湘南パートナーズ税理士法人

Bush Yoshida's Blog

ブログ

相続税は「酷税」~税高くして国は衰退する

投稿者 Bush吉田 2018年08月29日

 以前にもこのブログで触れたことがあるかもしれません。

相続税は1905年、日露戦争で疲弊した財政を再建するために創設されたものです。
当時の日本は、明治維新から38年目の新興国で欧米列強に比べ貧乏な国でした。
常識的に考えても、よくもそんな状況で大国ロシアと戦争などしたものだと唖然とします。
そして、幸運なことにアメリカの仲介でポーツマス条約を締結して辛うじて終戦を迎えました。

しかし、想定していたロシアからの戦時賠償金を得ることができず財政は逼迫、その穴埋めとして大増税、そのうちの一つが相続税の創設でした。
 
世界諸国を見渡してみると、相続税が無い国がほとんどです。
ロシアやオーストラリア、カナダ、シンガポールはもちろん、あの社会主義国家である中国でさえも相続税はありません。
アメリカ、英国、フランス、ドイツは相続税制度が存在する数少ない国ですが、その中で日本が最も厳しい税制と云われています。

課税最低限である基礎控除額が3,000万円に相続人一人当たり600万円とものすごく少額であること、また、その税率は累進課税で最高税率55%と世界では他に類を見ないような高い税率の「酷税」なのです。

ちなみに、課税最低限について見ると、アメリカは6億円で、ごく一部の富裕層にしか課税されません。
英国、ドイツも日本より高いそうです。
累進税率でみると、最高税率は40%が多く、55%も課税する国は日本だけなのです。
相続税や所得税等の個人課税に関してみれば日本は、税金「社会主義・共産主義」だと思います。

一方、日本の財務省では相続税課税は格差是正、富の再分配のため、と大義名分を立てています。
昨今、年間の相続税の納税額は2兆円を超えており、所得税、消費税、法人税に次ぐ税収の大きな柱となっています。
この先、高齢化が進み益々税収として増加することでしょう。
その反面、国の財政は悪化の一途で、現在公的な債務残高は1,090兆円に上っています。よって財務省は相続税の税収財源に対してものすごく期待しているはずです。

 よくよく考えて見ると、相続税は二重課税だと思います。

戦後の高度経済成長でインフレによる資産の値上がりがありました。
資産のうち、まだ課税されていないインフレ等による含み益相当額に相続税を課すことは賛成です。
しかし、既に先代の相続時に課税されている資産や、所得税等を支払った後のストックまで課税することは反対です。
つまり、心血を注いで得た資産に対して所得税を課すことは当然だと考えますが、本人が亡くなった時の残ったストックを、更に相続税で課税することはどう考えても二重に課税することになるように思います。

 このような社会主義的な過酷な税制では国民はやる気をなくしてしまい、意欲的な成功を目指す有能な人々は日本を見捨て国外に移住してしまうのではないでしょうか。
 頑張れば、頑張る程、その成果が所得税等として課税され、亡くなれば次世代が相続税として課税されます。
結果として税金を支払うため財を成したようにすごくむなしい思いになるでしょう。
社会主義のソ連の崩壊を想いだしてください。
政策的に結果の平等を求めれば求めるほど経済は発展しなくなります。
なぜならば、有能な人ほどやる気をなくし、働かなくなってしまうからです。

過去の教訓から、「税高くして国が衰退する。」と云われています。

私は日本がそんな国になって欲しくはありません。

コメントはありません

AI時代、専門家はどうする?

投稿者 Bush吉田 2018年08月13日

先週、猛暑の中、税理士試験が行われました。
当事務所でも多くの職員が資格取得を目指して受験しています。

そんな中、気になるのは、この資格を目指す受験者数が年々減少していることです。

 ある雑誌の特集記事にAI時代になると消える職業の上位に、税理士や公認会計士、経理専門家が上げられていました。
また、折角勉強して厳しい試験をパスして資格をとっても、かつてのように将来成功が約束されるような社会情勢でないことも理由の一つなのでしょうか?
これらは税理士業界だけではなく弁護士、歯科医、公認会計士、社会保険労務士、司法書士にも云えるかもしれません。

日本の低成長下経済において、このような現象はすべての産業に押し寄せているものだと思います。
現在は正に時代の大きな転換点です。
同じ職業でも既成概念で捉えるとそういう結論になりますが、AI時代になってもAIには対応できない生きている生身の人間にしかできないサービスを提供できれば、話は別です。

つまり、同じ税理士業でも従来と全く異なるサービスを提供できれば、新しいサービス業として可能性が限りなく広がります。
まさに競争相手のいない未開拓市場(ブルーオーシャン)を掴むことができるのです。
生きている人間にはAIにはない能力を持っています。
人間は喜怒哀楽の感情や直感(第6感)が備わっています。
これは個人差もありますが、この能力を鍛え、身に付けることがAI時代では極めて重要になってくると思います。

すでに、AIは一部タスクでは人間をはるかに凌いでいます。
一定の条件下での目的を達成する最も合理的な手段を導き出すこと、その典型的な例として将棋や囲碁では人間はAIに完敗しています。

ではどうやってこの能力を鍛えるのか・・・。
人間がブルーオーシャンに気付くには不要な情報氾濫から解放され、古臭い概念や先入観を度外視し、直感力を働かせて本質を掴むセンスを持ち合わせなければなりません。
しかし、今の日本の教育は恐ろしいことに人生の一番多感で生涯の価値観が決まるであろう大事な成長期に、学習塾に通い詰め、挙句の果てに、偏差値で人の価値を決めてしまっています。
また資格試験制度も記憶力重視の知識を問う内容ばかりです。

ちなみに、実務を行う上では、覚えた知識をただ説明するだけならばAIの方がよほど正確で的確と言えます。
ですからそんなAIとの差別化をはかるためには人間力を生かし、クライアントに対して、話をよく聴き情報を収集し選択し、どこに問題があるかと探し出すことから始まります。 
仕事のプロセスはクライアントとよく打ち合わせをしながら、適正の範囲内で要望に合ったコンサルティングサービスを提供しなければ、本当の満足を得ることができません。

専門家は人間力とコミュニケーション能力が問われる時代となっています。

コメントはありません