地に根付くかどうか、言葉や考え方の違いをいかに克服すべきかが課題とか…。

I君(幸手JC)は幼稚園の理事長。毎日園児から若さと元気をもらいながら自分自身も成長しているとか。相変わらずのユーモアとウイットに富んだスピーチに楽しませてもらいました。I君25年前とほとんど変わらず、実際の年齢よりも若々しく見えるのは、毎日園児から若さをもらっているためなのか???。

T君(浜松JC)は省力化機械の設計製造業ですが、このところの自動車など大手製造業の海外進出で、製造業城下町の浜松地区でもかなり元気が無くなってきているそうです。こんな状況下で受注の確保が難しく、また高齢化してきた熟練者から若手への技術の承継が悩みの種とか…。

《次回へつづく》

新社会人へのエール

投稿者 Bush吉田 2011年02月23日

 先日、なじみのお鮨屋さんへ娘と出かけた。
あまり出来が良くない次女(おっと失礼、こんな公の場で書いたらきっと怒るに違いない…)ではあるが、この厳しい就職難の時代になんとか就職先が決まってホッとしている。
その娘が食べる鮨は子供のころよりずっと「わさび抜き」。
「ここのわさびは本物で美味しいのに‥‥何で?」
どうやら理由は、私とこの店の板前さんにあるんだとか。
「子供の頃、この店でわさびのたっぷり入った鉄火巻きを食べてから嫌いになった…」、「これは、絶対にお父さんと板前さんのいたずらに違いない!!」と。
そしてそれ以来、一切わさびを口にしなくなったという頑固者。

 その娘が、当日、私に誕生日プレゼントをくれた。
携帯ストラップとにおい袋「香福袋」をもらった。わざわざ鎌倉まで行って選んでくれたようだ。
携帯ストラップににおい袋とは…私がいつも付けているTKCロゴ入りの携帯ストラップがダサいのと、加齢臭防止?を考えたせいだろうか。ともあれ、娘の心遣いに大変うれしく、ありがたく受け取った。

 さてさて、食事中の会話より。
娘は、「学生時代もあとわずか。これからは自由な時間がなくなる、大いに楽しまなきゃ。」と、4月の入社まで友人たちと卒業旅行など遊ぶ計画がぎっしりなのだとか。
 それを聞いた私が黙っている訳もなく、「それより、内定した会社(システムコンサル)の業務に必要な最低限の知識はもっているのか?」
もちろん娘は「‥…」沈黙。
私はさらに続けて「この厳しい就職難に採用してくれたのに、そのくらいの基礎知識は身に付けておくべきだ。会社は新入社員に早く会社の役に立って欲しいと願っているはずだ。そんな期待から、多くの就職希望者の中から選ばれて内定されたのである。就活の厳しさを忘れないように‥‥」
娘はうつむいて「……」シラ?っと。
そんなムードも全く無視して、こともあろうに私はどんどんエスカレートして、教訓じみたことまで言ってしまった。
「だいたい今時の若者は学生から社会人になって、180度立場が変わるのを理解していない。お前も良く考えてみなさい。つまり授業料を払う側から給料を貰う側に立場が大きく変わるのだからそれを自覚しなければならないだろう。」
ついつい、雇う側からの見方で気合?が入ってしまいました。
折角の楽しい夕食のはずだったのに、シラけた時間となり、「あーあ、これじゃあ、まさにKYだよ。」と思っていると、娘が「じゃあ、どんな本を読めばいいの?」と質問をしてきた。
私は、「基礎知識なら日経文庫などに揃っているよ。」「わかった、明日、ジュンク堂に行ってくる。」
「ああよかった。」娘の言葉に本当にホットしました。
私のわさびのような辛い教訓を少しは気に留めてくれたのだ。
本音で語ることも大切かもしれないと思いました。
新社会人よ、娘よ、頑張れ!多くの先輩たちはエールを送っているはずです。

分らないことは聞けばいい

投稿者 Bush吉田 2011年02月05日

 1月27日、事務所主催のセミナーを行いました。今回は講師として、先日のブログでも紹介した私の友人でもある「ユニークな経営者」を招き、「二代目社長の30年間の歩み」について講演をしていただきました。
あいかわらずのユーモア交えての語りと説得力とで2時間があっという間に過ぎてしまいました。
その内容の一部‥…
彼のグループ会社の中に通信販売の会社がありますが、その会社を13年前に新規に立ち上げた時のエピソードです。
もともと、彼の会社は特殊栄養食品の卸売業です。
当時の介護医療の現場は、医療機関から在宅へ(3か月で退院を強制)と変化し始めた頃でした。
ところが、消費者である介護者は高齢で、商品の購入はわずらわしいことばかり。
そこで彼は商品を介護者に直接供給する仕組みが必要とされているのではないか、と考えました。が、そのような方法は小売業者にしてみれば、宅配の手間暇ばかりで商売のメリットは僅かなもの。
 そんな現状から、在宅へ直接販売する通信販売業を立ち上げ、より広く顧客に商品を直接供給をすることを決意しました。さらに医療現場の生の声を聞くことで商品開発にも繋がるのではないか、と。

