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民主党によって税制は、どう変わるのか?

 
(民主党の税制概要)
今回の衆議院総選挙で、民主党政権が誕生したことにより、税制が抜本的に改革されることが予想されます。
2009年7月17日現在の民主党の税制について、民主党政策集より要約してみました。
 
1.税制改正過程の抜本改革
 @税制改正は、納税者にとり「公平・透明・納得」できるものとする。
 A与党内の税制調査会を廃止する。
 B財務大臣の下で政治家をメンバーとする新たな政府税制調査会を設置する。
 C国会審議も充実させるため、社会保険料も含めた歳入全般の議論を行うための「歳入委員会」を新設する。
2.税・社会保障共通の番号の導入
  真に支援を要する人を政府が把握して、その人に必要な支援を適時・適切に提供し、あるいは不必要な給付を回避するために、納税と社会保障給付に共通の番号を導入する。
3.納税者権利憲章の制定と更生期間制限の見直し
 @納税者意識を高めるため、確定申告を原則とし、給与所得者については年末調整も選択可能とする制度を導入する。
 A@の前提として、納税者の権利を明確にするため、「納税者権利憲章」を制定する。
 B納税者の権利を守るために、納税者側の納税額の更生等の期間制限1年と課税庁側の更生期間5年という不均衡を見直す。

 

4.国税不服審判所のあり方の見直し
  国税不服審判所は個別課税事案に対し、納得できない納税者の主張を聞く場でありながら、審判官の多くが財務省、国税庁出身者で占められていることは課税庁よりの判断となり易く、税が議会制民主主義の根幹であることから、国税不服審判所のあり方を納税者の権利を守る点から見直す。
5.所得税関係
(1)基本的な考え方
所得格差の拡大を防ぐため、高所得者に有利な所得控除から税額控除、手当、給付付き税額控除(税額控除の額>税額の時、この差額の一定割合を給付)へ切り替える。

 

(2)年金課税
 @年金課税方式の見直しにより、65歳以上の場合、最低保障額を120万円から140万円に引き上げる。
 A50万円の所得控除として、「老年者控除」を復活させる。

 

(3)住宅ローン減税等
 @住宅ローン減税は、バリアフリー化、省エネ化などに重点をおいた負担軽減策を講じる。また、自己資金による建て替えの場合は、
 負担軽減措置として「投資減税」を創設する。
 A社会保障制度を補完する遺族・医療・介護・年金等の保険商品に係る保険料控除制度を創設して、所得控除限度額を15万円程
 度に引き上げる。 (

 

(4)金融所得課税

 @金融資産の流動化のために、総合課税が望ましいものの当分の間は分離課税とし、損益通産の範囲を拡大する。

 A証券税制の税率は、経済金融情勢から当面維持する。

 

(5)給付付き税額控除制度の導入

 @下記の「給付付き税額控除」をいずれかの目的や組合せの形で導入することを検討。

 イ. 基礎控除の代わりとなる「低所得者に対する生活支援を行う給付付き税額控除」

 ロ.消費税の逆進性緩和対策として基礎的な消費支出に係る消費税相当額を一律に税額控除し、控除しきれない部分を給付する、
 給付付き消費税額控除」

 ハ.就労への動機付けのため、就労時間の伸びに合わせて「給付付き税額控除」の額を増額させ、就労による収入以上に実収入
 が大きく伸びる形の「就労を促進する給付付き税額控除」

 A@は、不正還付、不正受給を防ぐためにも所得を性格に把握する必要があることから、納税と社会保障給付に共通の番号制度の
 導入が前提となる。

 B税額控除額全額を控除するだけの税額がなく、給付を受ける場合は、その給付額はまず、年金や医療等の社会保険料負担分と相
 殺することを検討する。

6.消費税関係
 @税率は、5%を維持する。
 Aインボイス(仕入税額控除の際に税額を明示した請求書等の保存を求める制度)を導入する。
 B客観的な統計に基づき、年間の基礎的な消費支出に係る消費税額を一律に税額控除し、控除しきれない部分について給付する、
 「給付付き税額控除」制度の導入。
7.法人税関係
(1)基本的な考え方

 @租税特別措置の抜本的な見直しを行い、これに伴い、課税ベースが拡大した場合は国際競争力の維持・向上を勘案した法人税率
 の見直しを行う。

 A研究開発の促進のために研究開発税制を時限措置から恒久措置とする。

 B欠損金の繰り戻し還付制度の凍結解除する。

 

(2)中小企業支援税制

 @中小企業に係る法人税の軽減税率は当分の間、11%とする。

 A「特殊支配同族会社」の役員給与に対する損金不算入制度の廃止をする。

 

(3)特定非営利活動法人支援税制等の拡充

 @認定特定非営利活動法人の要件緩和、認定手続きの簡素化。

 Aみなし寄附の損金算入限度額の引上げ及び寄附の税額控除制度の創設により、支援税制を拡充する。

 B所得税の寄附優遇税制については、税額控除制度を創設し、現在の所得控除制度との選択制とする。

8.相続税・贈与税関係
 @相続税については、「富の一部を社会に還元する」考えに立ち、遺産課税方式への転換を検討する。

 A贈与税については、現世代への生前贈与による財産の有効活用の視点で見直しをする。

9.国際連帯税について
  国境を越える特定の経済活動に課税し、貧困撲滅・途上国支援を目的に国際機関の財源確保のための「国際連帯税」の検討をする。
10.個別間接税関係
 @単一の経済行為に係わる消費税以外の2本立て課税となる個別間接税を整理し、消費税に1本化する。

 A嗜好品、エネルギーに係わる個別間接税は、「グッド減税・バッド課税」の考えを基本とする。

11.酒税・たばこ税
 @酒税は、アルコール度数に比例した税制体系とする。

 Aたばこ税は、健康に与える影響を考えた基準で課税方式を検討する。

12.自動車関連諸税の整理、道路特定財源の一般財源化、地球温暖化対策税
 @自動車関連諸税は複雑で、一部が二重課税となっているが、自動車取得税は消費税との二重課税を回避するために廃止する。

 A自動車税と自動車重量税は、保有税(地方税)に一本化し、一般財源とする。

 Bガソリン等の燃料課税は、一般財源の「地球温暖化対策税(仮称)」として一本化する。

 C暫定税率を廃止する。

13.徴税の適正化
 @滞納に係る罰則の強化及び重加算税割合を引き上げる。

 A消費税の不正還付が多いため、消費税の還付に係わる調査機能を強化する。

 B企業活動の国際化に伴い、「移転価格税制」が課題であるが、関係各国との調整を行う体制を整備すると同時に、租税条約乱
 用等の不適切事案の摘発を強化する。

 

 以上