※タイトルをクリックすると見たい内容へジャンプします。
- 公益法人制度改革に対する法律が平成20年12月に施行されることとなっていますが、その改革の意義や目的は?
- 公益法人制度改革の目的とは?
- 公益法人制度改革が平成20年12月に施行される予定となっていますが、今後に予想されるスケジュールは?
- 公益法人制度改革の法律の構成は?
- 平成20年12月以降、現行法人はどのような形になっていきますか?
- 前の質問では、現行公益法人は一般社団・財団法人、公益社団・財団法人その他一般法人等へと移行を図る必要があるとなっていますが一般社団・財団法人と公益社団・財団法人との違いは?
- 現行公益法人の移行の際に注意すべき点は?
- 公益認定基準(公益法人認定法)のことについてお聞きしたいのですが?
- 移行のスケジュールはどのように考えればいいですか?
Q公益法人制度改革に対する法律が平成20年12月に施行されることとなっていますが、その改革の意義や目的は?
- A
-
公益認定法第1条において「この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施が公益の増進のために重要となっていることにかんがみ、当該事業を適正に実施し得る公益法人を認定する制度を設けるとともに、公益法人による当該事業の適正な実施を確保するための措置等を定め、もって公益の増進及び活力のある社会の実現に資することを目的とする。」とされていますが、改革の発端としては、公益法人が内包する諸問題(天下り、不要不急の補助金給付。不公正取引、営利競合など)にあると言われています。
Q公益法人制度改革の目的とは?
- A
-
大きく3つの目的があり、それは3つのキーワードとして説明されます。
フリー … 主務官庁制度の廃止、事前規制から事後規制へ フェア … 公益法人側も社会に開かれた存在として一定の規律を有し、市民に対して透明性の高い経営を心がけるという意味での公正な運営を指します。 グローバル … 明治憲法下の公益法人制度を、民間公益活動先進国のように市民の、市民による、市民のための公益法人制度への脱皮を目指す。 ((財)公益法人協会 「新公益法人制度はやわかり」より)
Q公益法人制度改革が平成20年12月に施行される予定となっていますが、今後に予想されるスケジュールは?
- A
-
今後に予定されている具体的なタイムスケジュールは以下の通りとなっております。
年 月 日 内 容 平成19年7月10日
〜
平成19年8月8日公益認定等に係る政令内閣府令の制定に関する意見募集
※177件の意見が送られたようです。平成19年9月7日 政令・内閣府令公布 (未定) 都道府県における合議制の機関設置
※兵庫県、神奈川県等は決定平成19年12月頃(未定) 平成20年度税制改正案の内容決定
※公益認定法人については、従来通り法人税課税は非課税(収益事業については課税)、又寄附金優遇税制が盛り込まれる模様です。)平成20年春頃(未定) 制度設計指針(ガイドライン)制定
※2月頃の予定平成20年12月(未定) 一般法及び認定法並びに整備法の施行
※施行日から5年間、移行期間平成25年12月(未定) 新制度への移行期間の終了
Q公益法人制度改革の法律の構成は?
- A
-
今回の公益法人制度改革の法律の構成は3部作となっております。
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
一般社団・財団法 344条文
※事業の公益性の有無にかかわらず準則主義(登記)により簡便に法人格を取得することのできる一般社団法人・一般財団法人の設立、組織、運営、管理などについて定めた法律です。
-
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律
公益法人認定法 66条文
※これまで主務官庁の許可により設立、監督が行われていた公益法人制度を改め、独立した委員会(公益認定等委員会)が公益性を認定する仕組みなどについて定めた法律です。今回の制度改革で一番のキーになる法律といえます。
- 上記2法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
整備法 公益法人関連123条文、中間法人関連37条文
※上記2法律の施行の伴い、現行公益法人の移行手続など、民法その他の関連法律の整備等について定めた法律です。
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
Q平成20年12月以降、現行法人はどのような形になっていきますか?
- A
-
平成20年12月の法施行以降、現行の法人については順次、公益法人制度改革にのっとった法人へと移行を図らなければなりません。制度改革後の移行イメージは以下の通りになります。

Q前の質問では、現行公益法人は一般社団・財団法人、公益社団・財団法人その他一般法人等へと移行を図る必要があるとなっていますが一般社団・財団法人と公益社団・財団法人との違いは?