ところが、もともと異業種の会社です。通信販売のノウハウなど皆無に等しく‥‥。そこで、彼が目をつけたのが当時、文房具の通信販売で大きく躍進していた「A社」。社長に会って話が聞きたい!と言ってもすぐに会える訳もありません。知り合いもコネもなく、途方に暮れていたところ、ある地方銀行の支店長さんが偶然A社の社長を知っており、彼に紹介してくれることになったそうです。ただし、その後にその銀行での新規借入れというおまけがついたそうですが(笑)。

念願かなって、この時のノウハウが彼のネット販売会社のベースとなり、現在の大きな飛躍に繋がり、年々右肩上がりの成長を遂げています。

彼に対して、いつも思うこと。
思いついたことはとことん実行に移す。
たとえ、壁にぶつかろうとも、決してあきらめず、ぶれない粘り強さ。

さらに‥…
知らない人に対しても果敢に会いに行って教えてもらう勇気をも持ち合わせている。
「分からないことは人に聞けばよい・・・。」
「但し一人だけではだめで、そのことに詳しい複数の人々から話を聞く・・・。」
そこで、最終的な経営判断を下す。
そして、一度決めたことは、壁や障害が出てきても、長い間粘り強くチャンスを待ち続ける。

チャンスが来たときは持ち前の恐れを知らない度胸で、社員だけに任せず自らから積極的に行動を起こすことが、今日の成功要因の一つになっているように思います。

 彼曰く「途中であきらめて、計画やアイデアだけで終わっていたら、会社はもうとっくになくなっていたよ・・・・・。」
「あのとき、A社の社長に会える幸運があったからこそ、今日がある・・・。」

なるほど・・・・・。

経営者受難の時代

投稿者 Bush吉田 2011年01月28日

年が明けて、経営者の方々とお会いする機会が増えてきました。
やはり、年頭なので今年の経済状況の動きや会社の業績見込みなど、あれこれ経営者からお話を聞いたり、逆に質問されたりすることが多いように思います。
ある経営者の方が、私に税制について次のように語りました。
「吉田さんが昨年のセミナー(22年4月28日)で言っていたことが本当になったね、金持ちや高額給与の役員を狙い撃ちにした‥…」、「これからは努力した人が報われない、社会主義のような?嫌な流れになって‥…」
この経営者は長年の苦労が実って、経営している会社が成長し続けている。会うといつも、将来の希望や夢を熱く語り、もっともっと会社を発展させたいと、精力的に会社経営に頑張っている方だ。
今回の税制改正案は、このような経営者から見るとやる気を無くし、モチベーションをマイナスにさせるような内容ともいえる。会社を成功させ、その褒美として高額報酬を得たいと意欲を持っている経営者には、水を差すことになろう。

平成23年度改正案では、給与所得が給与所得控除額の見直しで増税される内容だ。従来、給与所得は1500万円を超えていても5%相当は給与控除額が増加したが、改正案では1500万円超では給与所得者の給与所得控除額が頭打ちになる。具体的にいうと次の通りになる。

「役員等」の給与所得控除額の見直しによる具体的な影響

*「役員等」の範囲

  1. 法人の取締役、監査役、理事、監事等の法人税法上の役員
  2. 国会議員、地方議会議員
  3. 国家公務員(特別職や指定職の一定の職員)
  4. 地方公務員(上記3.に準じたもの)

税法には課税の公平性の大原則がある。
平成23年度税制改正案では、このように役員と社員に税負担に差をつけることになるが、この差別は一体なんなのだろうか?うがった見方をすれば、一般社員は善良な人たち、しかし役員は私的経費を自由に会社に付け替えできるので、ずる賢くて悪いから、罰金的に税金を重くしてやれ、とでも思っているのだろうか?いまどきの企業経営は熾烈な競争の中で公私混同できるような甘い時代ではない。この改正案はまったく筋が通っていない!
例えば、新入社員から頑張って出世して役員になった人、また独立して起業した人が会社が発展して褒美として高額報酬を貰うようになった途端、このような差別を受けることになるのが、どう考えても納得できない。

今の日本は、多くの人々がリスクを嫌って守りモードになっていることが課題のように思われる。今回の税制は、やる気があって立身出世を目指す人々や起業家精神旺盛な人々に水を差すようなものである。
頑張った人たちや成功者を社会が称える制度や仕組みにしていかなければ、この閉塞感を打破できないように思うのは私だけだろうか‥…?