- A
-
一般社団・財団法人と公益社団・財団法人との違いは以下の通りとなります。
一般社団・財団法人 公益社団・財団法人 法人設立 準則主義
(登記により設立)同左 社員・財産額 2名以上
(財団300万円以上)同左 目的 目的を問わない 不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与 事業 制限規定はない 主たる事業は公益法人認定法別表に掲げる事業、社会的信用を維持する上で相応しくない事業は不可 剰余金分配 不可 同左 残余財産分配 可能 社員・役員等への分配不可 情報公開 社員・債権者 一般市民を含む 監督 なし 行政庁(公益認定等委員会) 社員総会
(社団法人)
法定・定款事項の決議機関(理事会を置かない場合はすべての決議機関) 法定・定款事項の決議機関 理 事 理事会設置型は3名以上、非設置型は1名以上 3名以上 理事会 設置は任意(財団は必置) 必置、業務執行の決議機関、
理事の監督機関監事 設置は任意(大規模・理事会設置型・財団は1名以上必置) 1名以上必置 会計監査人 大規模法人は必置 同左 税 制 税の優遇なし 税の優遇あり
Q現行公益法人の移行の際に注意すべき点は?
- A
-
公益認定法人(公益社団・財団法人)、一般非営利法人(一般社団法人・一般財団法人)のどちらかの移行を目指す場合においては行政庁(又は主務官庁)の申請を行う事が必要になります。(公益認定法人については認定、一般非営利法人については認可を受ける必要があります。)移行期間において認定、申請を取れなかった場合には最悪「解散」となってしまう可能性があります。整備法(第44〜46条、98〜101条、104条2項、120条4項等)
下記の表を参照にして下さい。
Q公益認定基準(公益法人認定法)のことについてお聞きしたいのですが?
- A
-
今回の新制度において中核をなす法律となります。今後発表されるガイドラインを見ないと具体的な事は申し上げられませんが、主な内容は以下の通りとなっています。
(1)実質的基準(公益認定法第5条第1号)
「公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。」
公益目的事業とは、公衆衛生、学芸、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号(※「別表の事業」参照)に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう。(公益認定法第2条)※ 不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するかどうかについてですが、例えば会員の為に行われるサービス等については不特定かつ多数には該当しない可能性が高いことから公益性が無いと判断される可能性があるようです。
ただし、(財)公益法人協会における見解では、サービスを受ける受益者が特定されているとしても、その背後に不特定かつ多数の利益の増進に寄与する場合には公益性があると判断すべきとしていることから、その判断基準は極めて流動的なものになっています。流動的であるということは逆に言うと、どちらに転んでもおかしくないという事になりますので、公益認定を目指す場合には会員向け以外のサービス等を充実させる事が重要な課題となるかと思われます。
(2)経理的基礎(公益認定法第5条第2号)
「公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること」
内閣府令において、「経理的基礎」の要素の一つである法人の開示能力については比較的大規模な法人に関しては会計監査人が設置されているか、公認会計士あるいは税理士が監事を務める事等(有償で)を判断基準とすることにより、会計に関する有資格者が適切かつ責任ある形で法人の情報開示に関与することを要求する方向で検討されています。ただし、何をもって経理的基礎及び技術的能力を有するとするかは今後の検討事項となっています。なお、パブリックコメントの回答としては、一定の帳簿書類を備え付けていること、不適正な経理を行ってないこと、財産管理の体制整備がなされていること、開示能力があること等を確認出来ることとされていますが、やはり具体的には検討中とのことです。
別 表 の 事 業 別表(第2条関係) 1. 学術及び科学技術の振興を目的とする事業 2. 文化及び芸術の振興を目的とする事業 3. 障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若しくは犯罪による被害者の支援を目的とする事業 4. 高齢者の福祉の増進を目的とする事業 5. 勤労意欲のある者に対する就労の支援を目的とする事業 6. 公衆衛生の向上を目的とする事業 7. 児童又は青少年の健全な育成を目的とする事業 8・ 勤労者の福祉の向上を目的とする事業 9. 教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養することを目的とする事業 10. 犯罪の防止又は治安の維持を目的とする事業 11. 事故又は災害の防止を目的とする事業 12. 人種、性別その他の事由による不当な差別又は偏見の防止及び根絶を目的とする事業 13. 思想及び良心の自由、信仰の自由又は表現の自由の尊重又は養護を目的とする事業 14. 男女共同参画社会の形成その他のより良い社会の形成の推進を目的とする事業 15. 国際相互理解の促進及び開発途上にある海外の地域に対する経済協力を目的とする事業 16. 地球環境の保全又は自然環境の保護及び整備を目的とする事業 17. 国土の利用、整備又は保全を目的とする事業 18. 国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業 19. 地域社会の健全な発展を目的とする事業 20. 公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進による国民生活の安定向上を目的とする事業 21. 国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保を目的とする事業 22. 一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業 23. 前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるものを目的とする事業 (3)計量的基準