芸は身を助く

投稿者 Bush吉田 2011年01月21日

 事務所のS君が結婚した。彼は、個人事務所より通算して14年目の中堅職員だ。その彼が40歳になって幸せ!をつかんだ。結婚に関しては、後輩職員にいつも後塵を浴びていた。先日の披露宴で、S君の母親が「先生、私は本当にホットしました。もう死んでもいいと…」と話されたのがとても印象に残っている。また職場でも、直属マネージャーや総務マネージャーも不器用なS君のことを本当に心配していたので、私を含め、皆で本当によかったと‥‥。
 S君は、大変「まじめ」で事務所のルールは誰よりもきっちり守り、信頼できる職員だ。しかし、何か変化が生じるといちいち上司に相談して指示を仰ぐ、きわめて融通が利かないタイプ!?でもあり、上司が時々いらいらすることも。
が、彼は誰よりも「やさしさ」を持っている。クライアントに何か頼まれれば、例え、休みの日でもクライアントのために出かけて奉仕する。その姿勢には仕事を超えて、やりすぎだと思うこともありますが、これがまた、クライアントから信頼を受ける理由の一つなのでしょうね。
また、彼にはケーキ作りという特技もあります。確定申告の終了時、ホワイトデーのお返しなのか?毎年、事務所女性職員に手作りケーキを振舞っています。私も何度かご馳走になっているが、その美味しさはプロ顔負けと言ってもよいほど。
実は、今回の結婚の縁は、ケーキから始まった。
S君は大変おしゃれ好きでスーツやネクタイはブランド物。そしてオーデコロンや香水を愛用していた。そんなことから、通い続けていた馴染の店で、Aさんと顔見知りになり、だんだん恋心を持つようになった。ある日、S君はAさんが「今度の**日、私の誕生日…」そんな話を聞きだした。早速、S君は「誕生日のお祝いにケーキを作ってあげる・・・」と申し出た。
これがきっかけとなってS君とAさん、お付き合いが始まったそうである。
そういえば、二年前頃からS君は急に明るい顔になった。S君に愛が芽生え始めたのかもしれない。それまでは、S君の女性に関する噂を聞いたことも無く、その代わり?姪っ子をものすごくかわいがっていた。まるで恋人のように、携帯電話の写真を見てやさしい気持ちを満たしていたのかもしれない。いつも暗い硬い表情だったS君が急変した。本当に分かりやすい・・・。

晩生のS君は、ケーキ作りを武器に嫁さんを射止めた。「芸は身を助ける」と言うが、ぴったりのエピソードである。
長年、待ち望んでいた女性と一緒になり、これから二人で楽しく明るい家庭を作り上げていくことを祈っている。そして、赤ちゃんに恵まれて「もっともっと明るい笑顔」を見せて欲しいと思っています。

ユニークな経営者

投稿者 Bush吉田 2011年01月16日

 みなさん、あけましておめでとうございます。
今年は、肩の凝らない?、柔らかなタッチ?を目指します!ので本年もどうぞ、よろしくお願い致します。

私の友人に大変ユニークで元気な経営者がいます。
二代目である氏は、30年前、父親から医療機関向け食品の卸売業を営む、会社を引き継ぎました。現在、会社は大きく変貌をとげて、治療用食品や特殊栄養食品などを開発企画し、販売しています。摂取する栄養に制約がある病人にとって、食事は悩みの種です。氏はそんな悩みを何としてあげたいと考えたそうです。そして長年の努力が実を結び、病人のいる家族の難問を見事に解消したのです。困った人たちの手助けをし、必要とされる企業となって本当に素晴らしいと思います。
 氏は、このブログにも登場します、毎年恒例の海外視察旅行メンバー3人のうちの1人です。昨年は、10月にスペインに出かけました。10日間も旅行で一緒に行動すると、人となりがよく分かります。氏はいつもテンションが高く、元気で明るい性格です。「スペインは食べ物も美味しいし、素晴らしい文化遺産が沢山あって、美人が多いしね…この国を見直したよ…」といった調子です。食事も人一倍食べ、アルコールにも強く、海外でも行動は積極的です。見知らぬ外国人にも、真っ先に道を尋ねたりします。外国語はあまり出来ないようですが、度胸があるのでしょうか…。海外で道に迷ったときなど、氏がいつも聞き役になってくれています。
我々は三人は同級生で、そう若くはありません。海外旅行では時差もあって寝不足と疲労で体調や気分がすぐれない時もあります。が、氏は決してそうはならず、常にハイテンションです。そのパワフルさにはいつも感心させられています。
 半面、氏は、決して衝動的な行動もとりません。きわめて堅実なところもあります。スペイン旅行で私ともう一人が突然、ジブラルタル海峡を渡ってモロッコに行こう、と言い出したところ、氏は反対しました。海外では何が起こるかわからない。あらかじめ計画もしておらず、「事情も分からないのに気が向くままに行動して、帰れなくなったらどうするのか‥‥?」
氏は、不透明なことやリスクに対してはきわめて慎重なのです。経営でも堅実な姿勢で臨んでいます。実際に行動する前に、十分な事前準備を欠かしたことがありません。したがって、経営で決めたことについてはブレがほとんどないようです。
 昨今の不況の中、氏の会社は毎期、毎期、目覚しく成長し続けています。
そんな氏の話を1月27日【木曜日】14時?、「元気な会社のその理由は…」をテーマに私ども事務所のセミナールームにて行います。経営者の方々に何か参考になるヒントがあるかも知れません・・・。
先代の経営者から引き継いで、30年、会社規模も数十倍に成長を遂げ、全く違うビジネスモデルの会社を築き上げました。
これから経営する人や後継者の方に聞いてもらいたいと思っています。
ご興味のある方、ぜひご参加ください。
詳細は、セミナー案内のページまで。

心配な日本・・・・・

投稿者 Bush吉田 2011年01月02日

 日本の財政が悪化している。平成22年末の借金(国663兆円、地方200兆円)がGDP比1.84倍となり先進国では最悪である。また国の借金を来年度の国税収入見込み(41兆円)で換算すると16年間分以上に膨れ上がっていることになる。そんな状況下、来年度一般会計予算案と2011年来年度税制大綱(**財務省HP)が決定され、内容を見て本当に心配になった。

ここで、国の財政を企業の財務状態や経営成績に置き換えてみると、22年度末の貸借対照表上の借入金は16年間分の売上高に相当し、いつ破綻してもおかしくないほどの借入過多である。破綻しないのは個人金融資産1400兆円が国債の購入に充てられているからである。来年度の損益計算書上では売上高(税収41兆円)に対して、コスト(国債返済以外の歳出71兆円)が多く、30兆円も大幅な赤字でその不足額を資産取り崩し(埋蔵金)と借入金(国債発行)の積み増しで穴埋めしている。過去の実績においても、20年間に亘る経常収支の赤字の蓄積で借金(国債残高)が膨れ上がり続けている。将来、子供たちに多大な負担を強いることになる。

 こんな状況なら企業ならどうするか?トップ経営者は再建策を立てて、社員、株主や債権者など利害関係者に再建までの道のりをキチンと説明し、給与カット、増資や債務免除などの苦痛を伴う負担や協力を仰ぐはずである。優秀な経営者であれば、利害関係者への求心力や問題解決をしていく実力がある。自己の利よりも他人や公を優先する人望や徳も備わっている。

しかし国に置き換えると、残念ながらこのような実力や人望を備えている指導者がいないようだ。このような財政事情から、国民も増税の必要性は分かっている。また大多数の与党議員は財源を確保するために消費税を上げなくてはならないと考えている。消費税を5%アップすると12兆円の増収が見込まれるが、7月の参議院選挙の敗北で消費税の増税議論を引っ込めてしまった。全く腹が据わっていない。
今回の税制改正のポイントは、1.法人税率の引き下げ。企業の国際競争力を増すために、法人税の5%引き下げは最後までもめたようだ。まだまだ中国や韓国などアジア諸国と比べると高すぎるように思う。2.高所得者や資産家をターゲットにした増税。影響を受ける高所得者は、勤労所得者の1.2%で50万人だそうである。相続税の基礎控除の引き下げと相続税率をアップする。

こんな偏った考え方では、これから資産家、やる気ある優秀な人材、高収益企業が日本を見限るのではないかと心配になる。

今回の来年度一般会計予算案と2011年来年度税制大綱は政治家の保身が見え隠れする中途半端なものである。財政はそんな小手先ではどうにもならないほど悪化している。民主党政権は社会保障費などを重要視して年金や医療費、子供手当てなど人に優しい予算を目指している。それはそれで素晴らしいことだと思うが、その財源負担のあるべき姿までを明確にしなければ全く無責任である。

この難しい局面、指導者である政権トップは捨て身の覚悟でなければ国民をリードできないと思う。選挙や党利党略を度外視して、国民のために自己の信念や思想に基づき真摯な姿勢で仕事に励むべきである。
国民を啓蒙し説得できる、真の指導者の出現が望まれる。