(a)公益目的事業の収入≦その実施に要する適正な費用を償う額
(第5条第6号、第14条)※常に剰余金が生じることが見込まれる事業活動は非営利の公益法人としては相応しくないというものです。
もっと簡単にいうと、公益目的の事業については黒字を出しちゃ駄目ということになります。
なお、公益認定の際は「その行う公益目的事業について、当該公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を超えないものと見込まれるものであること」としており、見込みの数字で公益認定が判定されます。そして公益認定された法人が、結果的に収入が費用を超えた場合には認定取消し事由になっています。
したがって、公益認定が取消されるかどうかは、公益認定等委員会の判断によるものであり、収入が費用を上回ったからといって必ずしも公益認定が取消されるわけではないが、収入と費用についてどこまで含んで判断するのかについては非常に重要な部分となり、今後発表されるガイドライン等に留意する必要があります。
(b) 公益目的事業費率が100分50以上となると見込まれるものであること(50%ルール)
(第5条第8号、第15条)(算式)
公益目的事業の費用 
公益目的事業の費用 + 収益事業等の費用 + 必要な経常的経費 
≧ 50% 公益目的事業の費用 : 公益目的事業の実施に係る費用の額として内閣府令で定めるところにより算定される額 収益事業等の費用 : 収益事業等の実施に係る費用の額として内閣府令の定めるところにより算定される額 必要な経常的経費 : 当該公益法人の運営に必要な経常的経費の額として内閣府令で定めるところにより算定される額いわゆる管理費等がこれにあたる。 前頁の算式が示すところは、公益法人は公益目的事業を行うことが主たる目的であること(法第5条第1号)から、公益法人が行う全ての活動の規模に占める公益目的事業の規模に割合は、少なくともその半分を占めていることが必要であることを要求するものになります。
もっと簡単にいうと、半分以上は公益目的事業を行いなさいということになります。
なお算式における費用の額については内閣府令で定めるところにより算定するとされています。内閣府令からみる主な内容は以下の通りとなります。① 前頁の費用については基本的に、損益計算書(正味財産増減計算書)上の各事業費、管理費をそれぞれ採用する。 ② 趣旨が公益法人の活動の規模の把握にあることから、事業用資産や運用資産の評価損や売却損は除外することが適当 ③ 共通する費用は適正かつ合理的な基準で配賦すること
※事業費や管理費の定義及び費用配分の考え方については公益認定等委員会にて検討中④ 引当金については、繰入額は、繰り入れた事業年度の事業費とし、取崩額は、取り崩した年度の事業費から控除 ⑤ 法人の計算書類から離れた調整科目として、費用として把握されない法人の活動で、継続性を条件にして以下の3点については公益目的事業比率の算定に含めるものとする。
(ア)無償の役務提供等
(イ)将来の特定の活動の費用に充てるための資金の積立て
(ウ)非減価償却資産長々と述べてしまいましたが、この費用の配分が一番難しい部分になってくるのではないかと思われます。
また、不明確な部分が非常に多く、ガイドラインの発表が待たれるところです。(C)遊休財産額 ≦ 当該事業年度に行った、公的目的事業と同一の内容及び規模の公的目的事業を、
翌事業年度も引き続き行うために必要な額として、当該年度の公的目的事業の費用を基礎に、
内閣府令で定めるところに従って算定した額
(第5条第9号、第16条)※ 財産(ストック)が、公益目的事業費用の1年分以下であることを要求しています。
つまり、公益目的事業に使われない財産を多くもたないようにという事になります。(4) 株式等の保有(公益認定法第5条15号)
「他の団体の意思決定に関与することができる株式その他内閣府令で定める財産を保有していないものであること。
ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配する恐れがない場合として政令に定める場合は、
この限りでない。」※下線の部分については、株主総会など当該団体の事業活動の方針を決定する機関における議決権の
過半数を有していない場合とすることが適当であるとされています。
Q移行のスケジュールはどのように考えればいいですか?
- A
-
公益社団・財団法人を選択する場合において、認定を受ける場合には相当の時間を要する事が予想されます。一般的には2年〜3年を要する見込みのようです。方向性を定めるだけでも2年前後を掛かる事も予想されることから、早めの準備が必要になってくることと思われます。新制度が施行されるまでの事前準備として以下の項目について検討する必要があると思われます。
((財)公益法人協会参照 )1. 役員・社員その他関係者への周知徹底
役員(理事)の方々への公益法人制度改革の内容についての確認、理解を得る。2. 検討組織(委員会など)の立上げ
理事の方々は勿論の事、有識者も委員会に参加して頂く事も必要かと思われます。3. 移行先法人の選択
公益への移行か、一般社団への移行か、若しくは一般法人となるかの選択をする必要があります。その際には、本会の現状認識が非常に重要になります。4. 移行時期の目処
施行後5年間の猶予期間は設けられているものの、ギリギリのタイミングで申請をした際、その申請について認定されなかった場合には、残された道を選択する事が出来なくなる可能性があり最悪の事態「解散」に陥ってしまう可能性があります。また、移行期間中にその申請について認定がされなかった場合においても、どの点が認定基準等にそぐわなかったのか明示されるので、その点を是正して移行期間中に再申請を行う事が可能になっています。そのことからも申請へ向けて余裕をもったスケジュールを作成する必要があります。




















